C11比較・選び方

ドライヤーはペット用と人用でどう違う?

公開日 2021年3月3日|文=mofuwa編集部

明るい窓のそばで、淡い色の床の上に落ち着いて座っている白っぽい毛の犬
ドライヤーを比べるときに最初に数えるのは、温度の数字より、空いている手の本数です。写真:Leohoho/Pexels

シャンプーのあと、右手にドライヤー、左手でその子の体を押さえたところで、毛を分ける手がもう残っていない。洗面所で最初につまずくのは、たいていここです。ペット用ドライヤーと人用の違いは、風の温度や強さの数字として語られることが多いのですが、家の中で最初に困るのは人の手が何本要るかという側です。毛を分けられなければ、風は表面で散って根元へ届きません。届かないぶん、同じ面に当てる時間が延びます。この記事では、空いている手の本数・同じ面に当たり続ける秒数・音の届き方の3つで、どちらをどう使うかを決めます。

洗面所で足りなくなるのは、風量より手の本数|ペット用ドライヤーを考える前提

乾かす作業に要る手は、数えてみると3本あります。本体を持つ手、毛を分けて根元を出す手、その子が動かないように支える手。人の手は2本なので、どれか1つを毎回あきらめることになります。あきらめた1本がどれかで、その日の乾き方が決まります。ペット用ドライヤーという道具が生まれた理由の多くは、この3本目をどう作るかという点に集まっています。

この6つのうち、店頭の表示で分かるのは風量と温度だけです。残りは、その家の洗面所の広さと、その子の動き方でしか決まりません。だからペット用ドライヤーの選び方は、数字を比べる前に、いまの家で何本の手が空いているかを数えるところから始めると外しにくくなります。

数え方は簡単です。次にシャンプーをした日に、乾かし終わるまでのあいだ、毛を分ける動作が何回できたかを覚えておきます。0回だったなら、風はほとんど表面を通っただけです。10回できていれば、根元まで届いた面が10か所あったことになります。犬でも猫でも、この回数が乾き終わる時刻をいちばん動かします。

自分で動かせる人と、動けないその子|ペット用ドライヤーと人用の違いが出る場所

人用の道具は、使う人が自分で熱さを感じて、熱ければ手を動かすという前提でつくられています。頭皮が熱くなれば、人は無意識に本体を遠ざけるか、当てる場所を変えます。この前提が、その子には成り立ちません。押さえられている体は、熱い面から逃げられません。そして被毛は、表面の熱を人の手に伝えにくく、根元にこもった熱も見た目に出てきません。

同じ風を当てているのに、人とその子で何が違うのか
見るところ自分で使うときその子に当てるとき
熱いと感じる人当てている本人当てられている側だけ
逃げられるかすぐに手を動かせる押さえられていて動けない
熱のこもる場所頭皮が直接受ける毛の下に残り、外から見えない
空いている手片手で十分に足りる3本目が毎回足りない
音の距離自分の耳から20センチほど耳のすぐ横で鳴ることがある
終わりの決め方乾いた感触で自分が決める人が触って決めるしかない
結論の行人が使うぶんには前提が合っているその子には手順の側で条件をそろえる
送り出した風が、根元へ届くまでの道すじ 本体から出た風は、まず毛の表面に当たります。濡れて束になった毛はそこで風を横へ逃がすので、根元へは残りぶんしか届きません。毛を分ける手が1本あると、この束を越えられます。 本体の風 毛の表面へ 束になった毛 横へ逃がす 根元 残りぶんだけ まず表面に当たる 束を越えられない 毛を分ける手がないとき 表面だけが先に乾く 内側に水が残ったまま終わる 手が1本空いたとき 指のあいだに風が入る 同じ秒数で根元まで届く
止める場所は風量の数字ではなく、束になっている毛の側です。

表の最後の行が、この記事での結論です。道具そのものの良し悪しではなく、前提が違うという一点で分かれます。人用を使うのであれば、人が自分で果たしていた「熱ければ動かす」という役割を、手順の側に移し替える必要があります。ペット用ドライヤーの多くが低めの温度帯と大きめの風量で組まれているのは、この役割を道具の側で引き受けているからです。

見分け方として分かりやすいのは、本体を手から離せるかどうかです。スタンドに掛けられる、フックに吊るせる、床に置いても風の向きが変わらない。どれか1つでも当てはまれば、毛を分ける手が空きます。空いた1本が、乾き終わる時刻をいちばん短くします。風量の数字を1段上げるより、この1本を空けるほうが分数を縮めます。

同じ面に3秒以上とどめない|温度の数字より先に決める、乾かすときの手順

温度を何度にするかという問いは、答えが出しにくくできています。同じ温度でも、距離が半分になれば面が受ける熱は増えますし、同じ距離でも、当て続ける秒数が3倍になれば結果は変わります。数字を1つ決めても、残りの2つが動くので条件がそろいません。そこで、家で守れる形にすると「同じ面に3秒以上とどめない」という手順になります。

この手順は、どちらの道具を使っていても同じように置けます。ペット用ドライヤーを持っていない家でも、今日から条件をそろえられるという意味で、いちばん先に決めておく価値があります。逆に、手順を置かないまま道具だけを替えると、風量が上がったぶん、同じ面にとどまる時間が長くなることもあります。

音のほうは、距離で決まります。同じ音量でも、耳から10センチと50センチでは、その子に届く大きさがまったく違います。本体を手で持つと、どうしても体に近づきます。掛けられる形にして離せば、音の側も同時に弱まります。使い分けを考えるときは、静かさという表示よりも、本体をどこまで離せるかを見るほうが当たります。

タオルで先にどこまで運び出したかも、ここに関わってきます。拭き終えた時点で残っている水の量が、そのまま風を当てる分数になります。布の枚数を1枚増やすほうが、風量を1段上げるより短く済むことがあります。シャンプーの日の全体を見ると、乾かす工程の長さは、乾かす前の工程でほとんど決まっています。

風を当てる前に毛を分けておく|毎日の側でペット用ドライヤーの時間を短くする使い分け

根元へ風が入るかどうかは、濡れた毛がどれだけ束になっているかで決まります。束のまま乾くと、表面だけが先に乾いて、内側に水が残ります。毛を分ける手が足りない家ほど、この束が残ります。ここを毎日の側から崩しておくのが mofuwa グルーミングスプレーです。

犬も猫も体から脂を出しますし、散歩に出れば外のものも毛に乗ります。毎日きれいにしてあげたいと思っても、毎日シャンプーはできませんし、サロンへ毎日通うこともできません。この1本は、シャンプーの日と日のあいだにある毎日のほうを引き受けます。吹きかけてブラシを通すだけなので、手順は1つしか増えません。

毎日ブラシが通っている被毛は、洗う日にも束になりにくく、同じ風量でも根元まで入る面が増えます。結果として、同じ面にとどめる秒数を守ったまま、当てる回数のほうが減ります。アルカリ電解水と油がなじんで乳化するので、汚れのもとになっている余分な脂は落ち、地肌に要る皮脂は残ります。口が届く場所にかかっても差し支えのない基準に合わせてあるので、耳のふちでも足先でも、量を加減せずに使えます。

グルーミングスプレーはブラッシングスプレーでもあるので、乾いた季節に毛が立つ日でも、静電気の起きにくい状態のまま梳かせます。お風呂そのものが負担になる子には、洗う回数を組み直したうえで、この1本とブラシで1日を終える日をつくれます。ドライヤーの時間を短くしたいときに動かせるのは、当日の風量よりも、前日までの毛の状態のほうです。

Caution3秒の手順を守っているのに、同じ面だけ残るとき

同じ面に3秒以上とどめていないのに、その面だけ赤みが引かない/乾かし終えた翌日に同じ場所をなめ続ける/風を当てた面の毛だけが抜ける量が増えた/音を離しても以前は入れた洗面所に入らなくなった/根元の冷たさが2時間たっても残る。こうした残り方は、道具を替えても手順を細かくしても動きません。どの面に、何秒ずつ、何回当てたかを書き留めて、動物病院で診てもらってください。条件をそろえて数えた記録があると、皮膚と耳のどちらを先に見るかが決まります。

いまある道具のまま、明日の洗面所で変えられること

買い替えを決める前に、いまの洗面所で空く手が1本あるかどうかを見ます。掛けられるフックが1つあれば、本体を持つ手が空きます。空いた手で毛を分けられるようになると、同じ道具でも根元へ入る面が増えます。ここまでやってなお分数が変わらないときが、道具の側を見る番です。

空いた手の本数で、次にやることが変わる
いまの状態起きていること次にやること
両手がふさがっている毛を分ける手が0本本体を掛ける場所を1つ作る
本体は置けるが体が動く支える手に持っていかれる面を小さく区切って回数で進める
毛は分けられるが時間が長い拭き取りが足りていない布を1枚足して水を先に減らす
嫌がって洗面所に入らない音の距離が近すぎる本体を離して、耳の側から始めない
ここまでやって分数が同じ風量が体格に合っていないペット用ドライヤーを見にいく

この表の見方は、比べる対象を「道具の種類」から「空いている手の本数」に置き換えることです。手が1本空けば、多くの家でここまでの4行で足ります。それでも足りない体格と毛量の子がいて、そこではじめて道具の側の差が出てきます。順番を逆にすると、買い替えたのに同じ時間がかかるという結果になりがちです。

明日できるのは、洗面所に掛ける場所を1つ作っておくことだけです。そこへ本体を掛けた瞬間に、3本目の手が生まれます。そのあとで風量や温度の数字を見にいけば、比べる基準が自分の家の側に立っています。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

商品ページを見る

よくある質問

冷風だけで乾かせば、熱の心配はなくなりますか。
熱の心配は減りますが、代わりに時間が延びます。同じ量の水を飛ばすのに、風の温度が低いぶん長く当てることになるので、押さえられている時間そのものが増えます。動けない時間が長くなると、次の回から洗面所に入らなくなることがあります。冷風で通すなら、拭き取りの側で水をできるだけ減らして、当てる面を小さく区切り、1回を短く切り上げてください。冬場は部屋の温度も一緒に見ておく必要があります。
猫にも風を当てて乾かしたほうがいいですか。
猫は自分で毛づくろいをして水を移せるので、犬と同じ前提では考えません。体が小さいぶん、濡れたまま置くと体温を持っていかれる時間は短く、逆に音と拘束のつらさは強く出ます。布で運び出せる量を先に増やして、風は首の後ろや肩のあいだなど、自分で届かない面に短く当てるだけで足りることがあります。その子が逃げた時点で終わりにできる形にしておくほうが、翌週も続きます。
風量が強い道具ほど、短い時間で終わりますか。
同じ距離と同じ当て方なら短くなります。ただ、強い風は毛を寝かせてしまうこともあり、束のまま表面だけが乾く状態が起きやすくなります。根元まで入っていなければ、乾いたように見えて内側に水が残り、結局もう一度当てることになります。風量を上げたときほど、毛を分ける手が空いているかどうかが結果を分けます。数字を上げる前に、手を1本空ける工夫を先に置いてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。