C05犬種・猫種別ケア

エアデールテリアのケア|かゆがるしぐさを減らす3つの習慣

公開日 2025年1月21日|文=mofuwa編集部

明るい室内で、硬い毛の大きな犬が落ち着いて座っている
巻いた剛毛は地肌のすぐ上で支え合い、屋根のような空間をつくります。手を入れる場所は、その下です。

エアデールテリアが後ろ足で脇腹を掻いても、外側の毛はほとんど動きません。硬い剛毛がわずかに巻いていて、毛どうしが支え合っているからです。掻き終わったあとに毛を分けてみると、地肌のすぐ上に、指が1本入るくらいの空間ができています。エアデールテリアのかゆみを考えるときは、この空間を先に思い浮かべてください。屋根のように張った毛の下に、抜けた下毛も、細かいゴミも、湿った空気も留まります。掻く手も、ブラッシングの道具も、屋根の上で止まっています。この記事では、なぜそうなるかを先に書き、屋根を持ち上げてから見る手順を後に置きます。

巻いた剛毛が、地肌のすぐ上で屋根をつくる|エアデールテリアのかゆみが続く理由

エアデールテリアの背中の毛を1本つまんで、根元から毛先まで指で送ってみてください。まっすぐには進みません。ところどころで、ゆるい波のように曲がっています。この巻きが、隣の毛と引っかかり合って、毛の層を体から浮かせています。柴犬のようにまっすぐな毛が体に寝ている犬種では、毛はそのまま地肌の上に横たわります。エアデールテリアでは、毛が地肌から立ち上がったまま、上のほうでつながっています。

結果としてできるのが、地肌のすぐ上の空間です。毛を左右に開くと、指が1本入るくらいの高さがあります。ここは、体を守るための構造でもあります。エアデールテリアはヨークシャーのエア川のほとりで、水辺と農場を行き来する仕事をしてきました。濡れても、外側の屋根が張っているあいだは、地肌まで水が落ちてきません。雨と水に強い被毛は、この浮いた層があってこそ成り立ちます。

問題は、その屋根の下に何が留まるかです。抜けた下毛は、上へ出ようとしても巻いた剛毛に引っかかって出られません。散歩で拾った細かい土や草の粉も、屋根の下へ落ちて、そこで止まります。皮脂も同じです。入ってくるものは屋根をすり抜けるのに、出ていくものは屋根に引っかかる。エアデールテリアのかゆみが同じ場所で続くとき、この一方通行が背景にあることがあります。

屋根の下に留まるものと、そこで起きていること
屋根の下にあるものどこから来たか留まるとどうなるか
抜けた下毛体の内側から上へ出られず、面のようにまとまる
土・草の粉・細かいゴミ散歩中に上から落ちる地肌に接したまま動かない
皮脂地肌の側から留まった毛どうしをまとめる
湿った空気雨・水遊び・洗ったあと風が通らず、乾くまでの時間が伸びる

この4つが重なると、地肌に触れている面がずっと同じ状態のまま続きます。エアデールテリアが同じ場所を掻く、こすりつける、なめるというしぐさを見せるとき、犬のほうは屋根の下へ届こうとしています。けれど後ろ足の先も、屋根の上で止まります。掻いても届かないから、回数が増える。エアデールテリアのかゆがるしぐさが長く続くのは、届いていないからということがあります。

Note外から見て整っていることは、判断の材料になりません

エアデールテリアの剛毛は、屋根の下がどうなっていても、外側の見た目をほとんど変えません。艶があり、形も崩れず、触ると気持ちのいい硬さのままです。被毛の見た目は、地肌の状態を映していません。かゆみを考えるときに見る場所は、毛の表面ではなく、毛を分けて出した地肌のほうです。ここを取り違えると、手をかけているのに変わらないという時間が長くなります。

屋根を持ち上げてから見る|エアデールテリアのかゆみに毎日できる手順

ここからが手順です。順番に意味があります。道具を持つ前に、まず屋根を持ち上げます。持ち上げていない状態で道具を入れると、そのあと何をしても屋根の上をなぞることになります。毎日全身をやる必要はありません。1日1か所、線を1本開くだけで足ります。エアデールテリアは体が大きいので、全身を一度に回そうとすると続きません。

  1. 立たせたまま、毛の流れと直角に指を2本入れる

    撫でる向きではなく、差し込む向きです。指を入れてから、左右へゆっくり押し広げてください。巻いた毛どうしが引っかかっているので、勢いよく開くと引っぱることになります。開いた線に沿って、地肌が細長く見えます。この状態を作るところまでが、エアデールテリアでは第1歩です。

  2. 開いた線の地肌を、色と湿りで見る

    見るのは2つだけです。赤みがないか。指を当てて、湿っていないか。屋根の下は風が通らないので、洗った翌日でも湿ったままのことがあります。乾いていて色が変わっていなければ、その線は今日はここで終わりです。何も足さないでください。

  3. 留まっているものを、線に沿って外へ出す

    歯の細かい道具を、開いた線に沿って短く動かします。上から下へではなく、開いた線の中だけを、10cmほどの短い距離で。屋根の下に留まった抜け毛は、この動かし方で出てきます。長く滑らせると、道具は屋根の上に戻ります。ブラッシングの手ごたえは、ここでは目安になりません。

  4. 線を1本ずつ、隣へ移していく

    開いた線を閉じて、指2本ぶん隣に新しい線を開きます。背中の真ん中から始めて、脇腹、内股、前足の指のあいだの順です。1日3〜4本の線で構いません。エアデールテリアは面が広いので、1日で全部を開こうとすると、翌日から手が止まります。

  5. 最後に、開いた場所へ風を通す

    終わったら、その一帯を手のひらで軽くあおいで空気を入れ替えます。湿りが残っていた線は、ここで時間をかけてください。屋根の下は、放っておくと乾くまでに時間がかかります。洗った日はもちろん、雨の散歩の日も、この一手間で地肌に接している空気が変わります。

この手順は、かゆみが出ている日だけのものではありません。むしろ何も起きていない日にやっておくほうが役に立ちます。屋根の下がふだんどうなっているかを知らないと、変わったかどうかが分かりません。エアデールテリアの地肌は、外からは見えない場所です。見たことのある地肌が増えるほど、比べられるようになります。

Point家でできるのは、見ることと運び出すことまで

家でできるのは、屋根を持ち上げて地肌を見ること、そして留まっているものを外へ運び出すことの2つです。地肌の状態そのものを家で変えようとしないでください。塗る、こする、洗う回数を増やすといった手は、原因が分からないうちは方向が定まりません。エアデールテリアで家でできることの中心は、屋根の下を「見える状態にしておく」ことのほうにあります。

上から押すと屋根は下がる|エアデールテリアで手が空回りするときのコツ

手順どおりにやっているつもりで、いちばん起きやすいつまずきがあります。ブラシを上から強く押し当てることです。巻いた剛毛は、上から力を受けると横へ倒れて、屋根が下がります。下がった屋根は、留まっていたものを地肌に押しつけます。力を入れるほど地肌から遠ざかる、という逆の動きになります。エアデールテリアのかゆみで手が空回りするとき、原因はたいていここです。

コツは、力の向きを変えることです。押すのではなく、持ち上げる。滑らせるのではなく、開いた線の中だけを短く動かす。道具を持つ手にかける力は、毛を倒さない程度で十分です。手ごたえのなさに慣れるまでは物足りなく感じますが、屋根の下に届いているかどうかは、手ごたえではなく、出てきた抜け毛の量で分かります。

同じ動作でも、向きを変えると届く場所が変わります
空回りする形変えるところ何が変わるか
上から押し当てる指で開いてから、道具を入れる屋根が下がらず、道具が下へ入る
背中を端から端まで滑らせる10cmの線の中だけを往復する留まった抜け毛が外へ出てくる
毛の流れに沿って動かす流れと直角に線を開く巻きの支え合いがほどける
湿ったまま終わる最後に風を通す時間を作る地肌に接する空気が入れ替わる
Caution嫌がる場所に、力で入らないでください

屋根の下が見えないぶん、そこがどうなっているかは開くまで分かりません。指を入れた時点で体をよじる、声を出す、振り向くという反応があったら、その線はそこで止めてください。力で開くと、地肌に何かが起きている場所を直接こすることになります。開けなかった線は、翌日にもう一度、別の角度から試すほうが安全です。エアデールテリアは我慢強い子が多いので、小さな反応を見落とさないようにしてください。

エアデールテリアのかゆみを、どの頻度で見るか|3つの習慣の分け方

最後に、続けるための頻度の話をします。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしません。1日ごとに決めることが1つ、1週間ごとに決めることが1つ、季節ごとに決めることが1つ。頻度をずらしてあるので、忙しい週でも全部が同時に止まりません。エアデールテリアは体が大きく、面も広いので、この分け方が続くかどうかを左右します。

  1. 習慣1:毎日、線を3〜4本だけ開く

    毎日やるのはこれだけです。背中、脇腹、内股、前足の指のあいだから3〜4か所を選び、指で開いて地肌を見ます。全身は回しません。今日は開かなかった場所がある、という状態で終わって構いません。1日3分ほどで終わる量にしておくと、かゆがるしぐさが出ていない時期でも続きます。エアデールテリアの地肌は、続けて見ている人だけが変化に気づけます。

  2. 習慣2:週に1回、開く場所の地図をひと回りさせる

    毎日3〜4本だと、体の一部しか見ないまま週が終わることがあります。そこで週に1回、前の週に開いていない場所から順に、体を一周させる日を決めます。首の下、肘の内側、尾のつけ根、後ろ足の内側は、毎日の流れから外れやすい場所です。この日は時間を10分ほど取ってください。

  3. 習慣3:季節の変わり目に、湿度と洗う回数を見直す

    季節ごとに動かすのは環境の側です。梅雨と夏は屋根の下が乾きにくくなり、冬は室内の湿度が下がります。春と秋の2回、部屋の湿度を犬のいる高さで測って、洗う回数と乾かす時間を決め直してください。回数を増やす方向とは限りません。洗いすぎは地肌のうるおいを減らします。エアデールテリアでは、洗う回数より、洗ったあとに屋根の下が乾くまでの時間のほうが動かしやすい条件です。

3つの習慣は、決める単位を揃えていません
何を決めるか決める単位
習慣1今日どの線を開くか1日ごと
習慣2見ていない場所をどう埋めるか1週間ごと
習慣3湿度・洗う回数・乾かす時間季節ごと。年に2回

洗う日と洗う日のあいだをどう過ごすかも、この頻度の中に入ります。エアデールテリアは水辺の仕事をしてきた犬種で、被毛は汚れが留まりにくい作りです。そのぶん洗う間隔は空きます。その間に地肌へ触れるのは、屋根を開いたときの手だけです。掻いている後ろ足の先も、屋根の上で止まっています。屋根の下に留まるものの表を、もう一度見てください。抜けた下毛、土や草の粉、皮脂、湿った空気。ここに5つ目を足さないことが、地肌に置くものを選ぶときの条件になります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、8つの無添加です。香料も界面活性剤も入っていないので、屋根を閉じたあとに残るものが増えません。布に含ませて、開いた線に沿って地肌をなでてください。

皮膚の乾燥は、そのままにしておくと様々な皮膚トラブルの原因になります。従来のクリームやローションなどの保湿剤だとべたつきや気にして舐めてしまう子もいるため、電解水100%で舐めても安全なmofuwaスキンケアミストは日々のケアとしておすすめです。

近藤 竜太 先生/白金高輪動物病院 院長・獣医師(麻布大学卒/比較眼科学会所属)
東京都港区白金1-2-2 白金ザ・スカイ西棟1階
※実際にお使いいただいている獣医師のご感想です。本記事の監修を受けたものではありません。

使うときは、上から全体に吹きかけないでください。巻いた剛毛は上で支え合っているので、そのままでは屋根の上に留まります。布に含ませてから、指で開いた線の中だけに当てる。当てたあとは、その一帯に風を通して乾かします。屋根の下を湿らせたまま閉じると、いちばん避けたい条件をこちらから作ることになります。

Cautionこの変わり方は、動物病院にご相談ください

地肌の赤みが数日たっても引かない、じくじくしている、においがある、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、触ると痛がる、夜間に掻いて眠れていない、元気や食欲が落ちている。どれかが出ているときは、習慣1〜3の頻度を組み直すより先に、動物病院にご相談ください。エアデールテリアは屋根の下が外から見えないぶん、気づいたときには時間がたっていることがあります。開いた線で見えたことを1つでも持っていけるなら、その日のうちが早いです。

相談に行くときは、開いた線で見たことを1行だけ残して持っていってください。いつから、どの線で、赤みか湿りかゴミか。この3つがあると、屋根の下に留まったもので説明のつくかゆみなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに手入れをすると、留まっていたものが分からなくなります。気になる場所は、開かずにそのまま連れて行ってください。

エアデールテリアの巻いた剛毛は、水と天候の中で仕事をするための作りです。屋根が張っていること自体を変える必要はありません。変えられるのは、その屋根を1日に何回持ち上げるかのほうです。指で開く、地肌を見る、留まったものを短い距離で運び出す。エアデールテリアのかゆがるしぐさに家でできることは、この3つに収まります。

毎日3〜4本、週に1回のひと回り、季節ごとの見直し。頻度を分けておくと、かゆみが出ていない時期の記録が残ります。エアデールテリアで比べる材料になるのは、その記録です。

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よくある質問

エアデールテリアの毛は、毎日ブラッシングしたほうがいいですか?
毎日でも構いませんが、時間の長さより、指で毛を分けてから道具を入れているかどうかのほうが結果を変えます。上から滑らせるだけのブラッシングは、巻いた剛毛の上で止まります。1日3〜4か所、線を開いて短く動かすだけで足ります。全身を毎日回そうとすると続きません。
トリミングに出したあとは、家での手入れを休んでいいですか?
休まなくて構いません。剛毛の形を整えたあとも、地肌のすぐ上に空間ができる作りは変わらないからです。むしろ切ったあとは毛の長さがそろって、線を開きやすくなります。次のトリミングまでの数か月、屋根の下がどう変わったかを見る材料が作れます。
かゆがるしぐさが出たら、まず洗ったほうがいいですか?
洗う回数を増やす前に、指で毛を分けて地肌を見てください。屋根の下に抜け毛や土が留まっているだけなら、洗わずに運び出せます。洗いすぎは地肌のうるおいを減らし、乾くまでの時間も伸ばします。赤みやにおいがある、じくじくしているときは、洗う前に動物病院にご相談ください。

掲載しているご感想は個人の感想であり、効果を保証するものではありません。本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。気になる変化が続く場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。