C05犬種・猫種別ケア
ボルゾイはなぜ静電気が起きやすいのか。長毛から考える
ボルゾイの肩に手を置いて、そのまま腰まで一気になで下ろす。手のひらは途中で一度も体から離れません。小型犬なら、同じ動きが手のひら1枚ぶんで終わります。冬の夕方、その一なでのあとに指先でぱちりと来た経験があるなら、思い出してほしいのは部屋の湿度より先に、いま手が動いた長さのほうです。ボルゾイの静電気は、乾いた空気だけでできているのではありません。背が高く、胴が長い。だから人がなでるとき、手と被毛がこすれ合う距離が、他の犬より単純に長くなります。1回で長くこすれれば、1回でたまるものも大きくなる。同じ手つき、同じ季節、同じ部屋でも、体の長さが違えば結果が変わります。この記事は、その一なでの距離という一点だけを見ていく読みものです。
肩から腰まで、手が一度も止まらない|ボルゾイと暮らす人に多い経験
帰宅して、玄関で出迎えたボルゾイの首に手を伸ばす。そこから胸の飾り毛を通って、背中を腰までなで下ろす。この一連の動きで、手のひらは一度も体から離れていません。ボルゾイと暮らしていると、これがいちばん自然な触り方になります。体が長いので、途中で手を止めるほうがむしろ不自然です。
そのあとに起きることは、季節によって変わります。夏はなにも起きません。空気が乾いてくる11月ごろから、なで終わりの指先でぱちりと来る日が出てきます。気づくのはたいてい、手を離した瞬間ではなく、次にもう一度触ろうとしたときです。ボルゾイの静電気について相談を受けるとき、この「2回目に触ろうとして来る」という言い方をよく聞きます。
同じ日、同じ部屋で、小型犬にも同じことをしてみると、来る日と来ない日があります。ボルゾイでは、ほとんどの日に来る。湿度計は同じ数字を出しているのに、です。この差を「毛が長いから」で説明しようとすると、途中で行き詰まります。長い毛の犬なら他にもいます。それでも、ボルゾイでの起きやすさは少し違うところにあります。
もうひとつ、ボルゾイと暮らす人がよく口にする経験があります。ブラッシングを始めて数分後から、被毛が本人の意思とは関係なく持ち上がってくる。毛先が広がり、腰のあたりの毛がふわりと立ち、道具を近づけると寄ってくる。始めた直後ではなく、しばらくしてから起きるというのが、この経験のかたちです。これも、あとで距離の話とつながります。
- 首から腰まで、一度で手が届いてしまう:途中で止める理由が、日常の中にありません
- ぱちりと来るのは2回目に触るとき:たまるのと放電するのは、別の瞬間です
- ブラッシングは数分後から広がりはじめる:回数が重なるほど、被毛が持ち上がります
- 胸と後ろ脚の飾り毛が先に立つ:長く垂れている毛ほど、動きに合わせて広がります
- 換毛期は静電気の起きる季節と重なりやすい:抜けた毛が被毛の中に残り、広がり方が変わります
部屋の湿度を上げるのは、静電気の話をするときにいちばん先に出てくる手です。実際、乾いた空気ではたまったものが逃げにくくなります。ただ、湿度は「たまったものが逃げるかどうか」の側の条件で、「どれだけたまるか」の側は変えていません。ボルゾイで湿度を上げても手ごたえが薄いと感じるなら、動かすところが残っているのは、たまる側のほうです。
1回のなでる距離が長い|ボルゾイの静電気が大きくなる背景
静電気は、2つのものが触れ合って離れるときに生まれます。ここで効いてくるのは、触れ合った面積と、こすれ合った長さ、そしてその回数です。手のひらが被毛の上を10センチ動くのと、60センチ動くのとでは、一度の接触で起きていることの量が違います。ボルゾイの背が高く、胴が長いという体の作りは、この長さのほうを直接押し上げます。
ボルゾイは、広い土地を長い距離走るために作られた体をしています。深い胸、細く長い腰、長い脚。上から見ると、背中は前から後ろへゆるやかに長く伸びています。人がその背に手を置いて動かすと、手は自然に肩から腰までの一続きを移動します。体が短ければ、同じ一なでは途中で終わり、手はいったん離れます。手が離れるたびに、そこまでの分は一区切りになります。
そのうえ、ボルゾイの被毛は細く、長く、絹のような手ざわりをしています。表面が滑らかなぶん、手のひらは止まらずに最後まで進みます。引っかからないということは、途中で手が離れる機会がないということでもあります。毛の性質と体の長さが、同じ方向に働いています。ボルゾイの静電気の背景にあるのは、この重なりです。
ブラッシングで数分後から毛が広がってくる、という経験も、同じ理屈で読めます。ブラシを長いストロークで通すほど、1回あたりのこすれが長くなる。そして通した回数だけ、それが積み上がります。始めた直後は変化がなく、しばらくしてから広がりはじめるのは、積み上がるまでに時間がかかっているからです。強くとかしているからではありません。長くとかしているからです。
| 条件 | 何を決めているか | 動かせるか |
|---|---|---|
| 胴の長さ | 手が離れずに動ける距離 | 動かせません |
| 被毛の滑らかさ | 途中で手が止まるかどうか | 動かせません |
| 手を離す回数 | 1回あたりのこすれの長さ | 動かせます |
| ブラシのストロークの長さ | 1回で通る距離 | 動かせます |
| 毛先のうるおい | 毛どうしが寄るかどうか | 動かせます |
| 部屋の湿り | たまったものが逃げる速さ | 動かせます |
| 服や寝床の素材 | こすれ合う相手の側の条件 | 動かせます |
この表の上の2行は、ボルゾイという犬種の作りそのものです。変えようがありません。けれど下の5行は、今日の夕方から変えられます。静電気の話が「乾燥する季節だから仕方ない」で止まってしまうのは、上の2行だけを見ているときです。ボルゾイで動かせるのは、体の長さではなく、その長さをどう区切るかのほうです。
手を止める場所を決める|ボルゾイの静電気に出せる変化
やることは1つだけです。肩から腰までを、3つに区切ります。肩まで、背中の真ん中まで、腰まで。区切りのたびに手を体から離し、いったん自分の服か、近くの木の家具に触れてから次へ進みます。それだけで、1回あたりのこすれる長さが3分の1になります。強さも回数も変えていません。
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触る前に、自分の側を一度逃がす
ボルゾイに手を伸ばす前に、玄関の壁やドア枠、木のテーブルの天板に手のひらを当てます。ぱちりと来るのは、たまったものが一気に移る瞬間です。先に逃がしておけば、その瞬間は犬の体の上では起きません。帰宅直後は服と体がこすれたあとなので、この一手の効き方がいちばん分かりやすい場面です。
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なでる範囲を、肩・背中の真ん中・腰の3つに割る
首から肩までで一度手を離す。背中の真ん中でもう一度離す。そこから腰へ。離すのは一瞬でよく、指を浮かせるだけで足ります。ボルゾイは体が長いので、この3区切りでも一なでが短くなったという感じはしません。慣れると、区切っていること自体を意識しなくなります。
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ブラッシングは、根元の側から短いストロークで
毛先から腰まで長く通すのをやめて、毛の流れに沿って15センチ程度ずつ進めます。1か所を短く数回通してから、次の場所へ移る。胸と後ろ脚の飾り毛は垂れているぶん長く通したくなりますが、ここも上下2つに割ってください。広がりはじめてからでは戻しにくいので、始める前から短く割っておくほうが早いです。
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毛先のうるおいを、道具を入れる前にそろえる
乾いた季節は、毛先どうしが寄って、まだ絡んでいない場所でも道具が引っかかります。ブラッシングを始める前に、mofuwa スキンケアミストを布に含ませ、毛の流れに沿って表面をなでてから道具を入れてください。毛先にうるおいが残っている状態で通すのが、ボルゾイの長い被毛でいちばん道具の滑る条件です。電解水だけでできていて、清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、なで下ろしたあとに自分の体をなめる子でも、量を気にせず使えます。根元まで濡らす必要はありません。
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こすれ合う相手の側を、1つだけ入れ替える
同じ日に全部を替えないでください。今週は自分が着る上着だけ、来週は寝床に敷くものだけ。1つずつ入れ替えると、どれが効いたのかが分かります。ボルゾイは体が大きく、寝床やソファと接している面も広い犬種です。人の手だけでなく、体の下で1日じゅうこすれているものにも同じ話が当てはまります。
変化が出ているかどうかは、なで終わりの指先で測れます。同じ時刻、同じ部屋で、なで終わったあとに指を近づけてみる。ぱちりと来る回数が減っていれば、区切りは効いています。1日で判断せず、1週間ぶんを並べてください。空気の乾き方は日ごとに変わるので、1日だけでは区切りの効果と天気の差が混ざります。
距離の話をすると、触る回数を減らしたほうがいいのかと聞かれることがあります。そうではありません。減らすのは1回あたりの長さで、回数のほうはむしろそのままで構いません。3つに区切って3回なでるほうが、一続きで1回なでるより、被毛の流れはそろいます。ボルゾイと暮らす時間の中で、触る量を我慢する理由はありません。
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ボルゾイで増やす価値があるのは、毛先にうるおいを置く回数のほうです。被毛の面が広く、乾かしきるまでの時間が長い犬種なので、濡らして乾かす工程を毎日の手数に組み込むのは現実的ではありません。スキンケアミストは、その毎日の側を受け持つものです。電解水だけでできていて、地肌でも、耳の内側でも、口のまわりでも場所を選びません。夕方、毛先が寄りはじめる時間に一度、流れに沿ってなでておく。ボルゾイの長い背中では、これが道具を入れる前の下地になります。
距離を区切っても毛が寝ないときに、静電気以外を見る理由
ここまでは、一なでの長さで説明のつく静電気の話でした。3つに区切って、毛先の滑りをそろえて、部屋の湿りも上げた。それでも被毛が持ち上がったままだというときは、静電気の話として続けないでください。毛が立つという見え方は、静電気だけが作るものではないからです。
見分ける手がかりは、時間帯と場所です。静電気で立つ毛は、こすれたあとに立ち、しばらくすると寝ます。朝も夜も、こすっていない時間でも立ったままなら、それは別の理由です。また、静電気は体の広い面に均一に出ます。片側だけ、あるいは一か所だけが立っているなら、そこで何かが起きていると考えるほうが自然です。
- こすっていない時間帯でも、毛が立ったままになっている:静電気の起き方と時間が合いません
- 片側だけ、または一か所だけが立っている:広い面に出るという静電気の性質と違います
- 根元の側から立っていて、毛先はむしろ寝ている:毛先が広がる静電気とは逆の向きです
- その場所をなめる、かく、床にこすりつける:毛の立ち方より先に、皮膚のほうを見てください
- 毛を分けたときの地肌が赤い、においがある:湿った状態が続いた結果として起こることがあります
- 毛が根元から抜けて、地肌が広く見えている:換毛期の抜け方とは分けて考えてください
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、ブラッシングの回数や部屋の湿度を動かす前に、動物病院にご相談ください。ボルゾイは被毛が長く、地肌が外から見えにくい犬種です。毛の立ち方が変わったことが、いちばん早い手がかりになる場合もあります。立っている場所が動かないまま1週間続くようなら、その時点で一度見てもらってください。
相談するときは、立っている場所、こすっていない時間でも立っているか、いつからかの3つを書き留めて持っていってください。この3つがあると、乾いた季節の静電気として説明のつくものかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りにブラッシングして整えてしまうと、もとの状態が分からなくなるので、そのまま連れて行くほうが助かります。
ボルゾイと暮らすうえで、体が長いこと自体は変わりません。広い土地を長く走るために作られた体は、この犬種の骨組みそのものです。けれど、その長さをひと続きでなでるか、3つに区切ってなでるかは、こちら側が毎日決めていることです。静電気の話は、季節や湿度の話として終わりがちですが、ボルゾイでは手が動いた距離という条件がその手前にあります。今日の夕方、肩でいちど手を止めてみてください。変えられるのは、そこからです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
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商品ページを見る掲載しているご感想は個人の感想であり、効果を保証するものではありません。本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。気になる変化が続く場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
