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ペットのいる家の換気回数の目安

公開日 2024年4月5日|文=mofuwa編集部

大きな窓のそばで、淡い色のラグの上に落ち着いて伏せている白っぽい毛の犬
窓を開けた時間より、開けた場所が2か所あるかどうかのほうが先に効きます。写真:Andres Ayrton/Pexels

ペットのいる家の換気は「1日に何回」という数え方をされがちですが、回数を増やしても空気が動かないことがあります。決めているのは、空気の入り口と出口が2か所そろっているかどうかのほうです。1か所だけ開けた窓では、同じ開口で空気が出入りするので、部屋の奥はほとんど動きません。2か所開けると、空気に通り道ができて、短い時間でも入れ替わります。つまり単位は「何回」ではなく「何分 × 2か所」になります。この記事では、1か所だけ開けた場合と2か所開けた場合を、動く空気の量・かかる時間・においの戻り方で並べて比べ、その家の間取りで条件をどう決めるかまで書きます。

換気の目安を回数で数えられない理由|この記事に平均の数字を書かないこと

最初に断っておきます。この記事では、ペットのいる家の換気回数の平均を書きません。1日◯回、1回◯分、という数字はいくらでも作れてしまいますが、その数字は家の形が変われば成り立たなくなるからです。窓が対角に2つある部屋と、窓が1つしかない部屋では、同じ「1回15分」がまったく違う結果になります。平均を書くと、その違いが消えてしまいます。

回数を数えても答えが出ないのは、回数が「何をどれだけやったか」を表していないからです。窓を開けた回数は、空気が入れ替わった回数ではありません。開けても入れ替わらないことがあるので、数えても比べられません。ペットのにおいが気になって換気の回数を増やしたのに変わらなかった、という話がよく出るのは、たいていここです。

同じ「換気1回」でも、中身が変わってしまう条件
何が違うと変わるか変わるところ
開けた場所が1か所か、2か所か空気が動く量そのもの
2か所が近いか、対角にあるか部屋のどこまで空気が通るか
外に風があるか、ないか同じ時間でも入れ替わる量
室内のドアが開いているか空気の道が続いているか、途中で切れるか
換気扇が回っているか出口が機械で作られているか
家具が窓の前に置かれているか入ってきた空気の向き

この6つのどれが違っても、「換気1回」の中身は変わります。だから回数を目安にすると、条件がそろっていない家どうしで比べることになります。そこで目安になるのは、家ごとに確かめられる条件のほうです。この記事で扱うのは、そのなかでいちばん効く条件、つまり空気の入り口と出口が2か所あるかどうかです。

Note換気は「空気を入れ替えること」で、「窓を開けること」ではありません

言葉としては当たり前ですが、この違いが実際の差になります。入れ替えるには、出ていく先と、入ってくる先の両方が要ります。1か所しか開いていないと、同じ場所で出入りが起きるので、空気は入り口の近くだけで行き来します。一般に、開口が1か所だけの場合、部屋の奥まで空気が動くには時間がかかるとされています。窓を開けた時間ではなく、空気が通る道ができたかどうかで見てください。

軸1・窓を1か所だけ開けたとき、空気に起きていること

1か所だけ開けた窓では、出ていく空気と入ってくる空気が、同じ開口を取り合います。外に強い風があれば、その風の勢いで押し込まれる分と押し出される分ができますが、風がない日は、窓辺の空気がゆっくり入れ替わるだけになります。部屋の奥、家具の裏、床に近いところの空気は、ほとんど動きません。

家で確かめる方法があります。薄い紙を細く切って、開けた窓の枠に垂らします。それが揺れていれば、空気は動いています。次に、同じ紙を部屋の反対側の壁ぎわに持っていってください。窓辺では揺れるのに、反対側では止まったまま、という状態が、1か所だけ開けた部屋でよく起きる形です。数字を借りてこなくても、自分の家の条件はこれで分かります。

3つ目は、ペットのいる家では見落とせない条件です。人の鼻は床から1メートル以上上にありますが、犬や猫が寝ているのは床の上です。立って生活している人が感じている空気と、ペットが過ごしている高さの空気は、同じではありません。1か所だけ開けた換気では、この低いところの空気がいちばん後回しになります。

もう1つ、1か所だけ開けたときに起きやすいのが、時間だけが延びていくことです。変わった気がしないので、30分、1時間と開けたままにします。冬なら部屋が冷え、夏なら湿った空気が入り続けます。長く開けることで補おうとすると、換気そのものが続かなくなります。この記事の核が「何回」ではなく「何分 × 2か所」なのは、時間で補えないからです。

軸2・2か所開けたときにできる、空気の通り道という条件

2か所開けると、入り口と出口が別々になります。入ってきた空気は、出口に向かって部屋を横切ります。この横切る線が、空気の通り道です。通り道ができると、道の上にある空気はまとめて動きます。1か所だけのときに取り残されていた部屋の奥も、道の上にあれば動きます。

2か所の選び方には条件があります。近い2か所より、離れた2か所のほうが、通る範囲が広くなります。同じ壁に並んだ窓を2つ開けても、道は壁ぎわで完結します。対角にある窓と窓、あるいは窓と玄関、というように離れているほど、部屋を横切る線が長くなります。犬や猫が過ごしている場所が、その線の上にあるかどうかも見てください。

  1. 入り口にする窓を決める

    外の風が当たっている側があれば、そちらを入り口にします。分からないときは、どちらでも構いません。2か所あることのほうが先に効きます。

  2. いちばん遠い開口を出口にする

    反対側の窓、玄関、風呂やトイレの換気扇。出口は窓でなくてもかまいません。換気扇は、機械で作った出口です。

  3. あいだのドアを開ける

    廊下のドア、部屋のドア。閉まっていると、そこで道が切れます。2か所開けても効かないときは、たいてい途中のドアが閉まっています。

  4. 紙を垂らして、道の上を確かめる

    入り口・部屋の真ん中・出口の3か所で、紙が揺れるかを見ます。真ん中で揺れていれば、道はできています。

  5. 揺れている時間を計って、その家の数字にする

    何分で部屋の空気の感じが変わるか。1回計れば、その家の数字として次から使えます。よそから借りた平均より当たります。

この5つで、その家の換気の条件が出ます。大事なのは、5つ目で出てくるのが「回数」ではなく「分」だということです。2か所そろっている家なら、短い時間で足りることが多くなります。そろっていない家は、時間をかけても届きません。ペットのいる家の換気を考えるときは、まず2か所を作れるかどうかから始めると、話が早く終わります。

毛やフケの行き先も、通り道ができると変わります。空気が動けば、床の上の軽いものも一緒に動きます。動いた毛は、出口の手前や、家具の脚もとに集まります。これは悪いことではなくて、集まってくれたほうが、掃除のときに取りやすくなります。換気のあとに床の同じ場所に毛がたまるようになったら、それは道ができている証拠として読めます。

1か所と2か所を並べて比べる|動く空気の量・かかる時間・においの戻り方の違い

2つの軸を並べます。同じ「窓を開ける」でも、1か所と2か所では、起きていることが別のものになります。この表のどちらに当てはまるかが決まると、その家の換気の条件が言葉で言えるようになります。

1か所だけ開ける場合と、2か所開ける場合の比較
1か所だけ開ける2か所開ける
空気の動き方同じ開口で出入りする入り口から出口へ流れる
動く範囲窓辺のまわりが中心通り道の上がまとめて動く
床に近い空気残りやすい道の上なら動く
かかる時間長く開けても変わりにくい短い時間で変わりやすい
においの戻り方閉めた直後に戻りやすい戻るなら空気以外に元がある
毛やフケの行き先その場に残る出口の手前や脚もとに集まる
冬にできること寒さのわりに動かない短時間で切り上げられる
確かめ方窓辺の紙だけが揺れる部屋の真ん中の紙も揺れる
1か所開けたときと、2か所開けたときの違い 窓を1か所だけ開けた場合と、入り口と出口の2か所を開けた場合を、空気の動き方と家から確かめられることで左右に並べた比較カードです。 同じ時間開けていても、動いている空気の量が変わります 1か所だけ開ける 同じ開口で出入りする 窓辺のまわりだけ動く 床に近い空気が残る 長く開けても変わりにくい 閉めた直後に戻りやすい 2か所開ける 入り口から出口へ流れる 通り道の上がまとめて動く 床に近い空気も動く 短い時間で変わりやすい 毛が出口の手前に集まる 部屋の真ん中に垂らした紙が揺れるかどうかで、どちらかが分かります
2か所のうち片方は、換気扇や玄関でもかまいません。

この表でいちばん使えるのは、においの戻り方の行だと思っています。2か所開けて空気の道ができている状態で換気をして、それでも短い時間でにおいが戻るなら、においの元は空気ではなく、布や床のほうにあります。空気にあるにおいは、通り道ができれば出ていきます。出ていかないものは、物に移っているということです。換気を、切り分けの道具として使えるのはここです。

換気のあと、どれくらいで戻るかで元のありかを見当する
戻るまでの様子見当がつくところ次にやること
換気のあいだだけ弱く、閉めるとすぐ戻る空気ではなく、その場にあるものの側床材・布・寝床の順に見ていく
半日ほどで戻ってくる布に移っている可能性カバー類を洗う日を決める
翌日になって戻る床材や家具の側拭き取りの範囲を広げる
換気しても変わらないそもそも空気が動いていないかも紙を垂らして道を確かめ直す

最後の行が、この記事の出発点に戻ります。換気しても変わらないとき、まず疑うのは家の側の条件で、においの強さではありません。2か所開いているか、あいだのドアが開いているか、部屋の真ん中で紙が揺れるか。ここを確かめてから、回数や時間の話に進んでください。ペットのいる家では、犬や猫が過ごしている床の高さで確かめるのがおすすめです。

何分×2か所を、その家の間取りで決める|時期による違いと、換気と拭き取りの使い分け

決め方は、これまでの内容をそのまま順番にするだけです。2か所を決める、あいだのドアを開ける、紙で道を確かめる、その家の分数を1回だけ計る。この4つで、その家の換気の条件が決まります。回数は、そのあとで生活に合わせて決めれば足ります。朝と夜の2回にするか、帰宅時の1回にするかは、間取りではなく暮らし方の話です。

間取りごとに、出口をどこに作るか
部屋の形入り口出口の候補
窓が対角に2つある風が当たっている側の窓反対側の窓
窓が同じ壁に2つ端の窓もう一方の窓+部屋のドア
窓が1つしかないその窓玄関を少し開ける/浴室・トイレの換気扇
ワンルーム窓浴室の換気扇+浴室のドアを開ける
ケージのある部屋が奥廊下側の窓奥の部屋の窓。あいだのドアを全部開ける

3行目と4行目が、いちばん相談の多い形です。窓が1つしかない部屋でも、出口を機械で作れば2か所になります。浴室やトイレの換気扇を回し、そのドアを開けておくと、窓から入った空気がそちらへ抜けます。換気扇は、においを取る道具というより、出口を作る道具として使えます。窓が1つだからできない、とあきらめる前に、家じゅうの排気口を数えてみてください。

時期による違いも書いておきます。寒い時期は、開けていられる時間が短くなるので、2か所そろえることの効きめが大きくなります。1か所で30分より、2か所で数分のほうが、部屋も冷えず、動く空気の量も多くなります。暑い時期や雨の多い時期は、外の空気のほうが湿っていることがあるので、換気のあとに床がべたつくようなら、時間を短くして回数を分けるほうが向きます。時期が変われば条件が変わる、というのが、回数を固定できない理由でもあります。

換気と拭き取りの使い分けも、切り分けの結果から決まります。換気が届くのは空気にあるにおいまでで、布や床に移ったものには届きません。逆に、拭き取りだけを増やしても、空気が動いていない部屋では戻りが早くなります。2か所開けて短時間、そのうえで戻る場所だけを拭く。この順番にすると、毎日の手間がいちばん少なくなります。ペットのいる家では、寝床まわりと、犬や猫がいつも通る導線の2か所を先に見ると効率がいいところです。

Cautionにおいの様子が急に変わったときは、動物病院にご相談ください

換気や掃除の条件を変えていないのに、においが急に強くなった。特定の場所だけにおいが出るようになった。体をなめ続けている、地肌が赤い、フケが増えた、耳を振る回数が増えた。こうした変化があるときは、換気の回数を増やしたり、部屋のケアを増やしたりする前に、動物病院にご相談ください。部屋の条件と体の状態のどちらが変わったのかは、家では切り分けられません。いつから、どこで、何が変わったかをメモして持っていくと、その場で見てもらえます。

床や家具を拭いても、換気のあとに同じ場所から戻ってくるときは、においの元が部屋ではなく体の側にあります。そのときに見るのは、口のまわりと耳のふちの2か所です。この2か所は、その子が自分では届きません。舌は体のほとんどに回りますが、自分の口の縁と、めくった耳のふちにだけは回らないからです。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。舐めても問題のない基準でつくられているため、犬や猫が顔を寄せてくる低い高さでも、そのまま使えます。布に取って、紙が揺れているあいだの数分のうちに、口の縁と耳のふちを一往復。犬や猫がいるのは床の上で、においも人の鼻の高さより下に残るので、空気を動かしている時間のうちに、いちばん低いところの2か所を済ませてしまう形にすると、手が二度かかりません。

Pointペットのいる家の換気を、2つの数字に畳んでおきます

1つめは「2」。空気の入り口と出口が2か所あるかどうかです。片方は換気扇でも玄関でもかまいません。2つめは「その家の分数」。部屋の真ん中に垂らした紙が揺れてから、空気の感じが変わるまでの時間を1回だけ計ったものです。この2つがあれば、回数の平均を探さなくても、その日にどうするかを自分で決められます。よそで見た「1日◯回」より、自分の家で1回計った分数のほうが当たります。

この2つの数字は、1回決めれば毎日そのまま使えます。「2か所」と「その家の分数」です。季節が変わったときに分数だけ計り直せば、回数の平均を探しにいく必要はありません。毎日続けていくと、窓を開けた時点で「今日は戻ってくる側だ」という見当が、先につくようになります。1年ぶん続けると、換気は部屋のためだけの作業ではなく、その子の体の側に何が起きているかを、毎日ひと目で見る時間にもなります。

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よくある質問

ペットのいる家の換気は、1日に何回くらいが目安ですか
回数だけでは決まりません。空気の入り口と出口が2か所そろっている家なら、短い時間で入れ替わるので回数は少なくて足りますし、1か所しか開けられない家では、回数を増やしても部屋の奥は動きにくいままです。まず2か所を作れるかを確かめて、そのうえで部屋の真ん中に垂らした紙が揺れてから空気の感じが変わるまでの分数を1回だけ計ってください。その分数を、朝と夜など生活の区切りに当てはめるほうが、平均の回数を借りてくるより当たります。
窓が1つしかない部屋でも、換気の条件は作れますか
作れます。出口は窓でなくてかまいません。浴室やトイレの換気扇を回して、そのドアを開けておくと、窓から入った空気がそちらへ抜けていきます。玄関を少しだけ開けるのも同じ働きになります。大事なのは、入り口と出口のあいだにあるドアを開けて、道を切らないことです。開けたあとに部屋の真ん中で紙が揺れていれば、2か所として成り立っています。
換気をしても、ペットのにおいがすぐ戻ってきます
2か所開けて部屋の真ん中の紙も揺れている状態で、それでも短い時間で戻るなら、においの元は空気ではなく布や床のほうにあると考えられます。閉めた直後に戻るならその場にあるもの、半日ほどで戻るなら布、翌日戻るなら床材、というように戻るまでの時間が場所を教えてくれます。ただし、条件を変えていないのに急に強くなった場合や、体の様子にも変化があるときは、部屋のケアを増やす前に動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。