C03使い方・お手入れ手順

来客前の10分でやること

公開日 2021年8月4日|文=mofuwa編集部

明るい玄関のそばで、こちらを見上げて立っているクリーム色の犬
10分でやることを決める前に、その10分で片手が何回ふさがるかを数えておきます。写真:PicsbyFran/Pixabay

チャイムが鳴る10分前、玄関で靴をそろえながら片手でその子の口のまわりにふれて、そのまま電話が鳴って手が止まりました。来客前の10分は、分で割って考えているうちは足りているように見えます。ところが実際に手が動いているのは、その10分のうち4分あるかどうかです。来客前のケアの手順を組み直すときに数えるのは、片手がふさがった回数のほうです。回数が4回を超えた日は、どの手順から書き始めても、同じところで止まります。

10分は毎日の短縮版になっていない|来客前のケアの手順を分で割らない前提

来客前の10分は、毎日やっているケアを短くしたものにはなりません。毎日の手順は、しゃがむ・両手を使う・その子の体勢を変える、の3つを前提に組まれています。チャイムまで10分という状況では、その3つがどれも使えません。こちらは立っていますし、片手は靴か鍵か電話でふさがっていますし、その子を抱き上げて向きを変える余裕もありません。来客前のケアが毎回同じところで止まるのは、手順が悪いからというより、毎日の手順をそのまま短くしようとしているからです。

チャイムまでの10分に、実際は何が入っているか
経過玄関で起きていることこちらの手その子の位置
0〜2分靴をそろえる・上着をかける両手がふさがる足元にいる
2〜4分呼んで、においの出る場所にふれる片手だけ空くこちらの正面
4〜6分電話が鳴る・家族に呼ばれる手が止まるその場を離れる
6〜8分もう一度呼んで、残りにふれる片手だけ空く戻ってくる
8〜10分道具を置き、玄関の床を見る片手が空く玄関から離す

表の右から2列目を見てください。10分のうち、両手が空いている区間はひとつもありません。来客前のケアの手順で使える手は、最初から片手だけです。両手を前提にした手順を10分に押し込むと、途中で必ず持ち替えが起きます。持ち替えのたびにその子はこちらの正面から外れ、呼び戻すのに30秒かかります。

もうひとつ、10分のうちに「手が止まる」区間が1回入っています。電話、インターホンの先ぶれ、家族の呼び声、届いた荷物。この中断は消せません。消せないのなら、手順の側を中断に耐える形にしておくほうが早い。どこで止まっても、そこまでで終わりにできる並びにしておきます。

10分のうち、手が入っている区間 10分をまるごと使えるつもりで組むと、中断のあとに戻る場所が決まりません。実際に手が動いているのは細切れの2区間で、あいだに中断が1回入ります。区間ごとに終われる形にしておくと、どこで止まってもその日のぶんは残ります。 区間の数は家によって変わります。数えるのは分ではなく回数です 0〜2分 玄関の支度で両手がふさがる その子はまだ足元にいます 2〜4分 1区間目。片手で上半分にふれる ここで終わっても成立する並びに 4〜6分 中断が1回入る 電話・呼び声・荷物。消せません 6〜8分 2区間目。残りにふれる 戻る場所は紙に書いた1か所だけ 8〜10分 道具を置いて玄関から離す しまわずに置いたままにします
使えるのは10分ではなく、2分ずつの2区間です。

室内で過ごす時間が長い子ほど、こちらの動きの順番をよく覚えています。来客の日だけ特別なことをすると、その子の側には「人が来る前に何かされる」という順番が残ります。10分でやるのは、毎日やっていることの一部を時間だけ前にずらすことです。新しい手順を足す時間は、10分の中にはありません。

立ったまま片手で進む5つ|来客前に家でできるケアの手順

手順は5つです。玄関から2メートル離した場所で呼び、片手で上半分にふれ、中断が入ったらそこで区切り、2区間目で下半分にふれ、道具を玄関のそばに置いて紙に回数を書きます。すべて立ったまま進めます。しゃがむ動作をひとつ入れるだけで、立ち上がるあいだにその子は正面から外れます。

  1. 玄関から2メートル離した場所で呼ぶ

    たたきの上ではなく、廊下側です。たたきの上で呼ぶと、こちらがドアや靴に手を取られるたびに、その子も一緒に動きます。2メートルというのは、チャイムが鳴った瞬間にその子がドアへ届かない距離でもあります。呼ぶ場所を毎回そろえておくと、1区間目がどこから始まるかを考えずに済みます。

  2. 手のひらに取ってから、上半分にふれる

    mofuwa スキンケアミストを手のひらに取り、口のまわり、耳のうしろ、首の下の順で、手のひらのほうを動かします。ノズルをその子に向けないので、持つ手を替えずに進みます。上から下へ一方向で、往復させません。往復は同じ1回でも、その子にとっては2回ふれられたことになります。

  3. 中断が入ったら、そこで1区間目を終わりにする

    電話が鳴ったら、途中でも切り上げます。切り上げた場所を紙に書いておけば、2区間目はその続きから始められます。書かずに中断すると、戻ってきたときに最初からやり直すことになり、10分では終わりません。

  4. 2区間目で、前足と体の下側にふれる

    帰宅後に床を歩いた前足と、寝床に接している側です。来客が最初にしゃがんで手を出すのは、たいていこの高さになります。ここも手のひらのほうを動かして、その子の位置は変えません。

  5. 道具は玄関のそばに置いたまま、紙に回数を書く

    棚に戻すと、次の来客前の手順は「探す」から始まります。玄関のそばの決まった場所に置いたままにして、その隣に紙を貼っておきます。書くのは日付と、片手がふさがった回数の2つだけです。

2番目で手のひらに取るのは、mofuwa スキンケアミストが水の処方でつくられているからです。飲み薬でも塗り薬でもないので、その子がそのあとなめてしまう口のまわりにも置けます。処方されて家に持ち帰るものは、たいてい飲み薬か塗り薬のどちらかになります。塗ったものが昼には残っていない、という話も珍しくありませんが、来客前の10分でやるのは、その手前にある毎日のほうです。

この1本が10分に向いているのは、使える場所が体の上で分かれていないからです。耳の内側、口のまわり、目のまわり、肉球。においや汚れが出る場所は10分のあいだに何か所も出てきますが、場所ごとに別のものへ持ち替える時間はありません。持ち替えが1回減るごとに、片手でつながる区間がそのぶん長くなります。

来客が気づくのは、その子の体そのものより、その子がふれた面のにおいであることが多い。玄関マット、靴箱の下、廊下の壁の低いところです。ただし10分では面まで手が回りません。10分でやるのは体の側だけと決めて、面の側は来客の頻度に合わせて別の日に回します。両方に手を出した日は、どちらも中途半端なところで中断が来ます。

順番を上から下にそろえておく理由は、時間のためだけではありません。口のまわりにふれてから前足へ下りると、手のひらに移った汚れが、すでに済ませた場所へ戻りません。逆にすると、前足にふれた手で口のまわりに戻ることになり、手を洗う1動作が増えます。その1動作が、片手がふさがった回数の1回ぶんです。

片手がふさがった回数を玄関の紙で数える|来客前のケアが崩れる場所とコツ

来客前のケアが崩れるかどうかは、片手がふさがった回数で決まります。数えるのは分でも手順の数でもありません。玄関に貼った紙に、その日ふさがった回数を正の字で書いていくだけです。3回までなら5つの手順は通ります。4回を超えた日は、手順の側を3つに減らします。

回数が増える理由は、その子の側ではなく玄関の側にあります。宅配が重なる時間帯、家族の帰宅後の30分、来客が予定より早く着いた日。紙に回数だけを書いていくと、3週間ほどで曜日の傾向が出てきます。回数の多い曜日に来客が入る日は、10分ではなく20分前から始めるほうが確実です。

Caution回数が下がったのに、同じ場所から戻ってくるとき

紙の回数が3回以下に下がったのに、においや汚れが同じ場所から戻ってくる/来客が帰ったあと、ふれた場所だけを10分以上なめ続けている/前日にふれた前足が、翌日には赤く見える/耳のうしろだけ、手のひらに脂がはっきり移る日が続いている。ここまで来ると、10分の手順の側ではなく、その子の体の側に理由があることになります。紙には日付と回数しか書いていませんが、それで十分です。いつから、どの場所が、回数が何回のときから戻りはじめたのかが並んでいるので、動物病院で体のほうを見てもらうときに、その紙をそのまま渡せます。渡したうえで、家では同じ5つを続けます。

手順を3つに減らす日の選び方も、先に決めておきます。残すのは、口のまわり、前足、道具を置き直すことの3つです。残す3つを日によって入れ替えないでください。入れ替わると、その子の側では毎回ちがうことをされていることになり、10分のうちに離れる回数のほうが増えていきます。

回数を下げる手は、手順の外にもあります。玄関の紙の横に、道具を置く位置を四角で書いておく。上着をかけるフックを1つ増やす。荷物の受け取り時刻をずらす。どれも来客前のケアの話には見えませんが、片手がふさがる回数はこちらのほうがよく下がります。

月に1回の家と週に2回の家|来客前のケアを頻度から組み直す

来客が月に1回の家と、週に2回の家では、同じ10分でも重さが違います。月に1回なら、10分は特別な日の手順で足ります。週に2回なら、10分が毎日の習慣の一部になっていないと続きません。頻度によって、削る場所が変わります。

来客の頻度と、10分の前に済ませておくこと
来客の頻度10分でやることその前に済ませておくこと紙に書く日
月に1回5つの手順を通すとくになし。10分で足りる来客のあった日だけ
月に2〜3回5つの手順を通す前日に前足と玄関マット来客のあった日だけ
週に1回上半分だけの3つ毎日の習慣を朝に寄せる毎週おなじ曜日
週に2回以上口のまわりと前足の2つ毎日の側で完結させる毎日

下の行ほど、10分でやることが減っていきます。頻度が上がるほど手順を厚くするのは逆です。週に2回来客のある家で毎回5つを通すと、その子は週に2回、こちらの都合で動かされることになります。頻度が上がったときに増やすのは毎日の側で、来客前の10分ではありません。

見送ったあとの3分も決めておきます。玄関の床を見て、道具を決まった位置に戻し、紙に回数を書く。この3分が、次の来客前の10分の1区間目です。今日書いた回数は、来月の同じ曜日に返ってきます。

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よくある質問

10分より早く始められる日は、何分前からにすればいいですか。
20分前からにして、前半の10分を面の側に使ってください。玄関マット、靴箱の下、廊下の低いところです。体の側は、これまでどおりチャイムの10分前から始めます。順番を逆にすると、面にふれた手でその子にさわることになり、手を洗う動作のぶんだけ回数が増えます。なお20分よりさらに早く体の側を始めても、その子は10分前と同じ状態に戻っているので、早めた意味は出にくいままです。
猫の場合も、同じ5つの手順で進めていいですか。
手順の数は同じで構いませんが、呼ぶ場所が変わります。猫では玄関から2メートルではなく、来客が入ってこない部屋の中で済ませてください。玄関まわりで呼ぶと、チャイムが鳴った瞬間の逃げ先が玄関の反対側になり、そのあと来客の通り道を横切ることになります。もうひとつ、容器を押したときの音を嫌がる子では、その音が区間の終わりの合図になってしまいます。手のひらに取ってから近づく形にすると、音が区間を切りません。
紙に書くのは回数と日付だけでいいですか。ほかに残しておくと役に立つものはありますか。
3週間は回数と日付だけで足ります。増やすなら、中断の中身を1語だけ足してください。電話、荷物、家族。3つのうちどれが多いかが分かると、減らせるものが1つ見つかります。荷物が多いなら受け取りの時刻をずらせますし、家族の呼び声が多いなら、その10分は呼ばない約束にできます。手順を見直すより、こちらのほうが回数は早く下がります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。