C12Q&A・豆知識

オーガニックならペットに安全?

公開日 2024年5月24日|文=mofuwa編集部

明るいリビングで、淡い色のラグの上に落ち着いて座っているクリーム色の小型犬
オーガニックの表示が答えているのは、原料の育て方についての問いです。誰向けに作られたかは、別の場所に書いてあります。写真:Iza Ponchie/Pexels

オーガニックという言葉が説明しているのは、その原料がどう育てられたかです。犬や猫の体にどう働くかは、この言葉の外側にあります。ペット用品の棚でオーガニックの表示を見つけたとき、そこから読み取れるのは育て方までで、自分の子に合うかどうかまでは決まりません。植物からとった原料は、成分としてはむしろ複雑になることがあります。ラベルの前で見るところは、育て方の表示より「誰向けに作られたか」のほうに寄ります。この記事では、オーガニックとペット用品の関係を、8つの問答に分けて書きます。

オーガニックなら、ペットに使っても大丈夫ですか

答えは条件で割れます。オーガニックの表示から読み取れるのは、原料がどう育てられたかまでです。その原料が犬や猫の体に合うかどうかは、育て方とは別の物差しで決まります。だから、オーガニックのペット用品を避けたほうがいいという話にもなりませんし、オーガニックと書いてあるから確かめずに選んでよいという話にもなりません。読み取れる範囲が、思っているより狭いだけです。

ペット用品の棚の前でオーガニックだから安全ですという読み方をすると、判断の材料が1つに減ります。実際には、その製品が誰向けに作られたか、どこに使うものか、どのくらいの濃さで入っているかという材料が、同じラベルの上に並んでいます。オーガニックの表示は、そのうちの1つです。1つを全部の代わりにすると、ほかの材料を見ないまま決めることになります。

逆の読み方も同じです。オーガニックと書いていないペット用品が、そのぶん粗い作りだということにもなりません。何を主役の原料に選ぶかは、その製品がどこで、誰に、どう使われるかから決まっている設計の話です。育て方の表示は、その設計のうち原料の履歴の部分だけを説明しています。

Noteオーガニックは、原料の履歴についての言葉です

履歴というのは、その植物がどんな土地で、どんな育て方をされて、どう記録されてきたかということです。履歴が確かめられていることと、その原料が犬や猫の皮膚の上でどうふるまうかは、まったく別の問いになります。前者は畑の話で、後者は体の話です。同じラベルに並んでいるので混ざりやすいのですが、答えている問いが違います。

オーガニックとは、何について決めた言葉なのですか

おおまかに言うと、原料を育てるときの条件に基準を設けて、その条件を満たしているかどうかを、作った本人ではない立場の人が確かめる仕組みのことです。決められているのは、育てる土地の扱い方、栽培のあいだに何を使うか、記録をどう残すかといった、育てる側の手つきになります。ペット用品にかぎった話ではなく、食品でも化粧品でも、この構造は共通しています。

この記事では、認証の名前や制度の名前を挙げません。国や制度ごとに条件が違い、名前を挙げると、その名前そのものが体への作用の保証のように読めてしまうからです。実際に確かめられている範囲は、育て方の条件を満たしているかどうかまでで止まります。手元の製品にどの制度の表示が付いているかは、パッケージの表示欄と、そのメーカーの説明を見るのが確実です。

もうひとつ、ペットと暮らす人が知っておくと楽になることがあります。オーガニックという表示は、原料の一部にかかっていることも、製品全体にかかっていることもあります。「オーガニック原料配合」と「オーガニック製品」は、かかっている範囲が違う言い方です。どこにかかっている言葉なのかは、表示の近くに小さく書かれていることが多いところです。

育て方の話と、体への作用の話は、どこで別れるのですか

別れ目は、問いの向きにあります。育て方の話は、その植物が畑を出るまでに何があったかを説明します。体への作用の話は、その植物が製品になって、犬や猫の皮膚や被毛に触れたあとに何が起きるかを扱います。時間の順で言えば、前と後ろで、まったく別の区間の話をしています。オーガニックの表示は、前の区間だけを保証する仕組みです。

オーガニックの表示が答えている問いと、答えていない問い
問いオーガニックの表示で読めるか読むための材料はどこにあるか
どんな土地で育ったか読める表示欄と、メーカーの説明
育てるあいだに何を使ったか読める同上
誰向けに作られた製品か読めない用途の表示(ペット用か、人用か)
どこに使うものか読めない使い方の表示(顔まわり・体・床など)
どのくらいの濃さで入っているか読めない配合の表示、メーカーへの問い合わせ
その子の皮膚に合うか読めない実際に少しずつ試す、動物病院で相談する

この表の下の3行が、ペットと暮らす人にとっていちばん知りたいところです。そして、そこはオーガニックという言葉の外側にあります。だから、オーガニックの表示を見つけたときにやることは、それで決めることではなく、そのまま隣の表示を見にいくことになります。育て方の表示は、判断の入り口であって、出口ではありません。

ここを取り違えると、選び方の手数が減った気がするのに、実際には確かめる項目が減っただけ、ということが起きます。材料を1つ増やすつもりでオーガニックを見て、残りの材料もそのまま見る。この順で見ると、オーガニックの表示は、ちゃんと役に立つ材料になります。

植物からとった原料が、成分としては複雑になるのはなぜですか

ひとつの植物から取り出したものは、ひとつの成分ではなく、複数の成分が混ざった状態であることがほとんどです。取り出し方によって、混ざっているものの顔ぶれも変わります。だから「植物からとった原料はおだやか」という読み方は、成分の側から見ると、そのまま成り立ちません。おだやかなものも、そうでないものも、同じ「植物由来」という言葉に入ります。

この4つがあるので、植物由来の原料を使う製品は、「何を入れたか」だけでなく「どう管理しているか」まで含めて設計されています。オーガニックの表示は、このうち原料の育て方の部分を確かめたものです。取り出し方や濃さの管理は、また別のところで決まっています。ペット用品のラベルを読むときに、この2つを分けて見られるようになると、比べ方が変わります。

念のために書いておくと、これは植物由来の原料を落とす話ではありません。植物からとった原料は、長く使われてきたものが多く、ペット用品でも実際によく使われています。書いているのは、「植物由来だから読まなくていい」という近道が使えない、ということだけです。読む項目の数は、合成の原料でも植物の原料でも、あまり変わりません。

同じ原料でも、ペット用として作られたときに変わるのはどこですか

変わるのは、主に濃さ・使う場所・口に入る前提の3つです。人用の製品は、塗った場所を人が舐めない前提で設計されています。犬と猫は、体に付いたものを自分で舐めます。この1点だけで、同じ原料を使っていても、決めておくことが変わります。

同じ原料が、誰向けの製品になるかで変わるところ
決めること考え方ラベルのどこに出るか
どのくらいの濃さにするか触れる面積と回数から決めます配合の表示、使い方の量の表示
どこに使うか顔まわり、体、床で条件が変わります使用部位の表示
舐めたときにどうなるか口に入る前提で見ておきます注意書き、用途の表示
においをどう扱うか香りを付けるか、付けないかを選びます無香料・香料の表示
容器をどうするか音や霧の細かさが、動物では条件になります容器の説明

だから、人用のオーガニック製品をそのままペットに使う場面では、原料の良し悪しではなく、想定している使い方の違いのほうが先に問題になります。人用が粗いという意味ではありません。人が使うことを前提に、いちばん都合のいい濃さと形にしてあるだけです。ペット用として作られたものは、そこを別の前提で組み直しています。

猫と暮らしている場合は、もう一段だけ慎重に見ます。猫は、一部の成分の処理のしかたが人や犬と違うとされています。だから、猫がいる家では「その製品が猫向けにも作られているか」を、犬用かどうかとは別に確かめます。オーガニックかどうかは、この確認の代わりにはなりません。迷うときは、使う前に動物病院で聞いておくのが早いところです。

オーガニックを名乗らない作り方は、何を根拠にしているのですか

作り方の選び方は、ひとつではありません。植物からとった原料を主役にする設計もあれば、水そのものの側を作り込む設計もあります。mofuwa は後者を選んでいて、原料水に電解水を使っています。これは植物由来の原料を避けたからではなく、無香料で、洗い流さない形で毎日使うものにするには、水の側を作り込むほうが組みやすかったからです。設計として選んでいる、という言い方がいちばん近くなります。

この5つは、オーガニックの表示とは、確かめている場所が違います。オーガニックが原料の育て方を確かめているのに対して、こちらは作り方と、決められた試験条件のもとで何が起きたかを確かめています。どちらが上ということではなく、答えている問いが違います。ペット用品を比べるときは、この「何を確かめた数字なのか」まで見ると、並べ方がはっきりします。

そして、この数字からも言えないことがあります。試験条件下で確かめられたことは、家の中で、その子の体の上で同じように起きるという意味ではありません。試験は、決められた条件で、決められた対象について行うものです。だから、数字が並んでいる製品でも、最初は少しずつ試して様子を見る、という手順は変わりません。

オーガニックの表示からも、試験の数字からも読めないこと

ここが、この記事でいちばん残しておきたいところです。オーガニックの認証も、試験条件下の結果も、確かめた範囲の外については何も言っていません。読めないものを並べておくと、ラベルの前での期待の置き方が変わります。

表示や数字からは読めない4つ
読めないことなぜ読めないかどうやって埋めるか
その子の皮膚に合うか個体差は、表示の外にあります少しずつ試して、変化を記録します
使い続けたときにどうなるか確かめているのは、その時点の条件です使った日と様子をメモに残します
開けたあと、時間が経ってからのこと試験は決められた状態で行います保存の表示と使用期限を見ます
ほかのものと一緒に使ったとき組み合わせは、条件の外です同時に新しいものを2つ増やしません

4行目だけ補足します。新しいペット用品を試す日に、シャンプーとスプレーを同時に変えると、何かあったときにどちらの話なのかが分からなくなります。変えるのは一度に1つ、というのが、家でできるいちばん確実な切り分けです。オーガニックのものに切り替えるときも、同じ考え方で足ります。

読めないことを並べると、選べなくなるように見えるかもしれません。実際は逆で、読めない範囲がはっきりすると、確かめるべき場所が数個に絞れます。ペット用品のラベルの前で迷う時間は、たいてい「どこまで書いてあるのか分からない」ことから来ています。

「誰向けに作られたか」に畳む|オーガニックとペット用品の8つの問答を並べ直す

ここまでを畳みます。ペット用品の棚で見るのは、3つだけです。

ラベルの前で見る3つ
順番見るものそこで分かること
1誰向けに作られたか犬用か、猫用か、人用か。前提がここで決まります
2どこに使うものか顔まわり、体、床。使う場所で条件が変わります
3何が確かめられているか育て方なのか、作り方なのか、試験条件下の結果なのか

オーガニックの表示は、3番目の材料のひとつとして読みます。1番目と2番目を飛ばして3番目だけで決めると、いちばん大事な前提が抜けます。逆に、この順で見ておけば、オーガニックのペット用品も、そうでないものも、同じ物差しで並べられます。

棚の前で選んだ1本は、その日の夜には毛の上にのっていて、その子は表示を読まずに口をつけます。読み手がラベルで確かめた範囲と、その子が実際に口に入れる範囲は、同じ広さではありません。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、確かめられている先が清涼飲料水の規格基準です。育て方の表示ではなく、口に入ってよいかどうかの側で測られている、という位置づけになります。上の3つでいうと、1番目の「誰向けに作られたか」と3番目の「何が確かめられているか」が、この1本では同じ物差しの上に重なります。使い方は、気になる部分になじませて、そのあと舐めにいってもそのままにしておける、という順番です。

Caution皮膚の変化が続くときは、製品を選び直す前に動物病院にご相談ください

かゆがる時間が増えた、地肌が赤い、フケが急に増えた、同じ場所を舐め続けている、においが前と変わった。こうした変化が続いているときは、オーガニックかどうかを含めてペット用品を選び直すより先に、動物病院にご相談ください。家では、いつから、どこから、何を使っている時期だったかまでしか分かりません。使っているものの写真と、変化に気づいた日付を持っていくと、その場で見てもらえます。

最後にもう一度だけ。オーガニックは、原料の育て方についての言葉です。ペットと暮らす人が最初に見るのは、育て方の表示ではなく、その製品が誰向けに作られたかのほうになります。この順番だけ覚えておけば、棚の前で迷う時間はかなり短くなります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。