C15組み合わせ提案
冬の乾燥対策セット
冬の初め、11月の夜に、同じ部屋へ並べて置いた2つの寝床のうち、エアコンの吹き出し口の正面にあるほうだけ、朝の毛先の手ざわりが変わっていました。湿度計は部屋に1つしか置いていなくて、数字は42%のまま2週間動いていません。同じ部屋、同じ湿度、同じごはん。違っていたのは、暖房の風が当たるかどうかだけでした。冬の乾燥がどこに出るかは、外の空気の乾き方より先に、家の中の風の向きで決まります。そして冬のケアをセットで組み直すとき、いちばん先に動かせるのは、買い足す物ではなく寝床の位置です。この記事は、暖房の風が当たる場所と当たらない場所を並べて、どちらに寝床を置くかを決めるところから始めます。
同じ部屋の2つの寝床で、朝の毛先が違いました|冬の乾燥を決めているのは風の向き
居間に寝床が2つあります。ひとつは窓側、もうひとつは部屋の奥の壁ぎわ。冬に入ってエアコンを使いはじめると、窓側のほうがエアコンの吹き出し口の正面に来ます。2週間つけたままにしてみたところ、朝いちばんに触ったときの毛先の手ざわりが、寝ていた場所によって違いました。窓側で寝た翌朝は毛先が指に引っかかり、奥の壁ぎわで寝た翌朝は引っかかりません。同じ子です。ごはんも、飲む水の場所も、ブラッシングの回数も変えていません。
湿度計は部屋の真ん中に1つだけ置いていて、数字は42%のまま動きませんでした。部屋の湿度としては、冬としてそこまで低いほうではありません。それでも乾き方に差が出たのは、湿度が同じでも、空気が動いているかどうかで水分の抜け方が変わるからです。洗濯物を扇風機の前に置くと早く乾くのと同じ理屈で、動いている空気は、止まっている空気より表面から水分を持っていきます。被毛と地肌でも、同じことが起きています。
しかも、エアコンの温風は部屋の空気をそのまま送っているわけではありません。暖めるときに、その空気は相対的に乾いた状態になって出てきます。つまり風が当たる場所は「乾いた空気」と「動く空気」の2つが重なっている場所です。冬の乾燥を家の中で見るときに、湿度計の数字より先に見たほうがいいのは、この風の通り道のほうでした。
風の通り道は、目で見えません。ただ、家にあるもので簡単に追えます。数字を測る必要はなく、どこを通っているかが分かれば足ります。次の6つのうち、やりやすいものを1つ選んでください。冬のあいだ、エアコンの設定を変えた日にもう一度やり直すと、通り道が動いていることが分かります。
- ティッシュを1枚垂らす:吹き出し口から順に、部屋の何か所かで垂らして揺れを見ます
- カーテンの裾を見る:ほんの少し揺れている高さが、風が通っている高さです
- 床から30センチの高さで手をかざす:人の顔の高さではなく、その子が寝ている高さで確かめます
- 加湿器の霧の流れ:出てすぐ横へ流されるなら、その線の上に風が通っています
- 自分の前髪:しゃがんだときに前髪が動く場所は、その子の背中にも当たっています
- その子の寝る向き:風上に背を向けて丸くなる日が続く場所は、当たっている場所です
冬に湿度計を買い足す家は多いのですが、置き場所が棚の上のままだと、その子が過ごしている高さの数字が分かりません。床から20〜40センチの高さに1つ置くと、同じ部屋でも上と下で数字が違うことが見えます。暖かい空気は上に溜まるので、床に近いほど冷たく、風が当たると一気に乾きます。数字を1つしか持てないなら、その子の高さのほうを取ってください。ここで測る目的は、湿度を管理することではなく、寝床の位置を比べるための物差しを1つ持つことです。
軸1・暖房の風が当たる場所|冬の乾燥がいちばん早く出る条件
1つめの軸は、暖房の風が当たっている場所です。ここは、部屋全体が同じ湿度でも、被毛の表面から水分が抜けていく速さだけが違います。体に出ることは、たいてい毛先から始まります。地肌の側は、そのあと少し遅れて出てきます。冬の乾燥の話が「うちの子は皮膚が弱いから」で止まってしまうのは、この時間差のせいで、場所と結びつけて見られていないからです。
- 毛先が指に引っかかる:朝いちばんに背中をなでたときに、いちばん早く分かります
- 静電気が出る:ブラッシングのときに毛が立ち、歯が根元まで入りません
- 地肌に細かい粉が見える:毛をかき分けたときに、白いものが乗っていることがあります
- 寝床の布が一晩で乾く:洗ったあとの乾きが、他の場所に置いたときより明らかに早いです
- 水を飲む量が増える:置き場所を変えていないのに、朝に減っている量が変わります
- 寝る位置が少しずつずれる:同じ寝床の中で、風上から遠いほうの隅に寄っていきます
ここで気をつけたいのは、こうした変化を体質の話として読まないことです。同じ子でも、寝床を1メートル動かした翌週から、毛先の手ざわりが変わることがあります。皮膚の側に理由があるのか、置き場所の側に理由があるのかは、動かしてみるまで分かりません。だから冬の乾燥を考えるときは、体の側に手を入れる前に、置き場所を1つだけ変えて2週間見る、という順番のほうが確かめやすくなります。
もうひとつ、冬に手が行きやすいのが洗う回数です。乾燥が気になると、洗いすぎではないかと考えて間隔を空けたくなります。ただ、洗いすぎを疑う前に風の当たり方を見ておかないと、間隔を空けても変わらなかったときに次の手がなくなります。洗う回数は、月に何回という形でしか動かせません。寝床の位置は今日動かせます。動かせるほうから先に試すと、冬のあいだに確かめられることが増えます。
風が当たる場所そのものが悪い、という話でもありません。冬に風の通り道がまったくない部屋は、今度は空気が動かず、寝床の下に湿気が溜まります。風が当たる場所は、乾きが早いぶん、布を清潔に保ちやすい場所でもあります。だからこの軸は「避けるべき場所」ではなく、「そこに寝かせるなら、うるおいを戻す手を1つ足しておく場所」として見ます。
軸2・風が届かない場所|同じ湿度でも冬の乾き方が変わる理由
2つめの軸は、風が届かない場所です。家具のかげ、部屋の奥の壁ぎわ、椅子の裏側、廊下に近い隅。ここは空気が動かないので、被毛からの水分の抜け方はゆっくりになります。冬の乾燥という一点だけを見るなら、こちらのほうが穏やかです。ただし、乾かないぶん別のことが起きます。
- 布に湿りが残る:洗ったあとの寝床が、翌日になっても内側だけ湿っていることがあります
- 床から冷えが上がる:暖かい空気は上に行くので、風の来ない床は思ったより冷たいままです
- においが溜まりやすい:空気が入れ替わらないので、寝床のにおいが抜けません
- 外壁ぎわは温度差が大きい:冬は、室温との差が出やすい場所になります
- 変化に気づきにくい:目の届きにくい場所なので、布を替える間隔が伸びがちです
- そこから動かない:暖かければ、その子は一日の大半をその場所で過ごします
つまり、風が届かない場所は「乾燥が出にくい場所」であって、「何もしなくていい場所」ではありません。こちらに寝床を置いたときに足すのは、うるおいを戻す手ではなく、布を替える回数のほうです。冬は洗濯物が乾きにくいので、替えの布が足りないと間隔が伸びます。冬のセットを考えるときに、いちばん見落とされるのがここでした。
そして、家の中には第三の場所があります。風は当たらないのに、床暖房や電気カーペットで下から温められている場所です。この場所は、風が届かない側に見えて、乾き方は風が当たる側に近くなります。冬に寝床をどこへ置くか迷ったときは、上から風が来ているか、下から熱が来ているか、その両方を確かめてください。どちらか一方でも当てはまれば、乾く側として扱ったほうが外れません。
風の当たる側と当たらない側を並べて比較する|冬の寝床はどっちに置くか
2つの軸を並べます。比べているのは商品でも道具でもなく、寝床が置かれている場所の条件です。ここが決まると、そのあとに足すものが自動的に決まります。逆に、ここを決めずに物から足すと、冬のあいだじゅう同じことを繰り返すことになります。
| 風が当たる場所 | 風が届かない場所 | |
|---|---|---|
| 乾き方 | 早い。毛先から先に出る | ゆっくり。内側に湿りが残る |
| 寝床の位置 | 吹き出し口の正面、通り道の線上 | 家具のかげ、部屋の奥、外壁ぎわ |
| 体に出ること | 毛先の引っかかり、静電気、地肌の粉 | 冷え、におい、気づくのが遅れる |
| 確かめ方 | ティッシュが揺れる、前髪が動く | 揺れない。布の内側が乾かない |
| 先に足す手 | うるおいを戻す側の手を1つ | 布を替える回数を1回増やす |
| 冬のあいだの手間 | 毎日の短いケアが増える | 洗濯と入れ替えが増える |
| 向いている子 | 布が汚れやすい子、被毛の量が多い子 | 冷えやすい子、寝ている時間が長い子 |
では、どっちに置くか。決め方はひとつで、その子が冬に一日で何時間そこにいるかで選びます。寝ている時間が長い子ほど、風が当たる側に置いたときの差が大きくなります。一日の大半を人のそばで過ごしていて、寝床には夜だけ入る子なら、差はそこまで出ません。時間の長いほうを、風の通り道から外す。これが最初の一手です。
| 順番 | 動かす先 | 確かめること |
|---|---|---|
| 1 | 同じ部屋のまま、通り道の線から1メートル外す | ティッシュが揺れなくなったか |
| 2 | 床から少し上げる(低い台や厚みのある下敷き) | 布の下が冷たくないか |
| 3 | 吹き出し口の風向きを下ではなく上へ変える | 部屋全体の温度が下がりすぎないか |
| 4 | 部屋の奥へ移す | その子がそこで寝るようになるか |
| 5 | 夜だけ場所を変える | 朝の毛先の手ざわりが変わるか |
順番に意味があります。先に風向きを変えると、部屋の暖まり方まで一緒に変わって、何が効いたのか分からなくなります。寝床を1メートル動かすだけなら、変わったのは1つです。冬のあいだに確かめられる回数はそう多くないので、1回で1つだけ動かしてください。2週間で戻らなければ、次の順番へ進みます。
物を足す前に寝床を動かす|冬の乾燥のセットを組む時期と順番
ここまでが、物を1つも買わずにできることです。冬の乾燥のセットを組むというのは、買うものを並べることではなく、この順番を決めることでした。寝床の位置、湿度計の高さ、布を替える回数。ここまでやってから、それでも残っているぶんに対してだけ、体の側へ手を入れます。
| 時期 | 起きること | 動かすもの |
|---|---|---|
| 暖房を入れはじめる週 | 風の通り道が新しくできる | 寝床の位置。ここで1回決める |
| 12月から1月 | 外も室内も乾き、静電気が増える | ブラッシングの前の一手を足す |
| いちばん冷える2週間 | 床に近いほど冷たくなる | 寝床の高さと、布の枚数 |
| 2月の終わりごろ | 日中だけ暖房を切る日が出る | 湿度計を見る回数を戻す |
| 暖房を切る週 | 通り道が消える | 寝床を元の位置に戻してよいか確かめる |
寝床を動かして2週間たっても、朝の毛先の手ざわりが戻らないことがあります。そのときに初めて、体の側です。風が当たっていた側は、その子が眠っているあいだじゅう水分が抜けていた側で、そこで何が起きたかは、朝いちばんに触った人の指にしか残っていません。ブラッシングの前に mofuwa グルーミングスプレー を布に取り、毛の流れに沿って背中を一往復させておくと、静電気で毛が立ったまま歯を入れずに済みます。地肌のかさつきが一か所に決まっているなら、そこには mofuwa スキンケアミスト を置きます。中身の電解水は、もともと創傷治癒の分野で研究の対象になってきた水です(2002年9月の創傷治癒世界会議ほかで発表)。研究の対象になってきたという事実であって、この商品について何かが確かめられた、という話ではありません。それでも冬に足すものを1つだけ選ぶなら、由来のたどれるほうから選んでおくと、来年その紙を見返したときに、何を選んだかだけでなく、なぜそれにしたかまで残ります。冬のセットは、全身に何かをするためではなく、風が当たっていた側の一か所を決めるためのものです。
洗う日そのものを見直すなら、間隔を空けるより先に、洗ったあとに乾かし切る時間を確保できるかを見てください。冬は乾かし切るまでの時間が伸びます。途中でやめると、風が当たる場所へ戻ったときに、湿ったまま冷える時間ができます。洗う回数を減らすかどうかは、そのあとで決めても遅くありません。洗いすぎを疑うのは、乾かし切る時間を確保したあとです。
寝床を動かして2週間見ても、同じ場所をなめ続けている、地肌の赤みが引かない、フケのような細かいものが急に増えた、毛が抜けて地肌が見える場所ができた、触ると痛がる、においが出てきた。こうした変化があるときは、冬の乾燥として様子を見ずに、動物病院にご相談ください。皮膚の側に別の理由があって、乾燥に見えていることがあります。いつから、どの場所に出ているか、寝床をどこへ動かしたかを紙に1枚書いて持っていくと、その場で話が早く進みます。
冬のあいだに変えられることは、そう多くありません。一度に3つ変えると、来年の冬に何を残せばいいのか分からなくなります。今年は寝床の位置だけ、来年は布の枚数だけ、というくらいで足ります。変えたことと、そのあと2週間どうだったかを1行ずつ書いておくと、翌年の11月にその紙を見るだけで、暖房を入れる週にやることが決まります。冬のセットは、道具ではなくこの紙のほうから育ちます。
最後に、今日やる1つだけ決めます。ティッシュを1枚持って、その子の寝床の高さに垂らしてください。揺れたら、寝床を1メートル横へずらす。揺れなければ、今日は何もしなくて大丈夫です。冬の乾燥は、湿度計の数字で管理するものではなく、風の当たる場所と当たらない場所のどちらに寝ているかで決まります。冬のセットで最初に動かすのは、買い足す物ではなく寝床です。物を足すのは、動かしても戻らなかったときだけで足ります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 加湿器を置けば、寝床の位置は変えなくていいですか。
- 加湿器は部屋の湿度を上げますが、風が当たっている場所の空気の動きは変わりません。同じ部屋の中で、風の通り道の上だけ乾きやすいという状態は残ります。置くなら、加湿器から出た霧が風に横へ流されていないかを見てください。流れている線の上に寝床があるなら、寝床のほうを先にずらすほうが早く済みます。湿度計の数字が上がっても朝の毛先が変わらないときは、位置の側を疑ってください。
- 風が当たらない場所に寝床を移したら、その子が元の場所に戻ってしまいます。
- 戻るのは、たいてい暖かいからです。無理に動かすより、元の場所の風だけを弱くするほうが続きます。吹き出し口の風向きを下から上へ変える、あいだに背の高い家具や板を1つ置いて風をそらす、寝床を床から少し上げる。どれか1つで揺れが止まれば、場所はそのままで構いません。冬のあいだに何度も引っ越しをさせるより、風の線を1本ずらすほうが、その子の負担は小さくなります。
- 冬は洗う回数を減らしたほうがいいですか。
- 回数から決めないほうが失敗しません。冬に見るのは回数より、洗ったあとに乾かし切る時間を取れるかどうかです。途中でやめて湿ったまま風の当たる場所へ戻ると、その日がいちばん冷えます。乾かし切る時間が取れる日を先にカレンダーで決めて、そこに洗う日を置いてください。洗わない日は、ブラッシングの前に被毛の表面を落ち着かせておくだけで足ります。地肌の赤みやにおいが続くときは、回数を変える前に動物病院にご相談ください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
