C12Q&A・豆知識
防腐剤フリーは安全と言える?
ケア用品の棚で「防腐剤フリー」と書かれたボトルを手に取ると、次に浮かぶのはたいてい「これは安全と言えるのか」という問いです。この4文字が言っているのは、防腐剤を外したという事実ひとつです。安全とも危険とも、そこからは決まりません。防腐剤フリーというのは、中身から何かを引いたという宣言であって、引いたぶんをどこで埋めているかは、その4文字の外に書かれているからです。埋め方はおおむね4つあります。容器の形、1本の容量、開封してからの期限、置き場所の条件。この4つを見にいかないかぎり、防腐剤フリーという表示は読み終わりません。この記事では、犬や猫のケア用品を選ぶときに出てくる防腐剤フリーの疑問を、8つの問答に分けて書きます。
「防腐剤フリー」は、そのまま安全と言えるのですか
防腐剤フリーという表示が伝えているのは、その製品から防腐剤を外したという事実ひとつです。それ以上のことは、この4文字には入っていません。だから、安全だと言い切ることも、危険だと決めつけることも、この表示だけからはできません。安全という言葉は、何を確かめたかという根拠とセットでしか置けない言葉だからです。
防腐剤フリーを見て安心する人と、不安になる人が、同じ売り場に同時にいます。安心する側は「余計なものが入っていない」と読み、不安になる側は「中身がもたないのでは」と読みます。どちらの読み方も、表示そのものからは出てきません。読み手が持っている前提が、そのまま結論になっているだけです。
防腐剤フリーなので安全です、防腐剤が入っているものは体によくありません。どちらも、表示から読み取れる範囲を超えています。防腐剤は、中身が変わっていくのを遅らせるために入れる係で、入れるという設計も、入れないという設計も、それぞれ引き受ける条件が違うだけです。この記事では、どちらかを持ち上げたり落としたりしません。書けるのは、防腐剤フリーと書かれた製品を手に取ったときに、そのあとどこを見ればいいかまでです。
そのうえで、この記事の答えを短く置いておきます。防腐剤フリーは、安全の言い切りではなく、条件つきの設計です。条件というのは、使う人の側に渡されたもののことです。次の項では、その渡された条件がどこに書かれているのかを開いていきます。
「フリー」という言い方は、何を伝えている言葉なのですか
フリーは、引いたという宣言です。「これは入っていません」とだけ言っていて、「代わりに何を入れました」「そのぶんをどう埋めました」までは言っていません。言葉の作りとして、そこまでは含まれていないのです。だから防腐剤フリーの4文字を読み終えても、その製品について分かったことは、まだ1つしかありません。
この性質は、防腐剤フリーにかぎった話ではありません。◯◯フリーという書き方は、どれも「引いた側」だけを見せる書き方です。引いたぶんが小さければ、ほとんど何も変わりません。引いたぶんが大きければ、その穴をどこかで埋める必要が出てきます。つまり、フリーという言葉の重さは、外したものが製品の中でどれだけ働いていたかによって変わります。
| 読めること | 読めないこと |
|---|---|
| その成分が入っていない | 代わりに何が入っているか |
| 設計として外す判断をした | 外したぶんをどこで埋めたか |
| その名前を知っている人には伝わる | その成分が何をしていた係か |
| 表示の欄に書ける短さである | 使う側にどんな条件が渡ったか |
| ほかの製品と並べたときの違いの一部 | 並べた2本のどちらが自分に合うか |
防腐剤は、中身が時間とともに変わっていくのを遅らせる係だとされています。その係を外すと、遅らせていた時間のぶんが、そのまま短くなります。短くなった時間を、作る側は容器や容量で吸収し、使う側は期限と置き場所で吸収します。防腐剤フリーという4文字は、この受け渡しが起きたことを示す合図でもあります。
だから、防腐剤フリーの製品を選ぶときに見にいく先は、うたい文句の側ではありません。その4文字のまわりに、期限と保存条件が書かれているかどうかのほうです。書かれていれば、渡された条件が分かります。書かれていなければ、何を引き受ければいいのかが分からないまま使うことになります。
防腐剤を入れない設計は、中身をどこで持たせているのですか
埋めている場所は、おおむね4つに分かれます。容器の形、1本の容量、開封後の期限、保存条件。どれも、成分表には出てきません。パッケージの別の欄と、製品の形そのものに出ています。防腐剤フリーを読むというのは、実質この4か所を読むことになります。
| 埋めている場所 | そこで何をしているか | パッケージのどこに出るか |
|---|---|---|
| 容器の形 | 中身が空気や指と触れる回数を減らします | スプレー・ポンプ・チューブという形そのもの |
| 1本の容量 | 使い切るまでの日数を短くします | 内容量の表示 |
| 開封後の期限 | いつまでに使うかを、あらかじめ決めます | 「開封後はお早めに」という一行 |
| 保存条件 | 温度と光の当たり方をそろえます | 「直射日光を避けて」という一行 |
| 1回に使う量 | 出る量を固定して、残る量を読めるようにします | 使用方法の欄 |
容器の形から見ていきます。口が広く開いていて、指を入れて取り出す形の容器は、中身が外の空気と触れる面が大きくなります。スプレーやポンプは、出す量だけが外に出て、残っている中身は容器の中にとどまります。防腐剤フリーの製品にスプレーやチューブが多いのは、見た目の都合ではなく、この条件から来ている場合があります。
容量も同じ考え方です。大きい容器は、使い切るまでの日数が長くなります。日数が長くなるほど、開封してから最後の一滴までのあいだに置かれる時間が延びます。防腐剤フリーの製品で容量が控えめなものがあるのは、その時間を短く設計しているためです。ここも成分表ではなく、内容量の数字のほうに出ています。
残りの2つ、開封後の期限と保存条件は、作る側ではなく使う側が引き受ける部分です。ここが、防腐剤フリーという表示の実質的な中身になります。作る側は、容器と容量までは決められます。開けたあとに、どこに置いて、どのくらいで使い切るかは、家の側でしか決められません。
防腐剤フリーが選ばれるのは、なぜですか
選ばれる理由は、大きく2つあるとされています。1つは、入れる必要が小さい設計になっている場合です。中身の組み立てがもともと単純で、変わりにくい条件がそろっているなら、その係を1つ置かなくても済みます。もう1つは、使い方の側から決まる場合です。毛や皮膚に残る使い方をするもの、犬や猫がなめる可能性のあるものでは、成分の数そのものを少なくしておきたい、という設計の選び方があります。
逆に、防腐剤フリーが選ばれにくい場面もあります。何度も開け閉めして、何か月もかけて使うもの。水を多く含んでいて、口の広い容器に入っているもの。こうした条件では、中身が変わりにくい状態を保つほうが難しくなります。ここで防腐剤を入れる設計は、手抜きではなく、条件に合わせた選択です。
防腐剤フリーの製品と、防腐剤が入っている製品は、引き受ける条件が違うだけで、上下の関係にはありません。入れれば、開封後に使える期間が長くなり、置き場所の自由がききます。入れなければ、成分の数は減り、そのぶん期限と保存の条件が使う側に移ります。選ぶときに比べるのは「入っているかどうか」ではなく、自分の家でどちらの条件を守れるか、です。週に何度も使う人と、月に一度しか使わない人では、答えが変わります。
この見方に立つと、防腐剤フリーが向いている家の条件が言えるようになります。使う回数が多く、1本を短い期間で使い切る家です。毎日ブラッシングの前に使う、散歩のあとに足元を拭く。そういう使い方なら、開封後の期間が短くても困りません。逆に、たまにしか出さない道具として棚に置くなら、容量の小さいものを選ぶか、期限の書かれているものを選ぶほうが読みやすくなります。
つまり、防腐剤フリーが向いているかどうかという問いには、その家で使う頻度を入れないと答えが出ません。表示は製品の側にありますが、条件が成立するかどうかは家の側にあります。ここが、この記事でいちばん書いておきたかった部分です。
犬や猫に使う場合、防腐剤フリーなら大丈夫と言えますか
犬や猫に使うものでも、判断のしかたは変わりません。防腐剤フリーという表示だけを見て大丈夫と決めることはできず、見にいくのは用途と使い方のほうになります。ただ、人が自分に使う場合と比べて、条件が2つ増えます。なめる可能性があることと、毛の上に残る時間が長いことです。
- 洗い流すものか、洗い流さないものか:残る時間が違うので、読む欄も変わります
- その動物向けに作られているか:人用と犬猫用では、想定している使い方が違います
- 使う場所:口のまわり、足の裏、寝床。なめる場所ほど、使用方法の欄を先に読みます
- 1回に出る量:スプレーの粒の細かさや、1プッシュの量が書かれているか
- 開封後の置き場所:犬や猫が届かない場所かどうかも、ここに入ります
毛の上に残る使い方をするものでは、成分の数が少ないほうが、何が起きているかを読み解きやすくなります。これは「少ないほうが体にやさしい」という話ではありません。合わないものがあったときに、候補が少ないほうが切り分けが早い、という手続きの話です。防腐剤フリーの製品を選ぶ理由として、この読みやすさを挙げる人はわりといます。
そして、ここは線を引いておきます。その子に合うかどうかは、表示からは分かりません。同じ製品でも、合う子と合わない子がいます。使ってみて、赤みやかゆがるようすが出たときに、原因を表示から逆算することはできません。そのときは使うのをやめて、記録を持って動物病院にご相談ください。いつから、どこに、どのくらい使ったか。3つだけで足ります。
家で確かめられるのは、どこですか
確かめる場所は2つです。開封後の期限が書かれているかと、容器の口がどうなっているか。この2つは、ボトルを手に取ればその場で分かります。防腐剤フリーの表示を読むときは、この2か所とセットで見てください。
-
ボトルの裏で「開封後」の一行を探す
「開封後はお早めにお使いください」「開封後◯か月を目安に」。どちらの書き方でも構いません。この一行があるかどうかが、いちばん大きい差です。なければ、その製品の期限は自分で決めることになります。
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容器の口を見る
指を入れる形か、出す量だけが外に出る形か。口が広いほど、中身が空気と触れる面が大きくなります。スプレーやポンプなら、この点は容器の側が引き受けています。
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内容量と、1日に使う量から日数を出す
毎日使うのか、週に一度なのか。1本を何日で使い切る計算になるかを、買う前に一度だけ出しておきます。計算が期限より長くなるなら、容量の小さいほうを選ぶという判断ができます。
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開けた日を、ボトルに直接書く
油性ペンで日付を書くだけです。防腐剤フリーの製品でいちばん効くのが、この一手間です。期限の一行があっても、開けた日を覚えていなければ数えられません。
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置き場所を1か所に決める
日の当たらない場所、暖房の風が当たらない場所、犬や猫が届かない場所。この3つを満たす場所を、家の中に1か所決めておきます。毎回変えないほうが、条件がそろいます。
5つのうち、書かれているかどうかを見るのは1つ目だけで、あとの4つは家の側でやることです。防腐剤フリーという設計は、この4つを引き受ける約束とセットになっている、と考えると読みやすくなります。引き受けられるなら選べますし、引き受けにくい暮らし方なら、別の設計を選ぶほうが合っています。
mofuwaが防腐剤を入れていないのは、どういう設計ですか
mofuwa スキンケアミストは、防腐剤を入れていない設計です。外しているのは8つで、アルコール、添加物、香料、界面活性剤、鉱物油、オイル、着色料、防腐剤を入れていません。数だけを書くと読めなくなるので、名前で並べています。ここまでが「引いた側」の話です。
引いたぶんをどこで埋めているか、という側も書いておきます。原料になっているのは、三室ダブルイン型の電解分解技術(特許5253483)でつくった電解水です。この特許は、水をつくる技術が新しいものとして登録されたことを示すもので、できあがった水の働きを証明したものではありません。数値としては、電解効率が一般的な飲料用アルカリイオン水の約20%に対してほぼ100%であること、水分浸透力が精製水の35倍であること(自社検証。比べた相手は精製水)が出ています。
確かめられている範囲も、条件つきで置いておきます。試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかった、という結果が出ています(江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センターの各検査機関で実施)。成分については、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています。飲み物として売っているという意味ではなく、成分の純度について物差しを1つ借りている、という書き方です。
上の試験は、決められた試験条件のもとで、決められた検体について行われたものです。家の床の上や、その子の皮膚の上で同じことが起きるかどうかは、この試験では測っていません。開封して時間がたった液のことも、測っていません。だから 試験を通っているので防腐剤フリーでも安全です とは書けません。確かめられた範囲と、家で引き受ける条件は、別の欄に置いたままにしておくのが正確です。開封後は早めに使い切ること、直射日光の当たらない場所に置くことは、どの製品でも変わりません。
使い方としては、洗い流さないケアです。シャンプーができない日や、水を使いたくない日に、気になる部分へ直接なじませるという使い方をしています。防腐剤フリーの製品としては、毎日のケアで使って短い期間で使い切る形が、いちばん条件に合います。棚の奥に置いて、思い出したときだけ使う道具にはしないほうが読みやすくなります。
防腐剤フリーの8つの問答を、1枚に畳む
ここまでを1枚に畳みます。防腐剤フリーという表示を見たら、確かめるのは3か所だけです。
| 見るところ | 書かれていれば | 書かれていなければ |
|---|---|---|
| 開封後の期限 | いつまでに使い切るかが決まる | 自分で日数を決めることになる |
| 容器の形と内容量 | 使い切るまでの日数を計算できる | 残る時間が読めない |
| 用途と使う場所の欄 | 洗い流すかどうかで読み分けられる | どこに使ってよいかが決められない |
3か所とも、成分表の外にあります。防腐剤フリーを読むというのは、成分表を読むことではなく、その製品が使う側に渡した条件を読むことです。この読み方は、ほかの「◯◯フリー」にもそのまま使えます。引いた宣言を見つけたら、埋めた場所を探す。順番はいつも同じです。
最後に、防腐剤フリーの疑問として残りやすいものを1つ書いておきます。「使っていて何か出たとき、それが製品のせいなのか、季節のせいなのか、家では分からない」というものです。これは、表示をどれだけ読んでも解けません。切り分けは家の外の仕事になります。
使った場所が赤い、同じところをなめ続けている、フケが増えた、かゆがる回数が増えた、においが変わった。こうした変化が続くときは、防腐剤フリーの製品に替えたり、成分表を見比べたりする前に、動物病院にご相談ください。表示から原因を逆算することはできません。使った製品名、使い始めた日、使った場所、1日に使った回数。この4つをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。
最後に、家で続けることのほうへ戻しておきます。防腐剤フリーの製品を選んだ日にやることは、開けた日をボトルに書くことと、置き場所を1か所に決めること。この2つだけです。どちらも1回で終わる作業ですが、続くのは1本を使い切るまでのあいだずっとです。この2つを続けていると、次に別の「◯◯フリー」を手に取ったときに、うたい文句の側ではなく、期限と置き場所の側を先に見るようになります。防腐剤フリーの4文字は、読み方を覚える対象であって、覚えたあとは表示のいちばん最後に読む文字になります。1本使い切るごとに、その順番が入れ替わっていきます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
