C12Q&A・豆知識
ペットのにおいに慣れて気づけない?
ペットの寝床に顔を近づけてみても、自分の家のにおいだけは、はっきりしないことがあります。ペットと暮らす家のにおいに慣れた鼻では、強さを自分で測ることはできません。確かめる方法として現実的なのは、他人の鼻を借りることです。借りられない日に使えるのが、においを測りにいくかわりに、物のほうを動かすやり方です。ペットが毎日使っているクッションを1つ、ペットが入らない部屋へ持っていく。あとからその部屋に入ると、慣れの外側でにおいを受け取れます。この記事では、ペットのにおいと慣れをめぐる疑問を、8つの問答に分けて書きます。
ペットのにおいに慣れると、自分では気づけないのですか
強さは分かりません。ただ、「何もにおわない」わけではありません。慣れた鼻で失われるのは、においがあるかないかの判定ではなく、それがどのくらいの強さなのか、という目盛りのほうです。ペットと暮らす家の人が「うちはにおわないと思う」と言うとき、そのほとんどは、においが無いのではなく、比べる相手が無い状態を指しています。
同じにおいの中にいると、感じ方はだんだん下がっていくとされています。ペットのにおいも同じで、毎日そこにいる人ほど早く背景に溶けます。やっかいなのは、下がっているのが自分の感じ方だけで、部屋の側は何も変わっていないことです。においは残ったまま、それを受け取る側だけが静かになっていきます。
だから、この記事では「においを強く嗅ぎ取る方法」を書きません。嗅ぎ方を工夫しても、慣れた鼻は慣れたままです。変えられるのは鼻の側ではなく、においと自分の置き方のほうになります。ペットのにおいに慣れてしまった人が使えるのは、その2つの位置関係を動かす方法だけです。
慣れてしまうこと自体は、手入れの不足ではありません。同じ空気の中で暮らしていれば、誰でもそうなります。掃除をよくする家でも、しない家でも、慣れる速さはあまり変わりません。だから「気づけなかった自分」を責める必要はなく、気づけない前提で、確かめる手順のほうを持っておけば足ります。ペットのにおいと長くつきあう家ほど、この前提を持っているほうが楽になります。
同居の家族に聞いても、答えが揃わないのはなぜですか
家族も、同じ家の空気に同じだけ慣れているからです。ペットのにおいについて家の中で意見を集めても、集まるのは「慣れた鼻の答え」ばかりになります。家族が「においはしない」と言っても、それは無いことの確認になりません。逆に1人だけが「する」と言うときも、その人の鼻が鋭いのか、その人の滞在時間が短いのかで話が変わります。
使えるのは、その家で寝起きしていない人の鼻です。親きょうだい、友人、宅配や点検で短時間だけ入る人。滞在が短い人ほど、慣れる前の状態でにおいを受け取っています。ただし、聞かれた側は正直に答えにくい。ここで結果が変わるのは、聞き方のほうです。
- 「においする?」と聞かない:はい/いいえで答える形にすると、気をつかって「しない」に寄ります
- 「入ったとき、何のにおいがした?」と聞く:有無ではなく、中身を答えてもらう形にします
- 「どのへんで感じた?」を足す:場所が返ってくると、次に手を入れる先が決まります
- 入ってすぐに聞く:しばらくたつと、その人の鼻もその家に慣れはじめます
- 1人の答えで決めない:においの受け取り方には個人差があるので、複数の答えを並べます
この聞き方で返ってくるのは、たとえば「畳のあたりで、少し動物のにおいがした」「入ってすぐは分からなかった」といった言葉です。強さの数値は出ませんが、場所と中身が出ます。ペットのにおいについて家でできる手当ては、場所が決まればほとんど決まります。
身近に頼める人がいない、来る予定もない。そういう家のほうが多いと思います。人の鼻を待っているあいだ、確かめる手が何もないという状態が、いちばん長く続きます。次のセクションが、その日のためのやり方です。
他人の鼻を借りられない日は、どうやって確かめますか
においを測りにいくのをやめて、物のほうを動かします。ペットが毎日使っている布を1つ、ペットが入らない部屋へ持っていく。それだけです。慣れは「その場所に自分がいた時間」でできあがっているので、場所を変えれば、同じ物でも受け取り方が変わります。鼻を鍛えるのではなく、慣れの外側へ物を置くという考え方です。
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毎日使っている布を1つだけ選ぶ
寝床のカバー、ソファに敷いている布、キャリーの中の敷物など。1つに絞ります。まとめて何枚も運ぶと、どれのにおいなのかが分からなくなります。
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ペットが入らない部屋へ持っていき、ドアを閉める
床でも椅子の上でもかまいません。閉めるのは、その部屋の空気を家の残りから切り離すためです。廊下に置くと、家じゅうの空気とつながったままになります。
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自分はいったんその部屋を出て、別のことを1つ終える
何分と決める必要はありません。洗い物でも着替えでもよいので、その部屋から離れる時間を作ります。自分の鼻をその部屋の空気から一度切り離すのが目的です。
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戻ってドアを開け、最初のひと嗅ぎで受け取る
入ってから探しません。開けた直後に感じたものが、そのまま答えです。中で立ち止まって嗅ぎ直すと、そこでもう慣れが始まります。
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感じたものを、言葉にして書き出す
「動物のにおい」「乾いた皮脂のような」「少し酸っぱい」など、中身を言葉にしておくと、次に同じ物で試したときに比べられます。強さを点数にする必要はありません。
この手順のいいところは、結果が「ある/ない」ではなく「どの物か」で返ってくることです。クッションで分かれば、次に手を入れるのはクッションになります。何も感じなければ、その物は今回の候補から外れて、別の物を試す番になります。ペットのにおいの出どころは、たいてい家の中の数か所に固まっています。
持ち出す物は、どれから試せばいいですか
選ぶ条件は3つです。ペットが毎日ふれていること、布であること、洗えること。この3つがそろっている物ほど、においがたまりやすく、しかも分かったあとに手を入れられます。逆に、洗えない物から始めると、分かっても打つ手が残りません。
| 物 | 向いている理由 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 寝床のカバー | ふれている時間がいちばん長い場所です | 中材まで湿っていないかも見ます |
| ソファやいすに敷いた布 | 皮脂が乗りやすく、面積も広いところです | 下の座面も一緒に確かめます |
| キャリーの中の敷物 | 閉じた空間に長く置かれたままです | 使う頻度が低いと差が出にくいです |
| 食器まわりのマット | 食べこぼしと水が繰り返し落ちます | においの中身が食べ物寄りになります |
| 首輪・ハーネス | 小さいので違いが出やすいところです | 金具を外して洗えるか確かめます |
| 布のおもちゃ | 唾液がついたまま乾く時間が長いです | 洗えない中身が入ることがあります |
木やプラスチックの物は、最初の候補から外してかまいません。表面がつるつるした物は、においを抱え込む量が布より少ないからです。ただし、床に近い高さにある物は、拭き取りが届いていないことがあります。布を一巡させて何も出なかったときに、そちらへ回ります。
布に乗っているものの中身は、主に皮脂と唾液が乾いたものです。ここに湿り気が加わると雑菌が増えて、においの出方が変わっていくと言われています。洗える物から試すのは、分かったその日のうちに手を入れられるからです。ペットのにおいと慣れの問題は、確かめる工程と手当ての工程を近づけておくほど続きます。
持っていく先の部屋は、どこを選びますか
条件は、ペットが入らない部屋で、自分もふだん長居していない部屋であることです。この2つがそろうと、その部屋の空気には、まだ自分の慣れができていません。慣れていない空気の中に物を置くから、比べられるようになります。
- 使っていない部屋・納戸:出入りが少ないので、いちばん向いています
- 洗面まわり:出入りは多いものの、滞在時間が短いので使えます
- ⛔ 玄関:外の空気が入れ替わり続けるので、判定が安定しません
- ⛔ 自分の寝室:自分自身のにおいが強く、そこへも慣れています
- ⛔ 台所:食べ物のにおいが乗って、中身の言葉が濁ります
窓については、置いているあいだは閉めておき、確かめ終わってから開けます。先に換気をしてしまうと、比べる材料が薄くなります。ペットのにおいを確かめる工程と、換気で入れ替える工程は、順番を混ぜないほうが結果がはっきりします。
毎回ちがう部屋へ持っていくと、部屋そのものの条件が変わってしまい、前回との比較ができません。家の中で1部屋を、確かめる場所として固定してください。そこへ物を持っていく、というだけの決め事にしておくと、思いついた日にすぐ始められます。ペットのにおいに慣れた鼻でも、同じ条件で並べれば違いは受け取れます。
分かったあと、その物と置き場所には何をしますか
確かめて終わりにすると、次に同じことをやったときに、同じ答えが返ってくるだけになります。分かった物には、その日のうちに手を入れます。手順は4つです。
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洗える物は、その日に洗って完全に乾かす
洗ったあとの生乾きは、においの中身を変えてしまいます。乾ききるまで戻さないのが、いちばん大事なところです。厚みのある物ほど、内側が残ります。
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洗えない物は、表面を拭き取る
固く絞った布で一往復させ、そのあと風を当てて乾かします。濡らしたまま置くと、拭く前より条件が悪くなります。
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物が置いてあった床と、その壁ぎわを見る
布から落ちたものは、下にもたまっています。物だけを洗って戻すと、下から戻ってきます。床の隅と、壁の下のほうを拭いておきます。
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戻す前に、その部屋の換気をする
物を戻したあとに窓を開けると、乾ききっていない物へ外の湿気が当たることがあります。換気を先、戻すのをあとにします。
ここまでを1回やると、次に同じ物を持ち出したときの受け取り方が変わります。変わらなければ、出どころはその物ではなかったということです。ペットのにおいは1か所から出ているとは限らないので、1つ片づけたら次の候補へ進みます。s4の表を上から順に一巡させると、家の中の見当がつきます。
毎日ふれる場所ほど、洗う頻度は上げにくくなります。寝床のカバーを毎日洗うのは現実的ではありません。だから、洗う日を曜日で固定して、それ以外の日にやることを先に決めておきます。やることは、拭き取りと換気の2つだけに絞ると続きます。
もう1つ、s4で書いたことを思い出してください。布に乗っていたのは、その子の皮脂と唾液が乾いたものでした。布は洗えますが、それを乗せている側は洗えません。口のまわりとあごの下は、洗濯機に入らない面です。口のまわりに置くものは、そのまま口へ入る前提で選ぶことになります。mofuwa スキンケアミストが通っているのは、清涼飲料水の規格基準です。乾いた布へ少しだけ移して、口のまわりとあごの下を一往復。持ち出した布を洗って戻す日に、同じ流れでここまでやっておくと、次に同じ物を持ち出したときの答えが変わります。
このやり方で分からないのは、どこまでですか
分かる範囲をはっきりさせておきます。物を動かすやり方で分かるのは、「その物ににおいがたまっているかどうか」だけです。ここから先は、家では言えません。
- 強さの数値は出ません:よその家と比べたり、点数にしたりはできません
- 部屋全体の状態は分かりません:持ち出したのは、その物1つだけです
- 出どころが体か物かは切り分けられません:布のにおいは、その子から来たものが乗った結果です
- いつからそうなったかは分かりません:たまるまでの時間は、物と季節で変わります
- 体調の話は分かりません:においの変化が体の側から来ているかどうかは、家では判断できません
とくに最後の1つは、この記事で決めきれない部分です。ペットのにおいが前と違うと感じたとき、それが暮らしの汚れなのか、体の側の変化なのかは、においだけでは分かれません。においが変わったから、この病気ですという読み方はできません。
できるのは、「いつ」「どの物で」「どんな中身だったか」を書いておくことです。この3つがあると、あとで相談するときに話が早くなります。慣れた鼻でも、書いたものどうしなら比べられます。数値ではなく、言葉で残しておけば足ります。
慣れを外す2つに畳む
ここまでを畳みます。ペットのにおいに慣れた鼻でやれることは、2つしかありません。
| やり方 | 何をする | 分かること |
|---|---|---|
| 人を借りる | 入った直後の人に、中身と場所を聞く | 部屋全体の印象と、感じた場所 |
| 物を動かす | 毎日ふれている布を、別の部屋へ持ち出す | その物ににおいがたまっているか |
どちらも、においを測る道具ではありません。自分の慣れを、いったん外に置くための段取りです。ペットと暮らしていれば慣れるのは当たり前なので、慣れないようにするより、慣れたまま確かめられる形を持っておくほうが続きます。
洗えない物や、毎日は洗えない場所は必ず残ります。そこに何かを置くなら、香りを足さないものにしてください。においを別のにおいで覆ってしまうと、次に物を持ち出したときの答えが読めなくなります。確かめる工程を壊さないことが、このやり方を続けるための条件になります。
口のまわりのにおいが急に変わった、耳のにおいが強くなった、体の一部だけがにおう、洗った翌日にすぐ戻る、皮膚が赤い、同じ場所をなめ続けている。こうした変化があるときは、部屋の掃除や布の洗濯を増やす前に動物病院にご相談ください。慣れた鼻で分かるのは物の側だけで、体の側から来ている変化かどうかは家では切り分けられません。気づいた日付と、どの物で何を感じたかを書いて持っていくと、その場で見てもらえます。
最後に、今夜のうちに決められることが2つあります。確かめる部屋を1つと、最初に持ち出す布を1枚。次に思い立った日に、選ぶところから始めなくて済みます。ペットのにおいへの慣れは、片づけても翌週にはまた戻ってきます。戻ってくる前提で、慣れの外側に置く部屋のほうを固定しておくと、そのつど作り直さずに済みます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
