C03使い方・お手入れ手順

介護中のにおい対策の手順

公開日 2024年5月29日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋で、淡い色のやわらかい敷物の上に横たわっているクリーム色のシニア犬
自分で届く場所が減った日から、においの出どころは体の外側ではなく内側に寄っていきます。写真:https://kaboompics.com//Pexels

朝6時、寝床の上で横になったままのその子の口のまわりだけが、ゆうべ拭いた時と同じように湿っていました。介護のにおいで数えるのは、その子が自分でなめて届かなくなった場所の数です。この数が1か所から3か所へ増える速さに、拭く回数を足すだけでは追いつきません。手順を組む順番は、拭く場所を増やすことから始めるのではなく、週に1度その数を数えることから始まります。数が3か所を超えた週にだけ、洗う日を1日はさみます。

自分でなめて届く場所が、先に減ります|介護のにおいで家でできることの前提

介護が始まってからのにおいは、体全体から一度に強くなるのではなく、その子が自分で処理できなくなった場所から順に出てきます。犬も猫も、口と前足で毎日自分の体を整えています。首が回りにくくなり、体をひねって後ろへ届かせるのがつらくなると、その手入れが届かない場所が生まれます。そこに皮脂と唾液が残り、雑菌のもとがたまり、においの出どころになります。体が急に汚れやすくなったのではなく、毎日自分で拭いていた手が減っただけです。

だから介護のにおいで最初に数えるのは、体のどこがにおうかではありません。その子が自分でなめて届かなくなった場所が、いま何か所あるかです。この数は日ごとに揺れず、週の単位でゆっくり増えます。数えられる形にしておけば、拭く場所を足す週と、据え置く週が分かれます。

届かなくなる順と、そこに残るもの、数えるときの見方
順届かなくなる場所その子がしていたこと届かなくなると残るもの数えるときの見方
1口のまわりとあごの下前足でこすって整える食べ物と唾液が乾いて残る食後15分たってから指で触る
2前足の内側口でなめて整える皮脂と唾液が混ざる毛を広げて束になっていないか
3後ろ足のつけ根とおしりのまわり体をひねってなめる排泄のあとのものが毛に残る排泄の5分後に見る
4背中の真ん中体をひねる、こすりつける皮脂がたまるなでた手のひらに移るか
5しっぽのつけ根体を回してなめる皮脂とにおいが集まる毛をかき分けて地肌を見る
届かない場所の数が、8週間でどう動くか 数は毎日揺れません。週の単位で1つずつ増え、増えた週の翌週は据え置きになります。洗う日を1日はさんだ週の翌週だけ、数が1つ戻ります。数字が戻らないまま2つ増えた週は、体の側で別のことが起きている並びになります。 書くのは日付と場所の名前、そしてその数だけです 1週目 1か所(口のまわり) ここがその子の出発点になります 2〜3週目 1か所のまま動かない 数が動かない週は、拭く場所も据え置きます 4週目 2か所(前足の内側が加わる) 前足を口へ持っていく回数が減った週でした 5〜6週目 2か所のまま 毎日の拭き取りを2か所に増やして追いつく範囲 7週目 3か所(後ろのつけ根が加わる) ここで拭く回数を足しても数は減りません 8週目 2か所に戻った 洗う日を1日はさんだ翌週に、1つ戻りました
増える週と据え置きの週が交互に来るあいだは、拭く場所を足すだけで間に合います。

数える日は、週に1度、曜日と時刻を固定します。数える日が動くと、場所が増えたのか、その日の体調で届かなかっただけなのかが区別できません。紙に書くのは日付と場所の名前、そしてその数だけです。においの強さは書きません。強さは人の鼻の側の記録なので、翌週の自分と比べられません。

3か所というのは、毎日の拭き取りで追いつける上限として出てきた数です。1か所なら食後の15分に足すだけで済み、2か所なら排泄のあとの5分を足して間に合います。3か所目が加わると、拭く場所も時刻も1日に3回へ増えて、その子の体を動かす回数がそのまま増えます。拭く回数を増やすほど、その子が体を動かされる回数が増えるという逆向きの負担が、介護の手順ではいちばん見えにくいところです。だから3か所を超えた週だけは、毎日の側を増やさずに、洗う日を1日はさむ形に切り替えます。

届かない場所を数えてから拭く|介護のにおいに手を入れる5つの手順

手順は5つです。日曜の朝に届かない場所を数え、食後15分に口のまわり、排泄の5分後に後ろのつけ根、夕方に食器と寝床の接している面、そして3か所を超えた週だけ洗う日を1日はさみます。1から4は毎日の並びで、5は週の判断です。数えた紙が手元にあるかぎり、どれを足してどれを据え置くかを毎朝考え直す必要はなくなります。

  1. 日曜の朝|届かない場所を数えて、紙に書く

    同じ曜日、同じ時刻に数えます。表の5つの見方で順に確かめて、届いていない場所の名前を書き、数を右端に入れます。時間は3分ほどです。先週と同じ数なら、この1週間は拭く場所を増やしません。1つ増えていたら、その場所を毎日の並びへ足します。2つ以上増えていたら、足す前に体の側を見る週にします。

  2. 食後15分|口のまわりとあごの下を拭く

    食べたすぐあとではなく、15分置いてからにします。すぐ拭くと、その子はまだ口を動かしていて、拭いた場所がまた濡れます。15分なら、乾きかけたものが毛に固まる手前です。あごの下は上を向かせずに、横になったまま手を差し入れて拭きます。体を起こす動作が1つ減るだけで、その子が拭かれるのを許す時間が伸びます。

  3. 排泄の5分後|後ろ足のつけ根とおしりのまわり

    排泄のあと、その子が落ち着いてから5分後です。その場ですぐ拭くと、体勢を直している途中の体に触ることになります。毛の奥まで指を入れず、表面の毛の向きに沿って一方向に動かします。往復させると、残っていたものを内側へ押し込むことになります。ここは毎日1回で、増やしません。

  4. 夕方|食器と水皿、寝床の接している面を拭く

    口のまわりのにおいは、食器の側から毎日戻ってきます。皿の縁と、皿の下に敷いたものまで持ち上げて拭きます。寝床は、体が接している面だけを手でなでて毛を集め、上の1枚を週に1度替えます。窓は夕方に1か所だけ開けて、その子の居場所を風の通り道から外します。換気を大きくしても、布に残ったものはそのままです。

  5. 3か所を超えた週に1日|浴室で洗う日をはさむ

    数が3か所になった週だけです。洗う場所は、紙に書いた3か所とその周りに絞ります。全身の順番で始めると、3か所に届く前に時間が切れます。mofuwa モイストシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分を量も少なくしたうえで、原料の水を電解水に置き換えて泡立ちを補っている1本です。精製水で薄めていない電解水そのものに洗浄の力があるので、洗浄成分を減らしても泡が立ちます。

介護の手順でこの1本が効いてくるのは、泡立ちのほうではありません。落としすぎないので洗い上がりがごわつかず、トリートメントの工程が要らなくなることです。工程が1つ減るぶん、その子が浴室にいる時間がそのまま短くなります。減っているのは飼い主の手間だけではなく、体を支えられたまま耐える時間のほうです。介護のにおいで洗う日をはさめるかどうかは、洗う力よりも、この時間の長さで決まります。

香りを足していないことも、介護では意味が変わります。その子は自分のにおいが好きで、余分なにおいはそれだけで負担になります。寝たまま過ごす時間が長くなると、体のにおいと寝床のにおいがその子の居場所の手がかりになります。洗った日の夜に落ち着かず、寝床の上で同じ場所を何度も踏み直す子は、手がかりが書き換わった側から見ています。香りで上書きしない形を選べば、洗った日の夜も、寝床は昨日と同じ場所のままです。

洗わない週の拭き取りには、吹きかけてブラシを通すだけの1本を組み合わせられます。mofuwa グルーミングスプレーは、モイストシャンプーと同じ電解水を原料にした1本で、アルカリ電解水が毛に残った余分な脂と乳化します。舐めることを出発点に成分が決められているので、口のまわりを拭く場面でも量を数えずに使えます。洗う日と洗う日のあいだを、この1本で埋める形になります。

時刻は、その子の1日の節目に合わせます。食後、排泄のあと、夕方の3つです。介護の手順を分数で組むと、その日の体調で崩れます。節目で組めば、節目が来た時にやるだけなので、起きる時刻が毎日ずれても手順の側は動きません。コツというより、崩れない置き場所を先に決めておく話になります。

3か所を超えた週に起きること|介護のにおいでつまずく3つと頻度の見直し

つまずきは3つです。どれも、届かない場所の数が減らないという同じ形で紙に出てきます。拭いているのににおいが戻るときは、手が足りないのではなく、増やす対象を間違えています。

頻度は、紙の数字だけで決まります。数が同じ週は据え置き、1つ増えた週は拭く場所を1つ足し、3か所を超えた週は洗う日を1日はさむ。この3本だけです。週に2回洗う形にはしません。洗う回数を増やすと、その子が浴室で支えられる時間の合計が増えて、拭き取りのほうが続かなくなります。洗う日をはさんだ翌週に数が1つ戻れば、その家の頻度はそれで合っています。

Caution紙の数が、1週間で2つ以上増えたとき

届かない場所が1週間で2つ以上増えた/洗う日をはさんだ翌週も数が戻らない/同じ1か所だけを長くなめ続けている/毛をかき分けると地肌が赤く見える、さわると熱い/食器のまわりを拭く回数が、2週間で倍に増えた/排泄のあとに拭く場所が、左右のどちらかだけ広がっている。こうした増え方は、届く手が減ったという説明だけでは足りないことがあります。痛みで体をひねれなくなっている、口の中に理由がある、後ろ足の力が急に落ちているといった体の側の変化が、数の増え方に先に出ます。数を書いた紙を持って、動物病院で体のほうを見てもらう日をつくってください。何週目に、どの場所が、いくつ増えたのかが、紙1枚でそのまま伝わります。見てもらった日からも、食後15分と排泄の5分後の2つは同じ時刻で続けます。

紙がたまってくると、数字の増え方に季節が出てきます。寝ている時間が長くなる冬は、背中の真ん中としっぽのつけ根が先に増えます。夏は口のまわりが増え、水皿の縁を拭く回数がそれに比例します。増える場所の順番が家ごとに決まってくるので、次に増える場所を先に毎日の並びへ入れておけると、紙の数字が3か所に届く前に間に合います。介護のにおいの手順は、ここまで来ると先回りできるようになります。

数えた紙を壁に残す|介護のにおいを毎日の側で保つ

毎日残すのは2つです。食後15分の口のまわりと、排泄の5分後の後ろのつけ根。この2つは、紙の数が1か所に戻った週でも続けます。届かなくなった場所は、こちらが拭くのをやめた時点で、また同じ順番でにおいの出どころに戻ります。

1週間の置き方と、その日に見るところ
いつやることかかる時間その日に見るところ
毎日・食後15分口のまわりとあごの下1分指に何がついてくるか
毎日・排泄の5分後後ろ足のつけ根のまわり1分毛が束になっていないか
毎日・夕方食器と水皿、寝床の接している面、換気5分布の中心が湿っていないか
週に1度・日曜の朝届かない場所を数えて紙に書く3分先週の数より増えているか
数が3か所を超えた週だけ紙の3か所に絞って洗う日を1日その子の体勢次第翌週に数が1つ戻るか

表のいちばん下だけが、週によって入る日と入らない日があります。入らない週が続いているのは、手を抜いているのではなく、毎日の2つで追いついている週です。紙の数字が2か所以下で止まっているあいだは、洗う日をはさむ理由がありません。

1か月たったら、紙を4枚並べて数字だけを見てください。数が増えていても、増え方が1週ごとに1つずつなら、毎日の側はまだ間に合っています。見るのは数の大きさではなく、増えた週の翌週に据え置きが来ているかどうかです。増えた週が2回続いた月は、洗う日をはさむ判断のほうを1週早めます。

今夜は、食後15分に口のまわりを1分だけで終わりにしてかまいません。紙は寝床の見える壁に貼って、日曜の朝に数字を1つ足します。介護のにおいの手順で来月まで残るのは、拭いた回数ではなく、数えた週が何週続いたかのほうです。

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よくある質問

寝たきりで、浴室まで運べません。洗う日をはさめない場合はどうしますか。
紙の3か所に絞って、桶ひとつぶんのお湯で部分ごとに済ませる形に置き換えてください。運べるかどうかで判断が変わるのは洗う場所の広さで、数え方と毎日の2つは同じです。浴室まで運べない場合は、洗う日を1日にまとめず、3か所を3日に割ります。1日1か所なら、体勢を変える回数が1日1回で収まります。3日で一巡したら、翌週の日曜に数を数えて、1つ戻っているかを見てください。戻っていれば、その家では割る形のほうが合っています。
介護のにおいが、拭いても寝床の側から戻ってきます。布は毎日替えるべきですか。
替えるのは上の1枚だけで、週に1度で足ります。毎日全部替えると、その子の居場所の手がかりが毎日書き換わって、落ち着く場所を探し直すことになります。夕方に、体が接している面を手でなでて毛を集めるところまでを毎日にしてください。毛を集めるだけで、布の中心に残る皮脂の量が変わります。布の中心が湿っている日が3日続いたときは、替える枚数より、下に敷いているものが湿気を抜いているかを先に見てください。
食器を拭く回数が増えてきました。何を見て決めればいいですか。
皿の縁に指を当てて、ぬめりが残っているかで決めてください。回数を先に決めると、その子が食べる量が減った週に拭きすぎになります。目安は、食べたあと毎回と、夕方の1回。夏はこれに水皿の縁を足します。拭く回数が2週間で倍に増えているなら、食器の側ではなく、口のまわりの毛に残る量が増えています。日曜の紙で、口のまわりが届かない場所として残り続けているかを確かめてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。