C04悩み解決
背中のベタつきを繰り返さないために、毎日やっておきたいこと
朝に服を着せてから夕方に脱がせるまでの8時間、ベタつきやすい背中の毛には一度も風が当たっていません。増えているのは皮脂の量そのものより、その皮脂が空気に触れないまま留まっていた時間のほうです。予防のためにできることも、そこから決まります。1日のうち何分、背中に風が通る時間を作れるか。毎日やっておきたいことは、この一点にぶら下がります。
毎日のうち、背中に風が当たっていない時間を数える
皮脂とは、毛穴のわきにある皮脂腺から出て、毛と地肌をおおう油のことです。出る量そのものは、その子の体質と季節でおおよそ決まっていて、飼い主が毎日動かせるものではありません。変えられるのは、出たあとの時間のほうです。皮脂は空気に触れているあいだに少しずつ酸化して、毛の表面から離れていきます。逆に、空気に触れないまま毛と毛のあいだに留まると、体温で温められ、手のひらにつく感触に変わります。ベタつきは量の話ではなく、この留まった時間の長さです。
そこで、予防のためにできることを考える前に、その子の1日を時間で割ってみてください。背中の毛に風が当たっていない時間は、思っているより長くなります。
| 場面 | 背中の毛に起きていること |
|---|---|
| 服やハーネスを着せている日中 | 毛が寝たまま押さえられ、あいだを空気が通らない |
| レインコートを着ての散歩 | 外にいても、背中だけは外気に触れていない |
| 寝ているあいだ(7〜10時間) | 同じ面が寝床に接し、体温で温まったまま |
| 抱いている・膝に乗せている時間 | 毛が押さえられ、人の体温も加わる |
| ブラシを入れた直後の数分 | 毛が起きて、この日いちばん風が通る |
合計すると、1日のうち背中に風が通っているのは1時間に満たない、ということが起こります。毎日ブラシを入れているつもりでも、毛を起こしている時間そのものは数分です。ベタつきの予防で先に増やすのは、洗う回数ではなく、この合計の分数です。被毛の下に熱と湿気がこもっている状態が続くかぎり、皮脂は毛のあいだに留まり続けます。
洗えば皮脂は一度落ちますが、地肌のうるおいも一緒に流れます。そのあと皮脂は元の量まで戻ろうとするため、手ざわりが戻るまでの日数が、かえって短くなることがあります。予防の考え方としては、量を減らす方向より、留まる時間を短くする方向のほうが毎日続きます。
予防のためにできること ― 手順は3つ、記録が1つ
やることを増やすと続きません。ここでは、背中に風を通すためだけの手順を3つと、続いているかどうかを見るための記録を1つ置きます。洗う工程は1つも入っていません。
-
着せているものを外す時間を、先に決める
服、ハーネス、レインコート。着せていること自体が問題なのではなく、外している時間が1日のうちに一度も来ないことが問題です。帰宅してすぐの30分、夕食のあとの30分というように、時間帯のほうを先に決めてください。決めないと、その日の流れの中で消えます。散歩から帰ったらハーネスを玄関で外す、というところまで動線にしておくと、考えなくても続きます。
-
寝床の面を、毎日どこか入れ替える
洗わなくて構いません。裏返す、向きを90度変える、上に敷いたタオルの上下を入れ替える。どれか1つで足ります。寝床は、1日のうち背中がいちばん長く触れている面です。同じ面が同じ場所に当たり続けるかぎり、そこだけが皮脂を受け取り続けます。面を替えると、昨日受け取った側が上を向いて乾きます。
-
背中に手のひらを当てて、温度を確かめる
確かめるのは感触だけではありません。首の後ろ、背中の真ん中、腰の3か所に手のひらを当てて、どこか1か所だけ温かくないかを見ます。周りより温かい場所は、熱と湿気がこもっている合図です。ベタつきは、たいていそこから出はじめます。5秒で終わります。
-
風を通せた日に、カレンダーへ1文字だけ書く
○か×だけで構いません。2週間ぶんたまると、手ざわりが戻った日と、風を通せなかった日が並びます。記憶では並べられません。最近ベタつく気がするという書き方では、翌週と比べられなくなります。
3つとも、背中に風を通すためだけの手順です。毎日の予防で扱えるのはここまでで、皮脂の量そのものは家庭で動かす対象ではありません。ブラシを入れるなら、この3つのあとにしてください。毛を起こしても、そのあと服を着せてしまえば、起こした毛はまた寝ます。
時間が作れない日に、家でできること
毎日できないから続かない、というところで多くの人が止まります。仕事が長い日、雨で散歩が短い日、来客がある日。そういう日は、3つのうち2番目の「面を変える」だけで構いません。ベタつきが最初に出るのは、寝床に触れていた面だからです。3つそろえられない日を、やらなかった日にしないための決めごとです。
面を変えるだけでいい理由は、時間あたりの取り分です。寝床は、背中が1日に7〜10時間触れている面で、手順のなかでいちばん長く関わります。10秒で終わって、洗濯機を回す必要もありません。
- 毛布を裏返す:昨日、背中が触れていた面を上に向けて乾かします
- ベッドの向きを90度回す:寝る位置がずれるので、同じ面が同じ場所に当たり続けません
- 上に敷いたタオルだけ替える:洗濯は週末にまとめて構いません。替えの1枚を近くに置いておきます
- ハーネスを玄関で外す:着せたまま部屋に上がらない、という一手だけでも、その日の分数は増えます
洗う回数を増やす。扇風機やドライヤーの風を、背中の1か所に当て続ける。汗ばむほど厚着させたまま室温を上げる。どれも、皮膚にとっては負担が増えるだけです。風は当て続けるものではなく、通る時間を作るものです。部屋の空気が入れ替わっていれば、その子が寝返りを打つだけで、毛のあいだを空気が通ります。
続けられているかどうかは、日数で見ます。洗った日を0日目として、背中のベタつきが戻るまでに何日かかるかを数えてください。その日数が、その子の基準になります。2週間やってみて戻るまでの日数が延びていれば、風を通す時間は足りてきています。
風を通しても戻るときは、やり方の外にある
ベタつきが戻るまでの日数が変わらない、あるいは短くなっているときは、やり方の中を細かくしても動きません。そのときは、被毛の側ではなく皮膚の側で何かが起きています。次のいずれかがあるなら、毎日の予防を続ける前に見てもらってください。
- 地肌が赤い、黒ずんできた、かさぶたやべたついたフケが毛にくっつく
- 同じ場所の毛が薄くなってきた、または左右のどちらか片側だけが強い
- 洗った直後から手ざわりが戻る、においが数日続く
- その子が背中を気にして、舐める・かく・床にこすりつける時間が増えた
- 食べる量や水を飲む量が変わった、体重が動いた
いずれかに当てはまるときは、自己判断で毎日の手順を増やさず、動物病院にご相談ください。皮膚の状態は、家庭での手ざわりでは見分けられません。相談するときは、洗った日と、手ざわりが戻るまでの日数を書いたメモを持っていってください。「最近ベタつく」という言い方より、日数のほうが伝わります。カレンダーの○×が2週間ぶんあれば、それがそのまま経過の記録になります。
そのうえで、洗う日そのものについても書いておきます。この記事の数え方では、洗う日が0日目です。回数は増やさないと決めた以上、洗う日で動かせるのは手の動かし方だけになります。泡を毛にこすりつけて汚れを削り取ろうとすると、落ちるのは余分な皮脂と油だけではなくなります。地肌のうるおいまで流れたぶんは戻ろうとするので、手ざわりが戻るまでの日数が、かえって短くなります。
mofuwa モイストシャンプーは、ゴシゴシ洗いを前提にしていません。泡を立てたら、爪を立てずに指の腹を地肌に置いて、マッサージするように動かす。それがこの商品の決められた使い方で、泡の役割は、こする力の代わりをすることのほうにあります。力を強くする方向ではなく、泡が地肌に触れている時間のほうに配ってください。
洗いはじめる場所も、3つ目の手順で見つけたところにしてください。首の後ろ、背中の真ん中、腰のうち、手のひらに周りより温かく感じた1か所です。そこは熱と湿気がいちばん長くこもっていた面なので、指の腹を置いている時間も、そこがいちばん長くなります。流すときは、同じ場所に湯を最後まで通してください。地肌に成分が残ると、乾いたあとにその場所だけ赤みやブツブツが出ることがあります。
洗った日を0日目にして、戻るまでの日数をもう一度数え直してください。動かせるのは、風を通せた分数と、洗う日の手の動かし方の2つだけで、どちらも皮脂の量そのものには触っていません。2週間で日数が延びていれば、そのやり方はその子に合っています。3か月ぶん並ぶころには、季節でどれだけ日数が動くかまで見えてきて、来年の同じ時期に迷わなくなります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 毎日ブラッシングしているのに、ベタつきが戻ります。回数を増やすべきですか?
- 回数より、ブラシを入れたあとに風が通る時間があるかどうかで見てください。毛を起こしても、そのすぐあとに服を着せたり抱いたりすれば、毛はまた寝てしまいます。ブラシは1日1回のままで構わないので、そのあとの30分を空けるほうが、毎日の予防としては続きます。
- 服を着せるのは、やめたほうがいいですか?
- やめる必要はありません。寒さや汚れを避けるために必要なことがあります。問題になるのは、着せていること自体ではなく、外している時間が1日のうちに一度も来ないことです。帰宅後や就寝前など、外す時間帯を先に決めておいてください。
- 猫でも同じ考え方でいいですか?
- 背中の後ろ半分については同じです。猫は毛づくろいで自分の体をよく手入れしますが、背中の後ろからしっぽの付け根にかけては口が届きにくく、そこだけ皮脂が留まりやすくなります。寝床の面を毎日どこか入れ替えるのは、猫にもそのまま当てはまります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
