C09シーン別・暮らし

水が苦手な猫と暮らす人のための動物病院に行く日|5分で終わらせるケア

公開日 2022年3月19日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの差し込む淡い色の床に、クリーム色の猫が静かに座っている
帰宅した猫が体をなめ始めるまでの20分が、人の手が使える時間です。写真:TBD Tuyên/Pexels

動物病院から帰ってキャリーの扉を開けた20分後、猫は部屋のすみで前脚から順に体をなめ始めます。いつもの毛づくろいに見えますが、この日だけは中身が違います。待合と診察台で、ほかの子が体をつけたのと同じ場所に、その子も体をつけてきたからです。連れて帰ったにおいを、猫は自分で落とそうとしています。ただ、毛づくろいは口に入れる作業でもあります。水が嫌いな猫と暮らしていると、洗って落とすという手は最初から選べません。だからこの日は、猫がなめ始める前に、人が先に、水を使わずに落とします。ペットの側の作業を、先に引き受けてしまう、という順番です。かかる時間は5分です。

扉を開けて20分後に始まる毛づくろい|水が嫌いな猫と動物病院へ行った日の経験

帰宅してすぐの猫は、たいてい出てきません。ペットキャリーの扉を開けても、しばらくは中にいます。やがて出てきて、家具の裏や寝床のいちばん奥へ入り、そこでようやく体の力を抜きます。前脚をなめ始めるのは、そのあと。おおむね20分から30分たったころです。この20分が、人の手が使える時間になります。

毛づくろいは、汚れを落とす作業であると同時に、においを自分のものへ戻す作業でもあります。動物病院から帰った猫が長くなめるのは、体についたにおいが自分のものではないからです。その子にとっては、元に戻すための作業です。止める理由はありません。ただ、なめて落としたものは、そのまま口に入っていきます。

この日はふだんより長く、同じ場所をくり返しなめます。飲み込む毛の量も、その日は増えます。これ自体をどうこう言う話ではありません。そうではなく、なめる量そのものが少なくて済むようにできないか、という話です。落とすものが最初から少なければ、猫の側の作業も短くなります。

ここで、洗うという手が使えません。水が嫌いな猫は、濡れた布を体に当てられるだけで逃げます。動物病院で緊張して帰ってきた日に、いちばん嫌いなことを重ねるのは無理があります。水が嫌いな猫と暮らす人にとって、この日の選択肢は最初から1つ減っています。残っているのは、水を使わずに、猫より先に手をつけることだけです。

動物病院から帰ってからの時間と、そのときできること
帰宅からの時間ペットの様子人ができること
0〜5分キャリーの中から出てこない扉を開けたまま、猫に触らない
5〜15分奥へ入って、じっとしているキャリーの側を先に済ませる
15〜20分出てきて、においをかいで回る背中から順に、水を使わず落とす
20〜30分毛づくろいを始める手と服を済ませて、あとは見ているだけ
30分以降毛づくろいが続く/落ち着く食事と水の減り方を見ておく

待合と診察台で、猫の体のどこにほかの子のにおいがつくのか|連れて帰る理由

動物病院で、その子の体が実際に何かに触れている時間は、思っているより長くありません。それでも、においを連れて帰ります。理由は、触れる場所が決まっているからです。ついているのは、上から見えるところではなく、体の下側です。だから帰宅後にざっと背中をなでても、手ごたえがありません。

1つめはペットキャリーの底です。ここが、その日いちばん長く体に触れている面になります。移動のあいだも、待合のあいだも、猫は同じ姿勢のまま底に体をつけています。脇腹の下、ひじ、しっぽのつけ根。キャリーの底は、前に病院へ行った日の分もそのまま残っていることがあります。

2つめは診察台です。台の上に置かれると、猫はお腹の下と脇を台につけます。台は消毒されていますが、直前まで別の子がいた場所であることに変わりはありません。3つめは人の手です。首の後ろ、肩、あごの下。保定のために触れる場所は、猫が自分では届きにくい場所と重なっています。だからこそ、なめても落としきれず、長く気にすることになります。

動物病院で体が触れる場所と、猫がそこを気にする順番
触れた場所体のどこにつくか猫がなめる順番
ペットキャリーの底脇腹の下、ひじ、しっぽのつけ根2番目。時間をかけてなめる
診察台お腹の下、脇3番目。体をひねって届かせる
人の手首の後ろ、肩、あごの下自分では届かない。前脚でこする
待合の床足の裏、指のあいだ1番目。帰ってすぐ前脚から始まる

猫が帰宅後に前脚からなめ始めるのは、偶然ではありません。足の裏は、待合の床に直接ついていた場所です。キャリーから出るときにも、まず前脚が床に着きます。においの順番と、なめる順番が合っています。人が手をつける順番も、ここに合わせれば無駄がありません。

Noteにおいを気にしているのは、においそのものではありません

猫は、場所と相手をにおいで見分けています。自分のにおいがついていない体でいることは、その子にとって落ち着かない状態です。だから毛づくろいは、汚れを落としているというより、自分のにおいを上書きしている作業に近い。人が先に落としておくと、上書きする面積が減るので、猫の側の作業も早く終わります。においを消してあげる、という向きではなく、その子が戻す手間を減らす、という向きで考えてください。

なめ始める前に、人が先に落とす|水が嫌いな猫と動物病院に行く日のペットケアの考え方

使える時間は、帰宅から20分です。この20分を、ペットキャリーに2分、猫の体に2分、人の手と服に1分で分けます。合計5分。残りの15分は、猫が自分で落ち着くための時間なので、人は何もしません。ペットの側に手を出さない時間を、先に確保しておきます。順番には理由があります。

帰宅直後の猫には触れません。だからキャリーが先です。キャリーを拭き終わるころに、ちょうど猫が奥から出てきます。先に体へ手を伸ばして逃げられると、その日はもう触れなくなります。触れる順番を人の都合で決めず、猫が出てくる時間に合わせると、5分がそのまま入ります。

  1. ペットキャリーの底を、2分で拭く

    猫を出したら、キャリーはそのまま玄関に置かず、底に敷いていた布を外します。次の通院までここに残しておくと、また同じ場所に体をつけることになります。底の面と、猫の脇腹が当たる側面を拭いて、乾かせる場所へ置いてください。水が嫌いな猫は、湿ったキャリーにも入りたがりません。乾かしてから戻します。

  2. 猫が出てきたら、背中から2分

    見えているところから始めます。背中、肩、首の後ろ。いきなり脇腹の下やお腹に手を入れない。水が嫌いな猫は、体の下側に手が回ってくることを警戒します。上から順に手が動いていれば、逃げる理由が増えません。毛の流れに沿って、往復させずに一方向へ。

  3. 落ち着いていたら、脇腹の下としっぽのつけ根

    キャリーの底に当たっていた場所です。ここが本命ですが、その日にできなければ、次の日に回して構いません。横になっている状態で、上側になっているほうだけ。反対側は、体の向きが変わったときに手を当てれば足ります。1回で全部を済ませようとしないでください。

  4. 人の手と、着ていた服を1分

    忘れやすいところです。猫を抱えていた腕、キャリーを持っていた手、服の前面。ここを済ませないと、そのあと猫に触るたびに戻します。猫が毛づくろいを始めてしまってからでも、これだけは間に合います。人の側は水で洗えるので、いちばん手間がかかりません。

この日、布に含ませるものには条件がひとつ増えます。人が拭いた面は、20分後にその子の舌が通る面だからです。猫は毛づくろいで落としたものを飲み込みます。人が先に手をつけるという順番にした以上、含ませたものも同じ道を通ることになります。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。首の後ろ、肩、あごの下は、保定で人の手が触れた場所であると同時に、その子が自分の舌では届かない場所です。ここは人が代わります。猫の体には直接吹きかけずに、必ず布へ含ませてから当ててください。水が嫌いな猫は、霧が当たる感触と音の両方を嫌がります。布に含ませて、人の手の温度が伝わる状態にしてから当てると、逃げにくくなります。含ませる量は、布が湿ったとは感じない程度で足ります。

Caution嫌がったら、その場で手を止めてください

しっぽを打ちつける、耳が後ろへ倒れる、体を低くする。このどれかが出たら、その日はそこで終わりです。水が嫌いな猫にとって、通院はそれだけで負担のかかる一日です。ここで無理に続けると、次の動物病院の日にキャリーへ入らなくなります。5分は目安であって、達成する目標ではありません。2分で終わった日も、それで足りています。

3回目の通院で短くなるもの|水を使わない5分を続けたあとの変化

この5分を続けると、何が変わるのか。猫がなめ始めるまでの時間ではなく、なめ続ける時間のほうが短くなります。落とすものが最初から少なければ、上書きにかかる作業も短く済むからです。1回目と3回目を比べると、差がはっきり出ます。

記録するのは3つだけです。キャリーから出てくるまでの分数、毛づくろいが続いた分数、その日の食事の減り方。スマートフォンのメモに1行あれば足ります。ペットの通院はこのあとも続きます。通院が続く時期なら、3回ぶんたまるとその子の平均が見えます。次に病院へ行く日の予定も、この分数から立てられるようになります。

水を使わない5分を続けたときに、記録の3つがどう動くか
1回目3回目
出てくるまで20〜30分10〜15分
毛づくろいが続く時間長く、同じ場所をくり返す短くなり、場所も散る
その日の食事夜まで減らない日があるいつもの時間に戻りやすい
キャリーへの入り方翌月、入りたがらない扉の前まで自分で来る日が出る
Caution早めに相談してください

帰宅した日から食べない、水を飲まない、隠れたまま翌日も出てこない、同じ場所をなめ続けて毛が薄くなっている、ぐったりしている。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを続ける前に、その日に行った動物病院へ電話で相談してください。診察のあとに気になったことを聞くのは、遠慮のいることではありません。ペットの側で起きていることは、家で見ている人がいちばん早く気づけます。

もうひとつ、キャリーそのものへの印象も変わります。湿ったまま、においが残ったままのペットキャリーは、その子にとって動物病院と同じ意味を持ちます。帰宅した日に底を拭いて乾かしておくと、次の通院で入るまでの時間が短くなることがあります。水が嫌いな猫は、湿った布に入りたがりません。乾かして戻す、というだけの手ですが、次の1回に効いてきます。

水が嫌いな猫と暮らしていると、できないことのほうが先に目につきます。洗えない、濡らせない、拭くのも嫌がる。けれど動物病院に行く日にかぎって言えば、洗えないことは大きな問題になりません。連れて帰ったにおいは、その子の体の下側と足の裏に集まっていて、範囲が決まっているからです。範囲が決まっているものは、水を使わなくても落とせます。動く順番は、キャリーから、猫へ、そして人へ。5分でその日は終わります。

この5分は、通院のない月にも置いておけます。キャリーを出す日だけの手順にしないでください。月に一度、底の布を外して拭き、猫の背中と首の後ろに、通院の日と同じ順番で手を当てる。その日にやることが、においを落とすことから、体のどこまで触られて平気かを測ることに変わります。この測りかたを続けていくと、次に予約を取った日には、当日はじめて触る場所がなくなります。5分の中身は同じで、変わるのは、その5分が通院の日にだけ現れるものではなくなることです。

Product

mofuwa スキンケアミスト

mofuwa スキンケアミスト

200ml / 3,300円(税込)

アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。