C08季節・行事

毎年おなじ時期に、脇の下だけが赤くなる

公開日 2022年3月17日|文=mofuwa編集部

明るい部屋のクリーム色の毛布の上で、横になってくつろいでいる淡い色の犬
前足のつけ根の内側は、毛が薄いぶん、地肌の色の変化が先に目に入る場所です。写真:Ketut Subiyanto/Pexels

手帳に「掻く」と書いた日が、3月の第2週から途切れずに並びました。前の年の手帳をめくると、同じころから同じ字が並んでいます。赤みが出ているのは脇の下、前足のつけ根の内側だけで、背中もおなかも掻きません。場所がこれだけ決まっていると、その子の体のどこかが変わったというより、その場所に起きていることのほうを疑いたくなります。1日に何回掻いたかを数えるようになったのは、この年からでした。

手帳に「掻く」と書いた日が、去年と同じ週に並んだ|脇の下の赤みを数えた経験

後ろ足で耳のうしろを掻く音は、離れていても聞こえます。脇の下は違いました。前足で掻くというより、床に押しつけてこするような動きで、こちらが見ていないと数に入りません。気づいたのは、前足を持ち上げたときに、つけ根の内側の地肌がうすく赤かったことでした。そこから、1日に掻く回数を手帳の端に書くようにしました。

1日に掻く回数と、そのとき脇の下の地肌がどう見えたか(3週間の記録)
週1日に掻く回数脇の下の地肌の見え方服を着せた日数
3月の第1週0〜1回ふだんの色0日
3月の第2週6〜9回つけ根の内側がうすく赤い5日
3月の第3週5〜8回赤みの範囲が指1本ぶん広い6日
前の年の第2週「掻く」の字が7日続く記録なし記録なし

数えてみて意外だったのは、掻く回数がいちばん多い日と、外へ出た時間がいちばん長い日がそろわなかったことです。ずれていたのは1日ぶんで、長く歩いた日の翌日に、掻く回数が増えていました。その日のうちに出るのではなく、ひと晩おいてから出る。感覚だけで見ていたころは、この1日のずれに気づけていませんでした。

この記事で数えるのは、1日に掻く回数と、その回数が何日続いたかの2つです。赤みの濃さは、光の入り方でも見え方が変わるので、日によって判断がぶれます。掻く回数なら、目で見た数をそのまま書けます。数字が並んでいれば、去年の手帳と同じ欄で比べられますし、来年にも持ち越せます。脇の下の赤みを追いかけるのに、家庭でいちばん扱いやすい単位でした。

前足のつけ根に、布が当たっている時間|脇の下だけに赤みが出る背景

脇の下は、体のなかで条件が4つ重なっている数少ない場所です。背中に1つか2つしか当てはまらない条件が、ここだけ全部そろいます。だから同じ日に外を歩いても、赤みが出るのはここで、掻く動きが出るのもここになります。

この時期に増えるのは、1つめの「布が当たる」時間です。外の空気が気になって服を着せる日が増え、散歩のあとに体を拭く日も増えます。表の右端に服を着せた日数を書いたのは、掻く回数と並べて見るためでした。着せた日が続いた週は、掻く回数も並びました。布そのものが悪いわけではなく、同じ面に同じ向きの力が、毎日同じ時間かかり続けることのほうです。

2つめの「風が通らない」も、この時期に効いてきます。湿度が高い日に帰ってきて体を拭くと、背中は5分で乾くのに、脇の下は指を入れるとまだ湿っています。前足を下ろした姿勢のままだと、くぼみの奥は空気が動きません。濡れている時間が長い面は、そのぶん地肌がふやけます。ふやけた地肌は、布がこすれたときの力をそのまま受けます。

そして脇の下は、赤みが出やすい場所であると同時に、赤みが見えやすい場所でもあります。背中に同じ色が出ていても、被毛に隠れて気づきません。毎年おなじ時期に脇の下ばかりが目につくのは、そこだけに起きているからというより、そこだけが見えているからでもあります。だから、ほかの場所も前足を持ち上げたついでに1回ずつ見る、と決めておくと、比べる材料が増えます。

洗う回数を増やしても、掻く回数が減らなかった理由|脇の下の赤みとうるおいの残し方

最初にやったのは、洗う回数を増やすことでした。週1回だったシャンプーを週3回にして、2週間続けました。掻く回数は6〜9回のままでした。洗ったあとの数時間は落ち着いて見えるのに、翌朝にはまた同じ動きが出ます。数字が動かないので、洗う頻度は元に戻しました。

あとから考えると、洗いすぎは、脇の下にとって条件を1つ増やす動きでした。洗えば濡れます。濡れた脇の下は、いちばん乾きにくい面です。乾ききる前に前足が下りて、そこへ服が当たる。回数を増やしたぶん、濡れている時間の合計が増えていました。地肌の側にも、うるおいを保つための皮脂が要ります。頻度だけを上げると、その手前の条件が見えなくなります。

変えたのは、洗う回数ではなく、帰ってから脇の下に触れる順番でした。これまでは足の裏から始めて、脇の下は最後でした。順番を入れ替えて、前足を持ち上げるところから始めます。

  1. 服とハーネスを外したら、前足を1本持ち上げる

    つけ根の内側を開いて、地肌の色を見ます。指の腹で当てて、湿っているかどうかも確かめます。ここまでで20秒です。

  2. 5分だけ、くぼみを開けておく

    抱き上げてもいいし、おやつで立たせておくだけでも構いません。前足が下りていない5分のあいだに、いちばん乾きにくい面が乾きます。

  3. 毛を分けて、地肌に直接届かせる

    ブラッシングと同じ手で、脇の下の薄い被毛を前後に分けます。毛の上からでは、地肌まで届きません。

  4. 赤みの出ている面に、うるおいを戻す

    こすらないこと。押し当てて、そのまま手を離します。そのあと前足を下ろして構いません。

4つめで使っているのが mofuwaスキンケアミストです。脇の下という場所が、選べるものを狭めます。前足を舐めるついでに口が届くので、そこへ置いたものは、その日のうちにその子の口へ入ります。塗ったものが朝から昼まで残らない、という話は、この場所ではとくによく聞きます。mofuwaスキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアした水です。舐めることを前提にしたまま、地肌の見えている面に直接届かせられます。

水そのものの働きなので、成分を足して機能を持たせたものとは、使える場所の広さが違います。耳の内側でも、口のまわりでも、指のあいだでも、置ける場所を選び直さずに済みます。脇の下のように、毛を分けないと届かない面では、粒の細かい霧がそのまま地肌に触れることも扱いやすさになります。乾いたあとに布が当たっても、べたつきが残りません。

順番を入れ替えた週から、1日に掻く回数は6〜9回から2〜4回になりました。洗う回数は週1回に戻したままです。変えたのは、濡れている時間を短くしたことと、地肌の見えている面に何を置くかの2つだけでした。赤みの範囲は、指1本ぶん広がったところで止まり、そこから2週間かけて、もとの幅に戻っていきました。

Caution掻く回数が2週間たっても2けたのままのとき

順番を変えて2週間たっても、1日に掻く回数が10回を下回らない。脇の下の赤みが、前足のつけ根から胸やおなかへ広がっている。地肌がじくじくして、毛が円くうすくなってきた。夜中に掻く音で目が覚める日が3日続いた。ここまでの数字は、布が当たる時間や濡れている時間では説明がつきません。手帳をそのまま持って、動物病院へ行く日を決めてください。1日に何回、何週目から、という数字が並んでいれば、その場で見るところが絞れます。家でやっている順番は、その日も続けて構いません。

来年の3月に、手帳のどこを開くか|脇の下の赤みを数え続ける考え方

毎年おなじ時期に来るものは、来る前に手帳の欄をつくっておけます。書くのは2つだけです。1日に掻いた回数と、服を着せ始めた日。この2つが並んでいると、翌年の同じ週に開いたとき、去年どこから並び始めたかがひと目で分かります。赤みの濃さや写真は、あとから見ても比べにくいので、数字のほうを残します。

条件は年ごとに少しずつずれます。暖かくなるのが早ければ服を着せる日数は減り、湿度の高い日が続けば脇の下の乾く時間が延びる。それでも、掻く回数という単位は変わりません。同じ物差しで3年ぶん並べば、その子にとって何が効いていたのかが、こちらの記憶より正確に残ります。皮膚の様子を言葉で書き留めようとすると、毎年ちがう言い方になってしまいます。

今日できるのは、前足を1本持ち上げて、つけ根の内側を見ることだけです。赤くなければ0と書く。掻いたら、その数を書く。脇の下の記録は、その1行から始まります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。