C04悩み解決

おしりまわりの汚れを繰り返さないために、毎日やっておきたいこと

公開日 2025年12月29日|文=mofuwa編集部

明るい木の床に立つ、うしろ姿の小型犬
おしりまわりの汚れは、毛の向きが変わる場所で止まります。写真:3194556/Pixabay

おしりまわりの毛を、手のひらでゆっくり下へなでてみてください。途中で1か所だけ、指が引っかかるように抵抗が出る場所があります。そこが毛の渦です。おしりの汚れが毎回同じ場所に戻ってくる家では、たいていこの渦の位置と、汚れが残る位置が重なっています。予防のためにできることは、毛を短くすることではなく、毛の向きをそろえておくことです。向きがそろっていれば、排泄のときに付いたものは毛先まで流れて落ちます。渦のところでは、そこで止まります。

おしりの汚れは、毛が渦を巻いている場所で止まる

おしりまわりの汚れとは、排泄のときに毛についたものが、そこから落ちずに残っている状態のことです。つまり「ついたかどうか」ではなく「落ちたかどうか」の話で、予防の考え方もそこから始まります。ついてしまうこと自体は、毎回起こります。

毛は、根元から毛先へ向かって一定の向きで生えています。向きがそろっている場所では、汚れは毛先まで移動して床に落ちます。ところが体には、毛の向きが切り替わる場所があります。渦を巻いている場所、毛が四方へ散っている場所です。ここでは毛先がそれぞれ別の方向を向いているので、汚れは移動せず、その場に留まります。

毛の向きと、ついた汚れの行き先
毛の向き汚れがどうなるか残ったときに起きること
下向きにそろっている毛先まで流れて、床材や地面に落ちる拭き取りは1回で足りる
渦を巻いている渦の中心に集まって止まる固まりの起点になる。においも先にここから出る
四方へ散っている毛の根元に留まる皮膚に近いところに残り、拭いても届きにくい
座ったときに逆立つ上へ押し戻される寝床やクッションに移り、においが部屋に残る

拭き取りの回数を増やしても、渦の位置は変わりません。だから同じ場所に戻ってきます。予防は毎日の条件づくりで、その条件というのが毛の向きです。

Note渦の位置は、犬種ではなくその子ごとに決まっています

同じ犬種でも、渦がしっぽの付け根の下にある子と、肛門の左寄りにある子がいます。猫も同じで、後ろ足の付け根の内側に渦がある子がいます。一般論では決まらないので、その子の渦を一度だけ探して、覚えてしまうほうが早いです。いちど覚えれば、毎日の作業は10秒で終わります。

毛の向きを確かめるやり方|渦の位置は、その子ごとに決まっている

探すのは1回だけです。明るい時間に、その子が落ち着いているときにやってください。しっぽを持ち上げて引っぱると嫌がるので、立たせたまま、うしろから見る姿勢で行います。

  1. 手のひら全体で、上から下へゆっくりなでる

    指先ではなく手のひらを使います。抵抗なくすっとなでられる場所と、途中で毛が起き上がってくる場所があります。起き上がってくるところが、向きの切り替わり目です。左右の同じ高さを続けてなでると、差がはっきり出ます。

  2. 抵抗が出た場所で、指を止めて毛をかき分ける

    地肌が見えるまで開いてください。毛が中心から放射状に出ていれば、そこが渦です。渦は1か所とは限りません。しっぽの付け根の下と、肛門の左右に1つずつ、という子もいます。

  3. 位置を、時計の文字盤で覚える

    肛門を中心に見て、しっぽ側を12時とします。「6時の方向に1つ、4時の方向に1つ」のように覚えると、毎日探し直さずに済みます。写真を1枚だけ撮って残しておくと、家族のあいだで共有できます。

  4. ティッシュを1枚のせて、下へ滑らせる

    確認のための最後の一手です。滑らせたティッシュが止まる場所と、さっき覚えた渦の位置が重なれば、そこが汚れの止まる場所で合っています。この1枚は、拭き取りではありません。力を入れず、のせて滑らせるだけにしてください。

Point渦の位置は、途中で変わることがあります

換毛の時期や、トリミングのあと、体重が大きく変わったあとは、毛の流れ方が変わります。季節の変わり目に一度だけ、確かめ直してください。同じ場所を拭いているのに追いつかなくなったときも、渦が動いているサインのことがあります。

予防のためにできること3つと、やる順番

毎日やることは3つだけです。順番が大事なので、そこだけ守ってください。汚れがついてから何をするかではなく、つく前に毛をどう置いておくか、という順番になっています。

  1. 1日1回、おしりまわりの毛の向きを下向きにそろえる

    コームか、目の粗いブラシで、上から下へ2〜3回通すだけです。時間は10秒で足ります。朝ごはんの前など、毎日必ずある場面にくっつけると続きます。汚れていない日もやってください。汚れていない日にやるからこそ、予防のためにできることになります。

  2. 覚えておいた渦の場所を、先に整える

    渦は、なでるだけでは向きが戻りません。渦の中心に指を当てて、毛を外側へ広げるように分けてから、下向きに通します。ここだけは指を使ってください。全体をやってから渦に戻ると、また巻き込まれます。渦を先、全体をあとです。

  3. 排泄の前になる時間帯に、もう一度だけ向きを見る

    散歩の直前、トイレに行く前など、その子の排泄が起きやすい時間の前に手を入れておきます。ついたあとに整えるのと、つく前に整えておくのとでは、残る量が変わります。この3つ目だけは、時間を選んでください。

この3つに加えて、条件の側で見ておきたいものが2つあります。ひとつは寝床で、毛が上に押し戻される座り方をしている子は、汚れが寝床に移り、そこからまた毛に戻ります。カバーを週に1回替えるだけで、戻ってくる量が変わります。もうひとつは床材です。毛足の長いラグは、毛先まで流れた汚れを受け止めて、次に座ったときに返してきます。おしりが触れる場所だけでも、拭ける素材にしておくと楽になります。

Caution毛を短く刈るのは、予防の一手目ではありません

短くすると汚れは目立たなくなりますが、渦は残ります。渦の位置が変わらない以上、止まる場所も変わりません。むしろ短い毛は皮膚に近いところで汚れを受けるので、拭き取りの手が皮膚に当たりやすくなります。刈るかどうかは、渦を整えても追いつかないと分かってから、トリミングサロンに相談してください。

1日1回という頻度を超えない

毛の向きをそろえるのは1日1回まで、拭き取りは汚れたときだけ。頻度を上げると、予防のためにやっていたことが、皮膚への刺激に変わります。おしりまわりは体の中でも皮膚が薄く、こすれに弱い場所です。

やりすぎているときに、先に出るサイン
出るサイン何が起きているか戻し方
整えたあとに、その場で舐める刺激として受け取っている回数を1日1回に戻し、力を半分にする
地肌が赤い、ピンクが濃くなったこすれが積み重なっている3日休んで、コームの目を粗いものに替える
毛が切れて短くなってきた同じ場所を毎回強く通している渦の中心は指で分け、コームは全体だけにする
においが強くなった毛の問題ではない可能性がある整える回数を増やさず、動物病院に相談する

続けるコツは、汚れの有無で判断しないことです。汚れた日だけ手を入れると、手が入るのはいつも汚れているときになり、その子にとっては嫌な作業として覚えられます。汚れていない日に10秒やるほうが、結果として触られることに慣れます。

Caution予防の話ではなく、受診の話になるとき

便がやわらかい日が3日以上続く、床にお尻をこすりつける、しっぽの付け根をしきりに舐める・かじる、おしりまわりが赤く腫れている、においが急に強くなった、拭いたときに血や粘りのあるものがつく、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、毛の向きの話ではありません。整える回数を増やさずに、動物病院にご相談ください。

受診のときは、いつからか、便のかたさ、拭き取りの回数、家で使っているものをメモしていくと話が早く進みます。診察前に念入りに拭いてしまうと、何がついていたのか分からなくなることがあるので、拭かずに連れて行ってください。

この10秒のあいだ、指はいちばん便に近い側の毛を分けています。分けた指も、通したコームも、そのあと家の中のどこかに触れます。だから、ここに足すものは、毛に残ってよいものかどうかで選ぶことになります。

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足し方は、コームに1〜2回吹きつけてから、渦を分けた指のあとを通すだけです。おしりの皮膚へ直接向けて吹くものではありません。毛の側だけ、上から下へ。渦を先、全体をあとという順番は、ここでも変わりません。

汚れた日にだけ手を入れていると、おしりまわりは、汚れているときにしか触られない場所になります。汚れていない日の10秒を1年続けると、渦の位置が去年と変わったかどうかが、コームの引っかかり方だけで分かるようになります。おしりの汚れを繰り返さないために毎日やっておきたいことは、最後にはその引っかかり方を覚えることに変わっていきます。予防のためにできることは、そこまで来てはじめて手の側に残ります。

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よくある質問

長毛の子と短毛の子で、やることは変わりますか?
やることは同じです。渦の位置を覚えて、そこを先に整える。変わるのは1回にかかる時間だけで、長毛の子は10秒が20秒になる程度です。毛の量が多い子ほど渦が見つけにくいので、最初に探すときだけ、明るい場所でしっかり地肌を出してください。
おしりまわりを触らせてくれない子には、どうすればいいですか?
うしろから急に手を出さず、背中から順にコームを通してきて、そのまま流れでおしりまわりまで届かせてください。渦のところで止まるので、そこだけ翌日に回しても構いません。1日で全部やろうとしないほうが、結果的に早く慣れます。
猫にも同じ考え方が当てはまりますか?
当てはまります。ただし猫は自分で毛づくろいをするので、届く範囲の毛の向きは自分で整えています。人が手を入れるのは、体が硬くなってきた子や太めの子で、届かなくなった範囲だけです。しっぽの付け根から後ろ足の付け根にかけてを、週に2〜3回見てください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。