C05犬種・猫種別ケア

バセットハウンドのケア|顔のシワの汚れを減らす3つの習慣

公開日 2024年11月26日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの部屋で、短い毛の犬が淡い色の床に落ち着いて寝そべっている
同じシワでも、頭が下がっているときと上がっているときでは、深さも開き方も違います。

バセットハウンドの顔を正面から見て、その子が床のにおいを嗅ぎに頭を下げた瞬間を見てください。さっきまで目の上にゆるくのっていた皮膚が前へ落ちて、額から鼻すじにかけて、深いひだが何本も立ち上がります。名前を呼んで顔を上げてもらうと、同じひだが浅くなり、線がほどけていきます。バセットハウンドのシワは、いつも同じ形をしているわけではありません。頭の位置で動きます。だからシワの汚れの話は、どんな布で拭くかより手前に、いつ拭くかという問題を持っています。閉じているシワを拭けば、布は表面をなでて終わります。開いているシワを拭けば、同じ手つきで中まで届きます。この記事では、なぜシワが動くのかを先に整理して、そのあとに、拭く前に頭の位置を決めるという手順を置きます。

頭を下げると深く、上げると浅い|バセットハウンドのシワは毎日動いています

バセットハウンドの顔は、骨格に対して皮膚がゆるく作られています。額、目のまわり、口の横、あごの下。皮膚が骨に張りついていないので、頭の向きが変わるたびに、皮膚のほうが少し遅れて動きます。この遅れが、シワの深さをその都度つくり直しています。バセットハウンドのシワの汚れを考えるときの出発点は、シワの本数ではなく、この動きのほうです。

頭が下がると、顔の皮膚は重力の向きに前へ集まります。集まったぶんだけ、ひだは深くなり、内側どうしが合わさって閉じます。閉じた面のあいだには、空気も、布も入りません。逆に頭が上がると、皮膚は後ろへ引かれて伸び、ひだは浅くなって、内側の面が表に出ます。同じ一本のシワが、数秒のあいだに閉じたり開いたりしています。

この作りは、この犬種が担っていた仕事から来ています。バセットハウンドは、地面に残ったにおいをたどるための体をしています。脚が短く、胴が長く、地面までの距離が近い。においを追っているあいだ、頭はほとんど下がったままです。散歩の30分は、そのまま顔のシワが深く閉じている30分でもあります。

閉じているあいだ、シワの中では2つのものが留まります。皮膚から出る皮脂と、呼気や外の空気が持ってくる湿りです。そこへ、短い被毛から抜けた毛が入り込みます。バセットハウンドの毛は短いので、抜けた1本が床へ落ちずにシワの内側へ入り、そのまま横になって残ることがあります。換毛期にシワの汚れの手ざわりが変わったと感じるのは、この毛が混ざるからです。

Noteシワが多い犬種だから汚れる、という話ではありません

バセットハウンドのシワは、地面に近い高さでにおいをたどるという仕事の中で、この犬種が持ってきた作りです。変えられないのはシワの数や深さのほうで、変えられるのは、そのシワがどの状態のときに手を入れるかです。汚れの話を「シワが多いから」で終わらせると、答えは拭く回数を増やすしかなくなります。動く、という前提に置きかえると、やることが1つ増えます。

拭く前に、頭の位置を決める|バセットハウンドのシワの汚れを落とす手順

ここからが手順です。手順の1番目は、布を用意することでも、シワを探すことでもありません。頭の位置を決めることです。バセットハウンドのシワは動くので、どの状態で触るかを先に決めておかないと、その日ごとに違う深さのものを拭くことになります。次の順で進めてください。

  1. 座らせて、顔が自分の胸の高さに来る位置に立つ

    床にしゃがんで上からのぞき込むと、その子は自然に頭を下げます。人が低い位置にいるほど、バセットハウンドの頭は下がります。椅子に座るか、その子をひと段高い場所に座らせて、顔と自分の目の高さを近づけてください。この一手だけで、シワの深さが変わります。

  2. あごの下に手を添えて、頭をわずかに上げてもらう

    持ち上げるのではなく、手のひらをあごの下に置いて、その子が自分でのせる形にします。上を向かせる必要はありません。水平よりほんの少し上、それで十分です。体格の割に頭が重い犬種なので、無理に上げた姿勢は長く続きません。数十秒だけ保てる角度を探してください。

  3. この姿勢のまま、シワの本数と場所を指で確かめる

    頭が上がっている状態でこそ、ひだの内側の面が表に出ます。額の横向きのひだ、目の下、口の横、あごの下。指の腹を当てて、どこが今日いちばん湿っているかを1か所だけ選んでください。全部を1回で拭こうとすると、姿勢を保てる時間を使い切ります。

  4. 選んだ1か所だけ、布の面を替えながら1方向に拭く

    やわらかい布を指に巻き、mofuwa スキンケアミストを布へ移して、ひだの内側へ沿わせます。往復させず、片方向に1回通したら、布の面を替えて次の1回。往復させると、いま外へ出したものを内側へ戻すことになります。バセットハウンドのシワは長いので、1本を2〜3区間に分けて考えると布の面が足ります。

  5. 拭いたあと、頭が上がったまま数十秒だけ置く

    拭き終えてすぐ頭を下げると、まだ湿っている面がその場で合わさって閉じます。おやつを目線の高さで見せる、名前を呼ぶなど、頭が上がっている時間をもう少しだけ伸ばしてください。この数十秒が、拭いた面が乾く時間になります。手順の中で、いちばん飛ばされやすいところです。

同じシワを、頭の位置を変えて触ったときの違い
頭が下がっているとき頭が上がっているとき
ひだの深さ深くなる浅くなる
内側の面合わさって閉じている表に出ている
布の届く範囲表面のふちまで内側の面まで
拭いたあとの乾き閉じたまま湿りが残る空気が通って乾いていく
その子の姿勢自分から取る自然な形こちらが作る、数十秒の形
向いている作業シワの外側の毛のブラッシングシワの汚れを拭くこと

この表の最後の行が、順番の意味を決めています。頭が下がっているときにできるのは、外側の被毛を整えることまでです。シワの汚れそのものに手を入れるなら、頭が上がっている数十秒を使うほうが確実です。バセットハウンドで拭いても拭いても変わらないと感じるとき、拭き方ではなく、この順番が入れ替わっていることがあります。

顔を上げてから、帰宅直後に、湿る季節に|家でできるバセットハウンドの3つの習慣

手順が決まったら、それを続く形にします。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしません。1回の中で決めることが1つ、1日の中で決めることが1つ、1年の中で決めることが1つ。決める単位をずらしてあるので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。

  1. 習慣1|1回の中で、布を持つ前に頭の位置を決める

    毎回、あごの下に手を添えるのが先で、布はそのあとです。順番を毎回考えないと決めてしまいます。頭が下がったままの顔に布を当てた日は、拭いたことにしない。これを決めておくと、閉じているシワの表面だけをこすって終わる回数がまとめて減ります。時間がない日は、1か所だけで構いません。順番は崩れていません。

  2. 習慣2|1日の中で、散歩から帰った直後を選ぶ

    においをたどっているあいだ、バセットハウンドの頭はほとんど下がっています。帰宅した瞬間は、シワがいちばん長く閉じていた直後です。玄関で足を拭くついでに、あごの下へ手を入れて、1本のシワだけ開いて見る。汚れていなければ何もしなくて構いません。見るだけで終わる日があるほうが、続きます。

  3. 習慣3|1年の中で、空気が湿る季節だけ乾く時間を数える

    梅雨から夏にかけては、拭いたあとの面が自然に乾くまでの時間が延びます。この時期だけ、拭き終えたあとに頭が上がっている時間を、数を数えて確保してください。10まで数えるだけでも違います。空気が乾く季節に戻ったら、数えるのはやめて構いません。1年じゅう同じ手数をかけようとすると、いちばん要る時期に息切れします。

3つの習慣は、決める単位を揃えていません
何を決めるか決める単位
習慣1布より先に、頭の位置を決める1回の中
習慣2散歩から帰った直後に1本だけ開く1日の中
習慣3拭いたあとに乾く時間を数える1年の中。湿る季節だけ

ここでつまずきやすいのが、顔を上げてもらえない日です。眠い、気分が乗らない、直前に叱られた。そういう日に、あごの下の手に力を入れて上げさせないでください。顔まわりは、一度いやな記憶がつくと次から手が近づいた時点で避けられるようになります。バセットハウンドのシワの汚れは1日で決着がつくものではないので、明日も触らせてもらえるほうを優先してください。

上げてもらえない日の代わりの手は、こうです。膝の上や横に来たときに、あごの下へ手のひらを差し入れて、そのまま置いておく。拭かずに、置くだけです。数日それを続けると、あごの下に手が来ることそのものが日常になります。そのうえで、機嫌のいい日に1本だけ開いて拭く。回数を戻すのは、そのあとで間に合います。

Cautionこすって落とす方向へ寄せないでください

シワの内側は、体の他の場所より皮膚が薄く、しかも面どうしが常に触れ合っています。汚れが取れないからといって、力を入れて往復させると、いま外へ出したものを内側へ押し戻すうえに、こすれた面のほうが荒れます。1回で落としきらなくて構いません。開いて、1方向に通して、乾かす。取れ残ったぶんは翌日にもう一度で足ります。においが急に強くなった、拭いた布に色がつくようになったというときは、回数を増やす前に次の章を読んでください。

洗う回数を増やす方向へも寄せないでください。バセットハウンドは体高が低く、顔が地面に近い犬種です。顔を濡らしたあと、シワの中まで乾かしきるには、体を洗うより長い時間がかかります。増やすなら、洗う回数ではなく、頭が上がっている数十秒のほうです。

シワの内側の面は、頭が上がっている数十秒のあいだしか表に出てきません。その数十秒に何を布へ移すかは、あごの下に手を添えている人が、その場で決めることになります。ここで使っているのが mofuwa スキンケアミストです。中身は電解水100%で、目のまわりにも口の横にも、同じ1本のまま当てられます。バセットハウンドの顔は、ふだんなら別々のものを用意する場所が、数センチ隣り合って並んでいる顔です。使える場所を選ばずに済むのは、中身が水だけであることの裏返しで、ひだが顔じゅうに分かれているこの犬種では、そこがそのまま手数の差になります。

布に含ませる量は、ひたひたにしない程度で足ります。ひだ1本を2〜3区間に分け、区間ごとに布の面を替えて1方向へ通してください。目の下のひだへ通すときも、口の横と同じ1本のままで構いません。通し終えたら、そのまま頭が上がった姿勢で10数える。空気が湿る季節に延ばすのは、拭く回数ではなく、この数える時間のほうです。

拭く頻度を上げても戻るバセットハウンドのシワの汚れは、深さの話ではありません

ここまでは、頭の位置でシワが動くという前提で説明のつく汚れの話でした。頭を上げてから拭いて、乾く時間も置いている。それでも同じシワが翌日には同じ状態に戻っているというときは、拭く頻度を上げる前に、別の見方をしてください。次のような変わり方は、毎日のケアの話として片づけないほうが安全です。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

シワの内側が赤い、じくじくしている、においの質が変わった、触ると痛がる、同じ場所をかき続けている、目のまわりが腫れて見える、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く頻度を上げる前に、動物病院にご相談ください。バセットハウンドのシワは頭が下がっているあいだ閉じているので、外から見えている面は全体の一部です。迷ったら早いほうを選んでください。

相談に行くときは、どのシワか、いつからか、拭いた布に何がついたかの3つを書き留めて持っていってください。この3つがあると、頭の位置とシワの開き方で説明のつく汚れなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いて整えてしまうと、もとの状態が分からなくなるので、そのまま連れて行くほうが助かります。

バセットハウンドと暮らすうえで、顔の皮膚がゆるいこと自体は変わりません。地面に近い高さでにおいをたどるために、この犬種が持ってきた作りだからです。減らせるのはシワの数ではなく、内側の面が閉じたまま湿っている時間のほうです。布を持つ前にあごの下へ手を添える。散歩から帰った直後に1本だけ開く。湿る季節だけ、乾く時間を数える。バセットハウンドのシワの汚れで動かせるのは、この頭の位置と時間の側です。

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よくある質問

バセットハウンドのシワは、毎日全部拭いたほうがいいですか?
毎日、全部でなくて構いません。頭を上げてもらえる時間は数十秒しか続かないので、その中で1か所を選ぶほうが確実です。今日は口の横、明日は目の下、と場所を分けて回してください。1周するのに数日かかっても、閉じたまま湿っている時間が短くなっていれば、そちらのほうが効いています。
拭いたあと、そのまま自然に乾かして問題ありませんか?
頭が上がった状態を数十秒保てているなら、空気が通るので自然に乾いていきます。問題になるのは、拭いてすぐ頭を下げてしまう場合です。まだ湿っている面がその場で合わさって閉じるので、拭く前より湿った時間が長くなることもあります。乾かすというより、閉じるのを少し待つ、と考えてください。
換毛期になると、シワの汚れの手ざわりが変わる気がします。
バセットハウンドの被毛は短いので、抜けた毛が床へ落ちずにシワの内側へ入り、そのまま残ることがあります。ざらつきを感じるときは、その毛が混ざっている場合があります。この時期だけ、顔まわりの被毛を先にブラッシングしてから拭く順番にすると、内側へ入る毛の量が変わります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。