C14トリマー/獣医師視点
犬の涙やけの原因はどこにあるか|目のまわりを診てきた獣医師の視点
犬の涙やけの原因を聞かれたとき、まず「涙が多いのか、流れていないのか」を分けて考えます。 見た目は同じ茶色い跡でも、涙そのものが増えている場合と、出た涙が正常な通り道を通れていない場合では、 やるべきことがまったく違うからです。この記事では、診察室でよく交わされるやりとりの順番に沿って、原因の切り分け方を整理します。
涙やけとは何か
涙やけとは、目からあふれた涙が被毛に染み込み、含まれる色素が酸化して赤褐色に変色した状態のことです。 この色素はポルフィリンといい、涙のほか唾液にも含まれています。空気と光に触れることで色が濃くなるため、 時間が経つほど落ちにくくなります。
ここで大事なのは、汚れが表面に付いているのではなく、毛そのものが染まっているという点です。 拭いてもその場で色が消えないのはそのためで、「拭き方が足りない」と考えて力を入れると、 かえって目のまわりの薄い皮膚を傷めてしまいます。
また、涙で濡れた状態が続く場所は、皮膚にとって決して良い環境ではありません。 湿った被毛のあいだは菌が増えやすく、においや赤みにつながることがあります。 涙やけのケアが「色を落とすこと」ではなく「濡れたままにしないこと」に重心を置くべき理由は、ここにあります。
原因は「出る量」と「流れる先」に分かれる
涙は目の上外側にある涙腺で作られ、眼球の表面を潤したあと、目頭にある小さな穴(涙点)から 鼻涙管という管を通って鼻へ抜けていきます。この流れのどこがうまくいっていないかで、原因は2つに分かれます。
原因A(出る量が増える)は、目に刺激があるサインです。 まつげが眼球側に向いている、目のまわりの被毛が伸びて当たっている、アレルギー性の炎症がある、 角膜に細かい傷があるなど、いずれも「涙を出して洗い流そうとしている」状態と考えられます。 急に涙が増えた場合は、こちらを疑うほうが自然です。
原因B(流れきらない)は、構造の問題です。生まれつき鼻涙管が細い、あるいは何らかの理由で詰まっている場合、 通常量の涙でも行き場を失って目からあふれます。子犬のころからずっと同じように濡れている子は、こちらのことが多くなります。
「いつからか」を思い出してみてください。 ずっと同じ調子で続いているなら構造の問題(原因B)、 ここ数日〜数週間で急に増えたなら刺激や炎症(原因A)の可能性が高くなります。 片目だけに出ている場合も、原因Aを先に確認すべきサインです。
犬種によって起こりやすさが違う
涙やけが目立ちやすい犬種には、はっきりした傾向があります。理由は、被毛の色と顔の骨格の2つです。
| タイプ | 代表的な犬種 | 目立ちやすい理由 |
|---|---|---|
| 白・淡色の長毛 | マルチーズ、トイプードル(ホワイト系)、ビションフリーゼ | ポルフィリンの赤褐色が被毛に対して強く出る。長い毛が目に当たり、涙も増えやすい |
| 短頭種 | シーズー、パグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ | 鼻が短い骨格のため鼻涙管が曲がりやすく、涙が流れにくい。眼球が前に出ていて刺激も受けやすい |
| 目のまわりの毛が伸びる | ヨークシャーテリア、シーズー、ミニチュアシュナウザー | 伸びた被毛が眼球に触れ続け、涙の量が増える |
このうち、目のまわりの毛が伸びるタイプは、家庭側でできることが最も多いグループです。 トリミングの間隔を少し詰める、目頭に当たる毛だけ短く保つ。それだけで涙の量が減る子は珍しくありません。
家庭でできること/病院に相談する目安
家庭のケアの目的は、色を落とすことではありません。濡れた状態を長く続けないこと、これに尽きます。 順番としては次のようになります。
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目やにと涙をやわらかくしてから取る
乾いて固まった目やには、こすらずに湿らせてからにします。乾いたコットンで擦ると、まぶたの縁を傷つけることがあります。
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目頭から外側へ向けて、一方向に拭く
往復させないこと。汚れを目の中に戻さないためです。使う面は一度ごとに変えてください。
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拭いたあと、水分を残さない
最後に乾いた面で軽く押さえ、被毛の根元に水分を残さないようにします。ここを飛ばすと、ケアしたつもりで濡れた時間を延ばすことになります。
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目のまわりの毛の長さを保つ
眼球に当たる毛が減れば、涙そのものが減ることがあります。自分で切るのが不安なときは、トリミングのときに相談してください。
次のいずれかに当てはまるときは、家庭のケアを続ける前に受診してください。
・急に涙が増えた/片目だけ涙が多い
・目を気にしてこすっている、まぶしそうに細めている
・白目が赤い、目やにが黄色や緑がかっている
・目のまわりの皮膚がじゅくじゅくしている、においが強い
目のまわりを拭くときの注意点
目のまわりに使うものは、目に入る前提で選ぶ必要があります。犬は拭かれている最中にまばたきをしますし、 そのあと前足でこすることもあります。アルコールを含むもの、香料の強いもの、洗浄成分が入ったものは、この用途には向きません。
mofuwa の涙やけクリーナーは、この点を踏まえて眼刺激性試験をクリアした処方にしています。 汚れを浮かせる01(CLEAN)と、拭いたあとの菌ケアを担う02(CARE)の2剤構成で、 「取る」と「そのあとの環境を整える」を分けて設計しました。 原水には、清涼飲料水の規格基準をクリアした特許電解水(特許5253483)を使用しています。
1日に何回拭いたかより、涙で濡れている時間をどれだけ短くできたかのほうが結果に効きます。 朝と夜の2回、それぞれ30秒でかまいません。回数を増やすより、こすらないことを優先してください。
Product
mofuwa 目にやさしい涙やけクリーナー
1,870円(税込)
眼刺激性試験をクリアした2剤構成。01(CLEAN)で目やにと涙の跡を浮かせ、02(CARE)で拭いたあとの環境を整えます。 無香料・アルコール不使用です。
商品ページを見るよくある質問
- 犬の涙やけの原因は何ですか?
- 大きく2つに分かれます。ひとつは涙の量が増えること(逆さまつげ、被毛の刺激、アレルギー、目の表面の傷など)。もうひとつは涙が正常に鼻へ流れないこと(鼻涙管が細い、詰まっている、顔の骨格の影響)。この2つを分けて考えると、次にやることが決まります。
- 涙やけの茶色い色は何ですか?
- 涙に含まれるポルフィリンという色素が、空気に触れて酸化し赤褐色に変色したものです。汚れが付着しているのではなく被毛そのものが染まっている状態のため、拭いてもその場では落ちません。
- 涙やけは家庭のケアだけで治りますか?
- 家庭でできるのは、濡れた状態を放置せず清潔に保つことまでです。逆さまつげや鼻涙管の閉塞といった構造的な原因がある場合は、動物病院での確認が必要になります。急に涙が増えた、目を気にする、白目が赤いといったときは早めに受診してください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。 掲載している試験結果は特定条件下のものであり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。 目や皮膚に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
