C12Q&A・豆知識
「無添加」に基準はある?
「無添加」という言葉に、業界で統一された基準はありません。数や範囲を決めた法律がないので、何を「添加していない」と数えるかは、書いた側が決めています。だから、この言葉を読むときに探すのは、その言葉のすぐ近くに置かれた名前の列挙のほうになります。「11成分無添加」と書いてあるなら、その11の名前が並んでいるか。8つなら、その8つが並んでいるか。名前が並んでいれば、自分の条件で読めます。並んでいなければ、数だけが手元に残ります。この記事では、無添加という表示を見たときに、買う前の数分で何を見ればいいのかを、8つの問答に分けて書きます。基準を探しにいくより、こちらのほうが早く終わります。
「無添加」に統一された基準はありますか
ありません。どの成分を、いくつ外せば「無添加」と名乗ってよい、という共通の基準は置かれていないとされています。業界の団体が数を決めているわけでもなく、国が一覧を配っているわけでもありません。だから、同じ「無添加」という4文字でも、指している範囲は製品ごとに違います。
誤解されやすいのはここからです。基準がないというのは、表示に決まりが何もない、という意味ではありません。表示そのものには法律の枠があり、事実と違うことを書けば問題になります。決まっていないのは「無添加」という言葉が指す範囲のほうです。事実として書ける言葉なのに、範囲だけが自由。この組み合わせが、読みにくさを作っています。
実際に起きるのは、こういうことです。店頭で「無添加」と書かれた製品が3つ並んでいたとして、1つ目は香料と着色料の2つを外したという意味で書いていて、2つ目は8つを外したという意味で書いていて、3つ目は自社が決めた11の項目を外したという意味で書いている。どれも嘘ではありません。ただ、この3つを「無添加」という言葉だけで並べても、比べたことにはなりません。基準が共通していないからです。
長さを測るときに使うものさしは、誰が使っても同じ目盛りだから比べられます。「無添加」は、目盛りの間隔を書き手が決められるものさしです。だから、2つの製品に同じ言葉が書いてあっても、その2つを並べる根拠にはなりません。使えるのは、そのものさしの目盛りが一緒に書いてあるときだけです。目盛りにあたるのが、次から書く「列挙」です。
基準がないのに、なぜ商品に「無添加」と書けるのですか
「入れていない」という書き方が、事実を述べる形になっているからです。無添加は、足したものを説明する言葉ではなく、引いたものを説明する言葉です。入れていないことは、作っている側なら確かめられます。だから書ける。問題になるのは、その引き算がどんな集合から引かれたのかが、読む側から見えないところです。
商品の表示は、大きく3つの欄に分かれていると考えると整理できます。この3つは根拠になっているものが違うので、同じ基準で読むことができません。
- 引き算の欄:無添加・フリー・不使用。何を入れていないかを書く場所です
- 足し算の欄:成分表。何が入っているかを書く場所です
- 確かめたことの欄:試験条件・検査機関・規格基準。何をどう調べたかを書く場所です
この3つのうち、共通の書き方がいちばん決まっていないのが引き算の欄です。足し算の欄には表示のルールがあり、確かめたことの欄には試験条件という物差しがあります。引き算の欄だけが、分母を書き手が決められます。だから「無添加」という言葉そのものを疑う必要はなく、その欄が持っている性質として、分母を確かめてから読むという手順になります。
念のために書いておくと、これはどこかのメーカーの書き方が悪い、という話にはなりません。基準がない以上、どのメーカーも自分で範囲を決めるしかないからです。自分たちも同じ条件で書いています。だから読む側の手順として、範囲を確かめる場所を決めておくほうが早い、という結論になります。
基準の代わりに、どこを見れば無添加は読めますか
見る場所は1か所です。「無添加」という言葉の、すぐ近くに、名前の列挙があるかどうか。ここだけを見ます。列挙があれば、その製品の無添加は読めます。列挙がなければ、その言葉からは何も読み取れません。判断が2つに割れるだけなので、迷う時間がほとんどかかりません。
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「無添加」「フリー」「不使用」の文字を探す
パッケージの表側、商品ページの見出し、広告の一行。どこにあってもかまいません。まず、その言葉がどこに書かれているかを見つけます。
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その言葉と同じ面に、名前が並んでいるかを見る
「香料・着色料・鉱物油・パラベン」のように、成分の名前が続いているかどうかです。同じ面、あるいはスクロールせずに読める範囲にあるか、が「すぐ近く」の目安になります。
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数が書いてあるなら、名前の数と合っているかを数える
「8つフリー」なら8つ、「11成分無添加」なら11。数と名前の数が合っていれば、その表示は読める形になっています。合っていないときは、注釈がどこかにあるはずなので探します。
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並んでいる名前を、自分の条件と照らす
その子が舐める製品か、香りが負担になる子か、毛に残ると絡む形状か。ここで初めて、その製品が自分の家に向いているかどうかを考えます。言葉を見た時点では、まだ何も決まりません。
この手順で大事なのは、3番目までに判断を入れないことです。名前が並んでいるかどうかは、良し悪しの話ではありません。読めるか、読めないか、の話です。読める表示を集めてから、自分の条件で選ぶ。この順番にすると、うたい文句の強さに引っぱられなくなります。
「11成分無添加」のように数が書いてあれば、基準として使えますか
数だけでは使えません。数は、分母を持っていないからです。11という数が意味を持つのは、「何の中から11を外したのか」が分かるときだけです。分母が違えば、11と8を並べても、どちらが多く外しているかは決まりません。
分母が変わるのは、製品の前提が違うからです。たとえば、水だけで成り立つ製品なら、洗浄成分を「入れない」という選び方ができます。汚れを落とす製品では、洗浄成分そのものを外すことができません。外せるものの候補がそもそも違うので、外した数を並べても比べたことにならない。同じブランドの中の2製品でも、この事情は起きます。
| 書いてあるもの | そこから読めること | そこから読めないこと |
|---|---|---|
| 「無添加」の4文字だけ | 何かを外している、ということ | 何を外したか/どの範囲で外したか |
| 「8つフリー」など数だけ | 書き手が8つを数えたこと | 8つの中身/自分が避けたいものが入るか |
| 数+名前の列挙 | 外したものの名前と、その範囲 | 外していないものが自分に合うかどうか |
| 列挙+成分表 | 外したものと、入っているものの両方 | その子の体に合うかどうか(使って確かめる) |
| 数の大小だけの比較 | 何も読めません | 優劣・安全性・向き不向きのすべて |
表のいちばん下が、この記事でいちばん書きたかったところです。数の大小を比べるのは、同じ種類の製品どうしで、かつ両方に名前の列挙があるときだけ成り立ちます。その条件がそろっていない比較は、数字が並んでいるぶん、かえって読み違えやすくなります。数が大きいほうを選ぶ、という決め方をやめるだけで、選ぶ精度が上がります。
列挙が見つからない無添加は、どう扱えばいいですか
扱い方は1つです。その言葉を、選ぶための材料からいったん外します。外すというのは、その製品を候補から落とすという意味ではありません。「無添加」という一行が判断に使えないので、ほかの欄を見にいく、ということです。
ここで間違えやすい読み方を、先に取り消し線で書いておきます。列挙が書かれていない無添加は、何か隠している。こう読む必要はありません。表示の面積には限りがあり、パッケージに載せきれずに商品ページの下のほうへ回していることもあります。書いていないことは、入っていることの証明にはなりません。読めないだけです。読めないものを、良いとも悪いとも決めないでおく、という扱いになります。
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成分表の上から3つを書き写す
成分は配合量の多い順に書かれるのが基本とされています。上から3つで、その製品が何でできているかがだいたい分かります。水が最初に来る製品なのか、油が来る製品なのかで、性格が変わります。
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末尾のいくつかを見る
後ろのほうには、量は少ないけれど目的があって入っているものが並びます。上位で「何でできているか」、末尾で「何を足しているか」が読めます。真ん中は読まなくてかまいません。
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自分が避けたいものの名前を、1つだけ決めておく
避けたいものを全部覚えるのは続きません。香りなのか、油分なのか、界面活性剤なのか。その子の事情で1つに絞ると、成分表を上から順に追うだけで判断できます。
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それでも知りたいときは、書いた側に聞く
問い合わせ先は、たいてい同じページの下にあります。「無添加と書かれている11の内訳を教えてください」と一行送るだけです。答えが返ってくるかどうかも、その製品の情報の出し方として読めます。
この4つを1回やっておくと、次からは早くなります。よく買う製品の上位3つは、たいてい似ているからです。読む対象が減っていくので、続けるほど時間がかかりません。基準がない言葉を読み解くというより、基準を自分の側に1つ作っておく、という感覚に近いところがあります。
「入れていない」と「試験で確かめた」は、同じ欄で読めますか
読めません。引き算の欄は「入れていない」という事実で、確かめたことの欄は「どういう試験条件で、何を調べたか」という記録です。片方が充実していても、もう片方の代わりにはなりません。無添加が並んでいる製品でも、試験の記録がないこともありますし、その逆もあります。
確かめたことの欄を読むときに見るのは、数字そのものより、その数字に添えられた条件のほうです。何を対象にして、どういう条件で、どこの検査機関が調べたのか。この3つが書かれていない数字は、引き算の欄に数だけが書かれているのと同じ状態になります。
自分たちの例で書きます。mofuwaが使っている電解水については、試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかったという結果が出ています(江東微生物研究所、日本食品分析センターなどの検査機関による)。これは試験の条件のもとで確かめられたことで、家の中や、その子の体の上で同じことが起きると言えるものではありません。水分の浸透については、精製水と比べて35倍という自社検証の数字があります。比べた相手が精製水である、という条件とセットで読んでください。
特許についても線を引いておきます。三室ダブルイン型の電解分解技術は特許5253483として登録されていますが、特許は技術が登録されたという記録であって、効き目が証明されたという意味を持ちません。それから、成分としては清涼飲料水の規格基準をクリアしています。これも飲み物として売っているという話ではなく、成分がその基準に照らして確かめられている、という意味です。
引き算の欄は「何を入れていないか」に答えます。足し算の欄は「何が入っているか」に答えます。確かめたことの欄は「どういう条件で何を調べたか」に答えます。知りたいことがどれなのかを先に決めると、見る欄が1つに決まります。無添加という言葉に基準がないと言われて困るのは、たいてい3つの質問をまとめて1つの言葉に投げているときです。
自分たちの無添加を、同じ基準で測ってみます
ここまで書いた読み方を、自分たちの製品に当てはめます。読む側に手順をすすめておいて、自分の表示を測らないのは筋が通りません。結果として、通っているものと、通っていないものの両方が出ました。
| 製品 | 書いていること | この基準で読めるか |
|---|---|---|
| スキンケアミスト | 8つがフリー(アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤) | 読めます。数と名前が一致しています |
| モイストシャンプー | 11成分無添加 | 読めません。11の内訳を並べきれていません |
| グルーミングスプレー | 無香料・界面活性剤不使用 | 読めます。数を出さず、名前だけで書いています |
真ん中の行が、自分たちの宿題です。「11成分無添加」という書き方は、この記事の基準で言えば、数だけが残っている状態になります。洗浄成分を必要とする処方なので、外せるものの候補がミストとは違い、そのまま8つと並べることもできません。数が違う理由も含めて書ききれていないので、ここは読めない側に置いておきます。
いちばん上の行が、この記事の基準をそのまま通った書き方です。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つを、数と名前の両方で書いています。数と名前が一致しているので、8という数がどこから来たのかを、読む側が自分で数え直せます。ここまで書けるのは、中身が電解水そのもので、清涼飲料水の規格基準をクリアしているからです。口の縁や耳のふちのように、その子が自分では毛づくろいの届かない場所に人が代わって使うものなので、何を入れていないかを名前で出す必要がありました。使い方も表示と同じ順で、布に取ってから口の縁と耳のふちを一往復。舐めても問題のない基準でつくられているため、拭いたあとに水でぬぐい直す工程がいりません。
自分たちを測って分かったのは、無添加という言葉が、書く側にとっても扱いにくいということです。数を書けば比べられ、名前を書けば外していないものが見え、何も書かなければ読めなくなります。それでも名前を並べるのは、読む側が自分の条件で判断できる形にしないと、表示が情報にならないからです。基準がないという事実は、書く側の逃げ道にはなりません。
買う前の数分で見る3か所に畳む
ここまでを畳みます。店頭でもサイトでも、見るのは3か所だけです。順番も決まっているので、上から下へ流すだけで終わります。
| 順 | 見る場所 | 確かめること |
|---|---|---|
| 1 | 「無添加」の文字のすぐ近く | 成分の名前が並んでいるか |
| 2 | 書かれている数と、名前の数 | 2つが合っているか。合わなければ注釈を探す |
| 3 | 成分表の上から3つと、末尾 | 何でできていて、何を足しているか |
この3か所で読めなかったときは、その言葉を判断から外して、ほかの材料で決めます。使い心地、香りの有無、容器の形、その子が嫌がらないか。実際に選ぶときに効いてくるのは、こちら側の条件であることが多いところです。無添加という言葉は、選ぶための入り口にはなりますが、決め手にはなりません。
使ったあとに地肌が赤い、同じ場所をなめ続ける、かゆがる回数が増えた、フケやべたつきが続く、においが日ごとに変わる。こうした変化が続くときは、表示を読み比べて別の製品を探す前に、動物病院にご相談ください。表示から分かるのは中身までで、その子の体に起きていることは、家では切り分けられません。いつから、どこが、どう変わったかと、使っている製品の名前をメモして持っていくと、その場で見てもらえます。
もう1つ、この記事で答えていないことを書いておきます。「この成分が入っていたら、うちの子に合わないか」という問いには、表示からは答えられません。合う合わないは、その子の体の上で起きることで、表示の欄の外側にあります。名前を並べた表示は、自分の条件と照らすための材料であって、答えそのものではありません。
この3か所は、1本の製品で1回やって終わりにするものではありません。買うたびに同じ順で見ていくと、よく行く棚のなかで、名前まで書いてある製品と数だけの製品が、自分の中で先に分かれるようになります。棚の前で表示を読み比べて立ち止まる時間は、そのぶん短くなります。毎日ふれる場所に使う1本ほど、この数分を最初に1回かけておく値打ちがあります。口のまわりのように毎日ふれる場所のものは、名前で読める1本を決めて、そのまま使い続けてください。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
