C08季節・行事

冬の服をしまう前に、毛は体のほうから減らす

公開日 2025年5月8日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、畳んだ服の上に寝そべる淡い色の犬と、そのそばにいる猫
畳んでいるあいだに服へ移るのは、その日その子の体に残っていた毛です。

衣替えの日、クローゼットから出した冬のものを床に積んで、粘着ローラーを1枚に3往復ずつ当てていました。畳んでいる横にその子が寝そべっているので、袋の口を閉じる直前に、もう1往復することになります。冬服は一度しまうと、次に開けるのは半年以上あとです。毛がついたままでは片づけられないので、往復の回数だけが増えていきます。この往復が何回になるかは、服の素材でもローラーの粘着力でもありません。その日その子の体に、抜け落ちる寸前の毛が何本残っていたかで決まります。服の側で取り切ろうとしているかぎり、来年その袋を開けた日に、同じ作業がもう一度あります。数える対象を体のほうへ移すと、往復は最初から短くなります。

冬服1枚にローラーを3往復|衣替えの日に数えてみた経験から

衣替えは一日では終わりません。冬のものを出す日と、しまう日は別になります。しまう日に床へ積んだのは、厚手のセーターが4枚、フリースが2枚、その子に着せていた服が3枚、それに膝掛けが1枚でした。10枚のうち、毛がついていなかったのは1枚だけです。ローラーを当てながら、何往復で手が止まるかを1枚ずつ数えてみました。

しまう日に、冬服のどこへ毛がついていたか
冬服の種類毛がついていた場所ローラーの往復
厚手のセーターそで口と、前身ごろの下半分3往復
フリース全面。毛先が起毛に立ったまま残る4往復でも取り切れない
着せていた服外側より内側。首まわりと脇の下内側だけで5往復
膝掛けその子が乗っていた形のまま畳むと毛が中へ入る
コートの裏地すべる素材で、毛は載っているだけ1往復

往復の数を決めていたのは、布の目の細かさでした。すべる裏地なら1往復で終わり、起毛したフリースは何度当てても毛先が立ったまま残ります。ここで手が止まりました。起毛の上でローラーを往復させる作業は、毛を取ると同時に、毛を布の奥へ押し込む作業でもあるからです。入り込んだ毛は、袋を閉じて半年たっても出ていきません。来年その袋を開けた日、同じ毛が同じ場所から出てきます。

そこで、衣替えの日に数えるものを、片づけた冬服の枚数から、ローラーの往復のほうへ移しました。往復は、服に対してどれだけ手を動かしたかの量ではありません。その日その子の体に、抜け落ちる寸前の毛が何本残っていたかを、布が代わりに数えた数です。10枚のうち9枚に毛がついたのは、10枚とも同じ床に置かれ、同じ子がその上を通ったからです。

服に毛が移る背景は床にある|衣替えの週、冬服を畳む時間だけ人は床に座る

毛が冬服へ移るのは、その子が服の山に乗ったからだけではありません。衣替えの週は、家の人が床に座っている時間が、ふだんの何倍にもなります。畳む、重ねる、袋の口を折る。どれも床でやる作業です。その子は、床に座っている人のそばへ来ます。来て、体をこすりつけ、そのまま寝ます。ふだんは椅子とソファの高さで隔てられていた被毛と布が、この週だけ同じ高さに並びます。

抜け毛の側にも理由があります。この時期に抜ける毛は、毛先から切れて落ちるのではなく、根元のほうから浮いて、毛の並びの中にしばらくとどまります。浮いている毛は、指でつまんでも簡単には抜けてきません。体をなでて、ようやく数本ついてくる程度です。ところが起毛した布に触れると、毛先が繊維に引っかかって一気に移ります。冬服が毛だらけになるのは、布のほうが、その子の被毛より強く毛先をつかむからです。

換毛期そのものは、犬でも猫でも毎年くり返します。日の長さが変わるにつれて下毛が入れ替わり、抜ける量が数週間だけ増えます。ただ、衣替えの週に困っているのは、抜ける量そのものではなく、抜けかけた毛と布が出会う回数のほうです。同じ量が抜けていても、床に座らない週なら、ローラーに3往復は要りません。

冬のあいだにも、毛は服についていました。ただ、乾いた部屋では静電気で表面に張りつくので、払えば落ちました。気温が上がって室内の乾きがゆるむと、張りつく代わりに、毛が繊維の奥へ入り込みます。払って落ちる毛から、ローラーで引き出す毛へ、つき方の変わる時期です。同じ1本の毛でも、2月と5月では、服からの外し方が違います。

体の側の抜け毛を減らすと、冬服のローラーはどう変化するか|衣替えまでの2週間

服の側の作業を短くする道は、1つしかありません。袋を閉じる前ではなく、床に座る前に、その子の体から浮いている毛を落としておくことです。衣替えを始める2週間前から、床の作業に入る日の朝に体を1度通しておくと、往復の数はそこから動き始めます。

  1. 根元に指を入れて、浮いている場所を探す

    背中の真ん中、腰の上、しっぽのつけ根。指を毛の中に立てて、根元から毛先へ向けて抜くと、浮いた毛が指の腹に残ります。残らない場所は、その日は梳かさなくて構いません。全身を毎日梳かす必要はなく、浮いている場所は3か所ほどに偏っています。

  2. 梳かす前に、根元まで湿らせる

    乾いたまま梳かすと、浮いた毛が空気中へ散り、そのまま床の冬服へ落ちます。うるおいのある状態でブラシを通すと、抜けた毛はブラシの中に集まります。毛先だけ湿らせても届かないので、指を入れた深さまで濡らします。

  3. 根元から毛先へ、同じ向きで3回

    往復させると、抜けかけの毛が元の位置へ戻ります。同じ向きに通して、3回ごとにブラシの毛を1度抜くと、取れた量がその場で目に見えます。

  4. 最後に手のひらで体を1周なでる

    手についてくる毛が、その日まだ体に残っている毛です。ここで数本なら、床に座っても冬服のローラーは1往復で足ります。

2つめの「湿らせる」に何を使うかで、この2週間が続くかどうかが決まります。水では毛の表面ではじかれ、乾くのも早すぎます。mofuwaグルーミングスプレーを手に取っているのは、吹いてブラシを通すという動作が、衣替えの支度の合間に入る長さだからです。床に座る前の2分で、背中と腰の2か所だけ通しておく。それだけで、積んだ服の上にその子が乗っても、移る毛は前の日より少なくなります。

入っているのは、高機能性電解還元水と呼ばれるアルカリ側の水だけです。この水が油となじんで乳化するので、汚れを抱えた余分な脂は浮いて落ち、セラミドやスクワランのように地肌に残っていてほしいものは残ります。散歩から帰った日の背中を、浴室の支度をしないまま片づけられるのは、この乳化のためです。無香料で、アルコールも入っていません。窓を開けている時間の長い時期とはいえ、香りの残るものを毎日かければ、その子のほうが先に嫌がります。

量を加減しなくていいことも、この2週間では効いてきます。清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられているので、背中の根元まで行き渡るだけかけて、そのあとその子が毛づくろいをしても構いません。浮いた毛を落とすには根元まで濡らす必要があり、表面だけ湿らせると、梳かしたときに毛先が切れて、短い毛が冬服につきます。ためらって少なくかけるほど、服の側の往復が増える、という順番になります。

mofuwaグルーミングスプレーは、ブラシを通すためのスプレーでもあります。乾いた毛のまま梳かすと、静電気で毛がブラシから逃げ、そで口や膝の上へ移ります。吹いてから通すと毛はブラシの中に集まるので、取れた量をその場で確かめてから、床に座るかどうかを決められます。お風呂そのものが負担になってきた子や、水音の段階で部屋を出ていく猫でも、この手順なら浴室へ連れて行かずに済みます。

Point積んだ冬服の山の上で梳かさない

床の作業を始めてから思いついて梳かすと、取れた毛の落ちる先が、そのまま服の山になります。梳かすのは、袋や衣装ケースを出す前、まだ床に何も置いていない時間です。場所は玄関でも廊下でも構いません。順番を入れ替えるだけで、その日のローラーの往復は1枚あたり1往復ぶん変わります。

2週間のあいだ、毎日数えるのは1つで足ります。ブラシを1度抜いたときに、指でつまめる毛が何本あるか。最初の数日は多く、そのうち減ります。減り始めた週が、冬服を袋に入れてよい週です。日付で決めるより、この数で決めるほうが、来年その袋を開けた日の状態がよくなります。

往復が減らない理由は冬服の側にない|衣替えを終えても毛の薄いままの場所

2週間続けても、冬服1枚あたりの往復が3のまま動かないことがあります。そのときに見るのは、布の目でもローラーの替えでもありません。ブラシに毛が集まる場所が、体の一部だけに偏っていないかどうかです。背中から腰にかけて均等に取れているうちは、この時期にくり返している範囲です。

この3つのどれかが2週間続いたときは、衣替えの作業を止めて、先に予定を決めてください。数えてきた往復の記録と、毛が薄いままの場所が写った写真を1枚持って、動物病院の診察を予約します。いつから、体のどこで、毛の取れ方が偏り始めたのか。この2つが言えるかどうかで、その日に分かることが変わります。毎日数えていた人にしか出せない情報です。

冬服を袋にしまったあとも、ブラシを1度抜いて毛をつまむ手順は残します。夏のあいだは取れる量が減り、秋にまた増えます。次に袋を開ける日の往復が何回になるかは、それまでの毎日の1分で決まっています。床に座る前の2分と、ブラシの中の毛の量。持ち越すのは、この2つだけで足ります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。