C05犬種・猫種別ケア

ラパーマと暮らすなら知っておきたい、毛のもつれの話

公開日 2023年8月1日|文=mofuwa編集部

明るい光の中で、やわらかな巻毛の猫が淡い色の毛布の上で落ち着いて休んでいる
同じ一頭でも、首まわりと背中では巻きの強さが違います。もつれ方も、そこで分かれます。

ラパーマののどの下に指を入れて、そのまま背中まで手を滑らせると、途中で毛のかたちが変わります。のどと胸元では、指にらせんが絡みつくくらいはっきりと巻いている。肩を越えて背中に出ると、巻きはゆるいうねりになって、指はほとんど引っかからずに腰まで届きます。もつれの話は、この落差から始まります。同じ一頭の、同じ日の毛なのに、巻きの強さが場所によって別物です。強く巻く場所と緩い場所では、絡まりはじめる高さも、締まっていく速さも違います。この記事では、その2つを並べて、見分け方と手当ての分け方を書きます。

首とお腹は強く巻き、背中は緩い|ラパーマのもつれが一頭の中で分かれる理由

ラパーマの被毛は、全身が同じ巻き方をしているわけではありません。のどから胸元にかけてと、お腹から後ろ脚の内側にかけては、はっきりしたらせんを描きます。耳のうしろにも、細かい巻きが集まっている子が多い。いっぽう背中から腰にかけては、巻きというより、ゆるやかなうねりに近くなります。手を当てたときの感触が場所で切り替わるのは、この差があるからです。

この猫はオレゴンの農場で生まれた巻毛の猫がもとになっていて、巻きの出方には幅があります。長毛の子はらせんが長く伸びて房になり、短毛の子は全体に波打つ。それでも共通しているのが、体の下側と首まわりに巻きが集まり、背中の側は緩む、という配り方です。被毛が軽く、弾力があるという性質も、全身に共通しています。

巻きの強さが変わると、もつれの始まる高さが変わります。強く巻いている場所では、1本の毛が根元のすぐ上から曲がりはじめます。曲がった部分どうしが隣り合っているので、絡まる接点が、地肌にいちばん近いところに集まります。緩い場所では、根元から数センチは比較的まっすぐで、うねりが出るのは毛の中ほどから先です。だから接点も、体から離れた高さにできます。

この違いは、気づくまでの時間にそのまま出ます。毛先で絡んだものは、表面のかたちが崩れるので目に入ります。根元で絡んだものは、上に巻毛の房がかぶさっているので、外からは見えません。背中のもつれは見つかってから手当てをすることになり、首まわりとお腹のもつれは、触って初めて見つかることになります。ラパーマで手を入れる順番は、ここから決まります。

Note巻きが強い場所は、その子の舌も届きにくい場所です

猫は毛づくろいで毛の流れを整えますが、らせんに巻いた毛の内側までは、舌が入っていきません。しかも巻きが強いのはのどの下やお腹の側で、体をひねらないと口が届かない場所と重なります。ラパーマで人が代わるのは、全身をとかすことではなく、舌が入れない巻きの内側を、指と道具で開ける一手だけです。背中の側は、その子自身がかなりの部分を担っています。

根元で締まるか、毛先で絡むか|ラパーマのもつれ方を並べて比べる

強く巻く場所と緩い場所を、同じ項目で並べます。比べるのはどちらがひどいかではなく、どこから始まって、どの向きに締まっていくかです。ラパーマのもつれで手が止まるのは、たいてい片方のやり方をもう片方に持ち込んだときです。背中でうまくいった手が、のどの下では通じません。逆もそうです。

巻きの強い場所と、緩い場所で、もつれ方がどう変わるか
強く巻く場所(首・お腹)緩い場所(背中・腰)
始まる高さ根元のすぐ上毛の中ほどから先
外から見えるか房にかぶられて見えません表面のかたちが崩れて見えます
締まる向き地肌へ向かって縮む毛先へ向かって束が太くなる
進む速さ数日で芯ができますしばらく緩いままのことが多い
きっかけ首輪、体をひねる動き、湿り抜けた毛の混入、静電気
見つけ方指を沈めて、止まるかどうか目で見て、房のかたちを追う
先にすること地肌との間にすきまを作る束から抜けた毛を外へ出す
巻きの強さで、もつれの起こる場所が変わる 強く巻く場所では毛が根元のすぐ上から曲がるため、絡む接点が地肌の近くに集まります。緩い場所では毛の中ほどからうねるため、接点は体から離れた高さにできます。 どちらがひどいかではなく、始まる高さの違いです 強く巻く場所 接点は根元のすぐ上 外からは見えません 地肌へ向かって縮む 先にすきまを作る 緩い場所 接点は毛の中ほどから先 表面のかたちで分かる 毛先へ束が太くなる 先に抜けた毛を出す 背中で通じた手は、のどの下では通じません
同じ一頭の中で、2種類のもつれが同時に進んでいます。

締まる向きが逆になっている、というのがいちばん大きな差です。強く巻く場所のもつれは、地肌のほうへ縮んでいきます。房の外側を引っぱると、縮んでいる芯が皮膚を引き上げます。ここで力を足すと、ほどけるより先に、皮膚が引かれます。緩い場所のもつれは、毛先の側へ束が太くなっていきます。こちらは根元側に余裕があるので、押さえる場所を作れば、外側から少しずつ減らせます。

進む速さも違います。強く巻く場所では、接点が最初から多いので、何かのきっかけで湿ったり、抜けた毛が入り込んだりすると、数日で指では割れない芯ができます。緩い場所では、束が太くなっても中に空気が残っているので、同じ日数がたっても、指で押すとまだ動きます。ラパーマで見回る間隔を、場所によって変える理由がここにあります。

指を1本沈めて確かめる|ラパーマのもつれが始まった場所の見分け方

どちらのもつれが起きているかは、目では決まりません。見分け方の中心は、指を沈めたときに、どの高さで止まるかです。ラパーマは房が立体的なので、上から見ているかぎり、根元で起きていることは何も見えません。猫を立たせるか、ひざの上で横を向かせて、片手で体を支え、もう片方の手だけで確かめます。次の順で回してください。

  1. のどの下に、指を1本まっすぐ沈める

    房を左右に分けるのではなく、房のあいだへ指を差し込むように入れます。地肌まで届くか、途中で押し返されるか。押し返される高さが、そのまま接点のできている高さです。ラパーマではここがいちばん強く巻く場所なので、まずここから確かめます。届くなら、その日ののどまわりは通っています。

  2. 同じことを、脇の下とお腹の側でくり返す

    体をひねる動きでこすれる場所です。仰向けにせず、横向きのまま、下側になっているほうを持ち上げて見てください。仰向けにすると毛が寄って、もつれていない場所まで詰まって感じられます。指が止まったら、その場所と高さだけを覚えておきます。この段階では、まだ何もほどきません。

  3. 背中は、指ではなく手のひらで撫でて追う

    緩い場所は接点が体から離れているので、指を沈める必要がありません。手のひらを毛の流れに沿って滑らせて、途中で束に当たって手が浮くかどうかを見ます。浮いたところに束があります。そこだけ指でつまんで、押すと動くか、固いかを確かめてください。

  4. 見つけた場所を、強い側と緩い側に振り分ける

    指が根元の手前で止まったものは強く巻く場所のもつれ、手のひらが毛の中ほどで浮いたものは緩い場所のもつれです。1日で全部を手当てしようとせず、まず強い側を1か所だけ選んでください。緩い側は数日待っても急には固まりません。ラパーマのもつれで先に手を入れるのは、見えないほうです。

指で確かめた結果と、その日にすること
確かめたことその日にすること
のどや脇で、指が根元の手前で止まったそこを1か所だけ。すきまを作るところまで
指が地肌まで届いたその場所は今日はやらなくて構いません
手のひらが背中で浮いた。押すと動く束から抜けた毛を出すだけ。急ぎません
背中の束が、押しても固い強い側と同じ扱いにします
触ると体をよじる、声を出すその場で手を止めて、翌日に回します
Point見分け方は、順番を決めるためのものです

確かめた結果を、その日のうちに全部手当てしようとしないでください。見分けの目的は、今日どこに手を入れて、どこを明日に回すかを決めることです。ラパーマは体の下側に強く巻く場所が集中しているので、抱き上げたついでにのどと脇へ指を沈める、と決めてしまうと、思い出さなくても回るようになります。指が止まる高さの感覚は、続けていれば数日で覚えられます。

開ける手と、通す手|ラパーマのもつれで道具と力の使い分け

振り分けができたら、手当てを変えます。強く巻く場所でやるのは「開ける」こと、緩い場所でやるのは「通す」ことです。言葉を分けているのは、動かす向きが逆だからです。開けるは地肌と芯のあいだにすきまを作る動き、通すは束の外側から毛を1本ずつ外へ出していく動きになります。同じ道具でも、この2つでは持ち方が変わります。

強く巻く場所では、まず指2本を、もつれと地肌のあいだへ差し込みます。差し込んだ指が、そのあとの力を受け止める土台になります。この土台がないまま道具を入れると、かけた力がそのまま皮膚へ抜けます。土台ができたら、芯の外側を少しずつ崩します。芯そのものを狙わないでください。外側の緩い部分が減っていくと、芯は自然に小さくなります。1回で終えようとせず、その日は外側だけで手を止めます。

緩い場所では、土台は要りません。束を軽く持ち上げて、毛先の側から根元へ向かって、少しずつ短く動かします。束の中に入り込んでいるのは、たいてい抜けた毛です。抜けた毛が外へ出れば、残った毛はもとのうねりに戻ります。ラパーマの巻毛は弾力があるので、無理に引き伸ばさなくても、絡みがほどけた時点でかたちが戻ります。

開ける手と、通す手の使い分け
開ける(強く巻く場所)通す(緩い場所)
最初にすること指2本を地肌とのあいだへ入れる束を軽く持ち上げる
動かす向き外側から、少しずつ削る毛先から根元へ、短く
狙うもの芯の外側の緩い部分束に入り込んだ抜けた毛
1回で終えるか終えません。外側だけで止めますその場で終わることが多い
力の受け止め先差し込んだ指持ち上げた手
やってはいけないこと房の外側を引っぱること根元から強く引き下ろすこと
Caution強く巻く場所で、房の外側を引っぱらないでください

のどやお腹のもつれは、地肌へ向かって縮んでいます。外側の房を持って引くと、芯が皮膚を引き上げたまま、力だけが伝わります。ほどけないうえに、その場所を触られること自体を嫌がるようになります。嫌がる、体をよじる、声を出す。このどれかが出たら、その日はそこで終わりにしてください。翌日に外側をもう少し削るほうが、結果として早く小さくなります。

毛が乾いていると、静電気で抜けた毛が房へ入り込みやすくなります。ここで手に取るのがmofuwa 毛玉予防ジェルです。2〜3日に1回、指先に少量とって、巻きの強い場所の毛先までなじませ、そのままブラシを通しておく。毛の1本ずつに成分が乗ると、房の中で毛が引っかかりにくい状態が続きます。指が根元で止まった場所には、同じジェルをその芯になじませます。しっとり濡れるくらいまで含ませてから外側を崩すと、乾いたまま開けるより芯がゆるみます。それでも芯が動かないときは、同じ場所へ mofuwa グルーミングスプレーを重ねて、指のあいだでもう一度もみます。乾いた房のまま開けるより、外側から崩れてくれます。毛玉予防ジェルがある理由は、ラパーマのもつれをはさみで切らずに済ませることのほうです。切れば、そこだけ巻きの戻る長さが変わります。被毛が軽い猫なので、量はごく少なくて足ります。

巻きが緩んできた場所のもつれは、カールの話ではありません

ここまでは、巻きの強さの差で説明のつく話でした。その巻きそのものが変わってきたときは、もつれの手当てではなく、毛と皮膚の側を見てください。ラパーマでは、いつも強く巻いている場所と緩い場所の位置が、その子の目安になります。その配り方が崩れてきたときは、次のような見方に切り替えます。

Caution指が止まる高さの話ではなくなっているとき

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、ブラッシングの回数や道具を変える前に、動物病院にご相談ください。判断がつかないまま家で様子を見た日数が、そのまま気づくのが遅れた日数になります。1日1か所の見回りで気づいた日に、そのまま予約を取ってください。

相談やトリミングの前には、指が止まる場所と高さ・いつからか・その週に触った道具の3つを書き留めておいてください。ラパーマは房が立体的なので、写真では根元で起きていることが写りません。触ったときの高さを言葉にしておくと、その場で切り分けてもらえます。ほどききれなかった場所は、無理に触らずそのまま連れて行くほうが確かです。

ラパーマと暮らすうえで、巻きの強さが場所で違うこと自体は変わりません。のどとお腹に巻きが集まり、背中が緩むというのは、この猫の被毛がもともと持っている配り方だからです。動かせるのはもつれができるかどうかではなく、できた場所に合った手を選べるかどうかのほうです。根元で止まったら、開ける。毛先で浮いたら、通す。1日1か所、見えないほうから先に。ラパーマのもつれで家でできることは、この使い分けに収まります。

Product

mofuwa 毛玉予防ジェル

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50g / 2,970円(税込)

被毛をコーティングして、もつれと静電気を起きにくくするジェル。香料無添加です。

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よくある質問

ラパーマのもつれは、毎日とかしていれば起きなくなりますか?
巻毛は、巻いていること自体が接点をつくります。とかす回数を増やしても、接点の数は変わりません。回数より、どこを見ているかのほうが効きます。のどの下・脇の下・お腹の側は、外から見えないうちに根元で締まります。1日1か所でいいので、指を沈めて高さを確かめる時間を作るほうが、全身を長くとかすより早く見つかります。
背中のもつれと、のどの下のもつれで、同じ道具を使ってもいいですか?
道具は同じで構いませんが、持ち方と動かす向きが変わります。のどの下は、指2本を地肌とのあいだへ入れて土台を作ってから、芯の外側だけを削ります。背中は、束を持ち上げて毛先から根元へ短く動かします。土台を作らずに背中と同じ手を使うと、力が皮膚へ抜けます。動きを分けることのほうが、道具を分けることより大事です。
短毛のラパーマでも、場所によって巻きの強さが違いますか?
短毛の子でも、のどまわりとお腹の側の巻きが強く、背中が緩いという配り方は残ります。長さがないぶん房になりにくいので、もつれが目立つ場面は減りますが、根元の近くに接点が集まるという条件は同じです。指を沈めて確かめる見分け方は、そのまま使えます。届くかどうかだけを見てください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。