C08季節・行事

湿気の出てきた日から、梳かしても毛が指についてくる

公開日 2024年5月9日|文=mofuwa編集部

明るく風の通る部屋で、淡い色のリネンのブランケットに寝そべっている薄い毛色の犬
同じ量が抜けていても、空気が湿った日は、毛の行き先が床から体の上へ移ります。

窓を開けはじめた5月のある朝、いつもどおり梳かしたのに、抜けた毛がブラシから落ちず、指の腹について離れませんでした。湿気の入った日の抜け毛は、量が増えるより先に、行き先のほうが変わります。空気の乾いた日は静電気で毛が舞い上がり、床と服に散ります。湿気を含んだ日は、同じだけ抜けた毛が体の上にとどまり、上の毛に絡んだまま夕方まで残ります。床の毛が減ったように見える日ほど、脇の下や内ももに小さなもつれが増えているのは、このためです。この記事では、梳かしたあとに指へ残る毛をティッシュの枚数で数えて、その日の湿気と並べていきます。

毛が床に落ちず、指について離れない朝|湿気が入った日の抜け毛に起きる変化

変化は、抜ける量ではなく手応えのほうに先に出ます。ブラシを一度通すと、いつもなら歯のあいだに毛がたまり、指ではじけば下へ落ちます。湿気の入った日は、その毛が歯から離れずに指へ移り、指を振っても手のひらに貼りついたままになります。ティッシュでぬぐうと、1回の手入れで2枚も3枚も使うことがあります。床の毛が減って掃除が楽になったように見えるのは、この日の毛が床まで行っていないからです。

同じ朝、その子の体の側では別のことが起きています。抜けた下毛は上の毛に引っかかったまま残り、体温と湿気で少しずつ位置がずれます。夕方に脇の下へ手を入れると、朝にはなかった小さなかたまりが指に当たります。米粒ほどの、まだ毛束と呼ぶほどでもない大きさです。この小さなかたまりが、翌朝には倍ほどの大きさになっているのが、湿気の時期のもつれの育ち方です。

空気の乾いた日と、湿気の入った日で、同じ抜け毛がどこへ行くか
空気の乾いた日湿気の入った日
梳かしたときの手応え毛が広がり、静電気で浮く毛がまとまり、指に貼りつく
抜けた毛の行き先床・服・空中へ散る上の毛のあいだに残る
床の毛の量多く見える少なく見える
夕方に手に当たるもの毛先のからまり根元に近い小さなかたまり
翌朝のもつれ毛先でほどける根元側で締まっている

床の毛の量だけを見ていると、湿気の日は「今日は抜け毛が落ち着いている」と読めてしまいます。読み違えたまま梳かす回数を減らすと、体に残った毛はそのまま次の日に持ち越されます。湿気の時期に見るのは、床ではなく手のほうです。梳かし終わったあと、手のひらと指に残った毛を1枚のティッシュに集めて、何枚ぶんになったかを紙に書きます。数えるのはこの枚数と、その日にもつれを見つけた場所の数の2つだけです。

紙には、窓を開けた時間と、洗濯物を室内に干したかどうかも書いておきます。5月は日によって空気の含む水分がかなり動くので、同じ家の同じ部屋でも、朝と夜で毛のまとまり方が変わります。2週間ぶんたまると、ティッシュの枚数が増えた日と、室内に洗濯物があった日が重なるかどうかが目で見て分かります。数字が並べば、その子の被毛の話と、部屋の空気の話を切り分けられます。

散らずに残るから、芯ができる|湿気の日の抜け毛がもつれへ変わる理由

理由は、毛どうしの離れ方にあります。空気が乾いていると、梳かすときの摩擦で毛に静電気が起き、毛と毛が反発して広がります。広がった毛は互いに触れないので、抜けた下毛は行き場を失って空中へ出ます。これが、乾いた日に床と服が毛だらけになる仕組みです。湿気が入ると、毛の表面がわずかに水分を含み、静電気が起きにくくなります。反発がなくなった毛はまとまり、抜けた下毛は上の毛にはさまれたまま、その場に残ります。

湿気の日に、抜けた毛がもつれの芯になるまで 抜けた下毛が体の上に残り、動きの多い場所で回転して束になり、根元側で締まっていく流れです。乾いた日は最初の段で毛が外へ出るため、この流れに入りません。もつれとして手に当たるのは、3つ目の段まで進んだあとになります。 抜けた下毛 上の毛にはさまれて残る 動きで回される 脇の下・内もも・耳の後ろ 根元側で締まる 手に当たる大きさになる 静電気が起きず、散らない 体温と湿気でまとまる ここなら止められる 抜けた毛を外へ出しきる 回される材料がなくなる ここからは外す作業 根元側が締まってしまう 毛先からほぐしても戻らない
外へ出なかった毛が、動く場所で回されて芯になります。

もつれができる場所が決まっているのも、この流れから説明がつきます。脇の下、内もも、耳の後ろ、首輪の下は、その子が歩くたびに毛の向きが往復する場所です。往復のたびに、残っていた毛が少しずつ同じ向きに回されて、束になっていきます。湿気の日のもつれは、毛が伸びて絡んだのではなく、抜けた毛が回されてできた芯です。だから短毛の子にも、毛量の少ない子にも起きます。

換毛期と重なる時期だと、残る毛の量そのものが増えます。5月は下毛の入れ替わりがいちばん動く時期で、1日に抜ける量が普段の数倍になる子もいます。その量が床へ散らずに体の上に残れば、芯になる材料が毎日積み上がります。湿気の時期のもつれが急に増えたように感じるのは、換毛期の量と、湿気による行き先の変化が同じ月に重なるからです。

うるおいの側から見ると、湿気の日は毛の水分が減りにくく、静電気による切れ毛も出にくい時期です。毛先のぱさつきが気にならなくなるので、被毛の調子がよく見えます。見た目と手触りの印象がいいぶん、根元で起きていることに気づくのが遅れます。手を入れて確かめる場所を決めておくと、印象に引きずられずに済みます。

時間帯・干す場所・梳かす向き|湿気の日の抜け毛で動かせる条件の考え方

考え方の軸は1つで、抜けた毛を体の外へ出しきってから1日を始めることです。湿気そのものは家の中で大きくは変えられません。変えられるのは、梳かす時間帯と、部屋の空気の動かし方と、毛を外へ出す順番の3つです。この3つは、どれも朝の10分に収まります。

この3つの前に、毛をまとめる工程を1つ足します。乾いたまま梳かすと、湿気の日でも摩擦は起きますし、指に貼りついた毛が歯へ戻ってしまいます。朝の梳かしの最初に mofuwaグルーミングスプレーを根元まで吹きかけると、毛がひとまとまりになって、コームの歯にそろって乗ります。歯に乗った毛はそのまま外へ出せるので、ティッシュの枚数は増えますが、体の上に残る量は減ります。紙の数字が最初の数日だけ増えるのは、出しきれている合図です。

mofuwaグルーミングスプレーは、毎日きれいにしてあげたい、をその日のうちにやり切れる形にするために作られた1本です。犬にも猫にも皮脂が出続けますし、散歩に出れば外の砂も毛の中へ入ります。湿気の時期は、その砂と抜けた毛が体の上で一緒に残るので、毎日出しきれるかどうかが、もつれの数をそのまま決めます。ブラッシングの前に使う1本でもあるので、乾いた日には静電気の起きにくい状態で梳かせて、湿気の日には毛をまとめて歯に乗せられます。同じ1本で、月をまたいで条件が変わっても手順を変えずに済みます。

量を気にせず根元まで届かせられることも、この時期には効いてきます。中身は電解水で、清涼飲料水の規格基準をクリアした水を使っています。梳かしたあとその子が脇の下をなめても、吹きかけた量を数えながら手を止める必要がありません。余分な脂とは乳化して落ち、うるおいの側は残るので、根元まで濡らしても毛がべたつかず、そのままコームへ移れます。

もつれを見つけたときは、外す順番があります。まず根元側を指でつまんで固定し、毛先の側から少しずつ束を割ります。根元を持たずに引くと、その力が地肌へ抜けて、次からその場所を触らせてもらえなくなります。湿気の時期に見つかる芯は、できた当日なら指で割れます。翌日まで置くと、同じ束が根元側で締まって、はさみを考える大きさになります。だから、その日の夕方に手を入れる4か所を決めておきます。

手順を2週間続けても、ティッシュの枚数が減らず、もつれの場所も3か所より下がらないときがあります。もつれの芯を外した場所で毛が短く残っている、同じ場所を長くなめている、触ると体をひねる、といったことが重なるなら、毛と湿気の話から外れています。枚数ともつれの場所を書いた紙を持って、動物病院へ行く日を決めてください。いつから、どの場所が、いくつのまま止まっているのかが、紙1枚で伝わります。数字がないと、その場では「もつれやすくなりました」としか言えません。

6月までの2週間に残しておくもの|湿気と抜け毛をめぐる、去年の経験の使い方

この時期の記録は、その年のためだけのものにしないでください。湿気が入りはじめてからの2週間ぶんの紙は、翌年の同じ月にそのまま使えます。ティッシュの枚数が何枚を超えた日からもつれが出はじめたのか、どの場所が最初に出たのか。これは家の間取りとその子の体格で決まるので、翌年も似た形で戻ってきます。

紙に残しておくと、翌年そのまま使えるもの
残す項目書き方翌年に効いてくる場面
ティッシュの枚数梳かしたあと、手に残った毛を集めた枚数何枚を超えた日から手を増やすかの線引き
もつれを見つけた場所脇の下・内もも・耳の後ろ・首輪の下から選ぶ最初に手を入れる場所の順番
室内に干した日干した部屋の名前まで書く寝床を動かすかどうかの判断
窓を開けた時間帯朝・昼・夜のどれか梳かす時間帯を決める材料
換毛期の山だった週枚数がいちばん多かった週に印翌年、いつから毎日に切り替えるか

経験として残るのは、うまくいった手順よりも、うまくいかなかった週の条件のほうです。枚数が増えたのに梳かす回数を減らした週、寝床の近くに洗濯物を干していた週。そういう週の記録があると、翌年の同じ時期に同じ判断を繰り返さずに済みます。毎年くり返す時期の話は、去年の紙が1枚あるかどうかで、手を打つのが2週間早くなります。

今夜は、脇の下に手を入れてみてください。何もなければ、それが今の基準です。小さなかたまりが指に当たったら、その場で根元を持って、毛先の側から割ります。明日の朝は、梳かしたあとに手に残った毛をティッシュ1枚に集めて、枚数を紙に書くところから始めます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。