C03使い方・お手入れ手順

旅行先でのケアの手順

公開日 2021年8月25日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、たたんだブランケットの上に静かに伏せているクリーム色の犬
旅先で最初にすることは、荷ほどきではなく、その子を下ろせる面を数えることです。写真:https://kaboompics.com//Pexels

宿の部屋に入って荷物を下ろし、その子を置ける平らな場所を探したら、ベッドの脇の1メートル四方しかありませんでした。旅行に連れていくときの手順は、持ち物の一覧から組み立てられることが多いと思います。ところが部屋に入って実際に手が止まるのは、荷物の中身ではなく、その子を下ろせる面の数のほうです。旅行先でのペットのケアは、部屋に入って面を数えるところから始まります。面が1か所あれば手順は5つ通せますし、0か所の夜は2つに減らします。

宿の部屋に、下ろせる面は1か所しかない|旅行のペットのケアで家でできる準備

旅行先でのケアがうまく進むかどうかは、宿の部屋に入って10秒で決まります。決めているのは、その子を下ろせる面がいくつあるかです。面というのは、膝より低くて、平らで、その子が4本足で立てて、こちらの両手が届く広さのある場所のこと。家にいるときは意識しません。家には、廊下も、洗面所の前も、寝床の横もあるからです。

宿の部屋にある場所と、面として数えられるか
場所高さ面として使えるか理由
ベッドの上膝より高い使えないその子が飛び降りる高さになる
ベッドの脇の床床使えるたいてい1か所だけ空いている
ローテーブル膝より低い使えない4本足で立てる広さがない
浴室の洗い場床宿による扉が閉まると逃げ場がなくなる
こちらの膝の上膝の高さ0か所の夜だけ背中側の1か所に手が届かない

表のとおり、多くの部屋で面は1か所です。そして、その1か所はたいてい荷物を置く場所と同じです。先に荷物を下ろすと面が0になり、あとから荷物を動かすことになります。旅行先でのペットのケアの手順が崩れる最初の分かれ目が、ここにあります。

家でできる準備は、持ち物を増やすことではなく、面を1枚持っていくことです。たためるマットでも、使い慣れた敷物でも構いません。広げれば、その部屋の面は必ず1か所になります。宿の間取りを調べる必要もなくなります。旅行のたびに面の有無で手順が変わっていた家ほど、この1枚で手順が固定されます。

出発の1週間前に、家の中でいちばん狭い場所にその1枚を広げて、同じ手順を通してみてください。室内の慣れた場所でも、1メートル四方に限ると、毎日やっている手順のいくつかが入らないことが分かります。入らなかったものが、旅行先でも入らないものです。削る順番を、旅先ではなく家で決めておきます。

面を数えずに部屋へ入ると、ケアがどこへ流れるか 荷物を先に下ろすと、部屋の面が0になります。残る面はこちらの膝の上だけで、膝の上では背中側に手が入りません。その日に届かなかった場所が、翌朝の車内や次の宿へ持ち越されていきます。 宿の床 荷物 膝の上 面1つ 翌朝 持越し 下ろせない 背中が残る 面を数えずに入った場合 置ける場所を探して10分 その子は先に部屋を1周する 1枚を先に広げた場合 下ろす場所が先に決まる 歩き回る前に手が入る
止める場所は荷物でも時間でもなく、部屋に入って最初の10秒です。

部屋に入ってからの5つ|旅行先でのペットのケアの手順と順番

順番は5つです。荷物より先に1枚を広げ、部屋をひと回りさせる前にその上へ下ろし、片手で上から下へ、ブラシへ持ち替えて毛の流れに通し、1枚を畳んで明朝も同じ場所に広げます。入れ替えてよいのは4番目だけで、残りの4つは順番そのものが手順です。

  1. 荷物より先に、持ってきた1枚を広げる

    扉から見て、ベッドの脇のいちばん広い床に広げます。この段階では、まだキャリーの扉も開けません。広げる場所を先に決めておくと、そのあとの4つが自動的に同じ場所で起きます。旅行先でのケアの手順を毎回そろえるためのいちばん安い方法が、この順番です。

  2. 部屋をひと回りさせる前に、その上へ下ろす

    キャリーから出たその子は、部屋のにおいを確かめに1周します。1周が終わってから呼ぶと、その子にとっては呼び戻される用事になります。先に1枚の上へ下ろせば、確かめる場所がその1枚から始まります。ここで数秒かがんで待つだけで、あとの手順が短くなります。

  3. 手のひらに取って、上から下へ片手でふれる

    mofuwa グルーミングスプレーを手のひらに取り、背中、脇、前足の順に、上から下へ一方向で進みます。旅先ではこちらもまだ荷物を持っていることが多いので、片手で終わる形にしておきます。往復はさせません。

  4. ブラシへ持ち替えて、毛の流れに通す

    同じ1枚の上でブラシへ持ち替えます。移動のあいだにキャリーの布とこすれた場所は、毛が浮いて指に絡みます。乾いたまま通すと静電気が起きて、その一瞬の引っぱりで、その子は1枚から降ります。ここだけは、その日の様子で飛ばして構いません。

  5. 1枚を畳んで、明朝も同じ場所に広げる

    畳んで荷物の上に置きます。翌朝、同じ場所に同じ向きで広げてください。2泊目には、その子は広げた時点で自分から乗ってきます。旅行先での習慣は、日数ではなく、同じ場所で同じ順番をくり返した回数でつくられます。

3番目に mofuwa グルーミングスプレーを置いているのは、旅先で毎日きれいにしておきたいという前提が、家にいるときと変わらないからです。体から脂が出ることは、移動している日も止まりません。昨日ふれた場所は、今日にはもう同じ状態に戻っています。ペット可の宿に着いた日も、車で半日移動した日も、そこは変わりません。旅行のあいだだけ毎日のケアを止めると、止めた日数ぶんが帰宅後に戻ってきます。

旅先に向いているのは、使ったあとにその子がなめてしまう場所へも置けることです。中身は電解水で、成分を足していません。宿の部屋で量をはかる道具はありませんが、はかる必要のないつくりなので、1枚の上で手のひらに取るだけで済みます。数えるものが1つ減ると、面が1か所しかない部屋でも手順は崩れません。

香りを足していないことも、旅先では意味が変わります。宿の部屋は、その子にとって知らないにおいの集まりです。自分のにおいと人の手のにおいだけが、そこで確かめられる材料になります。そこへ知らない香りが加わると、1枚の上に乗る理由がひとつ減ります。においを足さないことが、旅行先では場所を覚えてもらう条件になります。

4番目のブラシを飛ばしてよい日は、移動時間が3時間を超えた日です。着いた直後のその子は、こちらが思うより疲れています。飛ばすのは4番目だけで、1番目と5番目は飛ばしません。1枚を広げる動作と畳む動作が、その子にとっては「今日はここで終わり」の合図になっているからです。

面が0か所だった夜に何を選ぶか|旅行中のペットのケアが崩れる場所とコツ

面が0か所になる夜は必ず来ます。相部屋、荷物の多い車中泊、和室で布団が敷かれていた場合。こういう夜に残る面は、こちらの膝の上だけです。膝の上は面として1か所と数えますが、背中側の1か所には手が届きません。届かない場所が1つある前提で、その夜は手順を2つに減らします。

面が0の夜に残す2つは、口のまわりと前足です。どちらも膝の上で届きます。減らす2つを、その夜の気分で選ばないでください。2泊3日で毎晩ちがう2つを選ぶと、3日間でどこにも手が入らない場所が出てきます。減らす日の2つは、出発前に決めて紙に書いておきます。

Caution面が0の夜が2晩続いたあとに、見ておく場所

2泊のあいだ届かなかった背中側に、帰宅後も同じ場所だけをなめ続けている/宿で1枚の上に乗らなくなり、こちらが近づくと立ち上がる日が3日続く/前足が、旅行前より赤く見える/耳のうしろだけ、手のひらに脂がはっきり移る。こうなったときは、旅行の疲れや環境の変化という言い方で片づけないほうがよい範囲です。何泊のうち何晩、どの場所に手が入らなかったか。紙に書いてあるのはその数字だけですが、動物病院で見てもらうときには、それがいちばん伝わります。伝えたうえで、家では出発前と同じ時刻の手順に戻します。

もうひとつ、崩れたように見えて崩れていない夜があります。到着が遅れた日、車の渋滞が長かった日、同行者が増えた日です。この夜は1枚を広げて、その上でその子が丸くなるところまでで終わりにします。紙には手順の数を書かず、横線を1本引いておきます。あとで見返したときに、面が足りなかったのか、その日の予定が押したのかを分けられます。

2泊3日で手を入れる回数を、家と同じにそろえる|旅行中のペットのケアの頻度

旅行中の頻度は、増やしも減らしもしません。家でやっている回数と同じ回数にそろえます。旅先では特別なことをしたくなりますが、回数を増やすと、その子にとっては知らない部屋で手が入る回数が増えただけになります。減らせば、帰ってからまとめて取り返すことになります。

泊数ごとに、手を入れる回数と面の想定
泊数宿での回数面の想定帰宅後にやること
日帰り0回面なし帰宅後に家で1回
1泊2日夜に1回1か所帰宅後に家で1回
2泊3日毎晩1回1日目1か所/2日目0も想定帰宅後に家で1回+翌朝
3泊以上毎晩1回3日目から面が固定される帰宅後に家で1回

右端の列を見てください。どの泊数でも、帰宅後の1回が入っています。旅行のケアは、玄関を入った時点では終わっていません。車や電車で運ばれた時間のぶんが体に残っていますし、宿で届かなかった場所もそのままです。帰宅後の1回を数に入れておくと、旅先で2つに減らした夜があっても、そこで帳尻が合います。

3泊以上で面が固定されるのは、その子が3日目には広げた1枚を自分の場所として扱いはじめるからです。日数の長い旅行ほど、後半が楽になります。大変なのは1日目と2日目で、その2日をどう通すかだけが旅行先の手順です。

荷物を詰めるときに最後に入れるのは、たためる1枚です。いちばん上に入れておけば、宿の扉を開けて最初に出るものになります。この順番だけ守れば、部屋の間取りは毎回変わって構いません。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

ペットホテルや実家に預ける日は、同じ手順を渡しておいたほうがいいですか。
渡すのは手順の数ではなく、順番の1番目と5番目だけにしてください。1枚を先に広げること、終わったら畳むこと。この2つがあれば、あいだの3つはその方が無理なくできる範囲で構いません。5つを全部お願いすると、そのうちのどれかが飛ばされたときに、何が抜けたのかが分からなくなります。預けるときに1枚を一緒に渡しておくと、その子にとっては場所の合図が持ち込まれたことになります。
猫を連れていくときも、同じ順番でいいですか。
順番は同じですが、1枚を広げる場所が変わります。猫では、扉から見ていちばん奥の、壁が2面接している角に広げてください。部屋の真ん中に広げると、その上に乗る時間が短くなります。もうひとつ、容器を押したときの音を嫌がる子では、その音が宿の部屋で初めて鳴る音になります。手のひらに取ってから近づく形にするか、音の出ない持ち方に替えておくと、1日目から1枚の上にいられます。
旅行中にブラシを忘れました。3日間そのままで問題ありませんか。
3日なら、手のひらで代えられます。毛の流れに沿って、上から下へ手を滑らせるだけです。取れる量はブラシより少ないですが、旅行中に問題になるのは取れる量よりも、毛が絡んだまま固まる時間のほうです。帰宅後の1回で、家のブラシを使って通してください。次の旅行では、たためる1枚と一緒にブラシも入れておくと、忘れる余地がなくなります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。