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避難所でペットが受け入れられる条件

公開日 2024年8月9日|文=mofuwa編集部

明るく片づいた部屋で、淡い色のクッションの上に落ち着いて座っている白っぽい毛の猫
確かめるのは受け入れの設備より先に、その地域がどちらの言葉で運用しているか、のほうです。写真:大 董/Pexels

避難所でペットが受け入れられる条件を調べると、ケージの数や、屋根のある場所があるかどうかという設備の話が先に出てきます。実際に最初に分かれるのは、その避難所が「同行避難」と「同伴避難」のどちらの言葉で運用されているか、というところです。同行避難は「一緒にそこまで行くこと」、同伴避難は「同じ空間で過ごすこと」を指す言い方として使われています。言葉が違えば、持っていくものが変わります。ケージを買うか、名札を作るか、においの出るものをどう扱うか。準備の中身が、この1語で入れ替わります。そして、どちらの言葉で運用されているかを確かめるのは、災害が起きたときではなく、平時のうちです。この記事では、避難所とペットの条件を2つの言葉の側から比べて、今日のうちに確かめておける項目に落としていきます。

受け入れの可否は、避難所の設備より先に言葉のところで分かれる

避難所でペットが受け入れられる条件を探すとき、多くの人はまず設備を見にいきます。ケージが用意されているか、屋根のある場所があるか、水道が使えるか。どれも大事な条件ですが、設備を先に調べても、自分の家の準備は決まりません。設備の情報は避難所ごとに違い、しかも当日の状況で変わるからです。準備を決められるのは、もう一段手前にある言葉のほうです。

Noteこの記事では、受け入れの割合や施設の数を書きません

理由は3つあります。1つは、避難所の運用が自治体ごとに違い、同じ市の中でも場所によって違うからです。2つめは、その運用が年ごとに見直されるので、どこかで見た数字がそのまま自分の地域に当てはまるとはかぎらないこと。3つめは、割合を知っても、自分の家の持ち物が1つも決まらないからです。「ペットを受け入れている避難所は何割」という数字は、覚えても使いどころがありません。この記事で扱うのは、どの地域でも共通している言葉の分かれ方と、その分かれ方から自分の家の準備を組む方法だけにします。数字が要るのは、自分の地域について1か所だけ確かめるときです。

その言葉が、同行避難と同伴避難です。同行避難は、その子を連れて避難所まで移動すること。同伴避難は、避難先で同じ空間に一緒にいることを指す言い方として使われています。似た言葉ですが、指している範囲が違います。前者は移動という行動の話で、後者は滞在の形の話です。避難所とペットの条件を調べていて話が噛み合わなくなるのは、この2つを1つにまとめて読んでしまうときです。

そして、この言葉の使い方は自治体によって違います。同じ言葉を使っていても、指している運用が違うことがあります。だから最終的には、住んでいる地域が配っている資料や、窓口で確かめることになります。この記事でできるのは、確かめるときに何を聞けばいいかを先に決めておくことです。聞く項目が決まっていれば、確認は数分で終わります。

軸1・同行避難|一緒にそこまで行く、という範囲を指す言葉

同行避難という言葉が指しているのは、移動です。その子を置いていかずに、一緒に避難所まで行く。ここまでが、この言葉の範囲です。言い換えると、この言葉は、着いたあとにどこで過ごすかについては何も言っていません。避難所とペットの条件を調べていて「同行避難ができます」と書かれているのを見ると、建物の中で一緒にいられると読みたくなりますが、その一行はそこまで言っていないことがあります。

この範囲が分かると、準備の中心が決まります。同行避難を前提に組むなら、用意するのは「その子だけで過ごす時間」に必要なものです。入る容器、名前と連絡先が分かるもの、いつも食べているもの、水、排せつの始末に使うもの。人と離れた場所に置かれる時間があるという前提で、持ち物を並べます。

とくに効いてくるのが、容器です。同行避難の準備でいちばん先に決まるのは、その子が入る箱の大きさと、それを何分持って歩けるかです。玄関から避難所までの距離を、実際に持って歩いてみると、持ち物の量が自然に決まります。頭数が多い家では、1往復で運べる数が上限になります。この確認は、災害のときではなく、天気のいい日にやっておくものです。

もう1つ、同行避難の準備で忘れられやすいのが、その子の情報を紙にしておくことです。名前、年齢、いつも食べているもの、飲んでいるものがあればその名前、かかりつけの動物病院の連絡先。この5つを1枚にして、容器に貼っておきます。人が付き添えない時間があるなら、その紙が代わりに説明してくれます。毎日のケアの記録をつけている人は、直近の分を1枚足しておくと、なお読みやすくなります。

軸2・同伴避難|同じ空間で過ごす、という範囲を指す言葉

同伴避難という言葉が指しているのは、滞在の形です。避難先で、その子と同じ空間で過ごすこと。ただし、ここでいう同じ空間が「同じ部屋」を意味するとはかぎりません。同じ建物の別の区画であったり、決められた一角であったりします。この幅があるので、同伴避難という言葉を見たときも、どこまでが同じ空間なのかは、その地域の運用を確かめる必要があります。

同伴避難を前提に組むと、持ち物の中心が入れ替わります。その子だけで過ごす時間のための道具より、周りの人と同じ空間を分け合うための道具が増えます。音、におい、抜け毛。この3つが、そのまま持ち物の項目になります。避難所とペットの条件を考えるときに、いちばん想像しにくいのがここです。

同じ空間を分け合うときに、持ち物の項目になる3つ
何が問題になるか何が起きるか持ち物になるもの
音夜のあいだの声が響きます布をかけて視界を落とすもの
におい換気が限られる場所では残ります排せつの始末を密閉できるもの
抜け毛床と寝具に散ります毛を取る道具と、敷くもの
体を拭くこと水が自由に使えません水を使わずに拭けるもの
視線落ち着かない子は隠れたがります容器を覆う布

表の下2つは、平時にはあまり考えないところです。避難生活では、水が自由に使えない時間があります。洗うという選択肢が使えないので、被毛の手入れは拭くことに寄ります。同伴避難の準備では、水なしで拭くための道具が、そのまま持ち物になります。毎日そうしたケアをしている家は、いつもの手順をそのまま持っていけるので、準備が短く済みます。

2つの言葉を並べて比べる|避難所とペットの条件は、どこで入れ替わるか

2つを並べます。同じ「一緒に避難する」でも、指している範囲が違うので、準備の中身が変わります。この表のどちらで運用されているかが分かると、持ち物の並べ替えが一度で終わります。逆に、分からないまま準備すると、両方のぶんを持つことになって、袋が重くなります。

同行避難と同伴避難を、準備の側から並べた比較
同行避難同伴避難
言葉が指す範囲一緒に避難所まで行くこと避難先で同じ空間に一緒にいること
どこまで一緒にいられるか着いたあとは分かれることがあります同じ建物や区画で過ごします
持ち物の中心その子だけで過ごす時間のためのもの周りと空間を分け合うためのもの
いちばん効く1点運べる容器と、運べる回数音・におい・抜け毛への手当て
紙で用意するもの名前と連絡先、食べているもの同じ紙に加えて、苦手なことのメモ
水の使い方移動中のぶんを持ちます洗わずに拭く道具が要ります
平時に確かめること玄関から避難所まで運べるか地域での言葉の使われ方と区画の形
同行避難と同伴避難で、準備の中心がどう入れ替わるか 左に同行避難、右に同伴避難を置き、それぞれの前提と持ち物の中心を並べた比較カードです。 言葉が指す範囲が違うだけで、どちらが上ということではありません 同行避難 連れて避難する行動の話 着いたあとは分かれることも 運べる容器が先に決まる その子だけの時間に備える 名前と連絡先の紙が要る 同伴避難 同じ空間で過ごす形の話 同じ部屋とはかぎらない 音とにおいと毛が課題 水を使わず拭く道具が要る 周りに苦手な人もいる 重なるのは紙と食べもの。分かれるのは容器と、拭くための道具です
どちらで運用されるかは自治体によって違うので、重なる部分から先に用意します。

どちらを選ぶか、という問いには、実は答えがありません。選ぶのは自分ではなく、その避難所の運用だからです。だから準備の組み方は「どちらでも動ける形」になります。とはいえ、全部を2倍持つ必要はありません。表を見ると、重なっている部分と、分かれている部分がはっきりしています。

この分け方をしておくと、袋が軽くなります。重なる部分を先に詰めて、分かれる部分は「どちらだったか」が分かってから足す。避難所でペットが受け入れられる条件は、当日になってから調べても間に合いません。けれど、重なる部分だけなら、言葉が分からなくても今日詰められます。準備が進まないと感じている人は、ここから始めてください。

確かめるのは災害のときではなく、平時のうちに|今日できる3つ

最後に、平時のうちにやっておくことを3つに絞ります。どれも1日で終わります。避難所とペットの条件について調べ続けるより、この3つを1回やっておくほうが、当日にそのまま使えます。

  1. 住んでいる地域が、どちらの言葉を使っているかを1つ確かめて、紙に書く

    自治体が配っている防災の資料か、窓口で聞きます。聞き方は「ペットを連れて行ったとき、同じ建物の中で一緒にいられますか」でかまいません。言葉の名前を知らなくても、この一文で答えが返ってきます。避難所ごとに違う場合もあるので、いちばん近い場所について聞いておきます。返ってきた答えと、聞いた日付を紙に書いて、持ち出す袋に入れておいてください。運用は見直されることがあるので、日付があると、次に確かめる時期が分かります。

  2. 返ってきた答えで、持ち物を並べ替える

    同じ空間で過ごせるなら、覆う布と、密閉できる袋と、水を使わずに拭ける道具を足します。分かれる時間があるなら、容器と紙を厚くします。足すのではなく、並べ替えるのがコツです。

  3. 1回だけ、実際に持って玄関の外まで出る

    容器に入れて、袋を持って、玄関を出るところまでをやってみます。ここで初めて、運べる量が数字になります。頭数が多い家では、1往復で運べる数がその場で分かります。この1回は、リストを何度も読み直すより手ごたえがあります。

3つめの「実際に持って出る」を飛ばす人が多いのですが、ここがいちばん情報量の多い手順です。玄関から避難所までの道に、階段がいくつあるか。抱えたまま鍵を閉められるか。その子が容器に入るまでに何分かかるか。紙の上のリストからは、どれも出てきません。1回やっておけば、次からは考えずに動けます。

袋に入れるものについても、1つだけ書いておきます。水がいつ使えるようになるかは、避難した側では決められません。決められるのは、使えない日が続いたときに、何を何本持っていくかのほうです。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、足の裏にも、口のまわりにも、耳のまわりにも、同じ1本を当てられます。部位ごとに使い分けずに済むのは、舐めても差し支えのない水準でつくられているからで、袋の側から見ると、入れる本数がそのぶん減るという意味になります。使い方は、布に取ってから、足の裏と口のまわりを一往復させるところまでです。香りを足さないので、同じ空間を分け合っている人の側でも、前の項の3つのうち「におい」の量が増えません。毎日この手順で使っている家は、そのまま袋に入れれば、避難先でも順番を変えずに続けられます。

Caution避難生活で体の様子が変わったときは、動物病院にご相談ください

食べる量が落ちた、水を飲まない、排せつが止まっている、地肌をずっとなめている、皮膚に赤みが出た、息づかいがいつもと違う、隠れたまま出てこない。環境が変わると、こうした変化が出ることがあります。落ち着けば戻ると考えて待たずに、動物病院にご相談ください。避難先の近くで開いている病院が分からないときは、避難所の窓口や、かかりつけの連絡先から確かめられることがあります。いつから、何が変わったかをメモしておくと、短い時間でも伝えられます。

避難所でペットが受け入れられる条件は、設備の一覧を覚えることでは決まりません。決まるのは、その地域が同行避難と同伴避難のどちらの言葉で運用しているか、そしてその言葉に合わせて自分の家の袋が組まれているか、の2つです。言葉を1つ確かめて、袋を並べ替えて、1回だけ玄関を出る。この3つは、天気のいい日の午後に全部終わります。当日に調べられないことを、今日のうちに終わらせておくのが、いちばん確実な条件の整え方です。

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よくある質問

同行避難ができると書いてあれば、避難所の中でも一緒にいられますか
同行避難という言葉が指しているのは、連れて避難所まで行くという行動までです。着いたあとに屋内のどこで過ごすかは、この言葉には含まれていません。同じ建物の中で一緒にいられるかどうかは、その避難所の運用によって変わります。自治体によって言葉の使い方も違うので、いちばん近い避難所について「同じ建物の中で一緒にいられますか」と1つだけ確かめておくのが確実です。
自分の地域がどちらの運用なのかは、どこで確かめられますか
住んでいる自治体が配っている防災の資料か、窓口で確かめられます。ペットの受け入れについては、地域防災の担当か、動物に関する窓口が案内していることが多いところです。避難所ごとに運用が違うこともあるので、いちばん近い場所と、次に近い場所の2か所について聞いておくと安心です。確かめた日付を書き残しておくと、運用が見直されたときに気づけます。
ペットを連れて避難できないと言われたら、どうすればいいですか
その場で決めずに済むように、平時のうちに2つめの行き先を決めておくのが現実的です。親戚や知人の家、預けられる施設、車の中で過ごす形など、家庭ごとに選べるものが違います。どれを選ぶ場合も、名前と連絡先を書いた紙、いつも食べているもの、いつも使っているケアの道具は同じものが要ります。避難先で体の様子が変わったときは、我慢させずに動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。