C12Q&A・豆知識
寝たきりの子のケアはどこから?
寝たきりの犬のケアで、最初に手を入れる場所は、いま床に接している面です。上から見えている側の毛は、手ざわりが変わらないことがあります。それでも、体の下になっている面には、体温と、体から出た水分と、体重が同時にかかり続けています。やることは、洗うことより先に、接している時間を切ることのほうです。体の向きを変えるたびに、いま開いたばかりの面だけを見る。全身を毎日きれいにしようとすると、続きません。この記事では、寝たきりの犬のケアで家によく出てくることを、8つの問答に分けて書きます。
寝たきりの犬のケアは、どこから始めればいいですか
答えは面で決まります。いま床に接している面から始めます。上から見えている側の毛は、さらさらしていることがあります。それでも、体の下になっている面には、体温と、体から出た水分と、体重が同時にかかり続けています。寝たきりの犬のケアで最初に手が要るのは、この見えていない側のほうです。
全身から始めると、たいてい途中で終わります。寝たきりの犬のケアは、1回の作業量より、1日に何回その面を開けるかで決まります。体の向きを変えるのは1日に何度もあります。その1回ごとに、いま開いたばかりの面だけを見る。1回が短いほど、回数のほうが保てます。
毎日のことなので、道具を増やすより、手順を減らすほうが続きます。洗う工程を毎回入れると、乾かす時間まで含めて1回が長くなり、回数のほうが落ちます。寝たきりの犬のケアで守りたいのは、きれいさの水準より、面が開く回数のほうです。
体の向きを変えたときに上を向いた面は、それまで床に接していた面です。そこだけを見て、そこだけを整える。次に向きを変えたときには、また別の面が開きます。1日を通せば、結果として全身に手が入ります。全身を1回で終わらせようとすると、その1回が重くなって、翌日に飛びます。飛んだ日のぶんだけ、同じ面が長く床に接することになります。
上から見える側がきれいなら、寝たきりの犬はそれで大丈夫ですか
見えている側の状態と、接している面の状態は、同じ時間の中で別々に進みます。上が乾いていることは、下も乾いていることの証明になりません。寝たきりの犬が大丈夫かどうかを見るときに、上の面だけを材料にすると、材料が半分になります。
- 空気の通り道:上の面には空気が当たります。下の面は床でふさがれています
- 体温の逃げ方:上の面からは熱が逃げます。下の面は熱がこもります
- 毛の向き:上の面の毛は立ちます。下の面の毛は体重で寝たままです
- 水分:上の面の水分は乾きます。下の面の水分は行き場がありません
- 皮膚にかかる力:上の面は自由です。下の面は同じ場所に体重がかかります
- 目のとどく回数:上の面は通りがかりに見えます。下の面は向きを変えないと見えません
この6つは、どれも物としての条件です。病気の話ではありません。寝たきりの犬が大丈夫かどうかを、上の面の手ざわりだけで決めない。これが、この記事でいちばん先に書いておきたかったところです。地肌が赤い、じくじくしている、毛が薄くなっている、皮膚が硬い、触ると痛がるといった変化が下の面に出ているときは、家でケアの方法を変える前に動物病院にご相談ください。
床に接している面だけが湿るのは、なぜですか|寝たきりの犬の体で起きていること
理由は3つ重なっています。ふさがれていること、こもること、押されていること。どれも、体に起きている異常の話ではなく、置かれ方の話です。だから、置かれ方を変えると、条件のほうが変わります。
| 条件 | 上を向いている面 | 床に接している面 |
|---|---|---|
| 空気 | 当たる | ふさがれる |
| 熱 | 逃げる | こもる |
| 水分 | 乾く | 残る |
| 被毛 | 立つ | 寝たまま押される |
| 皮膚 | 動く | 同じ場所に体重がかかる |
| 人の目 | 入りやすい | 向きを変えないと入らない |
寝たきりの犬でなぜ下の面だけが湿るのか、と聞かれたときの答えは、この表の右の列です。湿っているのは、水をかけたからではなく、乾く条件が外されているからです。だから、拭き取りの回数を増やすより、接している時間を短くするほうが、そのぶん早く変わります。
被毛の量が多い子ほど、下の面の中で空気が動きません。毛が長い子では、表面が乾いていても、地肌のところだけが湿っていることがあります。指を立てて毛を分け、根元で確かめてください。手のひらでなでるだけでは、この差が出ません。毎日の確認を短くするには、この「毛を分けて根元」というやり方だけを覚えておけば足ります。
洗うことより先にやることがある、というのはどういう意味ですか
接している時間を切る、という意味です。同じ面が床に触れ続けている時間そのものを、短く区切ります。洗えば、そのときの汚れは落ちます。ただ、面が同じままなら、条件は洗う前の状態に戻ります。寝たきりの犬のケアで先に動かすのは、時間のほうです。
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体の向きを変える時刻を、あらかじめ決める
「気づいたとき」にすると、間隔が日によって伸び縮みします。時計で決めておくと、家族の誰がやっても同じ間隔になります。間隔の長さそのものはその子の状態で変わるので、動物病院で確かめた間隔があるなら、そちらを優先してください。
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向きを変えたら、開いた面だけを見る
毛を分けて、地肌の色と湿り気を見ます。見るのは1面だけなので、1分もかかりません。ここで全身をやろうとすると、次の時刻に間に合わなくなります。
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湿っているところは、押さえて水を移す
こすると、その面の被毛と皮膚に力がかかります。やわらかい布を当てて、押さえて離す。拭き取るのではなく、水を布のほうへ移すという動き方です。
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下に敷いているものを、乾いた面に入れ替える
体の側だけを整えても、接している布が湿っていれば条件は戻ります。体と布の両方が乾いて、はじめて時間が切れます。大きな1枚を替えるより、小さい布を何枚か回すほうが続きます。
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次に開く面を決めてから、離れる
次の向きをその場で決めておくと、家族のあいだで引き継げます。紙に「次は右」とだけ書いておけば足ります。決めていないと、同じ面が二度続くことがあります。
この5つを通しても、1回は数分です。寝たきりの犬のケアが重くなるのは、1回に全部を積むからです。1回を軽くして、回数のほうで届かせる。これが、接している時間を切るということの中身です。
体の向きを変えたとき、その面のどこを見ればいいですか
見る場所は、その面の中で5か所です。骨が当たっていたところ、毛が密なところ、下に物があったところ、低いほうへ流れた先、そして反対の面との差。同じ面の中でも、この5つは条件が違います。
- 骨が当たっていたところ:肩・腰・ひじ・かかとなど、体重が一点に集まる場所です
- 毛が密なところ:首の下、脇の下、内もも。空気がいちばん入りません
- 下に物があったところ:布のしわ、コードの線、食器の縁。跡が残っていないかを見ます
- 低いほうへ流れた先:向きによって、水分が集まる場所が変わります
- 反対の面との差:同じ場所なのに片側だけ違うときは、記録に残します
見る順番は毎回同じにしてください。比べられるようにするためです。今日と昨日で順番が違うと、変わったのかどうかが分かりません。順番が決まっていれば、家族の誰が見ても同じ並びで報告できます。寝たきりの犬のケアで家がいちばん強いのは、同じ場所を毎日同じ順番で見られることです。これは、たまに見る人にはできません。
寝たきりの犬のケアで出てくる疑問のうち、やらなくていいのはどれですか
4つあります。どれも、きれいにしようとして増えるものです。寝たきりの犬のケアで疑問になりやすいところを、先に落としておきます。落とした時間は、面を開く回数のほうに回してください。
- 毎日、全身を洗うこと:1回が長くなって、面を開く回数のほうが減ります
- 強くこすって落とすこと:同じ面に力が加わります。押さえて水を移すだけで足ります
- 乾かしきれない量の水を使うこと:濡れている時間が延びて、条件が戻ります
- においを消そうとして、体に足すこと:においが溜まっているのは、体より周りのことが多いところです
4つ目について、もう少し書きます。においが気になると、体のほうに何かを足したくなります。ただ、寝たきりの犬では、においが溜まっているのは体よりも、接している布と、その下の面のほうです。布を替えると、体を触る前に減ることがあります。順番として、布が先です。
反対に、減らしてはいけないものが1つだけあります。面を開く回数です。忙しい日に削られるのは、たいていここです。1回を1分にしてでも、回数のほうを残してください。毎日のケアの中で、いちばん取り返しがきかないのが、開かなかった時間です。
毎日の記録に何を残せばいいか知りたいです|寝たきりの犬のケアの1行メモ
書くのは3つです。時刻、どの面を開いたか、その面で気づいたこと。これ以上増やすと続きません。寝たきりの犬のケアについて動物病院で知りたいことが出てきたときも、この3つがあると話が早く進みます。
| 時刻 | 開いた面 | 気づいたこと |
|---|---|---|
| 7:00 | 右 | 変わりなし |
| 10:00 | 左 | 首の下が少し湿っている |
| 13:00 | 右 | 布のしわの跡 |
| 16:00 | 左 | 首の下、朝と同じ場所 |
| 19:00 | 右 | 変わりなし |
| 22:00 | 左 | 首の下、乾いている |
この6行だけで、「左の首の下が、日中に湿って、夜に戻る」という形が見えてきます。1回ずつの記録では見えないものが、並べると出てきます。動物病院に相談するときも、この並びをそのまま見せてください。いつから、どの面で、どれくらいの間隔で起きているかが、一度に伝わります。
洗う日をつくれるときは、工程の少ない形にしておくと、体にかかる時間も、家の側の時間も短くなります。mofuwa 入浴シャンプーは、浸かるだけで洗える入浴タイプで、泡立て・ごしごし・すすぎの3つの手間を省けます。高齢のペットや大型犬、多頭飼いの家に向いた形です。洗う日をつくれない日は、水を使わないケアに切り替えてください。mofuwa グルーミングスプレーは特許電解水を使った洗い流さないタイプで、無香料・界面活性剤不使用です。布に取ってから、開いた面を一往復させる、という使い方をしています。どちらも、面を開く回数を保つための道具として置いてください。皮膚に変化が出ている場所へ対処するために使うものではありません。
面と時刻の2つに畳む|寝たきりの犬のケアで動物病院に持っていくもの
ここまでを畳みます。覚えておくのは、面と時刻の2つだけです。この2つがあれば、毎日のケアで何から手をつけるかを、その場で決められます。
| もの | 中身 | 使い方 |
|---|---|---|
| 面 | いま床に接している側 | 向きを変えるたびに、開いた面だけを見る |
| 時刻 | 次に向きを変える時刻 | 気づいたときにしない。時計で決める |
迷っているあいだも、同じ面が床に接し続けています。やり方を調べている時間より、いま向きを変えるほうが早い日があります。寝たきりの犬のケアは、正しさで積み上げるものというより、回数で薄く延ばしていくものだと思っています。
地肌が赤い、じくじくしている、毛が薄くなった、皮膚が硬い、触ると痛がる、においが日ごとに強くなる、同じ場所をなめ続けている。こうした変化が床に接していた面に出ているときは、ケアの回数や道具を変える前に、動物病院にご相談ください。家でできるのは、条件を整えることと、記録を残すことまでです。このケアを続けていればよくなりますと考えて様子を見る時間が延びると、そのあいだも同じ面に体重がかかり続けます。記録の紙をそのまま持っていくと、いつから、どの面で起きているかが一度に伝わります。
Product
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浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
