C09シーン別・暮らし

サロン通いをしている人が雨の日の散歩で困ること、その手当て

公開日 2024年4月27日|文=mofuwa編集部

明るい窓辺で、淡い色のブランケットの上に落ち着いて伏せているクリーム色の犬
サロンの仕上がりが崩れるのは、汚れの量ではなく、毛の向きが変わるからです。写真:SophiaMartin/Pixabay

トリミングから帰った翌朝、天気予報が一日雨に変わっていました。前日にサロンで整えてもらった背中は、指を入れると根元から立っていて、肩から腰まで毛の流れがひと続きになっていました。その日の夕方、いつもどおり30分歩いて帰ってきたら、同じ場所が数本ずつの束になっていました。雨の日の散歩は、サロンの仕上がりがいちばん早く崩れる日です。崩れているのは汚れの量ではありません。ブローで作った毛の向きが、濡れて乾くあいだに別の形で固まっています。この記事は、サロン通いをしている人が雨の日の散歩でつまずくところを、8つの問答に分けたものです。答えのうち1つは、やらなくていいことです。

トリミングの翌日が雨のとき、散歩は休んだほうがいいですか

答えから書きます。休まなくてかまいません。かわりに、帰ってからの15分を先に空けてから出てください。雨の日の散歩を1回やめても、サロンで整えた状態は日ごとに落ちていきます。雨はその速さを上げるだけで、方向を変えているわけではありません。散歩をやめると、その子の運動と排泄の予定のほうが動きます。動かすなら、散歩ではなく帰ってからの時間割です。

この15分は、体を洗うための時間ではありません。濡れた毛が乾ききる前に、毛の向きだけを作り直すための時間です。サロン通いをしていると、雨の日の散歩から帰ったあとに「洗ったほうがいいのか」と迷いがちです。ただ、トリミングの仕上がりが崩れる原因は汚れではないので、洗っても向きは戻りません。戻るのは、濡れているうちに手を入れたときだけです。

出る前に決めておくことは2つあります。帰ってきたときに使う布を先に出しておくことと、ドライヤーを出したままにしておくことです。これを帰ってから用意しはじめると、探しているあいだに5分から10分が過ぎます。雨の日の散歩では、その10分が仕上がりの分かれ目になります。

Note休むかどうかで迷う時間のほうが、実は長い

雨の日の散歩を休むか出るかで迷っていると、その判断に毎回10分ほど使うことになります。サロン通いをしている家では「雨でも出る。かわりに帰ってから15分」と先に決めてしまったほうが、結果としてトリミングの持ちがそろいます。雨の日ごとに違う対応をすると、何が効いたのかも分からなくなります。

濡れて乾くと、サロンで作った毛の流れはどこが変わるのですか

サロンのブローが何をしているかを、先に書きます。ドライヤーの風を根元に入れて毛を起こしながら、ブラシで一方向へ流していく作業です。これをすると、毛が1本ずつ独立して立った状態で乾きます。指を入れると根元まですっと通り、手のひらで押さえると全体が同じ向きにそろいます。トリミングの仕上がりというのは、長さだけでなく、この向きのことでもあります。

そこへ雨が入ります。毛が濡れると、水の表面張力で隣どうしがくっつき、数本ずつの束になります。問題は濡れることではなく、束になったまま乾くことです。乾いた時点で、その束の形が固まります。毛先が外側へはね、根元は寝たままになり、分け目の位置がずれます。雨の日の散歩から帰った翌日に「なんだか形が違う」と感じるのは、この束が残っているからです。

サロン直後の毛と、雨のあと自然に乾いた毛の違い
見る場所トリミング直後雨の日の散歩のあと自然に乾いた状態
根元風が入って立っている寝たまま固まっている
毛の並び1本ずつ独立している数本ずつ束になっている
分け目背骨の線に沿ってそろう束の向きに引かれてずれる
手のひらの感触面で押し返してくる束のあいだに指が落ちる
見え方ふくらんで輪郭が出るしぼんで平らに見える
洗って戻るか―戻らない。汚れではないため

表のいちばん下が、この記事でいちばん伝えたいところです。束は汚れではないので、洗っても落ちません。雨の日の散歩のたびに洗い直している家では、洗う回数だけが増えて、仕上がりは戻らないという状態になります。手を入れる場所は、洗うところではなく乾かすところです。

仕上がりが固まってしまうまでに、どれくらいの猶予がありますか

猶予は、毛が乾ききるまでです。乾いた瞬間に、その形で固定されます。目安として、短めに刈ってある子で30分から60分、長さを残している子で90分前後です。ただし室温と湿度で大きく動きます。雨の日は室内の湿度も上がっているので、晴れた日の感覚より長くかかると思っておいてください。

ここで大事なのは、時間の長さそのものではありません。乾ききる前なら指で束をほどけるが、乾いたあとにほどこうとすると毛を引っぱることになる、という違いです。乾いてから直そうとすると、ブラシを強く入れることになり、切れたり抜けたりします。サロン通いをしている人にとっては、次のトリミングまでの状態がそこで悪くなります。

雨の日の散歩から帰ってからの時間と、できることの変化
帰宅からの時間毛の状態そのときにできること
0〜5分水が表面に乗っている布で押さえて水の量を減らす
5〜15分束になりはじめている指を通して束をほどく。ここが本番
15〜40分半乾き。束が形を持ちはじめるドライヤーの風を根元へ入れる
40〜90分乾いていくが、まだ動く手のひらで押さえて向きを確認する
90分以降束の形で固まっている無理に直さない。次のケアの日まで待つ

表を見ると、勝負がついているのは最初の15分だと分かります。帰ってすぐの5分から15分に指を通せたかどうかで、その週のトリミングの持ちが決まります。逆に、90分を過ぎてから思い出したときは、そこで無理をしないでください。固まったものをほどく作業は、毛にとっていちばん負担が大きい手です。

自然乾燥だと変わるのは、乾くまでが長いからですか

長さの問題ではありません。自然乾燥は、毛に向きを与える人がいないまま固まる、ということです。風がないと、毛は水が引く方向にしか動きません。水は重力で下へ引かれるので、毛はそのまま下向きに寝ます。ブローが根元に風を入れているのは、この下向きの力に逆らって毛を起こすためです。自然乾燥にはその力がありません。

だから、時間をかけて丁寧に乾かしても結果は変わりません。扇風機の風を横から当てても、エアコンの風の前に立たせても、根元に入っていなければ自然乾燥と同じです。雨の日の散歩のあとに「しっかり乾かしたのに形が違う」と感じるのは、乾いてはいても向きが与えられていないからです。

サロンでの仕上がりが家で再現できないのは、道具の性能の差ではありません。根元へ風を入れる、という一点だけです。雨の日の散歩のあとに家でやるのは、サロンと同じ完成度を出すことではなく、束のまま固めないことです。そこまでで十分に、次のトリミングまでの持ちが変わります。

毛の流れを戻すのに、指とドライヤーはどちらを先に使いますか

指が先です。ドライヤーは、束がほどけてからにしてください。束が残っている状態で風を当てると、束の外側だけが先に乾いて、中に水が残ったまま形が固まります。この順番だけは入れ替えないでください。手順にすると4つです。

  1. 布で押さえて、水の量を減らす

    こすらないでください。置いて、押して、離す。これを場所を変えながら繰り返します。こすると束の向きがばらけて、あとから指を通しても一方向にそろわなくなります。背中、脇腹、脚の外側の順で、面の大きいところから進めます。

  2. 指を熊手のようにして、根元から毛先へ通す

    5本の指を軽く開いて、毛の中に爪ではなく指の腹を入れます。サロンで流してもらった向きと同じ方向へ、根元から毛先まで一度に通します。束はここでほどけます。行ったり来たりさせず、必ず一方向にしてください。

  3. ドライヤーの風を、根元に入れる

    毛先に当てないでください。風の出口を毛の流れと同じ向きにして、指で毛を分けながら根元へ入れます。熱ではなく風で乾かします。手を当てて熱いと感じる距離まで近づけないこと。1か所に留めず、常に動かします。

  4. 手のひらで押さえて、向きを確かめる

    最後に手のひら全体で背中を押さえ、離します。面で押し返してくる感触があれば、根元が起きています。指が束のあいだに落ちるようなら、その場所だけもう一度2と3を繰り返します。全身をやり直す必要はありません。

ブラシは、完全に乾いてからにしてください。濡れた毛にブラシを入れると、束ごと引っぱることになります。雨の日の散歩のあとに毛が抜けたように見えるのは、抜けたのではなく切れていることがあります。サロン通いをしていると、次のトリミングのときにトリマーが最初に気づくのがここです。

雨がやんだ翌日からは、mofuwa グルーミングスプレーの出番です。グルーミングスプレーでもありブラッシングスプレーでもあるので、布に含ませて毛の流れに沿って背中から尾のつけ根まで一往復させると、静電気で浮きやすい毛も同じ向きに落ち着きます。水で濡らさずに、サロンで流してもらった向きをもう一度なぞる作業です。次の予約までの4週間から6週間、この一往復は毎日の側でできます。

雨が続く週は、次のトリミングの予約を早めたほうがいいですか

早めなくてかまいません。予約はいつもの間隔のままにしてください。理由は単純で、雨の日の散歩で崩れているのは毛の量ではなく向きだからです。予約を1週間早めても、その翌日にまた雨が降れば同じことが起きます。間隔を縮めることでは解けない種類の崩れです。

予約を早めると、その子の側に負担が増えます。サロンでの台の上の時間、移動、洗って乾かす工程が、1回ぶん増えることになります。向きの崩れは家で戻せるので、そこに1回ぶんの負担を足す理由がありません。かわりに、家でやることを1つだけ増やしてください。増やすのは、帰ってからの15分です。

雨が続いた週に、動かすものと動かさないもの
内容そう決める理由
動かさない次のトリミングの予約日崩れているのは量ではなく向きのため
動かさない毎日の散歩の時刻雨の日だけ変えると習慣が崩れます
動かさない洗う頻度洗っても束はほどけません
動かす帰ってからの15分の置き場所先に空けておかないと実行されません
動かす布とドライヤーの置き場所探す時間がそのまま猶予を削ります
動かすブラシを入れる時刻完全に乾いてからに移します

次の予約でトリマーに伝えることも、1つだけで足ります。「先週は雨が3日ありました」という事実だけです。どこがどう崩れたかを説明しなくても、台に乗せれば分かります。雨の日数を伝えておくと、次の仕上げのときに毛の流れの作り方を変えてもらえることがあります。サロン通いをしている人が持っている情報のうち、いちばん役に立つのがここです。

雨のたびに毛の流れを全部戻さなくていい、というのはどこまでの話ですか

ここが、この記事でやらなくていいと書ける唯一の場所です。戻すのは、人の目につく面だけで足ります。背中、肩、脇腹、脚の外側。この4か所です。腹、内股、脇の下、耳の裏は戻さなくてかまいません。理由は、この4か所はもともと毛の流れが一方向にそろっていないからです。

サロンでも、腹と内股はブローで向きを作る場所ではありません。もつれていなければ、そこは束になっていても仕上がりに出ません。雨の日の散歩のあとに全身を戻そうとすると、15分では終わらず、その子も途中で立っていられなくなります。4か所に絞ると、実際に7分から10分で終わります。

雨の日の散歩のあと、向きを戻す場所と戻さない場所
場所そう決める理由
戻す背中と肩サロンの仕上がりがいちばん見える面です
戻す脇腹束になると輪郭がしぼんで見えます
戻す脚の外側雨の日は泥はねで濡れ方が偏ります
戻す尾束のまま固まると先が四方に開きます
戻さない腹と内股もともと流れをそろえていない場所です
戻さない脇の下と耳の裏触られるのを嫌がりやすく、時間に合いません

もう1つ、やらなくていいことがあります。雨の日の散歩のたびに体を洗い直すことです。洗うと束はいったん消えますが、そのあと乾かすところで同じことが起きます。工程が増えたぶん、乾かしきれない場所が出てきます。トリミングの持ちという意味では、洗う回数を増やすほど不利になります。

Caution毛の流れ以外の変化が出ているときは、動物病院にご相談ください

雨が続いた週に、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、ふけが増えた、耳を振る回数が増えた、においが以前と変わった、触ると嫌がる場所ができた。こうした変化があるときは、乾かし方を工夫する前に動物病院にご相談ください。雨の日の散歩は濡れる時間が長くなるので、もともとあった皮膚の変化が目に見えるようになることがあります。トリミングの間隔と、雨の日数をメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

濡れてから固まるまでの90分を、1本の時間割にする|雨の日の散歩とトリミングに残る疑問

最後に、ここまでの7つを時間の順に並べ直します。雨の日の散歩でサロンの仕上がりを守る作業は、全部この90分の中に入っています。この外側でやることは、実はほとんどありません。

雨の日の散歩から帰ってからの90分
時刻やることかかる時間
出る前布とドライヤーを出しておく1分
帰宅0分玄関で布を置いて、押して、離す3分
帰宅5分指を熊手にして、背中から一方向に通す3分
帰宅10分脇腹と脚の外側に、同じ手を入れる3分
帰宅15分ドライヤーの風を根元へ入れる5分
帰宅40分手のひらで押さえて、向きを確かめる1分
帰宅90分完全に乾いてから、ブラシを1回だけ2分
翌日グルーミングスプレーを布に取り、流れに沿って一往復2分

合計しても20分ほどです。雨の日の散歩そのものの時間より短く終わります。時間が足りないと感じるときは、この表のうち帰宅5分と10分の行だけを残してください。指を通す作業さえ入っていれば、束のまま固まることはありません。ドライヤーは、その日にできなければ翌日でもかまいません。

最後に残る疑問は、たいてい「これで本当にトリミングの持ちが変わるのか」というところです。確かめ方は1つで、次の予約の日に、トリマーから毛の状態について何を言われるかです。雨の日の散歩を何回やった週なのかを一緒に伝えておくと、比べられる形になります。2回ぶん記録が並ぶと、家でやっている15分が効いているかどうかが自分で判断できるようになります。

Point雨の日ごとにやり方を変えないこと

雨の日の散歩は、月に何度も来ます。そのたびに違う手を試すと、何が効いたのか分からないまま次のトリミングの日が来ます。ひと月は同じ手順で通してください。サロン通いをしている人にとっての物差しは、次の予約の日に体がどうなっているかです。物差しが4週間から6週間に1回しかないので、条件のほうを動かさないでおくと読み取れます。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。