C09シーン別・暮らし

ドッグランを楽にする、保護犬・保護猫を迎えた人の毎日の習慣

公開日 2024年5月4日|文=mofuwa編集部

明るい公園の淡い色の芝の上に、静かに座っているクリーム色の犬
走った日と座っていた日では、体についているものの場所が変わります。写真:SHARMAINE MONTICALBO/Pexels

初めてドッグランに入れた日、その子が動いたのは3歩でした。30分いて、入口から2メートルの柵ぎわに座ったまま、こちらを見ていました。同じ時間に、ほかの3頭は端から端まで走っていました。帰り道は、連れてきたのが正解だったのかどうか分からないまま歩きました。迎えたばかりの保護犬が、ドッグランで走るかどうかは行ってみるまで分かりません。走る子もいれば、隅に座って一度も立たない子もいます。ただ、どちらの日でも体には何かがついて帰ってきます。つく場所と中身が違うだけです。この記事は、保護犬・保護猫を迎えた人が、その日の体を読むという話です。

30分いて、動いたのは3歩でした|ドッグランに保護犬を初めて連れて行った日

その日にやったことを、順番に書きます。午前中の空いている時間を選んで、車で15分の場所へ行きました。柵の外で5分待って、ほかに3頭しかいないのを確かめてから入りました。リードを外したあと、その子は入口から2メートルのところで座り、そのまま30分動きませんでした。立ち上がったのは、帰るためにこちらが近づいたときの1回だけです。

帰ってきてから、体を触りました。走っていないのだから何もついていないだろう、と思っていました。ところが腹と尾のつけ根に、指を入れると細かい土がありました。手のひらでなでただけでは分かりません。毛の中に指を入れて、根元を触ってはじめて出てきました。前脚と胸はきれいでした。走っていた3頭の子たちとは、たぶん逆です。

保護犬・保護猫を迎えたばかりの家では、この日をどう受け取ればいいのかが分かりません。連れて行ってよかったのか、早すぎたのか、次はどうするのか。判断する材料が手元にありません。ただ、体のほうには材料が残っていました。その子がドッグランで何をしていたかが、腹と尾のつけ根に書いてあったということです。

Noteドッグランは走る場所だと思っていました

行く前に想像していたのは、走り回って土まみれになって帰ってくる姿でした。実際に持ち帰ってきたものは、その想像とはまったく別の場所についていました。保護犬・保護猫を迎えた家では、その子がどう過ごすかを事前に見積もれません。だから、行く前に決めておくのではなく、帰ってから体を読むという順番になります。

走った日と座っていた日で、体につくものの中身が変わる理由

同じドッグランにいても、走った子と座っていた子では、体に乗るものが物理的に違います。違うのは量ではなく、つく場所と粒の大きさ、そして毛のどの深さに入るかです。ここを分けておくと、帰ってからやることが変わります。

走った子の場合、足が地面をけるたびに、乾いた土の細かい粒が舞い上がります。舞ったものは空中を漂ってから上と前から降りてくるので、体の前面に乗ります。前脚の先、胸、前脚の内側、口のまわり。粒が細かいので毛の表面に薄く乗り、手のひらでなでると手に移ります。ほかの犬が近くを走っていれば、その子が動かした土も同じように乗ります。

座っていた子の場合は逆です。地面に触れている面が動かず、そこに体重がかかったまま時間が過ぎます。粗い粒が、体重で毛の奥へ押し込まれます。つく場所は腹、尾のつけ根、後ろ脚の外側、肘。手のひらでなでても取れません。指を毛の中に入れて根元を触ると、はじめて出てきます。

ドッグランで走った日と、座っていた日で体につくものの違い
走っていた日座っていた日
つく場所前脚の先・胸・口のまわり腹・尾のつけ根・後ろ脚の外側・肘
体のどちら側前面と上面下面
粒の大きさ細かい。舞ったもの粗い。地面にあったもの
毛のどこにあるか表面に乗っている根元まで押し込まれている
気づき方手のひらでなでると手に移る指を毛の中に入れないと分からない
ほかの犬の毛空中を通って前面に乗ることがある座った場所に残っていたものが下面に乗る

保護猫を迎えた家でも、同じ読み方が使えます。猫はドッグランには行きませんが、家の中でその子が長くいる場所は、たいてい一か所に決まっています。そこに体の同じ面をつけて過ごすので、下面に同じことが起きます。ソファの下、押し入れの隅、洗濯機の裏。保護猫を迎えたばかりの数週間は、その子が選んだ一か所が、そのまま体の下面に出ます。

つまり、走ったか座ったかは、体の側に記録として残っているということです。前面が多ければ動いていた日、下面が多ければ一か所にいた日。ドッグランでずっと目を離さずに見ていなくても、帰ってから分かります。保護犬・保護猫を迎えた人にとって、これは数少ない確かな手がかりです。

帰ってから、前面と下面のどちらが多いかを手で読む|ドッグランの日の保護犬の体

読み方の手順を書きます。触るのは2か所だけです。全身は触りません。迎えたばかりの保護犬・保護猫は、触られることにまだ慣れていません。読むために長く触ると、それ自体が負担になります。2か所に絞ると、合わせて1分ほどで終わります。

  1. 立たせたまま、手のひらで前面を一往復する

    抱き上げないでください。立っている状態のまま、胸から前脚の先へ、手のひら全体を当てて一度だけ下ろします。見るのは、手のひらに何が移ったかです。細かい土が手に薄くつくようなら、その日は動いていたということです。

  2. 同じ手で、下面を一往復する

    腹から尾のつけ根へ、同じように手のひらを当てて一度だけ通します。ここは手のひらでは何も移らないことのほうが多い場所です。それでも、毛が固まっている感じや、指が引っかかる場所があれば、押し込まれているものがあります。

  3. 多かったほうだけ、指を毛の中に入れる

    両方をやる必要はありません。手のひらで反応があったほうだけ、指の腹を毛の中へ入れて根元を触ります。ここまでで、その日その子がドッグランで何をしていたかが読めます。嫌がったら途中でやめてかまいません。

  4. その場で1行だけ書き留める

    日付、前面か下面か、触らせてくれたのはどこまで。この3つだけです。体の記録は、その日のうちに書かないと翌日には思い出せません。ドッグランに行った日だけでいいので、同じ形で残しておきます。

落とす作業は、この読みの後に来ます。前面が多かった日は、乾いたまま布で押さえるだけで大半が移ります。細かい粒が表面に乗っているだけなので、こする必要はありません。下面が多かった日は、押し込まれているので布では動きません。腹と尾のつけ根は、その子が寝そべったまま自分で口を持っていける場所でもあります。mofuwa スキンケアミストは、なめることを先に置いて中身を決めてある1本です。だから、置いたあとに拭き取る手を足さずに済みます。触る時間をこれ以上増やせない時期に、手順が1つ減ることのほうが大きいと思っています。下面へ直接ひと吹きして、指の腹で根元まで送る。読んで多かった1面だけで、その日は終わりです。

どちらの日も、やるのは1面だけです。保護犬・保護猫を迎えた家では、触る時間の総量そのものが条件になります。ドッグランに行った日に全身を触ると、その1回で、それまで積み上げてきた許容の範囲が戻ってしまうことがあります。読んだ面だけを手当てして終わる、という形にしておいてください。

楽しめたかどうかを、人が判定しないと決める|ドッグランで記録できることの範囲

帰り道でいちばん考えたのは、「今日は楽しめたのかな」ということでした。これは分かりません。座っていた30分がその子にとってどうだったのかを、こちらから知る方法はありません。以前どこでどう暮らしていたのかも分かりません。分からないことを分かったことにすると、そこから先の判断が全部ずれていきます。

問題は、分からないことそのものではありません。人が判定してしまうと、その判定が次の行動を決めてしまうことです。「楽しめていなかった」と決めれば、次から連れて行かなくなります。「楽しめた」と決めれば、次も同じ時間だけいることになります。どちらも、その日その子の体に何がついていたかとは関係がないところで決まっています。

だから、記録するのは体の側だけにします。前面か下面か、触らせてくれた範囲はどこまでか。この2つは、こちらが確かめられます。気持ちのほうは書きません。書かないと決めておくと、記録を読み返したときに、事実だけが並びます。保護犬・保護猫を迎えた人にとって、これは判断を先送りする方法ではなく、判断の材料を汚さない方法です。

ドッグランに3回行った記録の例(体の側だけを書く)
回多かった面触らせてくれた範囲書かないこと
1回目下面(腹・尾のつけ根)背中と腹まで楽しめたかどうか
2回目下面(腹・肘)背中・腹・後ろ脚の外側前の環境がどうだったか
3回目下面と前脚の先背中・腹・後ろ脚・前脚の先こちらへの気持ち
読めること3回目に前面が出はじめた触れる場所が1か所ずつ増えている―
読めないことなぜ動いたのかなぜ前脚を許したのか―

表の下から2行目が、3回分を並べてはじめて見えたところです。3回目に前脚の先へ細かい土がついていました。動いた、ということです。それが何分だったのか、どういう動き方だったのかは分かりません。ただ、1回目と2回目にはなかったものが、3回目にはありました。これは事実として残ります。

いちばん下の行も、同じくらい大事です。読めないことを「読めない」の欄に置いておくと、それを埋めたくなる気持ちが止まります。保護猫を迎えた家でも同じで、部屋の隅から出てきた理由は分かりません。分かるのは、出てきた時刻と、そのとき体のどこが汚れていたかまでです。

ドッグランに行かない日も、同じ2か所に手を当てる|保護犬・保護猫を迎えた人の毎日の習慣

最後に、この読み方を毎日の側へ置きます。ドッグランに行った日にだけ長く触ると、その日だけ手数が跳ね上がります。迎えたばかりの保護犬・保護猫にとって、触られる時間が急に増える日は、それだけで負担になります。ランの日を特別な日にしないことが、続けるための条件です。

やり方は、行かない日も同じ2か所に手を当てるだけです。ごはんの前に前面を一往復、寝る前に下面を一往復。落とすためではなく、読むためです。毎日やっていれば、ドッグランの日にだけ増える手がなくなります。その子の側からは、いつもと同じことが起きているだけになります。

毎日の2か所と、ドッグランに行った日に足すもの
いつ行かない日ドッグランに行った日
ごはんの前前面を手のひらで一往復同じ。ここで前面の量を見る
寝る前下面を手のひらで一往復同じ。ここで下面の量を見る
多かった面―その面だけ布で一往復する
記録触らせてくれた範囲だけ前面か下面か、を1行足す
やらないこと全身を触る全身を触る
やらないこと洗うその日のうちに洗う

表のいちばん下に「その日のうちに洗う」を置いた理由を書いておきます。ドッグランから帰った日は、こちらが洗いたくなる日です。ただ、迎えて間もない保護犬・保護猫にとって、洗う工程は触られる時間がいちばん長くなる作業です。読んで、1面だけ手当てして終わる。洗うのは、触られることにその子が慣れてからで間に合います。

濡らさずに終わる形が向いているのは、この期間です。ひと吹きして指の腹で送るだけで終わる形にしておくと、手を入れる時間が短いまま保てます。ドッグランに何回か通ううちに、触らせてくれる範囲は少しずつ変わります。その変化のほうが、走ったかどうかより先に記録に出てきます。

Caution体の変化が続くときは、動物病院にご相談ください

ドッグランに通っている期間に、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、ふけが増えた、耳を振る回数が増えた、被毛のつやが落ちた、においが以前と変わった、触ると急に嫌がる場所ができた。こうした変化が続くときは、家でのケアを増やす前に動物病院にご相談ください。保護犬・保護猫を迎えたばかりの時期は、その子にとって何がふつうなのかがまだ決まっていません。行った日付と、多かった面を書いた記録を持っていくと、家での話として伝わります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。