C08季節・行事

毎日掻く場所が同じなら地肌を見る|かゆみの出どころは虫だけではない

公開日 2023年4月6日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色のクッションの上で、落ち着いて座っている短毛の猫
掻いている場所を毛の上から見ても、そこで何が起きているかは分かりません。

3日つけた紙に、「左の首すじ」という同じ5文字が9回並びました。春に入ってから後ろ足が上がる回数が増えた、という話は毎年この時期に聞きます。ただ、増えたのが回数なのか、場所の数なのかで、次にやることが変わります。毎日掻く場所が同じ1か所に固まっているなら、その毛をかき分けて地肌を見る番です。春のかゆみの出どころには、外から来る虫のほかに、上がりはじめた室温、換毛期に浮いた下毛、増やしてしまった洗いの回数と、家の中の条件がいくつも並びます。この記事では、掻いた場所の数を3日数えて、そこから地肌の見方と毎日の手順に落とします。

掻いた回数より、掻いた場所の数|春のかゆみで地肌を見る前に数えるもの

春のかゆみで最初に数えるのは、掻いた場所がいくつあるかです。回数は、その日の気温や興奮の度合いで大きく動きます。場所の数はほとんど動きません。1日に10回掻いていても、その10回が体じゅうに散っているのか、左の首すじだけに集まっているのかで、次に開く毛の場所が決まります。

この時期は、条件が一度に3つ動きます。室温が上がって下毛が浮きはじめ、窓を開ける日が増えて湿度が日ごとに上下し、散歩が長くなって被毛に入る外の粉が増える。季節の変わり目に増えるのは、かゆみそのものというより、地肌に触れているものの種類です。虫の話に行く前に、家の中で変わったものを先に並べておくと、あとで切り分けが効きます。

3日ぶんの紙に並んだ場所の散らばり方と、その読み方
紙の並び方読めること次に開く場所
同じ1か所ばかりその場所に理由があるその1か所の毛をかき分ける
左右で同じ場所が2つ体の作りか、当たっているものの線首輪・胴輪・寝床の接地面
日ごとに場所が移るその日ごとの条件で動いている室温と湿度、散歩の時間帯
背中から腰に集まる浮いた下毛が抜けきっていないブラッシングの範囲と回数
口のまわり・前足の先口が届く場所だけに集まっている食器まわりと、拭き取りの順

紙は1枚で足ります。日付、時刻、掻いた場所の名前だけを書きます。回数は書かなくて構いません。場所の名前が3日で3つ以内に収まっていれば、そこが春のかゆみの入り口です。10か所以上に散っていて、どれも1回ずつというときは、まだ地肌を開く段ではありません。室温の上げ下げと、ブラッシングの間隔のほうを先に見ます。

地肌を見るのは、明るい自然光の入る窓ぎわです。人差し指と中指を毛の中へ入れて、左右へ開きます。皮膚の色、乾いた白い粉が浮いていないか、毛の根元が湿っていないか。犬猫の皮膚は人よりずっと薄く、毛をかき分けた1センチ四方に、その日の条件がそのまま出ます。猫では、毛が細いぶん開いた場所がすぐ閉じるので、片手で毛を押さえたまま見ます。

かき分ける・記録する・触る順を変える|春のかゆみに家でできる手順

手順は5つです。窓ぎわで毛を開いて地肌を見て、3日ぶん場所を書き、ブラッシングの前に毛を湿らせ、洗う回数はそのままにして拭く場所を増やし、夜の室温と寝床を1つだけ変えます。一度に全部変えないことだけを守れば、3日目には紙の読み方が分かってきます。

  1. 1|窓ぎわで毛を開き、地肌の色と乾き方を見る

    掻いていた場所の毛を指2本で左右に開きます。見るのは3つ。周りの皮膚と色が違うか、白い粉が根元に浮いているか、指の腹が湿るか。触ってこするのはやめます。こすった跡が翌日の赤みになり、元の状態が分からなくなります。開いて見る時間は、1か所につき10秒で足ります。

  2. 2|3日、同じ時刻に場所の名前だけを書く

    夜の同じ時刻に、その日掻いていた場所を書きます。「左の首すじ」「腰の右」のように、あとで自分が同じ場所を指せる言い方にします。3日そろうと、場所が固まっているのか移っているのかが一目で分かります。紙が3日ぶん並ぶまでは、家で変えるものを増やさないでください。

  3. 3|ブラッシングの前に、毛を湿らせてから通す

    換毛期に浮いた下毛は、抜けきるまで地肌の上に残ります。乾いた毛にブラシを当てると静電気で毛が起き、浮いた下毛が地肌に触れたまま動きます。先に湿らせてから通すと、下毛はブラシの歯にまとまって出ていきます。掻いていた1か所は最後に回して、そこだけは毛の向きに沿って浅く通します。

  4. 4|洗う回数は増やさず、拭く場所を1つ増やす

    かゆみが出ると、洗う回数を週1から週2へ増やしたくなります。増やすのは拭く場所のほうです。散歩から帰ったあと、足の裏だけだったところに、内ももと胸のあいだを足します。外から持ち帰ったものが地肌に触れている時間は、洗いの回数ではなく、拭くまでの時間で決まります。

  5. 5|夜の室温と寝床を、1つだけ変える

    春は夜だけ暖房を入れる日が残ります。寝床が暖房の風の正面にあると、その子の地肌だけ乾きが進みます。変えるのは、寝床の位置か、暖房を切る時刻のどちらか1つ。2つ同時に変えると、翌週に紙の数字が動いたとき、どちらが効いたのか分からなくなります。

手順3で毛を湿らせるのに使っているのが、mofuwaグルーミングスプレーです。春のかゆみが出ている子ほど、洗う日を増やせません。それでも浮いた下毛は毎日出て、散歩に行けば外の粉も毎日つきます。毎日のほうを成り立たせるためにつくられた1本なので、掻いていた1か所に吹きかけてブラシを通すだけで、その日ぶんの下毛と粉が歯に移ります。地肌を開いて見た直後の1か所に使えるのが、この手順では効いてきます。

掻いている場所は、その子が口を持っていく場所でもあります。前足の先も、内ももも、舐めたあとに毛が湿ります。この1本に入っているのは電解水で、香りづけの成分は加えていません。飲みものに使う水と同じ規格の範囲でつくられているので、舐めに来る場所に多めに使っても、量を数えずに済みます。余分な皮脂は電解水となじんで浮くので、必要なぶんまで持っていかれる心配をせずに毎日使えます。

毛を開いた先の地肌そのものに何か使いたいときは、mofuwaスキンケアミストがそこに届く1本です。塗るものは舐めれば取れてしまいますが、この1本は舐めても差し支えない中身にしてあるので、口が届く場所にそのまま使えます。毛の側に使うmofuwaグルーミングスプレーと、開いた地肌に届かせるこの1本を分けておくと、3日後に紙を見返したときに、何を足したのかがはっきりします。春のかゆみでは、この2つを同じ日に始めないほうが読み違えません。

洗う回数を増やした週に、地肌のうるおいが戻らない|春のかゆみで遠回りになるやり方

紙の場所が3日たっても固まらないとき、家の側で3つのことが起きています。どれも、その子を楽にしようとして足したものです。足したこと自体が悪いのではなく、同じ週に重ねたことで、何が効いたのかを読めなくしています。

戻し方も決めておきます。3つ変えてしまった週は、いちばん最後に足したものから1つずつ戻します。戻した翌日から3日、また場所の名前だけを書きます。紙が静かなままなら、その1つは関係がなかったということです。春のかゆみは条件が重なって出るので、1つ戻すたびに3日待つ形が、いちばん早く元にたどり着きます。

被毛の状態も一緒に見ておきます。掻いている1か所の毛が、周りより短く切れているか、毛先が割れているか。切れた毛が増えているなら、その子はこちらが数えた回数より多く掻いています。紙に書いた回数が1日2回でも、留守のあいだに何度も足が上がっている可能性があります。留守番の長い日だけ場所が増える家は、そこも紙の端に書いておいてください。

Caution紙の場所が1か所に固まったまま、3日を過ぎたとき

同じ1か所が3日続けて紙に並び、開いた地肌が周りよりはっきり赤い/その1か所だけ毛が薄くなってきている/開くと根元がじくじくして、指の腹に湿り気が残る/掻く時間が夜中に集中して、寝ている時間が短くなっている。ここまで来ると、家で条件を1つずつ戻していく形では追いつきません。3日ぶんの紙――日付と時刻と場所の名前が並んだ1枚を持って、動物病院に電話をする日にしてください。どの場所が何日続いたかが書いてあれば、そこで見てもらう場所が最初から決まります。家で続けている手順も、そのまま伝えられます。

毎日開くのは3か所だけ|春のかゆみと地肌の記録を続ける形

紙が静かになったあとも、毎日開く場所を3か所だけ残します。首すじ、背中の真ん中、内もも。この3か所は、その子が掻き始めるときに最初に出ることが多く、開くのに10秒ずつしかかかりません。全身を毎日見ようとすると続かず、続かない記録は次の春に残りません。

3か所を毎日開いたときに、何を見るか
場所見るもの変わっていたときに先に動かす条件
首すじ毛の根元の湿り首輪を外している時間
背中の真ん中白い粉と、浮いた下毛の量ブラッシングの間隔
内もも皮膚の色と、こすれた跡寝床の位置と床の素材

1か月続けると、紙は場所の記録から条件の記録に変わります。室温を上げた日の翌日は首すじ、散歩が長かった日の翌日は内もも、というように、その子ごとの並びが見えてきます。並びが見えたら、翌年の同じ時期に先に動かせるものが1つ決まります。毎年くり返す時期だからこそ、3日ぶんの紙が来年のはじまりになります。

今夜は、掻いていた場所の名前を1つ書くところから始めてください。毛を開くのは明日でかまいません。数えるのは場所の数、開くのは3か所、変えるのは週に1つ。春のかゆみは条件が重なって出るので、1つずつしか戻せません。そのぶん、1枚の紙が残っていれば次は早く済みます。

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よくある質問

掻いている場所の毛を、短く刈ってしまってもいいですか。
家で刈るのはおすすめしません。毛を短くすると地肌は見やすくなりますが、切り口が立った毛が地肌に触れて、掻く回数が増えることがあります。見たいだけなら、指2本で開けば十分に見えます。長毛の子で毛がもつれて開けないときは、まず湿らせてブラシを通し、絡みをほどいてから開いてください。それでも開けないほど毛玉になっている場所は、無理に引かずにトリマーに任せるほうが、地肌を傷つけずに済みます。
春だけ掻きはじめて、夏になると止まります。これは毎年同じでしょうか。
同じ並びが続くなら、その子の条件が季節で動いていると考えられます。ただし「毎年そうだから」で紙をやめないでください。年ごとに寝床の位置も、散歩の道も、室温の入れ方も変わります。3日ぶんの記録は、去年の紙と並べて初めて意味が出ます。去年は首すじだけだった場所が、今年は内ももにも増えていれば、増えた側の条件を探せます。紙は捨てずに、その年の日付をつけて残しておいてください。
猫が掻いている場所を開こうとすると、嫌がって逃げます。
開く場所の順を変えます。掻いている場所から手をつけると、猫はそこを触られると覚えてしまいます。背中の真ん中のように、その子が普段さわらせる場所を先に開いて、そのまま隣へ手を移してください。1日で全部を見ようとせず、今日は首すじ、明日は内ももと分けて構いません。逃げた日は無理に追わず、その日の紙には場所の名前だけを書いておきます。記録が続いていれば、開けなかった日があっても読み方は変わりません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。