C09シーン別・暮らし

夜勤・不規則な勤務を楽にする、大型犬と暮らす人の毎日の習慣

公開日 2025年1月11日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋の床で、体を伸ばして落ち着いている大きなクリーム色の犬
重い作業を軽くできないときは、置く回数のほうを分けます。写真:https://kaboompics.com//Pexels

夜勤明けの朝9時、玄関を開けたら35キロの大型犬が立って待っていました。不規則な勤務なので、前に散歩へ出たのは前日の21時です。12時間空いているぶん、着替える前にリードを持って、そのまま45分歩きました。冬の雨上がりで、帰ってきたときには腹まで濡れて、足の裏に土がついていました。玄関でしゃがんでペットのケアを始めて、終わったのが11時半です。不規則な勤務で大型犬と暮らしていると、この20分が毎回そこにあります。体重があるぶん持ち上がらず、面積が広いぶん時間がかかる。しかもそれが来るのは、人がいちばん眠い時刻です。この記事は、その20分をやめる話ではなく、ペットのケアを2つに割った記録です。

夜勤明けの朝に、45分の散歩と20分のケアが続けて来た|不規則な勤務と大型犬の経験

その週の勤務は、月曜が夜勤、火曜が明け休み、水曜が日勤、木曜がまた夜勤という並びでした。不規則な勤務では、同じ時刻に帰る日が週に2日もありません。朝9時に帰る日、夕方18時に帰る日、深夜1時に帰る日が、順番も決まらずに来ます。大型犬と暮らしていると、そのすべての日に45分の散歩がついてきます。

月曜の夜勤明けは、いちばんきつい形でした。帰宅が9時。着替えずにリードを持って外へ出ます。大型犬は待たせられる時間が短いわけではありませんが、待たせられる回数が少ない。1回の散歩が長いので、区切って何度も出すという形が取れません。45分歩いて、家に着いたのが10時前でした。

そこからが本番です。冬の雨上がりだったので、腹の毛が地肌まで濡れていました。前足の裏には土が詰まり、尾のつけ根に泥が跳ねています。玄関でしゃがんで、片足ずつ持ち上げて拭きました。体重があるので抱き上げて洗面所へ運ぶことはできません。台に乗せることもできません。人がしゃがんで、その子の高さまで下りるしかない。それを20分続けて、終わったのが11時半でした。

6つ全部をやり終えて寝床に入ったとき、次の夜勤まで9時間半でした。うち1時間半は、帰宅してから寝るまでに使っています。3日目の朝、玄関で拭いている途中に座り込みました。眠くて手が止まったというより、体が言うことを聞かなかった、という感じでした。そこで初めて、これは毎日のペットのケアの量の問題ではなく、置いている時刻の問題ではないかと考えました。

Note散歩の時刻は、この記事では動かしません

帰宅の時刻に合わせて散歩を出しているので、散歩を後ろへずらすという手はあります。ただ、大型犬は前の散歩から空いた時間がそのまま体に出ます。12時間空いたあとに、さらに数時間待たせる形は取れません。不規則な勤務では、次にいつ出られるかも約束できない。だからこの記事では、散歩の時刻はそのままにして、そのあとのペットのケアの置き方だけを変えます。

人の体力がいちばん低い時刻に、その日いちばん重い作業が来る|不規則な勤務で大型犬のケアが崩れる背景

夜勤明けの散歩は、その日いちばん体力を使う仕事です。35キロの犬とリードでつながって45分歩くというのは、それ自体が運動です。引かれれば踏ん張り、方向を変えれば体重が腕にかかります。日勤の人がこれを夕方にやるのと、夜勤明けの人が朝9時にやるのとでは、同じ45分でも残るものが違います。

人の体力は、一日の中で平らではありません。起きた直後と、寝る直前がいちばん低い。不規則な勤務では、散歩が置ける時刻が、ほぼその2つしかありません。夜勤明けなら「起きたまま12時間以上たった体」で、日勤の朝なら「起きた直後の体」で、深夜帰りなら「寝る直前の体」で歩くことになります。真ん中の時間帯は、たいてい勤務中です。

勤務のパターンごとに、散歩とペットのケアがどの体力で来るか
勤務散歩の時刻そのときの人の状態ケアに残っている余力
夜勤明け朝9時ごろ起きたまま14時間以上たっているほとんど残っていない
日勤の前朝6時ごろ起きた直後。体が動き出す前少ない。出勤の時刻も迫る
日勤の後夕方19時ごろ一日働いたあと。中くらい中くらい。この日はできる
遅番の後深夜1時ごろ寝る直前。判断も鈍っているほとんど残っていない
明け休みの日昼13時ごろ睡眠のあと。いちばん高い十分ある。ただし週に1〜2日

表を作って分かったのは、余力が中くらい以上ある日は、週のうち2日か3日しかないということでした。残りの4日か5日は、体力の底で45分歩いて、そこから20分のケアに入っています。不規則な勤務で大型犬と暮らす人がペットのケアを続けられないのは、やる気の問題ではなく、この配置の問題です。

大型犬の側の条件も足しておきます。拭く面積が、小型の子の3倍から4倍あります。腹だけで両手を広げたくらいの面積があり、そこを下から拭くには、人がしゃがんだまま姿勢を保たなければなりません。持ち上げられないので、台の上でやるという逃げ道がない。ペットのケアの手順そのものは同じでも、かかる時間と姿勢の負担が別物になります。

同じ帰宅後のケアでも、大型犬だと何が変わるか
項目変わることその結果
拭く面積腹・背・脚で3〜4倍同じ手順でも時間が3倍かかる
姿勢抱き上げられない。台にも乗せられない人がしゃがんだ姿勢を20分保つ
被毛の量ブラシを通す本数が多い全身を1回通すだけで5分以上
乾く速さ地肌まで濡れると数時間戻らない濡れたぶんは後回しにできない
皮膚を見る時間見る面積が広い毎日ざっと見るだけで数分
その子の耐えられる時間長く立たせると自分から動く20分を一続きにすると途中で崩れる

最後の行が、この記事の入口になりました。20分を一続きにすると、人だけでなくその子も持ちません。大型犬は立っている時間が長くなると、途中で座り、寝そべり、体の向きを変えます。向きが変わると、拭き終わった面がまた床につきます。体力の底にいる人が、動く35キロを追いかけることになる。不規則な勤務のせいで崩れているように見えて、実際には20分という長さのほうが先に崩れていました。

帰宅後の1回を、2回に割る|不規則な勤務でも大型犬のペットのケアが続く理由

やったのは、20分を5分と10分に割ることだけです。玄関でやるのは5分。残りは起きてからに回します。合計は15分なので、総量はむしろ減りました。減らせたのは、追いかけ直しがなくなったぶんです。ペットのケアを減らしたわけではありません。

割る線をどこに引くかが、この記事のいちばん大事なところです。基準は1つで、時間が経つと戻せなくなるものだけを、その場でやる。濡れと泥は、そのまま数時間置くと、毛が固まったり地肌に張りついたりして、あとから同じ手間では取れません。一方で、被毛を整えることと皮膚を見ることは、3時間ずれても内容が変わりません。

その場でやるものと、起きてからに回すもの
内容そう分ける根拠
その場(5分)足の裏4本土が乾いて指のあいだで固まると、取るのに倍かかります
その場(5分)腹と胸の濡れている面地肌まで濡れたままだと、乾く前に毛が寝て絡みます
その場(5分)尾のつけ根の泥床と寝床に運ばれる場所です。ここで止めます
あと(10分)被毛の全体にブラシを通す数時間ずれても、やることも量も変わりません
あと(10分)耳の外側を一往復外で触れたものは乾いています。急ぎません
あと(10分)皮膚をひととおり見る眠い目で見ても見落とすだけです
やらない夜勤明けに洗うこと大型犬は乾かしきるのに時間がかかり、睡眠を削ります

その場の5分を成立させるには、道具の置き場所を変える必要がありました。洗面所まで取りに行った時点で、5分では終わりません。玄関に、5分ぶんの道具だけを置きます。乾いた布を数枚と、布を湿らせるための水を入れた容器。それ以外は置きません。置くものを増やすと、体力の底にいる人がその中から選ぶことになります。

  1. 玄関に上がる前に、その子を座らせる(30秒)

    大型犬は立ったままだと途中で歩き出します。座らせてから始めると、前足2本が先に手の届く高さに来ます。座らせるのは落ち着かせるためではなく、面を固定するためです。

  2. 前足2本、後ろ足2本の順に、足の裏だけ(2分)

    指のあいだに土が入っていたら、布を湿らせて一度で拭きます。乾いた布でこすると、その子が足を引きます。1本あたり30秒で切り上げてください。完璧に取りきるのは、起きてからでも間に合います。

  3. 腹の濡れている面を、押さえるように拭く(2分)

    こすらず、布を当てて水を移すだけにします。大型犬の腹は面積が広いので、こすり始めると終わりません。目的は、地肌まで届いた水を減らすことだけです。

  4. 尾のつけ根の泥を落として、終わり(30秒)

    ここで立ち上がります。被毛にブラシを通したくなりますが、通しません。通し始めると、そこから10分が戻ってきます。玄関に置く道具にブラシを含めていないのは、そのためです。

残りの10分は、起きてからです。時刻は決めません。目が覚めて、何か食べて、体が動くようになってからという置き方にしています。不規則な勤務では、起きる時刻自体が毎日ずれるので、時計で決めると守れません。決めているのは順番だけです。ごはんのあと、次に何かをする前に、その10分を入れます。

10分のほうは、床に座ってやります。その子を伏せさせて、人も床に座ると、大型犬の背中がちょうど膝の高さに来ます。しゃがんだ姿勢を保つ必要がなくなるので、体への負担が別物になります。被毛にブラシを通し、耳の外側を一往復し、皮膚をひととおり見る。休みの日にしかできなかったペットのケアが、勤務のある日にも入るようになりました。

洗う日のことも、同じ考え方で決めました。35キロの体で、背中の真ん中と腰のあたりは、その子の口も足も届きません。面積が広いぶん、届かない範囲もそのまま広く残ります。ここは人が代わるしかない場所です。使っているのは mofuwa 入浴シャンプー で、お湯に溶かして、浸かるだけの形にしています。被毛をかき分けて泡を届かせるのではなく、湯そのものが洗浄液になるので、大型犬の厚い毛でも擦らずに地肌まで届きます。この記事でずっと数えてきたのは、人がしゃがんだ姿勢を保っていられる長さでした。擦る手が要らず、すすぎも軽く済むぶん、その姿勢の時間がいちばん短く済みます。置く日は、余力がいちばん高い明け休みの1日に固定しました。夜勤明けの朝には置きません。乾かしきるまでの時間が、そのまま睡眠から引かれるからです。不規則な勤務では、洗う日を曜日ではなく勤務の並びで決めるほうが守れます。

3週間ぶんの勤務表に書き込んで出た変化

3週間、勤務表の余白に2つだけ書きました。玄関で使った分数と、起きてからの10分をやったかどうか。数字にしてみると、変わったのは総量ではなく、抜けた日の数でした。不規則な勤務のもとで毎日のペットのケアが崩れるとき、たいていは量ではなく回数が落ちています。

1回でやっていた3週間と、2回に割った3週間
1回でやっていた頃2回に割ったあと
帰宅から寝るまで平均92分平均71分
玄関で使った時間平均18分平均5分
起きてからのケアしていない平均9分
まったくやらなかった日21日のうち7日21日のうち1日
途中で中断した日21日のうち6日0日
ブラシを通した日21日のうち9日21日のうち20日

いちばん動いたのは「まったくやらなかった日」です。7日から1日になりました。1回でやろうとしていた頃は、20分ぶんの体力がない日は、丸ごと0になっていました。5分と10分に割ってあると、体力がない日でも5分のほうは残ります。0にならないというのは、大型犬のように面積が広い子と暮らしていると、次の日にはっきり効いてきます。

起きてからの10分には、思っていなかった役割がありました。面積が広い体は、皮膚の変化に気づくのが遅れます。眠い目で20分やっていた頃は、拭くことに手を使っていて、見ることに目を使えていませんでした。座ってブラシを通しながら見ると、脇の下や内股のような、しゃがんだ姿勢では届かない場所まで目が行きます。ペットのケアと観察を、同じ10分の中で分けずに済むようになりました。

被毛のほうにも差が出ました。冬の雨上がりに濡れたまま乾かすと、毛が寝て絡みます。玄関で水を押さえ、数時間後にブラシを通すという順番だと、乾いてからほぐすことになるので、引っかかりが少なくなりました。同じ2つの作業でも、間に数時間を挟んだほうが結果がよかったというのは、割ってみるまで分かりませんでした。

Caution起きてからの10分で見つかった変化は、動物病院にご相談ください

10分のほうを観察の時間として使うと、これまで気づけなかったものが出てきます。同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、脱毛がある、触ると嫌がる場所が増えた、耳を振る回数が増えた、左右で毛の量が違う。大型犬は面積が広いぶん、こうした変化が広がってから気づくことになりがちです。拭き取りやブラッシングの回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。勤務表の余白に書いた日付があると、いつからかを伝えられます。不規則な勤務で受診の予定を立てにくいときは、明け休みの日を先に確保しておくと動きやすくなります。

最後に、変えられなかったことを書いておきます。不規則な勤務は変えられませんでした。夜勤の翌週は日勤で、その次はまた夜勤です。大型犬の体重も変えられません。35キロは35キロのままで、抱き上げられる日は来ません。散歩の45分も減らせませんでした。減らすとその子の側に無理が出ます。

変えられたのは、1回を2回に割ることだけでした。重い作業を軽くできないなら、置く回数を分けるという手が残っています。不規則な勤務で大型犬と暮らしている人は、たいてい「まとめてやる」という方向で工夫しています。まとめるほど、体力の底に置かれる塊が大きくなります。塊を割ると、体力のない日でも半分は残る。毎日のペットのケアが続くかどうかは、その半分が残るかどうかで決まっていました。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。