C05犬種・猫種別ケア
ウィペットのケア|皮膚の乾燥を減らす3つの習慣
ウィペットの背中を上から下へなでると、手のひらは一度も引っかからずに、するりと最後まで抜けます。毛の流れがそろっていて、なめらかで、触っていて気持ちのいい体です。ところがこの手ざわりのよさが、ウィペットの乾燥を見つけにくくしています。なでている手が触れているのは、寝ている毛の先がつくる面だけで、その下の地肌には一度も届いていないからです。毎日なでているのに、ある日ふと指を止めたときだけ、かさついた地肌に気づく。この記事では、なぜ手が滑ってしまうのかを先に片づけて、そのあとで「なでる」をやめて止めて押し当てる触り方の手順を書きます。
なでている手は、地肌に触れていません|ウィペットの乾燥を確かめる順番が変わる理由
ウィペットの被毛は、犬の中でもとりわけ短く、細く、体に貼りつくように寝ています。下毛の層はほとんどありません。毛が立っていないので、指を入れようとしても、毛と毛のあいだに隙間がほとんど見つかりません。手を動かすと、指先は一本の毛の上から次の毛の上へ乗り移っていくだけになります。皮膚に届く前に、次の毛が下から支えてしまう。これが、なでている手が滑る仕組みです。
被毛の厚い犬種では、これと逆のことが起きます。上毛と下毛が重なっているので、指を毛の中へ沈めないと地肌にたどりつけません。厚い毛は、届かせるために沈める。薄い毛は、届かせるために止める。ウィペットで必要なのは沈める動作ではなく、動かすのをやめる動作のほうです。同じ「地肌に手を届かせる」でも、やることが逆になります。
もうひとつ、動かしている手そのものにも限界があります。人の手が滑っているあいだ、指の腹は一か所に留まっていません。皮膚の状態を読むために必要な情報のうち、温度・湿り・細かなざらつきの3つは、静かに触れている時間がないと立ち上がってきません。なでる動作で分かるのは、毛の流れと、大きな凹凸くらいです。ウィペットの乾燥は、そのどちらにも出てきません。
- 毛が短く寝ている:指が毛の隙間へ入る前に、次の毛の上へ乗り移ります
- 下毛の層がほとんどない:地肌はすぐそこにあるのに、面としては隠れています
- 毛の流れがそろっている:引っかかりがないので、手が止まる場所ができません
- 皮膚が薄く、下に筋肉と骨が近い:押した感触が「かたさ」に紛れやすくなります
- ブラッシングが数十秒で終わる:道具を通す時間が、そのまま触る時間になりません
- 見た目につやがある:目で確かめると、地肌の状態を素通りしてしまいます
ウィペットの被毛は、なでたときの感触がいいぶん、「毎日触っているから大丈夫」という手ごたえだけが積み上がります。触った回数は増えているのに、地肌に届いた回数はゼロのまま、ということが起こります。この記事で変えるのは、触る回数ではありません。触っているときの手の動かし方、ただ一点です。
なでるのをやめて、止めて押し当てる|ウィペットの乾燥を見つけるやり方
やることは単純です。手を動かさずに、同じ場所へ静かに置いたまま数を数える。それだけで、なでていたときには返ってこなかった情報が返ってきます。立たせたままでも、伏せているところへ手を添える形でも構いません。次の5つを、上から順に回してください。全部で30秒ほどです。
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手のひら全体を、肩の後ろにそっと置く
まだ何も探しません。置くだけです。手のひらの温度と、その子の体温がなじむまで待ちます。この時点で冷たく感じるなら、それは手のほうが冷えています。手が冷えたまま当てると、その子は身をよじって逃げますし、こちらも温度の差を読み違えます。ウィペットは薄い体なので、冷たい手はすぐ伝わります。
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3秒だけ、動かさずに数える
1、2、3と数えるあいだ、手は1ミリも動かしません。動かさないでいると、毛の先で支えられていた手のひらが、少しずつ沈んで地肌に届きます。返ってくるのは温度です。じんわり温かければ、その面の血のめぐりは動いています。3秒たっても温度が返ってこない面は、覚えておいてください。
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手のひらを離し、指の腹だけをもう一度同じ場所へ当てる
接する面積を小さくすると、細かい情報が拾えるようになります。人差し指と中指の腹を並べて、毛の上に置き、また3秒。ここで探しているのは、ざらつきと湿りです。指の腹が乾いた砂の上をなでたような感触になるなら、その面の地肌は乾いています。しっとりと吸いつくなら、その面はまだうるおいが残っています。
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毛の流れと逆向きに、指を1センチだけ押し込むように置く
こするのではありません。押し当てたまま、指先をわずかに毛の根元側へずらします。1センチで十分です。寝ている毛が一瞬だけ起きて、指の腹が地肌に直接当たります。ここで白い粉のようなものが指についたら、その面はフケが出ている面です。強く押さないでください。ウィペットは皮膚が薄く、力をかけると赤みが出ます。
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場所を変えて、5か所を同じやり方で回る
肩の後ろ、背中の中ほど、脇の下、腰、内ももの5か所です。ウィペットで先に乾くのは、背中よりも脇の下と内ももです。この2か所は毛がいちばん薄く、床や敷物に押しつけられている時間も長い場所です。1か所3秒、移動を入れても30秒で一周できます。毎回同じ順で回ると、前回との差が分かるようになります。
| 返ってきたもの | 読み取れること | その日にすること |
|---|---|---|
| じんわり温かい | その面の状態は動いています | そのまま。触る場所を次へ移します |
| 3秒たっても温度が上がらない | 床や外気に熱を渡し続けている面です | 寝床の側を確かめます |
| 指の腹がざらつく | 地肌のうるおいが減っている面です | 触る回数ではなく、部屋の湿度を見ます |
| 白い粉が指につく | フケが毛の根元にたまっています | こすらず、数日そのまま様子を見ます |
| 押すと嫌がる、身をよじる | 痛みか、力の入れすぎです | その場で手を止めます |
この5手順で分かるのは、「どこが」乾いているかであって、「なぜ」乾いているかではありません。それでも、乾燥が出ている場所が分かるだけで次の手が決まります。脇の下と内ももだけが乾いているなら、部屋全体ではなく、その子が体を預けている面のほうを疑うことになります。背中まで含めて全面が乾いているなら、部屋の湿度そのものの話になります。
置く・待つ・移す|ウィペットの乾燥に手を当てる頻度と3つの習慣
手順が分かっても、続かなければ意味がありません。ウィペットの乾燥は、一度の点検で片づくものではなく、前の週との差で見えてくるものだからです。ここでは3つ挙げますが、3つとも毎日やるものにはしていません。1日の中で決めるもの、1週間の中で決めるもの、季節の入り口で決めるもの。決める単位をずらしてあるので、忙しい週でも3つ同時には止まりません。
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習慣1|かわいがる手の最後に、止める3秒を足す
新しい時間をつくらないのがコツです。もともとウィペットをなでている時間は、毎日あります。そのなでる動作の終わりに、手を離さずにその場で止めて3秒数える。これだけを足します。頻度としては1日1回で足ります。なでる時間を減らす必要はありません。最後の3秒を、動かさない時間に置き換えるだけです。習慣として身につきやすいのは、寝る前など時間が決まっている場面です。
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習慣2|週に1回だけ、5か所を順に回る「一周」をする
毎日5か所を回そうとすると、たいてい3日でやめます。一周するのは週に1回でかまいません。曜日を決めてしまうほうが続きます。日曜の夜、肩の後ろから内ももまで30秒。前の週と比べて、ざらついた場所が増えているか、減っているか。大事なのは1回の精度ではなく、同じ順番で並べた記録が残ることです。気づいたことはひと言だけ書き留めておいてください。
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習慣3|暖房を入れた週に、当てる場所を腹側へ1か所増やす
季節の入り口だけ動かす習慣です。暖房を使いはじめると、床と空気の条件が同時に変わります。その週から、5か所の一周に腹の下側を1か所だけ足してください。ウィペットは体脂肪が薄く、伏せているとき腹側が敷物に押しつけられている時間が長くなります。暖房を止める季節になったら、場所は5か所に戻して構いません。増やしたままにすると、続かなくなります。
| 決めること | 頻度 | かかる時間 | |
|---|---|---|---|
| 習慣1 | なでる手の最後に、止める3秒を足す | 1日1回 | 3秒 |
| 習慣2 | 5か所を同じ順で一周する | 週に1回 | 30秒 |
| 習慣3 | 腹側を1か所だけ足す | 暖房を使う季節のあいだ | 5秒 |
乾燥を探すという話の中で、ブラッシングの位置づけも整理しておきます。ウィペットの被毛は短いので、毛のもつれを解くための道具はほとんど要りません。ラバー素材のブラシを毛の流れに沿って数往復させる程度で、抜けた毛は取れます。ただし、それは触ったことにはなりません。道具は毛と毛のあいだで止まるので、手のひらのように地肌の温度を返してくれないからです。ブラッシングの前か後に、手を止める3秒を必ず挟んでください。
洗う頻度についても、増やす方向へは寄せないでください。ウィペットは被毛が薄く、洗ったあとに乾くのは早い体です。そのぶん、洗うたびに地肌に残っていたうるおいまで一緒に流れます。洗いすぎは、指の腹で拾えるざらつきをかえって増やします。洗う回数を増やさずに、ざらついた面へ何を置くかのほうを決めてください。
指の腹がざらついた面は、その子が伏せているあいだ床や敷物に押しつけられていた面です。体を起こしてしまえばその面は開くので、そこがどれだけの時間ふさがっていたかは、手を止めていた人の側にしか残りません。触って分かった人が、その場で何かを置いていくことになります。置くものとして選んでいるのが mofuwa スキンケアミストです。中身は電解水100%で、特許を取った電解水の特長として、水分の浸透力が精製水の35倍と示されている水です。ウィペットのように毛が短く、地肌がすぐそこにある体では、毛の上で玉になって残る水より、面のほうへ移っていく水のほうが、置いた数秒が無駄になりません。
使うのは、週に1回の一周のときだけで足ります。5か所すべてに配らず、前の週にざらついていた1か所だけに使ってください。手を止めて3秒数えた直後、そのままの姿勢で布へ移してから当てます。こすらないこと、当てた面を指で往復させないこと。順番と場所を変えずにおくと、翌週に同じ面へ手を置いたとき、前の週との差だけが返ってきます。
力を入れるほど分からなくなります|ウィペットの乾燥で手を止めるコツ
つまずくのは、たいてい同じ場所です。地肌に届かないと感じると、人は自然に力を強めます。ところがウィペットでは、これが逆に働きます。強く押すと、皮膚の下にある筋肉と骨のかたさが先に返ってきて、指の腹が拾うはずだった細かいざらつきが埋もれます。体脂肪の層が薄いので、押した力の行き先が皮膚ではなく骨になってしまうためです。ウィペットの乾燥に届かせるために必要なのは力ではなく、時間のほうです。
- 強く押す:骨のかたさが返ってきて、地肌の情報が埋もれます。置くだけで足ります
- 手を往復させる:滑るだけで、温度も湿りも立ち上がってきません
- 冷えた手で当てる:温度の差を読み違え、その子も逃げます。先に手を温めてください
- 目で確かめようとする:毛が寝てつやが出ているので、地肌の状態は外から見えません
- 毎日全身を回そうとする:数日で止まります。1日は3秒、一周は週1回で足ります
- ざらつきを見つけて、その場でこする:薄い皮膚に赤みが出ます。数日置いて比べてください
ウィペットは細身で、立たせたまま体を触ろうとすると重心が動きます。3秒じっとしていられないのは、性格ではなく姿勢の問題であることが多いです。横になっているところへ手を添える、寝床で丸くなっているところへ手のひらを乗せる。こちらが座って、その子の高さに合わせるだけで、止まっていられる時間が延びます。触るために起こさないでください。
ここまでは、手で分かる範囲の話でした。止めて押し当てるやり方で拾えるのは、地肌の乾き具合までです。次のような変わり方に気づいたときは、触り方の話として片づけないでください。地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるなら、触る回数を増やす前に動物病院へご相談ください。
押した場所をその子が気にする、声を出す、振り返って手を見る。この3つが出たら、そこから先は確かめないでください。痛みがあるところを繰り返し触ると、次から触らせてくれなくなります。触れなくなることのほうが、乾燥に気づけない期間を長くします。気になる面が残ったままでも、その日は終わりにして、翌日にもう一度当ててください。それでも同じなら、家で確かめる段階は越えています。
相談に行くときは、ざらつきを感じた場所、いつからか、その週に洗った回数の3つを控えていってください。ウィペットは被毛が薄いので、地肌の状態がそのまま見えます。前の晩に念入りに手入れをしてしまうと、もとの状態が分からなくなります。気になっている面は、触らずにそのまま連れて行くほうが伝わります。
ウィペットと暮らすうえで、なでた手が滑るという条件は変わりません。短くてなめらかな被毛は、この犬種が走るためにそなえている作りだからです。変えられるのは毛のほうではなく、手を動かしている時間のほうです。なでる時間の最後に3秒だけ止める。週に1回、5か所を同じ順で回る。暖房の季節だけ腹側を1か所足す。ウィペットの乾燥に気づける手というのは、たくさん触っている手ではなく、止まっていられる手のことです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- ウィペットは毛が短いのに、なぜブラッシングが必要なのですか?
- もつれを解くためではなく、抜けた毛を取るためです。短い毛は抜けても体に残りやすく、寝床や服につきます。ラバー素材のブラシを毛の流れに沿って数往復させれば足ります。ただし道具は毛と毛のあいだで止まるので、地肌の状態は返ってきません。ブラッシングの前後に、手のひらを止めて当てる3秒を挟んでください。
- 脇の下や内ももが先に乾くのは、どうしてですか?
- この2か所は、ウィペットの体でいちばん被毛が薄い場所です。加えて、伏せているあいだ敷物や床に押しつけられている時間が長く、その面から体温が逃げ続けます。背中は毛が寝てつやが出るので、目で見ると最後まできれいに見えます。触って確かめる場所と、目で見て気になる場所は一致しません。
- 加湿器を置いても、指の腹のざらつきが変わりません。
- 測っている場所と、その子が過ごしている面が違うことがあります。ウィペットは床や敷物に体を預けている時間が長いので、空気の湿度より、接している面の条件が先に効いてきます。敷物を1枚替える、寝床を暖房の風の下から外す。空気の数字を上げにいくより、触れている面のほうを先に動かしてみてください。それでも数週間変わらないなら、動物病院で相談してください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
