C08季節・行事

抜ける量に追われて梳かすと、地肌のほうが先に傷む

公開日 2022年3月10日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のブランケットの上に静かに座っている白っぽい猫
取れた毛の山より、その毛を取るまでに同じ場所を何回通ったかのほうが、地肌には効いています。写真:大 董/Pexels

梳かし終わった腰の毛を親指で押し広げたら、地肌に赤い点が3つ、横に並んでいました。その日にブラシを入れたのは腰と背中だけで、時間にして7分。取れた毛は片手にのるほどあり、手ごたえがあったぶん、同じ場所を何度も往復していました。換毛期に増えるのは抜ける量のほうで、その量に追われると、こちらの手は同じ場所に戻り続けます。地肌が赤いかどうかを分けているのは、力の強さより、1か所に入れた往復の数です。この記事では往復数を数えながら、梳かす場所と日を分けていきます。

取れた量ではなく、往復した数を数える|地肌が赤いときに家でできることの前提

ブラシを1か所に入れた往復の数は、数えようと思わないかぎり誰も数えていません。数えているのは、たいてい取れた毛のほうです。換毛期は下毛が入れ替わるので、何往復してもまだ取れます。取れるから続ける、続けるからまた取れる。この往復のあいだ、毛は減っていきますが、地肌に当たる回数は増え続けます。

1か所あたりの往復数と、そのとき地肌の側で起きていること
往復数毛の側で起きること地肌の側で起きること
1〜5浮いていた下毛が取れる毛がクッションになり、ブラシの先は毛の中で止まる
6〜10取れる量が目に見えて減る毛の層が薄くなり、先が地肌に届きはじめる
11〜20残っているのは抜けかけの毛だけ同じ筋の上を先が何度も通る
21以上取れる量はほとんど変わらない通った筋に沿って、赤い線や点が出る

3月は条件がもう1つ重なります。室温を上げている部屋と、外の気温との差が大きい週です。乾燥した空気のなかで暖房を使うと、部屋の湿度は下がり、地肌の側の水分も減ります。同じ20往復でも、季節の変わり目のこの時期は、地肌のほうが先に音をあげます。去年の秋と同じやり方をしているのに今年の春だけ赤い、というときは、往復数が同じでも条件が変わっています。

抜ける量を追うと、同じ場所に戻ってくる 換毛期は何度梳かしても毛が取れます。取れる手ごたえがあるほど、こちらの手は同じ場所に戻ります。毛の側の量で判断しているかぎり、止まる合図がどこにもありません。往復数を先に決めると、この輪から出られます。 抜ける量が増える 換毛期 まだ取れる 手ごたえ 同じ場所に戻る 往復が増える 取れるから続ける 地肌に当たる回数が増える 取れた量で判断した日 1か所が20往復を超える 翌日に赤い点が出る 往復数で判断した日 5往復で次の場所へ移る 残りは翌日の3か所に入る
止める合図を毛の側に置くと、合図は一日じゅう来ません。

往復数で数えるもう1つの利点は、その日にできなかったぶんが分かることです。量で見ていると、終わりは「もう取れない」しかありません。5往復で区切れば、取りきれなかった毛は明日の担当になります。換毛期は2週間から3週間続くので、1日で終わらせる理由はどこにもありません。

1か所5往復で区切る|地肌を赤いままにしない梳かし方の手順

手順は5つです。体を6つに分け、1日3か所まで、1か所5往復で止め、梳かす前に根元へ水分を届け、終わったら地肌の色を見ます。数えるのは往復数だけで、時間も量も見ません。

  1. 1|体を6つに分けて、紙に書いておく

    背中、腰、胸、脇の下、後ろ足の外側、しっぽのつけ根。この6つで、換毛期に毛が溜まる場所はだいたい入ります。分けておかないと、手はいちばん取れる場所だけを繰り返します。取れる場所ほど往復が増え、赤い点もそこに出ます。

  2. 2|その日に梳かす場所を3つ決める

    1日3か所、2日で全身が1周します。決めるのは始める前です。途中で「ここも」と足すと、足した場所は残り時間で急ぐことになり、手が速くなります。

  3. 3|1か所5往復で手を止める

    毛先から根元へ向かって5回。数えながら梳かすと、5回はすぐ来ます。まだ取れる手ごたえが残っているところで止めるのが、この手順のいちばん難しいところです。取れ残った毛は明日の同じ場所で取れます。

  4. 4|梳かす前に、根元まで水分を届ける

    手のひらに2〜3回出してなじませ、これから梳かす3か所に置いて、指の腹で根元まで広げます。乾いた毛はブラシの先を受け止められないので、5往復のうち何回かは、毛ではなく地肌に当たっています。

  5. 5|終わったら、指2本で毛を分けて色を見る

    梳かした3か所を、指2本で毛をかき分けて地肌を見ます。白っぽいか、うっすら赤いか、赤い点があるか。紙に場所と往復数と、この3段階のどれかを書きます。3日ぶんたまると、どの場所が何往復までなら赤くならないかが見えてきます。

4つ目の手順で使うのはmofuwaグルーミングスプレーです。手のひらに受けてから根元に広げると、梳かす前の毛に水分の層ができます。この層があるあいだ、ブラシの先は毛の中で止まり、地肌までは届きません。5往復という区切りが守れるのも、水分が入っていれば5往復でおおよそ取れるからで、乾いた毛のまま始めた日は、同じ量を取るのに倍の往復が要ります。往復数を減らす手順と、水分を届ける手順は、同じことの表と裏です。

量は気にせず置いて構いません。中身はアルカリ電解水で、香りも足していないので、梳かしたあとにその子が背中や脇をなめても困らない作りです。足りない量で薄く伸ばすと、水分が届くのは毛先だけになり、根元の側は乾いたままになります。換毛期に溜まった下毛は皮脂でからんでいますが、余分な皮脂と油は電解水となじんで乳化するため、5往復でもブラシの面に落ちてきます。

毎日3か所という置き方は、洗う日の予定に左右されません。mofuwaグルーミングスプレーは、洗う日と洗う日のあいだにある回数の多いほうを、毎日そのまま続けられる形にした1本です。換毛期の3週間で見ると、風呂は3回か4回でも、梳かす日は20日を超えます。地肌に効いてくるのは、回数の多い側をどう組んだかのほうです。

Point猫は3か所ではなく2か所で切り上げる

猫は自分で毛づくろいをするぶん、人の手が入る時間そのものを長く感じます。1日2か所、1か所5往復までにして、残りは翌日に回してください。背中としっぽのつけ根は毛が密なので、指の腹で根元まで水分を広げてから梳かすと、往復数が同じでも取れる量が変わります。脇の下は皮膚が薄いので、ここだけは3往復で止めるほうが安全です。

往復を減らしたのに赤い点が消えない日|ブラシの先が地肌に当たる3つの形

5往復に減らしたのに赤い点が出るときは、1往復の中身のほうが変わっています。数は減っていても、先が地肌に当たっている回数は減っていないという状態です。心当たりは3つに絞れます。

3つとも、力を抜いても直りません。持ち方と動かす向きと、確認のしかたの問題だからです。力加減だけを気にして往復数と持ち方をそのままにすると、赤い点は同じ場所に出続けます。翌日の記録で場所が動いていないときは、そこにいちばん多く手が入っている証拠です。

もう1つ、赤い点が出やすい日の条件があります。湿度が下がった日、暖房を強めた日、外から帰って体が冷えたまま梳かした日。地肌の側の水分と温度が動いた日は、往復数を1つ減らして4回にしておくと、翌日の記録が変わります。季節の変わり目のあいだは、この余白を持たせたほうが結果的に早く進みます。

Caution5往復に減らして3日たっても、同じ場所に赤い点があるとき

1か所5往復に落として3日続けても、同じ場所の赤い点が消えない。点だった赤いところが面になって広がった。梳かす前から地肌が赤い。毛を分けると、そこだけ湿っている、においがある。触ると痛がって、その場所をあとから長くなめている。ここまで来ると、ブラシの往復数では説明がつきません。点が出た場所と往復数を書いた紙を持って、動物病院の予約を取ってください。何往復まで減らして何日続けたかが分かる記録は、家でのやり方をそのまま伝えるより正確に伝わります。

3分の割り当てと、週に一度だけ見る場所|地肌を赤いまま持ち越さない毎日の置き方

1日3か所、1か所5往復なら、かかるのは3分ほどです。換毛期のあいだ、この3分を毎日置けるかどうかで、2週間後の地肌の色が変わります。長い時間を週末にまとめるより、短い時間を毎日置くほうが、往復数の上限を守りやすくなります。

6か所を2日で1周する置き方と、記録する内容
日梳かす3か所1か所の上限記録
1日目背中・腰・胸5往復地肌の色を3段階で
2日目脇の下・後ろ足の外側・しっぽのつけ根5往復(脇は3)地肌の色を3段階で
3日目背中・腰・胸5往復前回と同じ場所を比べる
7日目全身を指で分けて見るだけ梳かさない赤い点の場所を図に書く

7日目に梳かさない日を入れるのは、1週間ぶんの記録を1枚の図にするためです。体の絵を簡単に描いて、赤い点が出た場所に印をつけます。印が同じ場所に集まっていれば、その場所の往復数だけを3回に落とします。全身の往復数を一律に減らすより、集まっている1か所を狙って減らすほうが、取れる量を落とさずに済みます。

2週間たったら、記録の3段階のうち、白っぽいと書いた日が何日あったかを数えてください。増えていれば、抜ける量が減ったからではなく、同じ量を少ない往復で取れるようになったからです。換毛期の終わりごろには、5往復でも取れる量が自然に減ってきます。そこが、1日3か所を2か所に戻していい合図になります。

今夜は、体を6つに分けた紙を1枚書いて、そのうち3か所に印をつけるところまでで終わりにしてかまいません。梳かすのは明日からで足ります。往復の数を決めてから手を動かすという順番だけが、この3週間で効いてきます。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

換毛期は1日に何分くらい梳かすのが適当ですか。時間で決めてはいけませんか。
時間で決めると、取れ具合によって手の速さが変わってしまいます。5分と決めた日は、残り1分で急ぎ、その1分に往復が集中します。場所と往復数で決めるほうが、結果として毎日同じ負荷になります。目安として1日3か所、1か所5往復なら3分前後です。時間はあとから出てくる数字として見て、決める側には置かないでください。
ブラシで取るより、手で撫でて取ったほうが地肌には優しいですか。
手のひらで撫でて取れるのは、すでに浮いて表面に出ている毛だけです。根元に詰まった下毛は残るので、その日は楽でも、翌日にまとめて梳かすことになり往復数が増えます。手で取るなら、梳かす前の準備として使ってください。水分を根元に広げるついでに手のひらで表面の毛を集めておくと、そのあとのブラシは5往復でも進みやすくなります。
赤い点が出たあと、何日くらい梳かすのを休めばいいですか。
その場所だけ2日休んで、他の5か所は続けてください。全身を休むと、休んだぶんの毛が根元に溜まり、再開した日の往復数が増えます。再開するときは、いきなり5往復に戻さず3往復から始めて、翌日の色を見てから戻します。休む場所を体の一部に絞れるのが、6つに分けておくことのいちばんの利点です。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。