C05犬種・猫種別ケア
ボストンテリアのケア|涙やけを減らす3つの習慣
ボストンテリアの目は、大きくて丸く、顔から前に出ています。そのうえ、目のつく位置が顔の横寄りで、左右に離れています。この2つが重なると、涙のこぼれる場所が変わります。涙は目の下ではなく、目尻——外側の角から先にあふれます。だから、色が変わってくるのも目の下の縦筋ではありません。目尻から外へ、こめかみのほうへ向かう横の帯として出てきます。ここを知らないまま目の下ばかり拭いていると、拭いている場所と色が出る場所がずれたままになります。この記事では、涙やけがなぜ目尻から始まるのかを先に押さえて、そのあとで拭き取りの手順に入ります。
涙が目尻からあふれる理由|ボストンテリアの目の位置と涙やけ
涙は、泣いたときにだけ出るものではありません。目の表面を乾かさないために、いつもうすく広がっています。使われた涙は目頭の側にある小さな出口から鼻へ抜けていき、抜けきらないぶんが目のふちからこぼれます。ここまでは、どの犬でも同じです。ボストンテリアで変わるのは、こぼれる場所のほうです。
ボストンテリアの顔を正面から見ると、目が顔の平面より前に出ています。頭は四角く、マズルは短く、目そのものは大きくて丸い。さらに、その目が顔の中央寄りではなく、横に離れてついています。正面を向いたとき、両目のあいだが広く空いて見えるのはそのためです。この位置関係が、涙の行き先を決めます。
目が前に出ていると、まぶたのふちが眼球を包み込む角度が浅くなります。とくに外側の角——目尻の側は、まぶたが回り込む距離が長くなるぶん、ふちと眼球のあいだにわずかな段差が残ります。涙は、その段差のいちばん低いところから先に越えます。ボストンテリアでは、それが目の下ではなく目尻になります。
越えた涙は、そこから下へ落ちません。顔の作りのせいです。マズルが短いので、目の下に涙が伝うような長い谷がない。かわりに目尻の外側には、頬骨に向かってなだらかな面が広がっています。涙はその面を横へ、こめかみのほうへ流れます。だからボストンテリアの涙やけは、目の下に縦の筋として出るのではなく、目尻から外へ向かう横の帯になります。
この場所は、毛の色でも目立ちます。ボストンテリアには、額から鼻筋にかけて白い毛が入る子が多く、目のまわりも白と黒の境目になりやすい。白い毛の上では、涙が乾いたあとの変色がはっきり見えます。黒い毛の上でも色は付いていますが、見えにくいだけです。左右で見え方が違うときは、色の量ではなく毛の色の並びが違っている場合もあります。
- 目が顔から前に出ている:まぶたが眼球を包む角度が浅くなります
- 目が顔の横寄りについている:外側の角が、顔の中で低い位置になります
- マズルが短い:目の下に、涙が伝う縦の谷がありません
- 目尻の外側になだらかな面がある:涙が横へ広がる道になります
- 白い毛が入る子が多い:同じ量の変色でも、はっきり見えます
- 短毛で毛の向きがそろっている:濡れた場所と乾いた場所の境目が分かりやすいです
涙やけのケアを調べると、たいてい「目の下を拭く」と書いてあります。目の下から涙が伝う犬では、それで合っています。ボストンテリアでは、目の下は下流です。下流だけを拭いても、上流の目尻からは涙が出続けているので、乾く前に次が来ます。拭く場所を増やす前に、拭きはじめる場所を目尻に移してください。それだけで、一日のうち毛が乾いている時間が延びます。
目尻から目頭へ|ボストンテリアの涙やけを減らす拭き取りの手順
手順は5つです。全体を通して、動かす向きは「目から遠ざかる方向」だけです。目に向かって拭くと、毛に付いた細かい汚れを目の中へ運ぶことになります。ボストンテリアは目が前に出ているぶん、まつげや指が当たりやすいので、この向きだけは崩さないでください。座らせて、顔を正面から支えた状態で行います。
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手順1:やわらかい布を水でぬらし、固くしぼる
コットンでも、ガーゼでも、目のまわり用の柔らかい布でも構いません。大事なのは、水がしたたらない程度まで固くしぼることです。ぬれすぎていると、拭いたあとにその場所が長く湿ったままになります。乾いた布でこすらないのも同じ理由です。乾いた繊維は、短い毛を根元から引っかけます。指に巻きつけて、面を平らにしてから当ててください。
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手順2:目尻に布を当てて、3秒そのまま置く
こすらずに、まず当てて待ちます。乾いて固まった涙の跡は、こすって落とすものではなく、湿らせて浮かせるものです。3秒あれば、表面はゆるみます。ここを飛ばして最初からこすると、毛が引っぱられて、その子が顔をそむけるようになります。ボストンテリアの目尻は皮膚が薄く動きやすいので、押しつけずに、置くだけにしてください。
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手順3:目尻から外へ、こめかみのほうへ一方向に拭く
浮いた汚れを、目から離す向きへ運びます。往復させず、一方向に一度だけ。戻すと、いま外へ運んだものをまた目の側へ戻すことになります。同じ場所をもう一度拭きたいときは、布の面を替えてから、もう一度外へ動かしてください。ここが涙やけの上流にあたるので、拭き取りの中でいちばん時間をかける場所になります。
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手順4:目の下を、内側から外側へなでる
上流を片づけてから、下流に移ります。目の下は、涙そのものよりも、目尻から回ってきたものと、床のほこりが混ざっている場所です。目頭の側から始めて、外へ向かって一度。ここも往復させません。短毛なので力はほとんど要らず、布の重さで足ります。強く当てると、毛が寝て地肌が見えるようになります。
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手順5:目頭を最後に、下へ向かって拭く
目頭は、目やにが乾いてたまりやすい場所です。最後に回すのは、ここがいちばん目に近く、汚れを目へ運ぶ危険が高いからです。布の角を使って、目の内側の角から下へ、鼻筋のほうへ動かします。固まっているときは、手順2と同じように当てて待ってから動かしてください。取れないものを無理にはがさず、その日はそこで終わりにします。
| 順番 | 場所 | 動かす向き | 力の入れ方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 目尻(外側の角) | 外へ、こめかみのほうへ | 当てて3秒、そのあと一度だけ |
| 2 | 目の下 | 目頭側から外側へ | 布の重さだけ |
| 3 | 目頭(内側の角) | 下へ、鼻筋のほうへ | 布の角で、こすらない |
| 共通 | すべて | 目から遠ざかる方向のみ | 往復させない |
湿ったまま置くと、その場所は次の涙が来るまでのあいだも濡れています。拭き終わったら、乾いた布の面をそっと当てて、水分を吸わせてください。こすって乾かすのではなく、押し当てて吸わせるだけです。ボストンテリアは短毛なので、ここまでやっても10秒かかりません。一日のうち、目のまわりが乾いている時間をどれだけ作れるかが、毛の色の変わり方に効いてきます。
3つの習慣に分ける|ボストンテリアの涙やけで毎日できること
手順が決まったら、次はそれをいつやるかです。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしません。1回の拭き取りの中で決めることが1つ、1日の中で決めることが1つ、1週間の中で決めることが1つ。粒度をずらしてあるので、忙しい週でも全部が同時に止まりません。
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習慣1:目尻から始める、という順番を固定する
毎回、目尻が1番目です。順番を毎回考えないと決めてしまいます。目の下から始めた日は、上流が濡れたままなので、拭いた場所がすぐに戻ります。時間がない日は、目尻だけで終わって構いません。それでも順番は崩れていません。逆に、目の下と目頭だけをやって目尻を飛ばす、という日は作らないでください。この順番を固定するだけで、拭き取りの効き方が変わります。
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習慣2:1日1回、濡れている時間が長い時間帯に当てる
回数を増やすのではなく、時間帯を選びます。その子の目のまわりがいちばん濡れているのは、散歩から帰った直後か、風の当たる場所にいたあとです。そこに1回だけ入れてください。決まった時間に入れるより、条件で決めるほうが続きます。夜、寝る前にもう一度なら、眠っているあいだの湿った時間を短くできます。1日3回以上には増やさないでください。理由は次の項目にあります。
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習慣3:週に1回、同じ光の下で毛の色を見比べる
涙やけは毎日見ていると変化が分かりません。週に1回、同じ場所・同じ時間・同じ明るさで、正面から顔を見てください。スマートフォンで撮っておくと比べやすくなります。見るのは色の濃さではなく、色が付いている範囲の広がる向きです。目尻から外へ伸びているのか、目の下へ回り込んできているのか。この記録が、あとで動物病院に相談するときの材料になります。
| 何を決めるか | 決める単位 | |
|---|---|---|
| 習慣1 | 目尻から始める、という順番 | 1回の拭き取りの中 |
| 習慣2 | 濡れている時間が長い時間帯に1回 | 1日の中 |
| 習慣3 | 毛の色の範囲が広がる向き | 1週間の中 |
ここで、手が止まりやすい場面を3つ書いておきます。どれも、よかれと思ってやったことが逆に働く形です。1つ目は、回数を増やすこと。拭くほど毛には摩擦がかかります。ボストンテリアの目のまわりは短毛で、こすられた毛は根元の側で折れて短くなります。短く折れた毛は先が広がるので、同じ量の変色でも濃く見えるようになります。回数を増やしたら色が濃くなった、という順序は珍しくありません。
2つ目は、力を入れてこすること。乾いて固まった跡は、こすっても取れません。取れるのは、湿らせて浮かせたぶんだけです。力を入れると、跡は残ったまま毛と地肌だけが傷みます。3つ目は、目の下ばかりを見ること。拭いたあとに正面から見て、目の下だけがきれいになっていて目尻に色が残っているなら、上流を飛ばしています。鏡ではなく、その子の顔を斜め前から見ると、目尻の帯が見えます。
毛に色が付いてしまった部分は、拭き取りで白く戻るものではありません。戻るのは、新しく生えてきた毛と入れ替わったあとです。毎日しっかり拭けば白くなりますという見方でいると、続けても変わらないことに疲れてしまいます。家でできることは、これから伸びる毛が濡れている時間を短くすることのほうです。いま付いている色ではなく、色が付く範囲が広がっているかどうかを見てください。
目尻から外へ伸びる帯は、正面からでは見えません。斜め前に回った人の目にだけ映る線なので、気づいたときには、その線の上を何日も乾いた布でこすっていた、ということが起こります。mofuwa スキンケアミストは、布に含ませて当てても、水のほかに毛の上へ残るものがありません。中身が電解水で、そこへ何かを足していないからです。使いどころは手順2、目尻に布を当てて3秒待つところです。乾いた繊維は短い毛を根元から引っかけるので、湿らせてから浮かせるという順番は、短毛のボストンテリアではとくに崩せません。当てる範囲は、目尻から外へ離れた頬の側まで。顔に直接吹きかけず、必ず布に含ませてから使ってください。目のふちと目頭には近づけません。
目尻の外側へ広がる変色|ボストンテリアで家でできることの線引き
ここまでは、目の位置と顔の作りで説明のつく涙やけの話でした。順番を固定して、1日1回当てて、週に1回比べていても、色の付く範囲が広がり続けるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、拭き取りの話として片づけないほうが安全です。家でできることと、動物病院に相談することの線は、ここで引きます。
- 片側だけ濡れている、片側だけ色が広がる:左右で条件が違うということです。顔の作りだけでは説明がつきません
- 目のまわりが常に濡れていて、乾く時間がない:拭く回数の話ではなく、涙の量そのものが変わっています
- 目やにの色や量が変わった:透明から黄色や緑がかった色に変わったときは、早めに見てもらってください
- 目を細めている、まばたきが増えた、光をまぶしがる:目のまわりではなく、目そのものを見てください
- 前肢で顔をこすっている、床に顔をこすりつけている:気にしている場所があります。涙やけより先にそちらです
- 目のまわりの毛が抜けて、地肌が赤い:湿った状態が長く続いた結果として起こることがあります
変色の見方についても、もう少し書いておきます。家で見るときは、濃さより向きです。目尻から外へ、こめかみの側へ帯が伸びていくのは、これまで書いてきた顔の作りで説明のつく広がり方です。いっぽう、目の下から鼻筋へ回り込む、口の横まで下りてくる、目の上のまぶた側へ上がってくる。この3つは、涙のこぼれる場所が変わったということなので、家での手順の外にあります。
目のまわりが常に濡れている、目やにの色や量が変わった、目を細めている、まぶしがる、前肢で顔をこすり続けている、目のまわりの毛が抜けて地肌が赤い、においがある、片側だけ症状がある、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭き取りの回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。ボストンテリアは目が前に出ているぶん、目の表面に触れるものが多くなります。迷ったら早いほうを選んでください。
相談の前には、週に1回撮っておいた顔の写真、色が広がった向き、いつから濡れている時間が延びたかの3つを持っていってください。この3つがあると、顔の作りで説明のつく涙やけなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。受診の前日に念入りに拭き上げないでください。もとの状態が分からなくなります。いつもどおりの顔で連れて行くほうが、伝わる情報が多くなります。
ボストンテリアと暮らすうえで、目が前に出ていること、横寄りについていることは変えられません。それはこの犬種の顔を作っている条件そのものです。家で動かせるのは、涙の量ではなく、目尻から外の毛が濡れている時間の長さのほうです。目尻から始めて、濡れている時間帯に1回当てて、週に1回だけ範囲を比べる。ボストンテリアの涙やけで手が届くのは、そこまでです。そこから先は、動物病院と分担してください。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- ボストンテリアの涙やけは、目の下を拭いていれば足りますか?
- 目の下は下流にあたります。目が前に出ていて顔の横寄りについているので、涙は目尻から先にあふれます。上流の目尻が濡れたままだと、目の下を拭いても乾く前に次が来ます。拭く場所を増やすより、拭きはじめる場所を目尻に移してください。順番を変えるだけで、乾いている時間が延びます。
- 拭く回数は、多いほどいいのでしょうか?
- 1日1回か2回で足ります。拭くたびに毛には摩擦がかかり、こすられた毛は根元の側で折れて短くなります。短く折れた毛は先が広がるので、同じ量の変色でも濃く見えるようになります。回数を増やしてから色が濃くなったと感じるときは、いったん1日1回に戻して、濡れている時間が長い時間帯に当ててください。
- いま付いている色は、拭いていれば白く戻りますか?
- 毛に付いた色は、拭き取りでは元の色に戻りません。戻るのは、新しく生えた毛と入れ替わったあとです。家で見るのは色の濃さではなく、色が付いている範囲がどちらへ広がっているかのほうです。目尻から外へ伸びるのは顔の作りで説明がつきますが、目の下から鼻筋や口の横へ回り込むときは動物病院にご相談ください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
