C15組み合わせ提案

薬浴と併用するホームケア

公開日 2022年6月22日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の木の床で、淡い色の敷き布の上に静かに伏せている淡い色の犬
同じ日に2つのことをすると、何が起きたのかを次の診察で説明できなくなります。写真:3194556/Pixabay

薬浴の日の夜、棚の前で10分ほど立っていたことがあります。いつも使っているものを今日も出していいのか、その場で決められませんでした。薬浴と併用するケアで迷うのは、たいてい中身の話です。成分が重なるのか、順番はどちらが先か、間を何分空けるのか。ただ、そこは家で答えを出せる場所ではありません。家で決められるのは、日を分けるかどうかという間隔だけです。薬浴そのもの——何を、どれだけ、どのくらいの間隔で行うか——は、その子を診たかかりつけの獣医師が決めることで、この記事では一切扱いません。ここで書くのは、薬浴の日から数えた3日をどう並べるか、という手順だけです。

家で動かせるのは間隔だけ|薬浴と併用するケアで、どこからが病院の領域か

薬浴は、動物病院で指示を受けて行うものです。何を使うのか、どれくらいの時間つけるのか、どのくらいの間隔で繰り返すのか。この3つは、その子の状態を診た獣医師が決めます。この記事では、その中身に一切触れません。書き手が家で決めていいことではないからです。薬浴のやり方について迷いが出たときは、その場で調べるのではなく、かかりつけの獣医師に確認してください。途中で回数を増やしたり、間を空けたり、やめたりする判断も同じです。

そのうえで、家の側にも決めることが残っています。薬浴と併用するケアを、いつやるかという間隔です。いつも使っているものを薬浴の日にも使うのか、翌日に回すのか、しばらく止めるのか。ここは生活の側の話なので、家で組み立てられます。ただし、組み立てた内容は次の診察で必ず伝えてください。伝えていないと、獣医師の側は「家では何も変わっていない」という前提で経過を読むことになります。

薬浴と併用するケアで、誰が何を決めるか
決めること決めるのは家でやること
薬浴の中身獣医師指示どおりに行う
薬浴の回数と間隔獣医師変えない。迷ったら確認する
家のケアを続けるかどうか獣医師に確認自己判断で始めない
続けるとして、どの日に置くか家(確認のうえ)薬浴の日から数えて決める
その日に何を足すか家(確認のうえ)足すなら1つだけにする
何が起きたかの記録家毎日1行。次の診察に持っていく

表の下の3行が、この記事の範囲です。併用の相談が答えにたどり着かないのは、成分の重なりという、家では確かめられない話をしているからです。それに対して、日を分けるかどうかは家で確実に実行できます。併用という言葉を「同時に使う」の意味で読むと決められませんが、「日を分けて置く」の意味で読むと決められます。この記事は、後者の読み方で組み立てます。

なぜ日を分けるのか。理由は1つです。同じ日に2つのことをすると、あとから何が起きたのかを説明できなくなるからです。薬浴をした日に、家でいつものものを使ったとします。翌日に変化が出たとき、それが薬浴によるものなのか、家で使ったものによるものなのか、家では切り分けられません。獣医師の側でも切り分けられません。次の診察で「変わりました」としか言えない状態になります。変えたことを1回に1つだけにしておくと、この報告が「薬浴の翌々日から、背中の乾いた感じが減りました」という形になります。

Caution始める前に、必ずかかりつけの獣医師に確認してください

薬浴の指示を受けている期間に、家で何かを併用してよいかどうかは、必ずかかりつけの獣医師に確認してください。この記事は「確認したうえで、続けると決まった場合に、どの日に置くか」だけを書いています。確認せずに始めてよい、という意味ではありません。皮膚の状態も、使っている薬剤も、その子ごとに違います。「いつも使っているものだから大丈夫だろう」という判断だけは、この期間には置かないでください。次の診察を待たずに聞きたいときは、電話で「家でこれを使っていますが、続けていいですか」と確認するだけでも足ります。獣医師の指示が、この記事の内容より常に優先されます。

薬浴の日から3日を並べる|薬浴と併用するケアの手順と、毎日やること

ここからが手順です。物を出す順番ではなく、日の並べ方で書きます。薬浴の日を0日目として、そこから数えます。前提として、家でのケアを続けてよいことを獣医師に確認してあるものとします。確認が取れていない段階なら、手順の1と2だけを行って、3は次の診察のあとに回してください。

  1. 薬浴の日:何も足さない。乾かし切って終わりにする

    薬浴をした日は、家で何も足しません。やることは、指示どおりに行ったあと、根元まで乾かし切ることだけです。生乾きの場所が残ると、翌日以降に見る手ざわりが読めなくなります。脇の下、内もも、耳の後ろ、尾のつけ根。この4か所は最後まで湿りが残りやすいので、指を入れて確かめてください。乾かしたあとにブラシを通したくなりますが、この日は手のひらで毛の流れを整える程度にとどめます。薬浴の日に家のものを重ねると、この記事で書いているすべてが読めなくなります。毎日のケアを1日休む、と決めておくほうが簡単です。

  2. 翌日(1日目):まだ足さない。見て、触って、1行書く

    翌日も足しません。手のひらを背中に当てて、首から腰まで一往復させます。それだけです。見ているのは、指の止まり方と、乾いた感じの有無と、その子が触られるのを嫌がるかどうかの3つ。気になる場所があれば、場所と様子を紙に1行書いておきます。「1日目:右の脇の下がぱさついている」で足ります。ここで足したくなるのが、この手順でいちばんつらいところです。ただ、1日目に足すと、薬浴の翌日にどうなる子なのかが分からないままになります。その情報は、次の薬浴のときに使えます。

  3. 3日目以降:確認のうえ、足すなら1つだけ

    2日空けたあとが、家のケアを戻す位置です。戻すときは1つだけにしてください。いつも使っているものが3つあるなら、そのうち1つだけを3日目に戻し、残りは翌週以降に1つずつ足していきます。同じ日に2つ戻すと、また切り分けられなくなります。足すかどうか自体も、事前に獣医師へ確認したうえで決めます。「3日目」という数字にも根拠はなく、家の側が変化を読み切るのに必要な日数として置いているだけです。獣医師から別の間隔を指示されているなら、そちらが優先されます。

  4. 次の薬浴まで:毎日1行だけ書いて、診察に持っていく

    残りの日は、1行の記録を続けます。日付、何日目か、どこがどうだったか、その日に何を足したか。この4つだけです。2週間ぶん並べると、A4の紙半分に収まります。次の診察でこれを渡せば、口で説明するより早く伝わります。獣医師が知りたいのは「よくなったか」ではなく「いつ、何をして、何が起きたか」なので、日付と行動が並んでいる紙がいちばん役に立ちます。薬浴の期間に家がやったことの成果は、家ではなく診察室で出ます。

薬浴の日から数えた3日間で、やることとやらないこと
日やることやらないこと紙に書くこと
薬浴の日指示どおりに行い、乾かし切る家のものを重ねる乾かし残りがあった場所
1日目手のひらで背中を一往復足す。ブラシを増やす指の止まり方と嫌がり方
2日目同じ手つきでもう一度足す。回数を増やす前日との差
3日目以降確認のうえ、1つだけ戻す2つ同時に戻す何を、どの日に戻したか
同じ日に重ねる並べ方と、日を分ける並べ方 薬浴の日に家のケアを重ねると、翌日の変化がどちらから来たのかを切り分けられません。2日空けてから1つだけ戻すと、変化と行動が1対1で対応します。 どちらの並べ方でも、薬浴の中身は獣医師が決めます 同じ日に重ねる 変化の理由が2つ残る 次の診察で説明できない 止めるときも両方止まる 戻す順番が決められない 記録が1行にまとまらない 日を分けて置く 変化の理由が1つに絞れる 診察で日付ごとに話せる 合わなければ1つ戻せる 次に足すものが決まる 記録が1日1行で済む 足すかどうかも、足す日も、事前に獣医師へ確認したうえで決めます
併用という言葉を、同時ではなく順番として読み替えています。

4段のうち1つだけ守るなら、薬浴の日に何も足さないことです。ここさえ守れば、翌日にうっかり足してしまっても、変化の理由は2つまでに収まります。逆に、いちばん後回しでよいのが記録の書式です。紙でもスマートフォンのメモでもかまいませんし、書き方がそろっていなくても、日付さえ入っていれば診察で使えます。

3日目より前に手が出る3か所|薬浴と併用するケアが崩れるところ

この手順は単純ですが、実際にやると1日目か2日目で崩れます。崩れ方は3つに決まっていて、どれも「見ていられなくなった」ときに出ます。この期間の家のケアでつまずくのは、たいていこの3か所です。

3日目より前に手が出る3か所と、その場での戻し方
崩れる場所何が起きているかその場での戻し方
乾いて見えて、その日に足す薬浴の翌日は手ざわりが変わるので、足りなく感じます紙に書いて、足すのは3日目まで持ち越す
1回に2つ戻してしまう止めていたものをまとめて戻したくなります1つに減らし、残りは翌週に回す
落ち着いたので自分で間隔を変えるよくなったと感じて、薬浴の回数を動かします動かさない。次の診察まで指示どおりに

3つめは、いちばん危ないところです。薬浴の回数や間隔を、家の判断で変えないでください。落ち着いて見えても、動かしていいかどうかは診察で決まります。「よくなったから減らした」も、「まだなので増やした」も、どちらも家では判断できません。迷いが出たときにやることは、変えることではなく、電話で確認することです。診察日まで待たなくても、家での様子を伝えて指示を仰げます。

1つめの「乾いて見えて足す」は、いちばん数が多い崩れ方です。薬浴の翌日は、それまでと手ざわりが変わっているので、どうしても足りなく感じます。ここで足してしまうと、その回の薬浴で何が起きたのかを、その子について一度も知らないまま次に進むことになります。感じたことは紙に書いて、手は3日目まで動かさない。書いておけば忘れませんし、3日目に「まだ同じ感じか」を比べられます。比べた結果は、次の診察でそのまま材料になります。

2つめは、戻し方の問題です。止めていたものが3つあると、3日目にまとめて戻したくなります。ただ、まとめて戻すと、合わなかったときにどれを外せばいいのかが分かりません。1つ戻して数日見て、問題がなければ次の1つ。この順番だと、合わないものが出たときに1つ外すだけで元に戻せます。併用の期間に守りたい形は、いつでも1つ前に戻せる状態を保つことです。

言葉の整理もしておきます。ここでいう「あいだの日」とは、薬浴をしない日のことです。あいだの日は、薬浴の代わりに何かをする日ではありません。薬浴の日にできないこと——同じ場所を毎日触って、前の日との差を見ること——をやる日です。毎日やることが少ないほど、差が読めます。この期間だけは、家のケアを増やす方向ではなく、減らして固定する方向に振ってください。

Cautionこの様子が出たときは、次の診察を待たずに動物病院へ

薬浴のあとに同じ場所をなめ続けている、赤みが広がっている、皮膚がじくじくしている、触ると痛がる、元気や食欲が落ちた、震えている、いつもと違う場所をかき続けている。こうした様子が出たときは、次の診察日を待たずに動物病院にご相談ください。家のケアを止めるかどうかも、その場で聞いてください。日を分けて併用するという話は、様子が落ち着いているあいだにだけ成り立ちます。何日目に、どこに、どう出たか。1行の記録があれば、電話でもそのまま伝えられます。迷ったときは、早いほうを選んでください。

足すのは1つだけ、日を分けて|薬浴と併用して家でできることと、頻度の決め方

頻度の話をまとめます。薬浴と併用するケアの頻度は、「週に何回」という形では決まりません。決まるのは「薬浴の日から数えて何日目に置くか」という形です。薬浴が週1回なら、家のケアは3日目・4日目・5日目に入り、6日目からはまた次の薬浴に向けて空けます。薬浴が2週に1回なら、置ける日は増えます。家の予定ではなく、薬浴の日を起点にして数える。これが頻度の決め方です。そして、この並べ方でよいかどうかも、次の診察で獣医師に伝えて確認してください。

3日目に戻すものについても書いておきます。この期間に選ぶものの条件は、次の日の判断をにごらせないことです。色や香りが残るものは、翌日に見たときに何が変わったのかを分かりにくくします。うちで3日目に戻しているのは、固く絞った布で背中を毛の流れに沿って一往復させる、という形だけです。道具は増やしません。これは薬浴の代わりになるものではありませんし、薬浴の日に重ねるものでもありません。戻してよいかどうかは、必ず事前にかかりつけの獣医師へ確認してください。

洗うもののほうは、薬浴の指示が続いているあいだは動かしません。動かすとしたら、指示が終わって、いつもの洗う日に戻る段階です。背中と首の後ろは、その子の口が届かない場所なので、洗う日はもともと人が代わる日です。うちがその日に使っているのは mofuwa モイストシャンプーで、アミノ酸系の洗浄成分を量も少なくして、足りないぶんを原料の水に使った電解水で補う作りです。落としすぎないぶん洗い上がりがごわつかないので、トリートメントの工程を足さずに済みます。薬浴と併用するケアの並べ方でいうと、工程が1つ減ることは、同じ日に動かすものが1つ減ることと同じです。この期間に身につけた「1回に1つだけ」を、そのまま次の段階へ持ち越せます。いつから洗う日を戻していいかも、家のケアを併用してよいかどうかと同じく、かかりつけの獣医師に確認してから決めてください。

中身を聞かれたときの材料も置いておきます。mofuwaが原料の水に使っているのは、特許5253483(三室ダブルイン型の電解システム)でつくる電解水です。電解槽が3室に分かれる構造により、電解質由来の不純物が電解水に含まれません。そのため、この水そのものは清涼飲料水の規格基準をクリアしています。各種の試験条件下では、30〜60秒後に生菌が検出されなかったという結果が出ています(江東微生物研究所ほか調べ)。浸透については、精製水の35倍という測定があります。診察のときに「家ではこれを使っています」と説明するなら、成分の根拠を1行持っていくと話が早く済みます。容器ごと持っていって見せてしまうのがいちばん確実です。

Pointこの期間は、家のケアを増やす時期ではありません

薬浴の指示が出ているあいだは、家でできることを増やしたくなります。ただ、この期間にいちばん役に立つのは、変えないでいることと、記録を取ることです。変えないでいると、薬浴の効きどころを獣医師が読めます。増やすと、読めなくなります。家のケアが役に立つのは、指示が終わって、いつもの生活に戻る段階からです。それまでは、毎日1行の記録が、家がやれる最大の仕事だと考えてください。何もしないことが、この時期のいちばん強い手です。

最後に、今日やる1つだけ書いておきます。紙を1枚出して、次の薬浴の日付を書いてください。そこから0日目・1日目・2日目・3日目と、4行だけ数字を書き足します。書いたら、0日目と1日目の行に「足さない」とだけ入れておく。これで手順は半分終わりです。薬浴のあいだの家のケアは、道具をそろえるところからではなく、この4行から始まります。併用というのは、同時に使うことではなく、日を分けて置くことです。そして、その並べ方は次の診察で必ず獣医師に伝えて、確認してください。

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よくある質問

薬浴の日に、いつも使っているスプレーを併用してもいいですか。
使ってよいかどうかは、かかりつけの獣医師に確認してください。この記事は、確認のうえで続けると決まった場合の日の並べ方を書いています。並べ方としておすすめしているのは、薬浴の日とその翌日を空けて、3日目以降に1つだけ戻す形です。同じ日に重ねると、変化が出たときに薬浴によるものか家のものかを切り分けられず、次の診察で経過を伝えられなくなります。
薬浴を続けているあいだ、家でのケアの頻度はどれくらいがいいですか。
週に何回という形ではなく、薬浴の日から数えて決めてください。0日目と1日目は空け、3日目以降に置きます。薬浴が週1回なら、置けるのは3日目から5日目あたりになります。ただし、家のケアを行ってよいかどうかも、どのくらいの頻度で行うかも、獣医師の指示が優先されます。並べ方を決めたら、次の診察でそのまま伝えて確認してください。
薬浴で落ち着いてきたので、回数を減らしてもいいでしょうか。
家では決めないでください。薬浴の回数と間隔は、その子を診た獣医師が決めるものです。落ち着いて見えることと、減らしてよいことは別の話で、家では切り分けられません。次の診察を待てないときは、電話で家での様子を伝えて指示を仰いでください。家で用意しておけるのは、いつ、どこが、どう変わったかを書いた1行の記録だけです。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。