C04悩み解決
換毛期の抜け毛が出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
換毛期の抜け毛の量には犬種差がある、とよく言われます。ただ、犬種の名前で覚えても、混血の子や同じ犬種の中の個体差には当てはめられません。実際に効いているのは体の構造で、それは最初にひとつの分かれ道があり、そのあとで枝が分かれていくという形をしています。
最初の分かれ道は、下毛があるかないか
換毛期の犬種差は、まずここで二手に分かれます。毛は1本ずつばらばらに生えているのではなく、皮膚のひとつの穴から数本まとまって出ています。このとき、外へ伸びる太くて張りのある毛(上毛)だけの子と、その根元側に細くて柔らかい毛(下毛)が密集して生えている子がいます。
換毛期にごっそり抜けるのは、ほとんどが下毛のほうです。上毛は年間を通じて少しずつ入れ替わるので、季節による差があまり出ません。つまり下毛を持っている子と持っていない子とでは、抜ける毛の総量の桁が違います。ここが最初の、そして最大の分かれ道です。
| 下毛がある枝 | 下毛がない枝 | |
|---|---|---|
| 抜け毛の量 | 短期間に集中して大量に出る | 年間ほぼ一定で、季節の山が小さい |
| 抜ける毛の質 | 細く柔らかく、綿のように固まる | 太く張りがあり、1本ずつ落ちる |
| ケアの目的 | 抜けた毛を外に出しきる | 絡んだ毛をほどく |
犬種の名前を出さないのは、名前では決められないからです。同じ犬種でも下毛の量には幅があり、混血の子は外見では判断できません。猫も同じです。
うちの子は、どちらの枝か
犬種差の表を見るより、確かめるほうが早く決まります。毛の長さや色では分かりません。短毛でも下毛がびっしり詰まっている子はいますし、長毛でも下毛をほとんど持たない子がいます。確かめる方法は2つあります。どちらも道具はいりません。
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毛をかき分けて、根元を見る
背中か肩で、指で毛を左右に分けて皮膚が見えるまで開きます。皮膚のすぐ上に、外側の毛とは色も細さも違う綿のような層が見えれば下毛がある枝です。すぐ皮膚が見えて根元まで同じ太さの毛しかなければ、下毛がない枝です。
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指を熊手のようにして、軽く梳く
5本の指を少し開いて、背中を毛並みに沿って2〜3回なでます。指のあいだに細く柔らかい毛がふわりと絡めば下毛、太くて短い毛が数本つくだけなら上毛だけです。引っぱって抜くのではなく、すでに抜けて毛の中に留まっている毛を拾う動作です。
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拾えた毛を、指先で転がす
丸まって綿状にまとまるなら下毛、ばらけるなら上毛です。同じ場所で両方が取れる子は、下毛がある枝と考えてください。
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1か所で決めず、3か所で試す
背中・脇腹・太ももの外側で試します。下毛は場所によって密度が違い、背中だけでは量を見誤ります。
湿気の高い日は毛が張りついて、下毛が抜けてきません。晴れた日の乾いた状態で確かめてください。
下毛がある枝の、その先の分かれ方
下毛があると分かったら、そこから先は3つの要素で枝が分かれます。いくつ当てはまるかを数える話ではありません。その子の抜け毛の出方を決めているのがどの要素かを、順に見ていきます。
| 見る要素 | 寄っている側 | 抜け毛の出方 |
|---|---|---|
| 上毛の長さ | 長い | 抜けた下毛が上毛に絡んで残る。床の量は少なく見えるが、体の中にたまる |
| 短い | 抜けたそばから落ちる。床の量は多いが、体には残りにくい | |
| 下毛の密度 | 詰まっている | 皮膚まで指が届かず、中でもつれて固まりやすい |
| ゆるい | 抜けた毛が外へ出やすく、ケアが追いつきやすい | |
| 入れ替わりの速さ | 短期集中 | 2〜3週間で一気に出る |
| だらだら型 | 1〜2か月かけて少しずつ。見逃しやすい |
いちばん誤解されやすいのが上毛の長さです。上毛が長い子は、床に落ちる毛が少ないぶん「抜け毛が少ない子」に見えます。実際には抜けた下毛が外へ出られず体の中に留まり、もつれや、皮膚に風が通らない状態のもとになります。入れ替わりの速さは毎年ほぼ同じ形で出るので、去年いつ始まっていつ落ち着いたかを書き留めておくと翌年の準備ができます。
下毛がない子でも、毛は抜けます
下毛がない枝の子は換毛期の山が小さいので、抜け毛で困ることは少なくなります。ただし「抜けない」わけではありません。この枝の子は毛が伸び続けるタイプであることが多く、抜けた毛が新しい毛に絡んだまま残ります。
- 耳のうしろ、脇の下、内ももに残る:こすれる場所は毛が細かく絡み、抜けた毛が外へ出られません
- 床に落ちないので気づきにくい:掃除の量で判断していると、体の中の量が分かりません
- 季節の山が小さい:春と秋だけ集中してケアするという考え方が合いません。年間を通じて同じ頻度で見てください
この枝の子に必要なのは、換毛期に合わせた大がかりなケアではなく、週に一度、こすれる場所だけを指で確かめることです。指が皮膚まですっと入るかどうかで判断します。入らない場所があれば、そこに抜けた毛がたまっています。
下毛がある枝には根元の毛を外へ出せる道具、ない枝には絡みをほどける道具が要ります。同じ「ブラシ」でも役割が違うので、どちらの枝かを決めてから選んでください。
どちらの枝でも共通するのは、梳かす前に毛を湿らせておくかどうかです。乾いた毛にブラシを入れると静電気で毛が立ち、抜けた下毛が根元に張りついたまま外へ出てきません。換毛期の抜け毛が犬種差のとおりに出てこないときは、道具を買い替える前にここを疑ったほうが早いです。mofuwa グルーミングスプレーをひと吹きしてから梳かすと、毛先が立たないぶん、ブラシの先が根元まで入ります。
量を気にせず使えることが、換毛期にはそのまま手間の差になります。下毛が詰まっている子ほど、梳かす範囲が背中から脇腹、太ももの外側まで広がるからです。高機能性電解還元水が100%という中身で、香料は入っていません。口に入っても差し支えない基準でつくられているので、根元まで濡らすつもりで吹きかけても、量のほうを気にせずに済みます。梳かし終わりには、余分な皮脂と油が電解水となじんで乳化して、抜けた毛と一緒に汚れも布へ移ります(deck p16)。
毛の抜け方が変わったときは、季節の話ではありません
ここまでは体の構造の話でした。構造は急に変わりません。犬種差でも説明はつきません。だから、去年までと抜け方が違う年は、構造では説明がつきません。次のような変化は、換毛期のケアで様子を見る対象から外してください。
抜けたあとに毛が生えてこない、左右の同じ場所が同じように薄くなっている、地肌が見える範囲がある、皮膚が赤い・黒ずんでいる・においがある、かゆがって同じ場所を掻き続けている、抜け毛と一緒に元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、換毛期とは切り離して動物病院にご相談ください。
とくに「左右対称に薄くなる」は、換毛期の抜け毛では起きにくい出方です。換毛期の抜け毛は全身から均等に出て、地肌が見えるところまでは進みません。相談に行くときは、いつから量が増えたか、去年の同じ時期と比べてどうかをメモしていくと話が早くなります。
構造は変わらないので、換毛期は毎年ほぼ同じ形で来ます。どちらの枝かという1行と、去年の記録。この2つがあれば、今年決めるのは梳かす頻度だけです。洗う日と洗う日のあいだも、グルーミングスプレーで毛の中を通しておけば、抜けた下毛が体に留まる時間は短くなります。抜け毛の総量は犬種差のほうで決まっていて、家で動かせるのは、外に出しきるまでの速さです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 短毛の子なのに、抜け毛が多いのはなぜですか?
- 毛が短いことと、下毛があるかどうかは別の話です。短毛でも下毛がびっしり詰まっている子はいて、その場合は換毛期に大量に抜けます。背中の毛を指で分けて、皮膚のすぐ上に綿のような層があるか確かめてみてください。
- 換毛期に、短く刈ってしまえば楽になりますか?
- 毛を短くしても、抜ける下毛の量そのものは変わりません。刈るかどうかはトリミングサロンや動物病院に相談して決めてください。
- 猫にも、この分かれ方は当てはまりますか?
- 当てはまります。猫にも下毛の密な子とほとんど持たない子がいます。ただし猫は自分で毛づくろいをして抜けた毛を飲み込むため、床に落ちる量が少なくても体から抜けている量は多いことがあります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
