C12Q&A・豆知識

全成分表示はどこを見ればいい?

公開日 2024年3月22日|文=mofuwa編集部

明るく清潔なリビングで、淡い色のラグの上に落ち着いて伏せている白っぽい毛の犬
成分表示は全部を読むものではなく、上と下の決まった場所だけを見るものです。写真:Iza Ponchie/Pexels

ボトルの裏に並んでいる全成分表示は、多いものだと30行を超えます。それでも見るのは、上から3つと、いちばん下の数行だけで足ります。成分は配合量の多い順に並べて書かれるのが基本とされていて、上位3つを読めば「何でできているか」が分かります。末尾の数行を読めば「何を足しているか」が分かります。真ん中は、量の差が読めないので、判断の材料になりません。ペット用品の成分表示は、人の化粧品と表示の決まりがそろっていないところもあるので、見方にはもう1本、補助線が要ります。この記事では、成分表示の見方を8つの問答に分けて、最後は手元の1本を紙に書き写すところまで進めます。

全成分表示は、どこから見ればいいですか

上から3つと、いちばん下の数行です。この2か所だけで、その製品が何でできていて、何を足しているかが読めます。全部を上から順に読む必要はありません。むしろ、全部を読もうとすると途中で疲れて、いちばん知りたい部分に届く前に本を閉じることになります。成分表示の見方でつまずくのは、読む力の問題ではなく、読む場所を決めていないことのほうです。

ペット用品の売り場で裏面を確かめている人が、いちばん困るのはここだと思います。カタカナが20も30も並んでいて、どれが大事なのか分かりません。けれど、並び順そのものが情報になっています。成分は、たいてい配合量の多い順に書かれるのが基本とされています。順番を情報として使えば、読む量は一気に減ります。

全成分表示を3つの帯に分けて見る
帯そこに書かれていること読むかどうか
上から3つその製品の大部分を占めているもの読む。何でできているかが決まる
真ん中順番は分かるが、量の差が読めない飛ばしてよい
いちばん下の数行少しの量で役割を持たせているもの読む。何を足しているかが決まる

この分け方が、この記事の全部です。ペット用品でも人の化粧品でも、帯の分け方そのものは変わりません。変わるのは、そもそも全成分が書かれているかどうかのほうで、そこは後半(s5)で扱います。まずは、書かれている表示をどう読むかから進めます。

Note成分表示の見方で、いちばん多い読み違い

「聞いたことのない名前が入っているから避ける」という読み方です。名前になじみがあるかどうかは、その成分がどれだけ入っているかとは関係がありません。水にも化学的な名前があり、食品にも同じ成分が入っていることがあります。逆に、なじみのある名前が末尾のほうに1行だけ書かれていて、実際にはごく少量、ということも起こります。読むのは名前の印象ではなく、その名前が置かれている場所です。

なぜ上から3つで足りるのですか|配合量の多い順という並び方

並び方に決まりがあるからです。全成分表示は、配合量の多いものから順に書かれるのが基本とされています。だから、いちばん上に来ているものが、その製品でいちばん量が多いものになります。2番目、3番目と下るにつれて、量は減っていきます。この並び方を知っているだけで、成分表示の見方は半分決まります。

上位3つを読むと、たいていの製品は「水を主体にしたもの」「油を主体にしたもの」「アルコールを主体にしたもの」のどれかに分かれます。この分かれ方が、その製品をどう使うものなのかとほぼ一致します。水を主体にしたものは、なじませて使うものが多くなります。油を主体にしたものは、塗って留めておくものが多くなります。ペットのケア用品も、この分かれ方は同じです。

上から3つが答えている問い
上位に来ているもの読み取れること使い方の見当
水系のものが最初に来る全体の大部分が水分で構成されているなじませる・拭き取る使い方が多い
油系のものが最初に来る全体の大部分が油分で構成されている塗ってその場に留めておく使い方が多い
アルコール系が上位に来る揮発する成分の比重が大きい乾きが早い。なめる場面では用途表示を見る
粉や増粘するものが上位に来る形を保つことに重心があるジェルやクリームの形になりやすい
洗浄の役割を持つものが上位に来る洗い流す前提で作られている洗い流さない用途とは設計が違う

もう1つ、並び方には知っておきたい但し書きがあります。配合量が1%以下のものは、順番を入れ替えて書いてよいとされています。つまり、下のほうの並びは「量の順」ではなくなっている可能性があります。ここが、真ん中から下を細かく読んでも判断が固まらない理由です。上位はほぼ量の順、下位は順番の意味が薄い。この2つを分けて覚えておくと、成分表示の見方が安定します。

並び方の決まりそのものも、製品の分類によって根拠が違います。だから「必ずこの順で書かれている」と言い切ることはできません。基本とされている、という言い方が正確です。それでも、上位3つが下位より多いという関係は、ほとんどの表示で保たれています。ペット用品を裏返して確かめるとき、まずこの関係だけを使ってください。

いちばん下の数行には、何が書いてあるのですか

少ない量で役割を持たせているものが並びます。香りをつけるもの、中身を傷みにくくするもの、色をつけるもの、pHを整えるもの。どれも量としては少ないのですが、製品の性格をいちばん強く決めている行でもあります。上位3つが「何でできているか」なら、末尾は「何を足しているか」です。

ここで大事なのは、入っているかどうかではなく、なぜそこにあるかを役割で読むことです。香りに関わるものが入っていれば、その製品は人が香りで判断する設計になっています。入っていなければ、香りでは判断できない設計になっています。どちらが良い悪いではなく、何を優先して作られたかの違いとして読めます。犬や猫が使うものでは、この違いがそのまま使う場面の違いになります。

末尾を読む価値は、もう1つあります。足しているものが少ない製品ほど、行数そのものが短くなります。行数が短いことは、良さの証明ではありません。減らしたぶんを別のところで持たせている場合もあるからです。ただ、末尾の行数を見比べると、その製品がどれだけの要素を足して成り立っているかは分かります。ペット用品を2本並べて比べるときは、上位3つと末尾の行数の2点で見ると、違いが早く出ます。

Note「フリー」「不使用」の表示は、末尾とセットで読む

「○○不使用」と書かれているとき、その情報は末尾の帯にあるはずのものが1つ抜けている、という意味になります。何を抜いたかが書いてあれば読めますが、何を抜いたかが書かれていなければ、表示だけでは読めません。そして、抜いたぶんを容器の形や容量、開封後の使用期限で埋めていることがあります。うたい文句の側だけを見て決めず、その言葉のすぐ近くに列挙があるかどうかを見てください。

真ん中を飛ばして、本当に大丈夫ですか

大丈夫だと考えています。理由は単純で、真ん中の帯は、読んでも判断が変わらないからです。順番は分かりますが、隣の行との量の差が分かりません。5番目と12番目のどちらが多いかは分かっても、その差が2倍なのか100倍なのかは、表示からは読めません。差が読めない情報は、比べる材料になりません。

もう1つ、実務的な理由があります。真ん中まで読もうとすると、続かないからです。売り場で1本の裏面を全部読むと数分かかります。2本を比べれば10分近くになります。読み切れないので、結局いちばん目立つうたい文句で決めることになります。上位3つと末尾だけなら、1本30秒で終わります。続けられる見方のほうが、結果として正確になります。

ただし、真ん中を読む必要がある場面はあります。動物病院で「この成分は避けてください」と具体的に言われているときです。このときは、上から下まで、その1つの名前を探すことになります。探す対象が決まっている読み方なので、成分表示の見方としてはまったく別の作業です。名前が分からないまま真ん中を眺めるのとは、目的が違います。

真ん中を読むか、飛ばすかの分かれ目
場面読み方見るところ
どれを買うか決めたい飛ばす上位3つと末尾の数行
いま使っているものを記録したい飛ばす上位3つを書き写す
避ける名前を具体的に言われている探す上から下まで、その名前だけ
何かが起きて原因を絞りたい家では決めない表示を持って動物病院へ

4行目について補足します。皮膚に何かが起きているときに、成分表示だけで原因を絞り込むことは家ではできません。表示に書かれているのは名前と並び順であって、その子の体でどう反応するかは書かれていないからです。表示を読む作業と、原因を切り分ける作業は別のものです。切り分けは動物病院の領域になります。

ペット用品の成分表示は、人の化粧品と同じ見方でいいですか

帯の分け方は同じですが、表示そのものの決まりがそろっていません。人の化粧品には全成分を書く決まりがあるとされています。一方、ペット用品は雑貨として扱われるものがあり、その場合、全成分を書くかどうかはメーカーの判断に委ねられている部分があるとされています。だから、ペット用品では「書いてあるかどうか」自体が、最初の情報になります。

この差は、売り場に立つとすぐ分かります。裏返したときに、成分の行が20行並んでいる製品と、「水、○○など」と数語で終わっている製品があります。数語で終わっている表示は、悪意があるわけではなく、書く決まりの形が違うだけのことがあります。ただ、読む側から見ると、比べる材料の量が違います。ペットのケア用品を選ぶときは、ここを最初に見ると、そのあとの手間が変わります。

ペット用品の裏面で、成分表示より先に見ておくところ
見るところ書かれていれば書かれていなければ
全成分が並んでいるか上位3つと末尾の帯で読める何でできているかを表示から決められない
用途(どこに使うものか)使う場面を製品側が想定している自分の判断で使い道を決めることになる
対象(犬・猫・どちらも)その動物向けに作られていると読める人用や別の動物用の設計かもしれない
洗い流すか、流さないか設計の重心がどちらかに寄っている洗浄力の強さを表示から見当できない
開封後の目安抜いた要素をどこで埋めているかが読める保管条件を自分で保守的に決める

この表の4行目は、成分表示の見方としてとくに効きます。洗い流すものと、洗い流さないものでは、必要な設計がまったく違います。洗い流すものは、汚れを落として流す前提なので、洗浄の役割を持つ成分が上位に来ます。洗い流さないものは、肌の上に残る前提なので、同じ設計にする理由がありません。洗い流さない製品に強い洗浄成分が上位に来ていたら、そこは読む価値のある行になります。

人用の製品をペットに転用してよいか、という質問もよく出ます。表示の見方の話としては、人用の表示はペットに使うことを前提に書かれていない、というところまでが答えです。用途の欄に犬や猫が書かれていない以上、その製品はその使い方を想定していません。成分の善し悪しの話ではなく、想定されている使い方の話です。迷うときは、かかりつけの動物病院に製品の裏面を見せて聞くのがいちばん早く終わります。

いちばん上が「水」だったときは、次に何を見ますか

水がいちばん上に来ているのは、ごくふつうのことです。なじませて使う製品は、たいてい大部分が水でできています。だから「水が1番目だから中身が薄い」とは読めません。読むのはその次で、何の水なのかが書かれているかどうかです。ただの水なのか、何かを加えた水なのか、加工した水なのか。表示に書かれていれば、そこが上位3つのうちの1つ分の情報になります。

mofuwa のケア用品では、原料の水にアルカリ性の電解水を使っています。電解水とは、水に電気を通して性質を変えた水のことを指す呼び名です。電解効率については、一般的な飲料用アルカリイオン水が約20%とされるのに対し、mofuwa が使っている電解水はほぼ100%です。ここでいう電解効率は、投入した水のうちどれだけが変化したかを指しています。作り方の側は特許5253483(三室ダブルイン型 電解分解技術)として登録されていますが、特許は技術が新しいものとして登録されたということであって、効き目が証明されたという意味ではありません。

数値がいくつか公開されているので、読み方も添えておきます。水分浸透力は精製水の35倍(自社検証。比べた相手は精製水)という数値があります。これは浸透のしやすさを比べたもので、ほかのことを言っている数値ではありません。試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかったという検証もあります。実施したのは江東微生物研究所・日本食品分析センター・ユニオンバイテック・日本繊維製品品質技術センターの4つの検査機関です。この一行が言っているのは、その試験条件のもとで、その時刻に数えられなかった、というところまでです。

数値のとなりに書かれている条件を、いっしょに読む
数値・言葉何に答えているか答えていないこと
電解効率 ほぼ100%(一般的な飲料用アルカリイオン水は約20%)投入した水のうち、どれだけが変わったかできあがった水が何をするか
水分浸透力 精製水の35倍(自社検証)精製水と比べた浸透のしやすさ菌の数。試験の種類が違う
試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されずその試験条件での、その時刻の状態家の中や、その子の体の上でのこと
清涼飲料水の規格基準をクリアした成分成分の純度についての物差し飲み物としての用途
特許5253483技術が新しいものとして登録されたこと効き目の証明

成分表示の見方として持ち帰ってほしいのは、この表の右の列です。数値が書いてある製品は、その数値が何に答えているかまで書いてあるかどうかで読み分けられます。条件が併記されていれば、そこまでを受け取ればよく、書かれていなければ、その数値がどこまでを指すのかを決められません。数値を疑うためではなく、数値が答えている範囲をそのまま受け取るために使ってください。これは電解水にかぎった話ではなく、どのペット用品の表示にも同じように使えます。

Caution試験の結果を、言い切りに置き換えないでください

検証データを紹介するときに、いちばん起きやすいのが言い換えです。この水は菌をゼロにします、30秒で除菌できます。どちらも、試験が確かめた範囲を超えています。書けるのは、「○○の試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されませんでした(検査機関名)」という形までです。裏面や資料を読むときも、結果の言葉のまま書かれているかどうかを見ると、その資料がどれだけ正確かが分かります。

家では、何をすればいいですか|上位3つを紙に書き写す

やることは1つです。いま使っているものの上位3つを、紙に書き写して並べます。新しく買うものを探す前に、手元にあるものを並べたほうが早く分かります。比べる相手が自分の家にあるからです。ペットのケア用品が3本あるなら、3行の表ができます。

  1. 使っているものを全部、机に出す

    シャンプー、洗い流さないもの、クリーム、ブラッシング前に使うもの。いま実際に使っているものだけで足ります。戸棚の奥で1年使っていないものは、この作業には入れません。

  2. 裏面の成分表示の、上から3つを書き写す

    そのまま写します。読めない名前でも、字面のまま写してください。意味が分からなくても、並べると違いが見えます。

  3. いちばん下の数行も、まとめて書き写す

    行数が多ければ、末尾の3〜5行で足ります。ここが「何を足しているか」の欄になります。行数そのものもメモしておくと、次に比べるときに使えます。

  4. 用途と、洗い流すか流さないかを1列足す

    表示の見方でいちばん効く2つです。洗い流さないものに、洗浄の役割を持つ成分が上位に来ていないかだけ確かめます。

  5. その紙を、動物病院に持っていく日まで取っておく

    皮膚のことで相談する日が来たときに、そのまま渡せます。製品名だけより、上位3つが並んでいるほうが話が早く進みます。

この5つで、その家の成分表示の一覧ができます。1回作れば、次に何かを買うときは、その紙と比べるだけになります。売り場で一から読む必要がなくなるので、選ぶ時間そのものが短くなります。ペット用品は同じものを何年も使い続けることが多いので、1枚作っておくと長く使えます。

紙にすると、もう1つ分かることがあります。同じ役割の製品を2本持っていた、ということに気づきます。洗い流さないケアが2種類あって、上位3つがほとんど同じ、というのはよくある形です。並べてはじめて分かるので、これは成分表示の見方の副産物のようなものです。

成分表示の見方を3行に畳む|表示からは分からないこと

ここまでを畳みます。

成分表示の見方、3行のまとめ
見るところ分かること使うとき
上から3つ何でできているか買う前・記録するとき
いちばん下の数行何を足しているか2本を比べるとき
用途と対象の欄その製品が想定している使い方人用・別の動物用と迷ったとき

3行で足りる、というのがこの記事の答えです。成分表示は全部を読む書類ではなく、決まった場所だけを見る表です。読む場所を決めておけば、売り場でも、家の机の上でも、同じ手順で進められます。ペットのケア用品は毎日のものなので、読み方が短いほど続きます。

表示を読めるのは人だけです。使われる側は、何が塗られたのかを字で確かめられないので、上位3つを書き写すという作業は、最後まで人の側に残ります。読み方の練習になる1本を、手元から挙げておきます。mofuwa スキンケアミストは、成分の行が電解水ひとつで終わります。上位3つを読もうとしても、1つ目で表が埋まってしまう、ということです。s3で書いた「何を足しているか」の帯にあたる行も、ここには出てきません。s7で作る紙に写すときは、この1行と、用途の欄と、洗い流すか流さないかを横に並べて書いてください。行数が極端に短い表示は、書き写す手間がかからないぶん、比べる材料も少なくなります。行数が短いことは良さの証明ではない、というs3の但し書きは、この1本にも同じようにかかります。

最後に、表示からは分からないことを書いておきます。成分表示に書かれているのは、名前と並び順だけです。その子の皮膚でどう反応するか、その子の被毛にどうなじむか、毎日使ったときにどうなるかは、表示のどこにも書かれていません。ここは、実際に使って観察するしかない部分です。そして、観察していて気になる変化が出たときは、表示を読み直すより先に相談してください。

Cautionこういうときは、成分表示を読み比べる前に動物病院にご相談ください

地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている、フケが増えた、においが日ごとに強くなる、触ると嫌がる場所ができた、使ったあとに落ち着かない様子が続く。こうした変化があるときは、製品を替えたり、成分表示を家で読み比べたりする前に、動物病院にご相談ください。原因が製品の側にあるのか体の側にあるのかは、表示からは切り分けられません。使っているものの上位3つを書き写した紙と、いつから何が変わったかのメモを持っていくと、その場で見てもらえます。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。