C12Q&A・豆知識
香料入りの製品は本当にダメ?
ペット用品のボトルの裏を見ると、成分表示のいちばん下のあたりに「香料」の二文字が入っていることがあります。この二文字があるかどうかで、そのペット用品の良し悪しは決まりません。見るところは、その香料が誰のために付いているか、のほうです。香りは、使った人が「終わった」「きれいになった」と判断するための材料として働きます。けれど、犬や猫はその香りを自分で選べませんし、香りのついた自分の体から離れることもできません。この記事では、ペット用品の香料を、家で確かめられる形に置き換えて、7つの問答に分けて書きます。
ペット用品に香料が入っていたら、避けたほうがいいですか
香料が入っていること自体は、そのペット用品の欠点になりません。見るところは、その香料が誰のために付いているか、です。ペット用品の香料は、多くの場合、使った人が「終わった」「さっぱりした」と感じるための材料として働いています。犬や猫の皮膚や被毛のために足されているものではありません。
ここを取り違えると、判断が二つのどちらかに振れます。香料入りのペット用品を一律に外してしまうか、逆に「いい香りがするから清潔になった」と読んでしまうか。どちらも、香りが実際に何をしているかを飛ばしています。香りは、においの元を減らしているのではありません。人が感じているにおいの上に、別のにおいを重ねている状態です。
だから、ペット用品を香料の側から選ぶときの問いは、1つに絞れます。その香りは、誰が受け取るために付いているのか。受け取るのが人で、その香りを身につけて暮らすのが犬や猫なら、そこには小さな不釣り合いがあります。危ないという話ではなく、香りの受け手と、香りをまとう側が別だ、という話です。
特定の香料や、香料入りのペット用品を危ないものとして書くことはしません。濃度も量も使い方も書かれていない状態で、成分の名前だけを見て安全か危険かを決めることはできないからです。書けるのは、香料がどんな役割で入っていて、その役割が誰に向いているか、というところまでです。皮膚や被毛に変化が出ているときの判断は、成分表示を読み比べる話ではなく、動物病院で見てもらう領域になります。
ペット用品に香料が入っているのは、なぜですか
役割は、おおまかに4つあります。4つとも、受け取り手は人です。ここを並べておくと、あとの判断がぶれなくなります。
- 原料そのもののにおいを覆うため:油脂や植物由来の原料は、それ自体がにおいを持っています。そのにおいを覆う目的で足されることがあります
- 使ったことが分かる合図にするため:香りがあると、どこまで拭いたか、いつ使ったかが人の側に残ります
- 製品の印象をつくるため:手に取ったときの記憶に残ります。ペット用品にかぎらず、日用品全般で長く使われてきた考え方です
- 使う頃合いを知らせるため:香りが薄れてくると、そろそろかな、と分かります
この4つを並べると、香料が「効かせるために入っているもの」ではないことがはっきりします。香料は、製品の働きの部分ではなく、人との連絡の部分に置かれています。だからペット用品の香料を評価するときに、その香りで皮膚や被毛がどうなるかを考えても、話がかみ合いません。もともと、そこを担当している部分ではないからです。
逆に、香料を入れないと決めた製品には、その分の折り合いが必ずどこかに出ます。原料そのもののにおいが、そのまま残ります。これは不良ではなく、覆わないことを選んだ結果です。mofuwaのケア用品を無香料にしているのも、香料が危ないからではなく、犬や猫が自分で選べないものを足さない、という設計の側の判断からです。無香料は「何も入れていない」ではなく「覆わないほうを選んだ」という意味になります。
犬や猫の側から見ると、その香りはどう届いているのか知りたいです
犬や猫の嗅覚は、人よりも鋭いと一般にいわれています。ただ、ここで何倍という数字を持ち出しても、家での判断は変わりません。判断が変わるのは、鋭さの話ではなく、その香りから離れられるかどうかの話のほうです。同じ香りでも、置かれている場所によって、その子が取れる行動が変わります。
| 香りのある場所 | その子が離れられるか | 続く時間 |
|---|---|---|
| 部屋の空気 | 別の部屋へ移れば離れられる | 換気で下がります |
| 床や家具の表面 | その場所を避ければ離れられる | 拭くまで残ります |
| 寝床の布 | 眠る場所そのものなので離れにくい | 洗うまで続きます |
| 被毛 | 離れられない | 体と一緒に移動します |
| 口のまわり | 離れられない | 毛づくろいのたびに戻ります |
| 足の裏 | 離れられない | 歩くたびに床へ移ります |
表の下の3行が、ペット用品の香料でいちばん考えておきたいところです。被毛に付いた香りは、その子が寝ても歩いても一緒についてきます。部屋に置く芳香剤なら、その子は別の部屋へ移動できます。けれど体に付いたものからは移動できません。選べないうえに、離れられない。この2つが重なるのは、体に直接使うペット用品だけです。
もう1つ、犬や猫の側の事情があります。体に付いたものは、毛づくろいのときに口に入ります。猫はもちろん、犬でも前足や体をなめる子がいます。だから体に使うペット用品は、においの話だけでなく、なめる前提になっているかどうかも一緒に見ることになります。ここは香料に限った話ではなく、毎日のケアで使うもの全般に共通します。
成分表示にある「香料」とは、何をまとめた言葉ですか
ここは定義の話になります。成分表示の「香料」とは、香りをつけるために配合された成分を、ひとまとめにして書いた表記のことです。複数の成分をまとめて「香料」と書けるとされていて、内訳まで書く決まりにはなっていません。つまり、その一語からは、何種類入っているのかも、それぞれがどれだけ入っているのかも読めません。
- 読めること:香りをつける成分が配合されている、ということ
- 読めること:表示の並びから、配合量の多い成分ではなさそうだ、という位置関係
- 読めないこと:何種類の成分がまとめられているか
- 読めないこと:天然由来なのか、そうでないのか
- 読めないこと:その子にとって強い香りになる量なのかどうか
- 読めないこと:毎日使ったときに、どれだけ体に残るか
「植物由来の香料」と書かれていても、読める量は増えません。由来がどこかという話と、どれだけ入っているかという話は、別のことを指しています。植物からとった成分は、抽出の過程でむしろ濃くなることがあります。天然だから薄い、という関係にはなっていません。ここは、香料に限らず成分表示を読むときの共通の落とし穴です。
表示から読めないのなら、判断材料を表示の外に置くしかありません。ペット用品の香料について、家で確かめられることは2つに絞られます。1つは、その香りがどこに付いて、どれだけ続くか。もう1つは、香りが消えたあとに、もとのにおいが戻ってくるかどうかです。次の2つの節で、順に書きます。
香りが強いペット用品は、そのぶん大丈夫ではないということですか
強さと「大丈夫かどうか」は、そのままつながりません。その子にとっての負担を決めているのは、香りの強さではなく、量と回数と付く場所の掛け算のほうです。強い香りを月に1回、部分にだけ使うのと、弱い香りを毎日、全身に使うのでは、その子が過ごしている時間の中身が違います。
| 条件 | 見るところ | 変えられるか |
|---|---|---|
| 量 | 一度にどれだけ体に付くか | 使う量で変えられます |
| 回数 | 毎日か、週に1回か、月に1回か | 頻度で変えられます |
| 付く場所 | 全身か、部分だけか、床や家具か | 使い方で変えられます |
| 逃げ場 | その子が離れられる場所があるか | 部屋の使い方で変えられます |
| その子の側 | なめる癖があるか、皮膚に変化が出ていないか | 変えられません。見るだけです |
この表でいちばん下の行だけが、家で変えられない条件です。同じペット用品でも、なめる癖のある子と、そうでない子では、条件がまったく変わります。だから「このペット用品は大丈夫ですか」という問いには、製品の側からは答えが出ません。答えは、その子と、使い方の側にあります。
1つだけ、線を引いておきます。皮膚に赤みが出ている、同じ場所をなめ続けている、被毛の一部が薄くなっている。こうした変化があるときに、香料の有無を家で切り分けようとするのはおすすめしません。成分表示を読み比べているあいだにも、変化のほうは進みます。ペット用品を替える前に、動物病院で見てもらってください。何を、どのくらいの頻度で使っていたかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。
香りが消えたあとに、においが戻るかどうかを見るのは、どうしてですか
これが、家でできるほとんど唯一の確かめ方だからです。香料入りのペット用品を使ったあと、その香りが分からなくなった時点で、もとのにおいが戻っているかどうかを見ます。戻るなら、香りは覆っていたことになります。戻らないなら、においの元のほうが減っています。表示を何度読んでも出てこない答えが、この1回で出ます。
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使う前のにおいを、言葉にして書いておく
「寝床が少し酸っぱい」「口のまわりが甘い」など、ひとことで構いません。比べる相手がないと、戻ったかどうかを決められません。紙でもスマートフォンでも残しておきます。
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使った直後の香りを確かめる
どんな香りが、どこに付いたかを見ます。全身なのか、部分だけなのか。ここも一行で足ります。
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香りが分からなくなるまでの時間を測る
数時間で消えるものもあれば、翌日まで残るものもあります。この時間が、そのペット用品の香料が働いている長さです。正確でなくて構いません。半日か、1日か、という粗さで足ります。
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香りが消えた時点で、1つめのにおいが戻っているかを見る
戻っていれば、覆っていただけです。戻っていなければ、においの元のほうが減っています。この一点だけが、家で読み取れる差です。
誤解のないように書いておくと、戻ること自体は悪いことではありません。来客の前に使う、車に乗る前に使う、といった場面では、覆う働きがそのまま役に立ちます。問題になるのは、戻るタイプのペット用品を「においの元が減った」と読み替えてしまうときです。読み替えると、元のほうに手が入らないまま、使う回数だけが増えていきます。
戻るまでの時間そのものも、材料になります。数分で戻るなら、においの元はその子の体の側にあります。半日で戻るなら、寝床や布の側。翌日に戻るなら、床材や部屋の側です。香料入りのペット用品は、こういう使い方をすると、においの出どころを探す道具にもなります。覆うためだけに使うより、手に入る情報が1つ増えます。
毎日のケアで使うペット用品を、香料の側から決める手順を知りたいです
手元にあるペット用品を、全部いっぺんに見直す必要はありません。頻度と、付く場所の2つで分けると、香料の側を気にするものは数えるほどに減ります。順番はこうなります。
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使う頻度で3つに分ける
毎日使うもの、週に1回のもの、月に1回以下のもの。ここでほとんどのペット用品が、下の2つに入ります。
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付く場所で2つに分ける
体に直接付くものと、床や家具など体の外に使うもの。体に付くほうだけを残します。
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残ったものだけ、香料の側を見る
毎日、体に直接使うもの。ここが、その子がいちばん長く一緒に過ごす香りになります。見直す価値があるのは、この1つか2つだけです。
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それ以外は、好みで選んでよい
月に1回のものや、床に使うものまで無香料に揃える必要はありません。全部を無香料にすることが目的ではなく、その子が離れられない場所を減らすことが目的です。
この手順で残るのは、たいてい毎日の拭き取りや、ブラッシングの前に使うペット用品です。選べないうえに離れられない、という条件がそろうのは、ここだけです。だから、毎日その子の体に乗せる1本だけは、香料の側を先に決めておきます。mofuwa スキンケアミストには、香料を入れていません。覆うほうを選んでいないので、使ったあとに残るのは、その子のもとのにおいだけになります。布に取って、足の裏や口のまわりを毛の流れに沿って一往復させる。香りが消えるまでの時間を測る手順が要らないぶん、使う前に書いた一行が、そのまま翌日の比べる相手として残ります。
最後に、この記事を三行に畳んでおきます。ペット用品の香料は、入っているかどうかでは読めません。読めるのは、その香りが誰のために付いているか、どこに付いて、どれだけ続くか、そして香りが消えたあとににおいが戻るかどうかです。香料は人と製品のあいだの連絡であって、犬や猫の皮膚や被毛のためのものではありません。そう置いておけば、ペット用品の棚の前で迷う時間がだいぶ短くなります。
使ったあとに赤みが出た、かゆがる回数が増えた、同じ場所をなめ続けている、フケが増えた、被毛の一部が薄くなった、においが日ごとに強くなっている。こうした変化が続くときは、ペット用品を香料の有無で選び直す前に、動物病院にご相談ください。家では、香料が関係しているのか、それ以外の理由なのかを切り分けられません。いつから、何を、どのくらいの頻度で使っていたか。この3つを書いて持っていくと、そのまま診察の材料になります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
