C04悩み解決
肉球の乾燥のケアで、実は逆効果になっている3つのこと
肉球は、体重を受け止めるために表面が厚くなっています。厚いこと自体は、むしろ必要なことです。困るのは、厚みに対して曲がる余地が足りなくなったときです。肉球が乾燥していると感じるとき起きているのは、この「厚み」と「柔らかさ」のつり合いが崩れて、硬く、ざらつき、割れやすくなった状態です。ここを「乾いている」と読み替えると、足す方向のケアに向かい、かえって逆を向くことがあります。この記事では、肉球の乾燥のケアでやってはいけない3つを順に見ていきます。
「乾いている」という見立てを、いったん外す
肉球は、体重を受け止めるために表面が厚くなっています。厚いこと自体は悪いことではありません。問題になるのは、厚みに対して曲がる余地が足りなくなったときです。
硬い板は曲げると割れますが、柔らかい板は同じ厚みでも曲がります。肉球で起きているのもこれと同じです。地面をつかむとき、肉球は毎回わずかに形を変えています。そのたわみに追いつけない状態が、ざらつきや割れとして表に出ます。
| 見えている状態 | 見立てがちなこと | 実際に起きていること |
|---|---|---|
| ざらざらする | 水分が足りない | 表面が厚くなり、たわまなくなっている |
| 硬い | 油分が足りない | 接地の刺激が続いて厚みが増している |
| 白っぽく粉をふく | 保湿が必要 | 表面が層になってはがれかけている |
| 部分的に割れる | 全体が乾いている | 曲がる場所だけに力が集中している |
つまり、足すか足さないかではなく、動かせる状態かどうかで見ます。この見方に立つと、やってはいけない3つがなぜ逆を向くのかが分かります。
逆効果1:人用のクリームやワセリンを塗る
いちばん手が伸びやすいのがこれです。家にあるハンドクリームやワセリンを、そのまま肉球に塗る。
- ほぼ確実に舐めます:足は口が届く場所です。人の皮膚に塗る前提で作られたものを、飲み込む前提で考え直す必要があります
- 表面に膜ができて、床で滑ります:油分の多いものを塗った直後にフローリングを歩くと踏ん張りが効きません。滑れば力のかかる場所が変わります
- 香料や成分の刺激:人用の製品には香りや清涼感のための成分が入っていることがあります
- 厚みのほうは変わりません:膜を作っても、たわまなくなっている厚い層は残ります
肉球の乾燥なのだから保湿すればいい、という考え方が、この手の奥にあります。足りないのは表面の油分ではなく、動く余地のほうです。
人の肌に使えるからといって、犬や猫の肉球に使えるとは限りません。舐めても差し支えないかどうかは、パッケージには書かれていません。足に何かを塗る必要があるかは、動物病院で相談してから決めてください。
逆効果2:お湯でしっかり洗って、清潔にする
散歩から帰るたびに、洗面台でお湯を出して足を洗う。清潔にはなりますが、肉球にとっては条件を悪くする方向に働くことがあります。
| やっていること | 肉球に起きること |
|---|---|
| 熱めのお湯を使う | 表面の柔らかさを保つ成分まで流れ出やすくなる |
| 洗剤で毎回しっかり洗う | 同上。毎日続けば積み重なる |
| 洗ったあと自然乾燥にする | 指のあいだが湿ったまま残り、舐める回数が増える |
| こすって汚れを落とす | はがれかけている表面を、物理的に削っている |
とくに見落とされるのが乾かし方です。洗うことより、洗ったあとに指のあいだが濡れたまま残ることのほうが影響します。湿ったままだと気にして舐め、舐めればさらに濡れます。乾燥が気になる時期は、毎回洗う必要があるかをいちど見直してください。土や砂がついた日と、コンクリートを歩いただけの日を同じ扱いにする必要はありません。
逆効果3:固くなった部分を、やすりや爪切りで削る
厚くなっているのだから薄くすればいい、というのは筋が通っているように見えます。ですが、この手はいちばん戻せません。
- どこまでが表面か、外からは分かりません:厚い層のすぐ下に血管や神経のある部分があります。削りすぎたかどうかは、痛がってから分かります
- 削ると、体はさらに厚くしようとします:厚くなるのは、そこに力がかかっているからです。原因が残ったまま薄くすれば同じことが繰り返されます
- 削った面はなめらかではありません:やすりをかけた表面は細かく荒れ、そこに砂が入り込みます
- 爪切りは、肉球に使う道具ではありません:刃が入る深さを調節できません
やってはいけない3つのなかでも、削る手はいちばん取り返しがつきません。厚みが増して歩きにくそうにしているなら、家で薄くする作業ではなく動物病院で見てもらう対象です。硬いところをちょっと削ってあげようと思ったときは、いったん手を止めてください。
肉球のあいだから伸びている毛は、床で滑る原因になるため整えることがあります。これは毛の話で、肉球そのものを削る話とは別です。
代わりに、湿らせてから曲げる
やってはいけない3つを外すと、残る手順はひとつです。足すのでも削るのでもなく、いったん湿らせて、そのうえで動かすという順番にします。硬い板を曲げるのではなく、曲がる状態にしてから曲げる、という考え方です。1回3分で終わります。
-
落ち着いているときに、足を持つ
散歩から帰った直後ではなく、横になって落ち着いているときに始めます。嫌がる子は、足を持つところで終わって構いません。
-
ぬるま湯で湿らせた布を、10秒当てる
熱くない温度で、こすらずに当てておくだけです。汚れを落とす作業ではありません。表面をいったん柔らかくするための時間です。
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指の1本ずつを、そっと曲げ伸ばしする
肉球をつまむのではなく、指の関節を上下に2〜3回ゆっくり動かします。これで肉球にたわみが入ります。嫌がる方向には動かさないでください。
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肉球の面を、親指の腹で押す
1か所を3秒ほど、垂直に押します。横にこすらないのが要です。こすると表面を削ることになります。
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指のあいだの水分を、乾いた布で取る
最後に必ず乾かします。湿らせたまま終わると、逆効果2と同じ状態を作ります。
毎日やる必要はありません。週に2〜3回で足ります。肉球の乾燥は数日では変わらないので、4週間の単位で見てください。同じ明るさで足裏の写真を撮っておくと比べられます。
割れ目から出血している、歩くときに足をかばう、肉球が赤い・腫れている・熱をもっている、においがある、同じ足を舐め続けている、触ると痛がる、4週間続けても悪くなっている。いずれかに当てはまるときは、家での手順を続けずに動物病院にご相談ください。いつからか、どの足のどこか、家で何を使ったかを伝えてください。
この手順でいちばん引っかかるのは、逆効果1で外した「塗る」の場所に何を置くか、というところだと思います。足裏は、その子が自分で口を持っていける、数少ない場所です。犬でも届きますし、猫は日課として舐めます。だからここに置くものは、成分の善し悪しより先に、口に入ることを前提に選ぶしかありません。人用のクリームやワセリンが向かない理由も、突きつめるとこの一点です。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%です。清涼飲料水の規格基準をクリアした水なので、乾燥して硬くなった肉球のように、その子が必ず舌を持っていく場所に置くものとして、条件を満たします。使う位置は、手順2です。ぬるま湯で湿らせた布のかわりに、布に含ませて10秒当ててから、指を曲げ伸ばしします。手順5の「乾いた布で水分を取る」は、そのまま残してください。湿らせたまま終わると、肉球の乾燥でやってはいけないことの2つ目と同じ状態を作ります。週に2〜3回、この位置に置いたまま4週間続けてみてください。写真を並べたときに先に変わるのは、硬さの見た目ではなく、指を曲げたときのたわみ方のほうです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
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商品ページを見るよくある質問
- 肉球は、柔らかいほうがいいのですか?
- 肉球の乾燥イコール柔らかくすればいい、というものではありません。体を支える場所なので、ある程度の厚みは必要です。見るのは硬さそのものではなく、たわむかどうかです。指を曲げたときに肉球の面がわずかに変形するなら、つり合いは取れています。
- 猫の肉球にも、同じことが言えますか?
- 考え方は同じです。ただし猫は自分で足裏を舐めて手入れをするため、塗ったものが体に入る量は犬より多くなります。人用のものを塗るのは、犬以上に避けてください。
- 散歩のあと、水で流さないと汚れが残りませんか?
- 土や砂で汚れた日は流してください。問題になるのは、汚れていない日まで毎回洗剤とお湯で洗うことです。洗った日は指のあいだまで必ず乾かしてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
