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外耳炎とは?湿気と耳の形の関係

公開日 2024年1月26日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のブランケットの上に落ち着いて伏せている白っぽい毛の犬
外耳炎という呼び名の「外」が指しているのは、鼓膜より外という範囲のことです。写真:belen capello/Pexels

耳のにおいが少し変わって、頭を振る回数が増えた。動物病院でその話をしたときに出てくることのある言葉が、外耳炎です。外耳炎とは、耳の穴の入り口から鼓膜までの範囲に炎症が起きている状態を指す呼び名とされています。この呼び名の「外」は、体の外側という意味ではありません。鼓膜より外、という意味です。だから家から見えるのは、その範囲のいちばん外側だけになります。奥がどうなっているかは、飼い主が覗いても分かりません。この記事では、外耳炎とはどこまでを指す言葉なのか、家から何が見えて何が見えないのかを、8つの問答に分けて書きます。診断と治療は動物病院の領域なので、そこには入りません。

外耳炎とは、どこに起きている状態を指す呼び名ですか

外耳炎とは、耳の穴の入り口から鼓膜までの範囲に炎症が起きている状態を指す呼び名とされています。言葉を2つに割ると、「外耳」という場所の名前と、「炎」という状態の名前が、そのままくっついた形になっています。場所と状態を1語で言い表したもの、というのが外耳炎という言葉の作りです。

場所のほうから確かめておきます。耳の中は、呼び名の上で3つに分けて語られるのが一般的とされています。手前から順に、外耳、中耳、内耳です。外耳炎の「外耳」は、そのいちばん手前の範囲を指しています。

耳の中を、呼び名で3つに分けたときの範囲
呼び名指している範囲家から見えるか
外耳耳の穴の入り口から鼓膜まで入り口のあたりだけ見える
中耳鼓膜のすぐ奥見えない
内耳さらに奥見えない

この表の1行目が、外耳炎とはどこの話なのかを決めています。範囲の手前の端は外に開いていますが、奥の端は鼓膜で閉じています。片側だけが外とつながっている行き止まりの範囲、という言い方もできます。あとで出てくる話は、ほとんどがこの「片側だけ開いている」という条件から出てきます。

Note外耳炎とは呼び名であって、家でつけられる名前ではありません

この記事で扱うのは、外耳炎という言葉が何を指しているか、というところまでです。目の前のその子がその状態にあたるかどうかは、診察を受けて初めて決まります。家で見えたことは判断の材料にはなりますが、判断そのものにはなりません。気になる変化があるときは、外耳炎かどうかを調べる前に動物病院にご相談ください。この記事は、そのときに話が通りやすくなるための言葉の整理です。

外耳炎の「外」は、体の外側という意味ですか

違います。この「外」は、鼓膜より外、という意味で使われています。体の内と外を分ける線ではなく、耳の中を手前と奥に分ける線の話です。線が引かれている場所は鼓膜で、その手前側が外耳と呼ばれています。

ここを取り違えると、読み方が丸ごとずれます。「外なら、外から見えるはずだ」と考えてしまうからです。外耳という言葉は外という字を持っていますが、その範囲の大半は、外からは見えないところにあります。見えるのは、外に開いている端のあたりだけです。

外耳炎とは、と調べる人がまず知っておくと役に立つのは、この一点だと考えています。「外」は位置の話ではなく、境界の名前です。境界が鼓膜だと分かれば、家から見える範囲がどこまでなのかも、同時に決まります。次からの話は、この線の手前側だけを扱います。

湿気と耳の形が、外耳炎の説明に必ず出てくるのはなぜですか

この2つが並ぶ理由は、外耳という範囲の条件そのものにあります。片側だけが外に開いていて、奥は鼓膜で閉じている。つまり、風が通り抜けません。入ってきた水や湿った空気は、抜けていく先を持っていません。だから乾くまでに時間がかかります。

ここに耳の形が重なります。形そのものが何かを起こすというより、形によって、湿ったものが残っている時間の長さが変わります。時間の長さが変わる条件を、家で数えられるものだけ並べておきます。

耳のまわりで、湿ったものが残る時間が変わりやすい条件
条件何が変わるか家で数えられること
耳が垂れているか、立っているか入り口が開いている時間1日のうち、耳が持ち上がる回数
耳のまわりの毛の量入り口をふさぐ度合い毛が入り口に垂れているかどうか
水がかかる機会湿ったものが入る回数洗った日・雨の日・水遊びの日
洗ったあとに乾かす時間湿ったまま過ごす長さ乾かし終えるまでの分数
季節と部屋の湿度乾く速さ梅雨と夏に増えていないか
寝るときの姿勢耳が床に接している時間いつも同じ側を下にしていないか

この表は、原因を並べたものではありません。湿ったものが残る時間が長くなりやすい条件を並べただけです。時間が長いから外耳炎という状態になる、という言い切りは、この記事ではできません。呼び名は状態を指すものであって、原因を指すものではないからです。

家の側でできることも、そこから決まります。形は変えられませんが、濡れる機会の数と、乾かし終えるまでの時間は数えられます。数えられるものだけを記録しておくと、動物病院で話す材料になります。数えられないものを推測して増やしても、材料は増えません。

家から見えるのはここまで|外耳炎かどうかを飼い主が決められない理由

外耳炎という呼び名が指す範囲は、入り口から鼓膜までです。そして飼い主が目で確かめられるのは、その入り口のあたりだけです。照明を当てても、耳を持ち上げても、見える範囲はほとんど広がりません。奥は曲がっていて、光が届かないからです。

外耳炎をめぐって、家から見えることと見えないこと 耳の入り口のあたりについて家で分かることと、鼓膜に近い側について家では分からないことを、左右のカードで並べた比較図です。 左だけを持って動物病院へ行くのが、いちばん役に立ちます 家から見えること 入り口のあたりの色 耳のまわりの毛の状態 においが変わったかどうか 頭を振る回数の変化 触られたときの反応 家からは見えないこと 奥がどうなっているか 鼓膜の状態 どこまで広がっているか 何がかかわっているか 片耳だけの理由 見えない側を推測しても、材料にはなりません
右側は「調べれば分かる」ではなく「家の道具では届かない」という意味です。

見えない側を見ようとすると、かえって困ったことが起きます。綿棒や洗浄用の液を耳の中に入れると、見えていたはずの入り口の状態まで変わってしまうからです。診察のときに見てもらう材料が、その手で消えます。気になる変化があるときは、耳の中には何も入れないでください。これは掃除の是非の話ではなく、材料を残すという話です。

もう1つ、家では決められないことがあります。同じように見える変化が、外耳炎という呼び名に結びつくとは決まっていない、ということです。耳のあたりの変化は、ほかの理由でも起こります。見えている範囲が狭いということは、そこから逆算できることも狭いということになります。

だから家でやることは、1つに絞られます。見えた範囲を、見えたとおりに記録することです。色がどうだった、においがいつから変わった、頭を振るのが1日に何回だった。判断ではなく観察を持っていく、というのが、外耳炎という言葉を知ったあとにできることになります。

においが変わった、頭を振る、触ると嫌がる|家で分かるのはこの3つまで

家で気づける変化は、だいたいこの3つに収まります。どれも耳の中を見て分かったことではなく、その子の行動と、外に出てきたにおいから分かることです。見えない範囲の話を、外側の手がかりから受け取っている形になります。

家で気づける3つの変化と、記録に書いておくこと
変化気づくきっかけ記録に書くこと
においが変わった抱き上げたとき、顔が近づいたときいつから/前と比べてどう違うか/片側か両側か
頭を振る、耳をかく静かなときに音で気づくことが多い1日におよその回数/どの時間帯に多いか
触ると嫌がる顔まわりを拭こうとしたときどこを触ったときか/前からなのか最近なのか

この3つは、外耳炎という呼び名に直結するものではありません。同じ3つが、まったく別の理由で出ていることもあります。だから家で書き留めるときは、「外耳炎かもしれない」ではなく「いつから、どう変わったか」の形にしてください。前者は判断で、後者は観察です。持っていって役に立つのは後者のほうです。

片側か両側かは、忘れずに書いておくと役に立ちます。これは家からでも確かめられる、数少ない項目の1つだからです。においを嗅ぐときも、頭を振る向きを見るときも、左右を分けて見ておいてください。左右で違いがあるかどうかは、家の目でも分かります。

記録は、細かくなくて構いません。カレンダーの端に、日付と一言だけ書いておくので足ります。「においが少し変わった」「今日は振るのが多い」。それが3日分たまるだけで、いつからという問いに答えられるようになります。毎日のケアのついでに書ける形にしておくのが、いちばん続きます。

外耳炎について、家で調べても答えが出ない疑問はどれですか

調べているうちに出てくる疑問のうち、家では答えの出ないものがはっきりしています。先にそれを分けておくと、調べる時間が短くなります。答えの出ない疑問を抱えたまま検索を続けるより、そのまま動物病院に持っていくほうが早く終わります。

この6つに共通しているのは、どれも「見えない範囲」か「専門の判断」に属しているということです。家で使える道具は、目と鼻と手だけです。その3つで届く範囲の外にある問いには、どれだけ調べても答えが出ません。

「大丈夫かどうか」という問いも、同じところに入ります。大丈夫という言葉は、見えていない部分まで含めた判断だからです。家から見えているのは入り口のあたりだけなので、そこから全体の可否を決めることはできません。外耳炎とは何かを知ることと、目の前のその子の状態を決めることは、別のことです。

逆に、家でしか分からないこともあります。いつから変わったのか、毎日と比べてどうなのか、生活の中で何が変わった時期なのか。これは診察室では出てこない情報です。家で分かることと、診察でしか分からないことを持ち寄る、という形がいちばん噛み合います。

毎日のケアで手が届くのは、耳の中ではなくどこですか

手が届くのは、耳のまわりと、体のほかの場所です。耳の中には入れません。ここは、気になる変化があるときもないときも同じです。外耳炎という呼び名が指す範囲は、家の手が入る場所ではない、というところから毎日のケアの線を引いておきます。

  1. 耳の中には、何も入れない

    綿棒も、液体も、指も入れません。見えない範囲に道具を入れると、見えていた範囲の状態まで変わります。気になる変化があるときほど、そのままの状態で見てもらうほうが役に立ちます。

  2. 耳のまわりの毛が、湿ったまま残らないようにする

    洗った日や雨の日は、耳のまわりの毛が最後まで乾かずに残りがちです。耳の中ではなく、外側の毛だけを乾かします。乾かし終えるまでの時間を1回だけ測っておくと、次から予定に組み込めます。

  3. 顔まわりのケアは、いつもどおりの手順で続ける

    耳のあたりが気になるからといって、体のケアの回数を変える必要はありません。変えると、あとで何が効いたのかが分からなくなります。いつもどおりを保っておくほうが、比べる材料が残ります。

  4. 気づいたことを、その日のうちに1行書く

    におい、頭を振る回数、触ったときの反応。ケアの終わりに1行だけ書くと決めておくと、思い出す手間がなくなります。この1行が、そのまま動物病院で使えます。

耳のまわりは、その子の毛づくろいが届かない場所です。前足でこすれるのは顔の前面までで、めくった内側の毛は自分では手入れできません。ここだけは人が代わるところだと決めておいてください。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%でできています。清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、口のまわりにも使えます。頭を振れば、耳のふちに付いたものは口のまわりまで回ります。布に取ってから、耳の外側と付け根の毛だけを、毛の流れに沿って一方向に。耳の中には入れません。拭く範囲を入り口の手前までと決めておくと、毎日「見えた範囲」がそろうので、記録を比べる相手がずれなくなります。

Pointケアの線引きを、1行にしておきます

耳の中は家の手が入る場所ではなく、耳のまわりと体は毎日のケアの場所です。この線を引いておくと、気になる変化があったときに、何をして何をしないかで迷わなくなります。皮膚や被毛のケアはいつもどおり続け、耳については記録だけを増やす。記録を持って動物病院にご相談ください。

外耳炎とはどこまでを指す言葉か、2行に畳む

ここまでを2行に畳みます。外耳炎とは、耳の穴の入り口から鼓膜までの範囲に炎症が起きている状態を指す呼び名とされています。そして呼び名の「外」は、体の外側ではなく、鼓膜より外という意味です。この2行から、家から見えるのは入り口のあたりだけ、という結論が出てきます。

動物病院に持っていくと役に立つ、3つのメモ
メモの項目書き方の例なぜ役に立つか
いつから「先週の水曜あたりから」診察室では分からない情報です
どう変わったか「においが前と違う」「頭を振るのが増えた」変化の向きが伝わります
片側か両側か「右だけ気になる」家からでも確かめられる項目です

この3つは、どれも家でしか分からないことです。耳の中の話は診察で分かり、いつからの話は家でしか分かりません。だから、耳の中を調べようとするより、この3行を書いて持っていくほうが、結果として早く進みます。外耳炎とはどういう言葉かを知る意味は、ここにあると考えています。

Caution耳のあたりに変化があるときは、動物病院にご相談ください

耳のにおいが変わった、頭を振る回数が増えた、耳のあたりを触ると嫌がる、耳をかく仕草が続いている、顔を傾けている、片側だけ様子が違う。こうした変化があるときは、耳の中を確かめようとしたり、何かで拭こうとしたりする前に動物病院にご相談ください。家から見えるのは入り口のあたりだけで、その先は家の道具では届きません。いつから、どう変わったか、片側か両側かの3つをメモして持っていくと、その場で見てもらえます。

もう一度だけ書いておきます。この記事は言葉の説明で、目の前のその子の状態についての話ではありません。呼び名を知ることと、その呼び名が当てはまるかを決めることは、別の作業です。決めるほうは、動物病院の領域にあります。

外耳炎という言葉を調べた日から、耳をめくって見た日を数えてみてください。30日たまるころには、その子にとっての「いつもどおり」がどの状態なのかが決まります。変わった日に気づけるのは、いつもどおりを知っている人だけです。毎日のケアを続ける意味は、その基準を自分の手元に持つところにあります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。