C08季節・行事
抜ける量に追われて梳かすと、地肌のほうが先に傷む
梳かし終わった腰の毛を親指で押し広げたら、地肌に赤い点が3つ、横に並んでいました。その日にブラシを入れたのは腰と背中だけで、時間にして7分。取れた毛は片手にのるほどあり、手ごたえがあったぶん、同じ場所を何度も往復していました。換毛期に増えるのは抜ける量のほうで、その量に追われると、こちらの手は同じ場所に戻り続けます。地肌が赤いかどうかを分けているのは、力の強さより、1か所に入れた往復の数です。この記事では往復数を数えながら、梳かす場所と日を分けていきます。
取れた量ではなく、往復した数を数える|地肌が赤いときに家でできることの前提
ブラシを1か所に入れた往復の数は、数えようと思わないかぎり誰も数えていません。数えているのは、たいてい取れた毛のほうです。換毛期は下毛が入れ替わるので、何往復してもまだ取れます。取れるから続ける、続けるからまた取れる。この往復のあいだ、毛は減っていきますが、地肌に当たる回数は増え続けます。
| 往復数 | 毛の側で起きること | 地肌の側で起きること |
|---|---|---|
| 1〜5 | 浮いていた下毛が取れる | 毛がクッションになり、ブラシの先は毛の中で止まる |
| 6〜10 | 取れる量が目に見えて減る | 毛の層が薄くなり、先が地肌に届きはじめる |
| 11〜20 | 残っているのは抜けかけの毛だけ | 同じ筋の上を先が何度も通る |
| 21以上 | 取れる量はほとんど変わらない | 通った筋に沿って、赤い線や点が出る |
3月は条件がもう1つ重なります。室温を上げている部屋と、外の気温との差が大きい週です。乾燥した空気のなかで暖房を使うと、部屋の湿度は下がり、地肌の側の水分も減ります。同じ20往復でも、季節の変わり目のこの時期は、地肌のほうが先に音をあげます。去年の秋と同じやり方をしているのに今年の春だけ赤い、というときは、往復数が同じでも条件が変わっています。
往復数で数えるもう1つの利点は、その日にできなかったぶんが分かることです。量で見ていると、終わりは「もう取れない」しかありません。5往復で区切れば、取りきれなかった毛は明日の担当になります。換毛期は2週間から3週間続くので、1日で終わらせる理由はどこにもありません。
1か所5往復で区切る|地肌を赤いままにしない梳かし方の手順
手順は5つです。体を6つに分け、1日3か所まで、1か所5往復で止め、梳かす前に根元へ水分を届け、終わったら地肌の色を見ます。数えるのは往復数だけで、時間も量も見ません。
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1|体を6つに分けて、紙に書いておく
背中、腰、胸、脇の下、後ろ足の外側、しっぽのつけ根。この6つで、換毛期に毛が溜まる場所はだいたい入ります。分けておかないと、手はいちばん取れる場所だけを繰り返します。取れる場所ほど往復が増え、赤い点もそこに出ます。
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2|その日に梳かす場所を3つ決める
1日3か所、2日で全身が1周します。決めるのは始める前です。途中で「ここも」と足すと、足した場所は残り時間で急ぐことになり、手が速くなります。
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3|1か所5往復で手を止める
毛先から根元へ向かって5回。数えながら梳かすと、5回はすぐ来ます。まだ取れる手ごたえが残っているところで止めるのが、この手順のいちばん難しいところです。取れ残った毛は明日の同じ場所で取れます。
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4|梳かす前に、根元まで水分を届ける
手のひらに2〜3回出してなじませ、これから梳かす3か所に置いて、指の腹で根元まで広げます。乾いた毛はブラシの先を受け止められないので、5往復のうち何回かは、毛ではなく地肌に当たっています。
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5|終わったら、指2本で毛を分けて色を見る
梳かした3か所を、指2本で毛をかき分けて地肌を見ます。白っぽいか、うっすら赤いか、赤い点があるか。紙に場所と往復数と、この3段階のどれかを書きます。3日ぶんたまると、どの場所が何往復までなら赤くならないかが見えてきます。
4つ目の手順で使うのはmofuwaグルーミングスプレーです。手のひらに受けてから根元に広げると、梳かす前の毛に水分の層ができます。この層があるあいだ、ブラシの先は毛の中で止まり、地肌までは届きません。5往復という区切りが守れるのも、水分が入っていれば5往復でおおよそ取れるからで、乾いた毛のまま始めた日は、同じ量を取るのに倍の往復が要ります。往復数を減らす手順と、水分を届ける手順は、同じことの表と裏です。
量は気にせず置いて構いません。中身はアルカリ電解水で、香りも足していないので、梳かしたあとにその子が背中や脇をなめても困らない作りです。足りない量で薄く伸ばすと、水分が届くのは毛先だけになり、根元の側は乾いたままになります。換毛期に溜まった下毛は皮脂でからんでいますが、余分な皮脂と油は電解水となじんで乳化するため、5往復でもブラシの面に落ちてきます。
毎日3か所という置き方は、洗う日の予定に左右されません。mofuwaグルーミングスプレーは、洗う日と洗う日のあいだにある回数の多いほうを、毎日そのまま続けられる形にした1本です。換毛期の3週間で見ると、風呂は3回か4回でも、梳かす日は20日を超えます。地肌に効いてくるのは、回数の多い側をどう組んだかのほうです。
猫は自分で毛づくろいをするぶん、人の手が入る時間そのものを長く感じます。1日2か所、1か所5往復までにして、残りは翌日に回してください。背中としっぽのつけ根は毛が密なので、指の腹で根元まで水分を広げてから梳かすと、往復数が同じでも取れる量が変わります。脇の下は皮膚が薄いので、ここだけは3往復で止めるほうが安全です。
往復を減らしたのに赤い点が消えない日|ブラシの先が地肌に当たる3つの形
5往復に減らしたのに赤い点が出るときは、1往復の中身のほうが変わっています。数は減っていても、先が地肌に当たっている回数は減っていないという状態です。心当たりは3つに絞れます。
- 柄の端を持っている:柄の端を持つとブラシの面が寝て、目の先端が立ちます。先端が立った状態では、毛の中で止まらずに地肌まで届きます。柄の付け根近くを持ち、面を毛に沿わせて動かすと、同じ5往復でも当たり方が変わります
- 逆毛に立ててから戻している:毛を逆に立てて根元を起こし、そこから毛先へ戻す動きは、数のうえでは1往復でも、地肌の側では2回です。換毛期は根元に下毛が詰まるので、この動きをしたくなります。起こすのは指の腹でやって、ブラシは一方向だけにします
- 取れ具合を確かめている:どれくらい取れたかを見るために、同じ場所へブラシを当て直す回数は、往復数に入っていないことが多いです。確認は、5往復が終わって手を離してから、指で毛を分けて1回だけ行います
3つとも、力を抜いても直りません。持ち方と動かす向きと、確認のしかたの問題だからです。力加減だけを気にして往復数と持ち方をそのままにすると、赤い点は同じ場所に出続けます。翌日の記録で場所が動いていないときは、そこにいちばん多く手が入っている証拠です。
もう1つ、赤い点が出やすい日の条件があります。湿度が下がった日、暖房を強めた日、外から帰って体が冷えたまま梳かした日。地肌の側の水分と温度が動いた日は、往復数を1つ減らして4回にしておくと、翌日の記録が変わります。季節の変わり目のあいだは、この余白を持たせたほうが結果的に早く進みます。
1か所5往復に落として3日続けても、同じ場所の赤い点が消えない。点だった赤いところが面になって広がった。梳かす前から地肌が赤い。毛を分けると、そこだけ湿っている、においがある。触ると痛がって、その場所をあとから長くなめている。ここまで来ると、ブラシの往復数では説明がつきません。点が出た場所と往復数を書いた紙を持って、動物病院の予約を取ってください。何往復まで減らして何日続けたかが分かる記録は、家でのやり方をそのまま伝えるより正確に伝わります。
3分の割り当てと、週に一度だけ見る場所|地肌を赤いまま持ち越さない毎日の置き方
1日3か所、1か所5往復なら、かかるのは3分ほどです。換毛期のあいだ、この3分を毎日置けるかどうかで、2週間後の地肌の色が変わります。長い時間を週末にまとめるより、短い時間を毎日置くほうが、往復数の上限を守りやすくなります。
| 日 | 梳かす3か所 | 1か所の上限 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 背中・腰・胸 | 5往復 | 地肌の色を3段階で |
| 2日目 | 脇の下・後ろ足の外側・しっぽのつけ根 | 5往復(脇は3) | 地肌の色を3段階で |
| 3日目 | 背中・腰・胸 | 5往復 | 前回と同じ場所を比べる |
| 7日目 | 全身を指で分けて見るだけ | 梳かさない | 赤い点の場所を図に書く |
7日目に梳かさない日を入れるのは、1週間ぶんの記録を1枚の図にするためです。体の絵を簡単に描いて、赤い点が出た場所に印をつけます。印が同じ場所に集まっていれば、その場所の往復数だけを3回に落とします。全身の往復数を一律に減らすより、集まっている1か所を狙って減らすほうが、取れる量を落とさずに済みます。
2週間たったら、記録の3段階のうち、白っぽいと書いた日が何日あったかを数えてください。増えていれば、抜ける量が減ったからではなく、同じ量を少ない往復で取れるようになったからです。換毛期の終わりごろには、5往復でも取れる量が自然に減ってきます。そこが、1日3か所を2か所に戻していい合図になります。
今夜は、体を6つに分けた紙を1枚書いて、そのうち3か所に印をつけるところまでで終わりにしてかまいません。梳かすのは明日からで足ります。往復の数を決めてから手を動かすという順番だけが、この3週間で効いてきます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 換毛期は1日に何分くらい梳かすのが適当ですか。時間で決めてはいけませんか。
- 時間で決めると、取れ具合によって手の速さが変わってしまいます。5分と決めた日は、残り1分で急ぎ、その1分に往復が集中します。場所と往復数で決めるほうが、結果として毎日同じ負荷になります。目安として1日3か所、1か所5往復なら3分前後です。時間はあとから出てくる数字として見て、決める側には置かないでください。
- ブラシで取るより、手で撫でて取ったほうが地肌には優しいですか。
- 手のひらで撫でて取れるのは、すでに浮いて表面に出ている毛だけです。根元に詰まった下毛は残るので、その日は楽でも、翌日にまとめて梳かすことになり往復数が増えます。手で取るなら、梳かす前の準備として使ってください。水分を根元に広げるついでに手のひらで表面の毛を集めておくと、そのあとのブラシは5往復でも進みやすくなります。
- 赤い点が出たあと、何日くらい梳かすのを休めばいいですか。
- その場所だけ2日休んで、他の5か所は続けてください。全身を休むと、休んだぶんの毛が根元に溜まり、再開した日の往復数が増えます。再開するときは、いきなり5往復に戻さず3往復から始めて、翌日の色を見てから戻します。休む場所を体の一部に絞れるのが、6つに分けておくことのいちばんの利点です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
