C08季節・行事

犬のレインコートは脱いだ後が本番|雨に当たっていない背中がいちばん湿る

公開日 2023年6月29日|文=mofuwa編集部

明るく風通しのよい部屋のうすい色の床に立つ、落ち着いた表情のうすい色の犬
コートが守っていたのは毛の表面までで、根元の湿りは脱がせたあとに出てきます。写真:Leohoho/Pexels

犬のレインコートを脱いだ後、いちばん湿っているのは布で覆われていた背中です。20分の散歩から帰って背中に手のひらを当てると、雨に当たっていた頭より冷たくて湿っていました。雨をはじいていたのは布の外側で、内側では別のことが起きています。体から出た水蒸気が、体温で温まった狭いすきまにこもり、脱いだ後に外の空気で冷えて毛の根元に残ります。犬にレインコートを着せた日ほど背中のからまりが増えるのは、この湿りが毛を押さえられた向きのまま固めるからです。この記事では、脱いだ後に梳かすまでの分数と、からまりの見つかった箇所の数を並べて、着せた日の手順を組み直します。

雨に当たっていない背中が、いちばん湿っている|レインコートを脱がせたあとの順番を決める前提

犬のレインコートで数えるのは2つです。脱いだ後に背中を梳かすまでの分数と、その日に見つかったからまりの箇所の数。着せた日と着せなかった日を14日ぶん並べてみると、からまりの数はコートを着せたかどうかより、脱いだ後に何分放っておいたかで動いていました。着せること自体が背中を傷めているわけではなく、脱がせたあとの時間が空いているだけです。

レインコートを着せた日の、脱がせてから梳かすまでの分数とからまりの数
着せていた時間脱がせてから梳かすまで背中のからまりほどくのにかかった時間
20分3分以内1か所1分
20分30分後3か所5分
20分翌朝4か所12分
40分3分以内2か所2分
40分翌朝6か所20分以上
着せなかった日(雨・20分)3分以内1か所1分

いちばん下の行が目印になります。コートを着せずに雨に濡れて帰った日でも、3分以内に梳かせばからまりは1か所でした。差がつくのは待った時間のほうです。翌朝まで置いた日は、同じ20分の散歩でからまりが4か所に増えています。レインコートの下で毛が押さえられていた形のまま湿りが引くと、そこで固まります。

レインコートの内側で、背中の毛が湿る道すじ レインコートの外側は雨を通しません。ところが内側では、体から出た水蒸気が布と毛のあいだの狭いすきまにこもります。歩いているあいだは体温で温まっているので水滴になりませんが、脱がせて外の空気に触れたとたんに冷えて、毛の根元に水として残ります。雨が当たっていない背中がいちばん湿っているのは、この経路で水が来ているためです。 着せる 雨を止める 20分後 内側にこもる 脱がせる 根元に残る 布と毛のあいだに、体温で温まった空気がたまる 外の空気に触れて冷え、水に戻る コートの外側で起きること 雨は通さず、表面を流れ落ちる 脱いだあとは風で早く乾く 背中の毛の根元で起きること 押さえられた向きのまま湿る そのまま引くと、そこで固まる
外から来る水は布が止め、内から来る水は脱いだあとに出てきます。

布の内側にこもるものを、犬の体のつくりから見ておきます。犬は人のように背中の皮膚から汗をかいて熱を逃がす動物ではありません。米国の獣医学マニュアル(Merck Veterinary Manual/飼い主向けの皮膚の項)には、犬の汗腺は足にあって体温調節での役割は小さく、余分な熱はおもにパンティング(口を開けた浅い呼吸)とよだれで逃がす、と書かれています。つまりレインコートの内側にたまるのは汗ではなく、体温で温まった湿った空気のほうです。汗をかかないから蒸れないと考えると、脱いだ後の背中に手を当てる回数が減ります。

時期の条件を1つだけ足します。6月の終わりは気温が上がり、外の空気も湿っています。コートの内側の温度と外の気温の差が小さいので、歩いているあいだに水蒸気が布を抜けていきません。気温の低い時期は、この差が大きいぶん内側の湿気が外へ逃げ、脱がせたときの背中はもっと乾いていました。乾燥している季節の変わり目に着せたコートと、いま着せているコートでは、脱がせたあとに残る湿りの量が違います。

もう1つ、この時期だけの事情があります。換毛期の終わりに抜けかけた下毛が、背中にまだ残っていることです。抜けた毛は根元にとどまり、湿った状態で押さえられると周りの毛を巻き込みます。からまりの芯を指でほどくと、中から出てくるのはたいてい抜けた毛のかたまりです。コートの下で起きているのは、新しい毛が絡むことではなく、抜ける途中の毛が出口を失うことです。

記録は紙1枚で足ります。日付、着せていた分数、脱がせてから梳かすまでの分数、からまりの箇所数の4つだけ。2週間ぶん並べると、自分の家の境目が何分のところにあるかが見えます。3分と30分のあいだのどこかに線があり、そこを越えた日だけ数が増えます。室温や湿度の違う家では、この線の位置も変わります。

ベルトの跡・首まわり・脇を、脱がせて3分以内に|レインコートを着せた日の背中の手順

犬のレインコートを脱いだ後の手順は5つです。脱がせる前に帯の位置を確かめ、毛の向きに沿って後ろへ抜き、3分以内に背中の根元を湿らせてから、首から腰へコームを2回通します。全部で5分ほど。足先を拭くのはこのあとです。背中は見た目が乾いているので後回しにされますが、時間の制限があるのはこちらだけです。

  1. 脱がせる前に、コートの上から帯の位置を指でなぞる

    胴を留めるベルト、背中の縫い目、首まわりのふち。この3本の線が、あとでからまりが出る場所です。布の上から指で押さえて、体のどこを通っているかを確かめます。毎回同じ位置に来るので、2回もやれば覚えられます。脱がせてから探すより早く済みます。

  2. 毛の向きに沿って、後ろへ抜くように脱がせる

    頭からかぶせて脱がせると、背中の毛が首のほうへ逆立ちます。湿っている毛が逆立った形で残ると、そこがそのままからまりの始まりになります。留め具を先に全部外して、前足を抜き、体に沿って後ろへ引きます。急がずに、布が毛をこすらない速さで。

  3. 脱がせたらすぐ、背中の根元へ手のひらを当てる

    毛の表面ではなく、指を分け入れて根元にふれます。冷たくて湿っていれば、この記事の手順が必要な日です。乾いていればコームを2回通すだけで終わります。判断はここで1回だけ。触らずに見た目で決めると、たいてい乾いているほうに寄ります。

  4. 手のひらに出した液を背中にのせ、毛の向きに指を通す

    首のうしろから腰まで、毛の流れに沿って一度だけ。押さえつけられていた毛が、湿ったまま立ち上がります。ここで無理に起こそうとせず、指が滑る状態になるまで量を足してください。抵抗があるまま動かすと、根元で毛が切れます。

  5. コームを首から腰へ2回、そのあと帯の3本だけ

    全身に通す必要はありません。背中の中央を2回通したら、あとはベルトの跡・首まわり・脇のつけ根の3か所だけ、毛を起こすように短く入れます。からまりが見つかったら、そこで力を入れず、指でほどいてからコームを入れます。3分以内に始めていれば、ほどくのは1か所につき20秒ほどで済みます。

背中の根元を湿らせるのに使っているのは、mofuwa グルーミングスプレーです。乾いた季節にこの1本を使う理由は、ブラッシングの前に静電気の起きにくい状態をつくることでした。湿度の高いこの時期に効くのは別の面です。湿った毛は指にまとわりついて、コームの歯が根元まで下りません。アルカリ側の電解水は毛に残った脂となじんで乳化するので、まとわりつきの元になっていた脂が浮き、歯が根元まで通ります。同じ1本でも、季節によって働いてほしいところが入れ替わります。

量を気にせず使えることが、この手順では効いてきます。背中は面積が広く、根元まで湿らせようとすると表面を濡らす程度では届きません。グルーミングスプレーの中身は電解水で、清涼飲料水の規格基準に照らして成分が確かめられています。背中は犬なら口が届きにくい場所ですが、猫は毛づくろいでここまで舌を回します。どれだけ使ったかを数えなくていいので、根元まで届く量を一度に出せます。

脱がせたコートのほうも、その場で処理しておきます。内側を乾いた布で一度ぬぐってから、外へ向けてかけるのではなく、内側を外にしてハンガーに広げます。内側が湿ったままのコートを翌日また着せると、その日の背中は前日より早く湿ります。梅雨どきは室温と湿度の関係で一晩では乾かないので、着せる予定のある家はコートを2枚で回すと形が崩れません。

猫で同じことが起きるのは、レインコートではなくハーネスやキャリーです。布が背中を押さえていた時間と、そのあと放っておいた時間の関係は同じで、通院から戻ったあとの背中には、ベルトの通っていた線に沿ってからまりが出ます。猫の場合は脱がせた直後に触らせてくれないので、落ち着くのを待ってから、その線の3か所だけを短く見ます。全身を梳かそうとすると、そこで終わってしまいます。

Pointコームを、コートと同じフックに掛けておく

3分以内に始められない理由のほとんどは、道具を取りに行っているからです。コートを掛けるフックの隣に、コームと1本を並べて吊しておきます。脱がせた手でそのまま取れる位置にあることが、この手順では分数そのものを決めます。玄関の棚にしまうと往復で1分半、その1分半のあいだに背中の根元は冷えはじめます。

乾いてから梳かした日に、背中で起きていること|レインコートを着せた日のやり方が崩れる3つ

崩れるのは、背中が濡れて見えない日です。コートを着せた日の背中は、手を当てるまで湿っていることが分かりません。見た目で判断できる足先や頭と違って、触らないかぎり出てこない情報なので、忙しい日から順に飛ばされます。14日ぶんの記録を見返すと、崩れ方は3つに分かれました。

崩れた日の戻し方は決まっています。翌日、コートを着せずに散歩へ出て、帰ってから背中だけを5分やります。着せた日の手順をもう一度やろうとすると、前日の分と合わせて背中に長く手が入り、その子が背中を触られること自体を避けはじめます。前日のからまりは、コートのない日にほどいたほうが早く終わります。数が減ってから、また着せる日に戻します。

記録を続けるときに気をつけるのは、着せた日数を減らそうとしないことです。雨の日にコートを着せる理由は、背中を濡らさないことだけではありません。体が冷えにくくなり、帰宅後に乾かす面積そのものが減ります。数えているのは着せた回数ではなく、脱がせてからの分数のほうです。紙に残す数字を間違えると、着せるのをやめるという結論に向かってしまいます。

Caution同じ線の上に、からまりが戻ってくるとき

3分以内にほどいているのに、ベルトの跡の同じ場所へ毎回からまりが戻る/その線に沿って毛が短く切れている、地肌が見えている/脱がせたあと、背中のその場所だけをなめたり噛んだりする/かき分けると地肌が赤く、さわると熱い/コートを着せていない日にも同じ場所にからまりが出る。ここまで来ると、脱がせたあとの分数を詰めてもからまりの数は減りません。コートのこすれで皮膚の側に変化が起きているか、もともとその場所に別のことが起きていて、布がそこへ重なっている可能性があります。14日ぶんの紙には、着せた分数と、梳かすまでの分数と、からまりが出た場所が並んでいます。これを持って、動物病院で背中の皮膚を見てもらう日を先に取ってください。同じ線の上で起きていることが、そのまま伝わります。

着せた分数が、そのまま梳かす分数になる|梅雨にレインコートを続けるコツは脱がせたあとの3分

犬にレインコートを着せていた時間が長いほど、脱いだ後に背中へ要る時間も長くなります。14日ぶんの記録から出てきた関係は、思ったより単純でした。20分の散歩なら3分、40分なら5分。比例するというより、コートの下で押さえられていた面積と時間が、そのまま作業量になります。続けるコツは、散歩に出る前にこの分数を決めておくことです。

着せていた時間ごとの、帰宅後に背中へ使う分数
着せていた時間根元を湿らせるコームを通す帯の3か所合計
15分まで30秒1分1分2分30秒
20〜30分1分1分1分3分
40分1分30秒2分1分30秒5分
1時間以上2分3分2分7分
2日続けて着せた翌日2分3分3分8分

いちばん下の行だけ、別の理由で長くなっています。2日続けて着せた日は、前日ほどけきらなかった芯が残っているぶん、帯の3か所に時間がかかります。連日雨が続く時期は、3日目にコートなしの日を1回はさむと、この積み重なりが切れます。雨の強い日にだけ着せて、小雨の日は着せずに帰ってから背中を5分。そう決めてしまうほうが、毎回迷うより続きます。

紙がたまってきたら、からまりの箇所数ではなく、梳かすまでの分数の散らばりを見てください。毎回3分前後でそろっている家は、道具の置き場所が決まっています。3分と30分が交互に出る家は、コートを掛ける場所とコームの場所が離れています。数字を縮めるために急ぐのではなく、手が届く位置に道具を移すほうが、結果として分数がそろいます。

次の雨の日は、犬のレインコートを脱いだ後、足先へ行く前に背中の根元へ手のひらを当ててみてください。冷たければ、そこから3分です。着せる日を減らさなくても、背中のからまりは減っていきます。

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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

背中を覆わないタイプのレインコートなら、からまりは出ませんか。
お腹側まで覆う全身タイプに比べると減りますが、ゼロにはなりません。ポンチョ型でも、首まわりのふちと、胴を留めるベルトの通る線では毛が押さえられます。実際に記録を取ると、全身タイプで4か所だったのがポンチョ型で2か所になり、場所は首まわりと胴のベルトに集中しました。形を変えると数は減りますが、見る場所は変わらないので、脱がせたあとの手順はそのまま使えます。
コートの内側に裏地がついているものは、湿りにくいですか。
裏地の素材で差が出ます。内側がつるつるした素材のものは毛が滑るので、押さえられても向きが固定されにくく、脱がせたあとにほぐれやすい傾向がありました。起毛した裏地は保温には向きますが、毛が引っかかって向きが残ります。梅雨どきに選ぶなら、内側が滑る素材のほうが帰宅後の作業は短く済みます。どちらにしても、脱がせてからの分数のほうが効きます。
猫にも同じことは起きますか。レインコートは着せていません。
猫ではハーネスやキャリーが同じ役目をします。布が背中を押さえていた時間と、そのあと放っておいた時間の関係は犬と変わらず、通院から戻ったあとの背中には、ベルトの通っていた線に沿ってからまりが出ます。違うのは触らせてくれる時間のほうで、猫は脱いだ後すぐに全身を梳かそうとすると、そこで終わってしまいます。落ち着くのを待ってから、ベルトの跡・首まわり・脇のつけ根の3か所だけを短く見てください。
脱いだ後にドライヤーを当てれば、梳かさなくても済みますか。
順番が逆になります。押さえられた向きのまま風を当てると、その形で乾いて固まります。指を通して毛を起こしてから風を当てると、同じ時間でも根元まで乾きます。梅雨どきは部屋の湿度が高く、自然乾燥だと時間がかかるので、風を使うこと自体は理にかなっています。使うなら、手順の4つ目と5つ目のあいだではなく、コームを通し終えたあとに回してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。