C04悩み解決
季節の変わり目に皮膚の乾燥が増えるのは、なぜか
10℃で湿度60%だった空気は、20℃まで温めるだけで湿度が32%まで落ちます。空気に含まれている水分の量は、温める前と後でまったく同じです。皮膚の乾燥が季節の変わり目に増える時期、その子が過ごしている部屋では、この下げ幅が1日のうちに何度も繰り返されています。しかも季節をまたいでゆっくり進むのではなく、朝から夜までのあいだに何度も往復します。この記事では、その仕組みを数字で確かめたうえで、1日のどこで温度差が起きているかを数えていきます。
外が乾いたのではなく、部屋で乾かしています
季節の変わり目に皮膚の乾燥が増えると聞くと、外の空気が乾いてきたからだと考えたくなります。乾燥が増えるのは、外ではなく部屋の中で起きています。けれど、その子が1日のほとんどを過ごしているのは室内です。外の空気がどれだけ乾いていても、その空気に直接あたっている時間はごくわずかです。
では室内で何が起きているのか。答えは単純で、空気を温めると、水分の量が変わっていなくても湿度は下がります。暖房をつけた瞬間、部屋の空気は水分を1滴も失っていないのに、湿度計の数字だけが落ちていきます。皮膚や毛が向き合っているのは、この下がったあとの数字のほうです。
天気予報で見る湿度は、その温度の空気が抱えられる限界に対して、いま何割入っているかを示しています。抱えられる限界は温度が上がるほど大きくなるので、中身が同じでも温度を上げれば割合は下がります。乾いたのではなく、分母が大きくなった、という言い方のほうが近いです。
温めると、湿度はどこまで下がるのか
数字で見たほうが早いので、代表的な組み合わせを並べます。いずれも空気に含まれている水分の量は、温める前と後でまったく同じです。変えたのは温度だけです。
| 取り込む前の空気 | 室内で温めると | 湿度は |
|---|---|---|
| 5℃・湿度60% | 20℃ | 約24% |
| 10℃・湿度60% | 20℃ | 約32% |
| 10℃・湿度60% | 25℃ | 約25% |
| 15℃・湿度60% | 22℃ | 約40% |
10℃で湿度60%というのは、決して乾いた空気ではありません。それを20℃まで温めるだけで、約32%まで落ちます。さらに設定を25℃まで上げれば、約25%です。外の湿度計が60%を指している日に、部屋の中は30%を切っている。季節の変わり目に起きているのは、この差です。
表からもうひとつ分かるのは、取り込む前の温度が低いほど、同じ室温まで温めたときの落ち幅が大きくなることです。朝いちばんの冷えた空気ほど、温めたあとに下がります。
1日のうちに、何回起きているか
1日のうちに何回起きるかで、乾燥の増える量が決まります。ここからが本題です。この上げ下げは、季節をまたいでゆっくり進むものではありません。1日のうちに、何度も往復しています。その子が過ごしている場所で、どこに温度差があるかを数えてみてください。
| 時間帯 | 何が起きているか | その子がいる場所 |
|---|---|---|
| 起床直後 | 冷えた部屋を一気に温める。落ち幅がいちばん大きい | 寝床。まだ動いていない |
| 日中の外出中 | 暖房が止まり、室温が下がる | 留守番の部屋。数時間そのまま |
| 帰宅直後 | また一気に温める。2回目の落ち幅 | 玄関から部屋へ移動する途中 |
| 就寝前 | 暖房を切る。室温が下がりはじめる | 寝床に入るタイミング |
多くの家で、1日に2回、大きな上げ下げが起きています。そして注目したいのは、そのどちらもが、その子が同じ場所にいる時間帯と重なっていることです。朝の1回目は寝床にいるあいだ、夜の下がりも寝床に入ったあとです。1日のうち温度差がいちばん動く時間に、その子はいちばん長く同じ場所にいます。
- 暖房を切る時間を減らす:一日中つけっぱなしのほうが、上げ下げの回数は減ります
- 設定温度を1℃下げる:25℃を20℃に近づけるだけで、落ち幅は数字のうえで小さくなります
- 温風が寝床に向いていないか確かめる:部屋全体より、その1か所の温度差が大きくなります
気温が落ち着いても、戻らないとき
温度差が理由になっているなら、暖房を使う頻度が減っていく時期に、皮膚の様子も少しずつ落ち着いていきます。だから、季節が進んで室温の上げ下げが減っても変わらないときは、季節の話ではなくなっています。
皮膚が赤い、じゅくじゅくしている、においが出てきた、フケと一緒に毛が抜けて地肌が見えている、掻くのが止まらず眠れていない、体の片側だけに出ている、口や目のまわりなど特定の場所に集中している、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、環境を整えて様子を見る対象ではありません。動物病院にご相談ください。
相談するときは、いつから、どのあたりに、暖房をどう使っているかをメモしていってください。「暖房を一日中つけるようにしてから2週間、変わっていない」という一文が、家でやったことを説明する材料になります。
外と室内を行き来する、数分間
犬の場合、もうひとつ回数の多い温度差があります。散歩です。玄関を出た瞬間と、帰って部屋に入った瞬間。1回の散歩で2回、10℃前後の差をまたいでいます。これが朝と夕方にあれば、1日4回です。
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帰宅直後に、すぐ温風の前へ連れて行かない
冷えた体をいちばん早く温めたくなる場所ですが、そこは室内でもっとも温度差が大きい一点です。まず部屋の温度に数分なじませてからにしてください。
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足先を拭くのは、玄関で終わらせる
濡れたまま部屋に入ると、温まった空気のなかで水分が飛ぶぶんだけ冷えます。拭くのは温度差をまたぐ前です。
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服を着せているなら、部屋に入って数分後に脱がせる
玄関で脱がせると、いちばん差の大きい瞬間に直接あたることになります。順番を後ろにずらすだけで違います。
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猫は、行き来の代わりに窓辺と暖房の往復を見る
外に出なくても、窓辺と暖房の近くを行き来していれば、同じことが室内で起きています。どこで寝ているかを日中に一度確かめてください。
湿度計を置くのは有効ですが、数字を見て一喜一憂する必要はありません。見るのは「今日は何回、大きな温度差をまたいだか」のほうです。回数が減れば、湿度計の数字も自然に安定します。
帰ってから数分おいて、体が部屋の温度になじんだころ。この数分は、乾いている場所に何かをなじませるのにもいちばん向いた時間です。冷えているあいだは血のめぐりが落ちていますし、温風の前ではなじませたそばから水分が飛びます。順番を後ろにずらす、という点では、服を脱がせるのと同じ考え方です。
mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、舐めても問題のない基準でつくられています。乾いた地肌のお手入れでいちばん難しいのは、なじませたものを、その子が自分で舐めて取ってしまうことです。猫の乾燥肌のお手入れではとくに、毛づくろいのたびに落ちてしまうので、舐めても差し支えないことが「続けられるかどうか」をそのまま決めます。足先、口のまわり、内股。散歩から帰って数分たったところで、乾いている場所だけになじませてください。
この数分をずらす手も、なじませる手も、どちらも1日のうち数分で終わります。季節が進んで暖房を使う日が減るころには、同じことをしても手ごたえが薄くなります。それでかまいません。温度差をまたぐ回数が減れば、地肌の側が追いつけるようになるからです。次に暖房を入れはじめる時期が来たら、また同じ数分に戻してください。1年に2回、切り替える時期を覚えておくだけで済みます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 加湿器を置けば解決しますか?
- 湿度計の数字を上げる手段としては有効です。ただし温度差そのものは残ります。加湿器を置いても、暖房を1日に2回つけ直していれば、その2回の上げ下げは起きています。数字を足すより、上げ下げの回数を減らすほうを先に試してください。
- 猫は散歩に行かないので、温度差は関係ありませんか?
- 室内にも温度差はあります。窓辺と暖房の近くでは、同じ部屋でも数℃の差があります。猫は自分で居心地のよい場所へ移動するため、1日のうちに何度もその差を往復していることがあります。猫の乾燥肌のお手入れを考えるときは、まずどこで寝ているかを確かめてください。
- 春になっても乾燥が続いています。季節の変わり目は終わったのでは?
- 暖房を使う日が減れば温度差も減ります。それでも続いているなら、季節の説明では足りていません。何月から続いているかをメモして、動物病院にご相談ください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
