C05犬種・猫種別ケア
ゴードンセッターのケア|毛のパサつきを減らす3つの習慣
ゴードンセッターの胸の飾り毛を、下からそっと持ち上げてみてください。指に乗ってくるのは、数十本がひとかたまりになった細い束です。その束が、そのままの形で垂れています。艶があるように見える日は、この束の輪郭がはっきりしている日です。毛のパサつきが見えてくるのは、この束がばらけたときです。束がほどけると、1本ずつが別の向きを向いて、当たった光があちこちへ散ります。同じ毛なのに、白っぽく、乾いて見える。毛先そのものは何も変わっていないこともあります。この記事では、まずゴードンセッターの毛がなぜ束になるのかを書いて、そのあとで「1本ではなく束を見る」手順と、毎日できる習慣の順に進みます。
毛は1本ずつでは垂れていません|ゴードンセッターの毛がパサついて見える順番
ゴードンセッターの被毛は、体の上側では短くなめらかに寝ていて、耳、胸、腹の下、前肢と後肢の後ろ、尾に長い飾り毛がつきます。この飾り毛は、まっすぐか、ゆるく波打った質で、自分の重さで真下へ垂れます。そのとき、毛は1本ずつばらばらに垂れているのではありません。隣り合った数十本が寄り添って、細い束の形にまとまって垂れています。
束にまとまるのは、毛が長く、細く、地肌からのうるおいと皮脂が毛の表面に薄く回っているからです。うるおいが毛どうしを軽く寄せていて、その寄りが束の形を保っています。ゴードンセッターの飾り毛が濡れたときに、束の輪郭がいっそうはっきりするのは、同じ理由です。乾いていく途中で、束はいったんゆるみ、乾ききると元の太さに戻ります。
ここからが本題です。艶に見えるかどうかは、毛の1本ずつの状態ではなく、束が保たれているかどうかで決まります。束がそろっていると、毛の表面が同じ向きに並ぶので、当たった光は一方向へまとまって返ります。これが、飾り毛が流れるように光って見える状態です。束がばらけると、1本ずつが違う向きを向くので、光は散ります。散った光は、白っぽい、乾いた印象として目に届きます。
つまり、ゴードンセッターの毛のパサつきには順番があります。先にうるおいや静電気の条件が動き、次に束がゆるみ、最後にパサつきとして見えてきます。私たちが気づくのは、いつもいちばん最後の段階です。1本の毛先だけを見て傷みを探しても、原因の側には届きません。見るべきなのは、毛先ではなく束の輪郭のほうです。
| 段階 | 毛に起きていること | 外からどう見えるか |
|---|---|---|
| 1. 条件が動く | 空気が乾く、静電気が起きる、皮脂が減る | まだ変わって見えません |
| 2. 束がゆるむ | 寄っていた毛どうしの間に隙間ができる | 束が少し太く見えます |
| 3. 束がばらける | 1本ずつが別の向きを向き始める | 毛の流れが乱れて見えます |
| 4. 光が散る | 表面の向きがそろわず、反射がまとまらない | 白っぽく、パサついて見えます |
ゴードンセッターの毛のパサつきを見つけると、まず毛先を疑いたくなります。けれど、束がばらけているだけで、1本ずつは何も変わっていないという状態がよくあります。この場合、毛先を切っても見え方は戻りません。戻すのは束の側です。逆に言えば、束がそろい直せば、その日のうちに見え方が変わることもあります。
1本ではなく束を見る|ゴードンセッターの毛を確かめる4つの手順
ここからが確かめ方です。目で毛先を探すのをやめて、指で束をつかむところから始めます。その子を立たせたまま、片手で体を支えて、もう片方の手だけで進めてください。全身は要りません。胸、前肢の後ろ、後肢の後ろ、尾の4か所のうち、今日はひとつで足ります。
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飾り毛を下から持ち上げて、束のまま指に乗せる
つまむのではなく、手のひらを下から差し入れて、垂れている毛をそのまま乗せます。指に乗った束が、いくつの塊に分かれているかを見てください。太い束がはっきり分かれているなら、そこは保たれています。全体がふわっと広がって、境目が見えないなら、束はほどけています。
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束の根元に指を1本入れて、動く範囲を見る
束の根元、地肌に近いところへ指を差し込みます。指がすっと入って、束が根元からひとまとまりで動くなら、そこはまだ束のままです。指を入れた瞬間に毛が四方へ散るなら、根元の側からばらけています。ゴードンセッターの毛のパサつきは、この根元側から始まることが多い。
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束を1つだけ、毛先まで指で送る
毛先へ向かって、指の腹で束をなぞります。途中で束が2つ3つに割れるなら、割れた場所がその日の境目です。割れた場所より先だけが乾いているのか、根元から乾いているのかで、次にやることが変わります。先だけなら道具の話、根元からなら環境の話です。
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束を離して、落ちる速さを見る
持ち上げた手を静かに開いて、束が体に沿って落ちるのを見ます。まとまったまま、すっと元の位置へ戻るなら、束は生きています。広がりながらゆっくり落ちる、途中で他の毛に引っかかるなら、束はほどけています。静電気の出ている日は、落ちきらずに体から浮くこともあります。
| 確かめたこと | その日にやること |
|---|---|
| 束の境目がはっきりしている | その場所は今日はやらなくて構いません |
| 毛先の側だけ束が割れている | 毛先から根元へ向かって、道具を短く入れる |
| 根元から散る、指を入れると広がる | 先にうるおいを補ってから、束をそろえ直す |
| 体から浮く、落ちきらない | 静電気の側から見る。部屋の湿度と道具の素材 |
| 束の中に、抜け毛や外のものが入っている | 束を割らずに、入っているものだけ抜き取る |
大型で、被毛の色が濃いぶん、離れた場所からは光の返り方の差が見えにくい犬種です。パサつきに気づく時点が遅れるのは、目が悪いからではなく、色と大きさのせいです。抱き寄せたついでに胸の飾り毛を1束だけ持ち上げる、と決めてしまうと、思い出さなくても回ります。1束で足ります。全身を見ようとすると続きません。
束をそろえ直す3つの習慣|ゴードンセッターの毛に毎日できること
毎日の話に入ります。3つ並べますが、毎日の分はそのうち1つだけです。1回のケアの中で決めることが1つ、部屋の側で決めることが1つ、1年の中で決めることが1つ。決める単位をわざとずらしてあるので、忙しい週に3つとも途切れることはありません。ゴードンセッターの毛のパサつきに毎日できるのは、この3つです。
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習慣1:束を割らない向きに、道具を動かす
飾り毛に道具を入れるとき、束を横切る向きに動かすと、そのたびに束が割れます。束の垂れている向きに沿って、上から下へ、短く動かしてください。1回のストロークを長くしないこと。長く引くほど、途中で束が分かれます。根元から毛先まで一気に通すのは、体の上側の短い毛だけにして、飾り毛は10センチずつ区切って進めます。毎日やるのはここまでで足ります。
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習慣2:部屋の側で、静電気の起きる条件を減らす
束をばらけさせるいちばん身近な力が静電気です。空気が乾いた日、毛は互いに反発して、束の形を保てなくなります。湿度を上げる、寝床の敷物を替える、道具の素材を見直す。この3つは、その子に触らずにできます。ゴードンセッターの毛は長いので、静電気が起きたときに動く範囲も大きい。部屋の側を1つ変えるだけで、翌日の束の見え方が変わることがあります。
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習慣3:換毛期だけ、束の中から抜け毛を出す回数を増やす
春と秋、抜けた毛は束の中に留まります。留まった毛は束の内側で向きが合わないので、外から見ると束がゆるんだように見えます。この時期だけ、束を持ち上げて指で根元をほぐし、内側の抜け毛を外へ出す作業を足してください。ふだんは週に1〜2回で足ります。換毛期は1日1か所でいいので、毎日どこかでやる。時期が終わったら、回数も戻します。
| 何を決めるか | 決める単位 | |
|---|---|---|
| 習慣1 | 束を割らない向きと、ストロークの長さ | 1回のケアの中 |
| 習慣2 | 静電気の起きにくい条件。湿度・敷物・道具の素材 | 部屋の側。触らずにできる |
| 習慣3 | 束の内側から抜け毛を出す回数 | 1年の中。換毛期だけ |
うるおいの扱いについても書いておきます。束を寄せているのは毛の表面のうるおいなので、洗う回数を増やす方向へ寄せないでください。洗う回数が増えると、束を寄せていたぶんまで一緒に流れます。ゴードンセッターは体が大きく、飾り毛の量もあるので、乾かしきるまでの時間も長くなります。乾ききらないまま束が固まると、そこから毛どうしが絡みます。パサつきが気になるときにまず動かすのは、洗う回数ではなく、部屋の湿度と道具の当て方のほうです。
散ってしまった束へ、上から強く道具を入れると、束が戻る前に、生えている毛と皮膚を一緒に引っぱることになります。束は1回でそろえきらなくて構いません。うるおいを補って、10センチずつ区切って、下へ移していく。体をひねる、声が出る。そのどちらかが出たら、その区画で切り上げてください。翌日にもう1区画進めるほうが、結果として早く終わります。
ここで手に取るのが、mofuwa のグルーミングスプレーです。洗う日はモイストシャンプー、その間の日はグルーミングスプレー、という分け方にすると、乾かしきるまでに時間のかかるこの犬種でも、束に手を入れる日を毎日つくれます。布に含ませて、胸や後肢の後ろのように飾り毛の長い場所を、束の垂れている向きに沿ってなでるように拭いてください。表面の滑りがそろってから道具を入れると、10センチの区切りごとに束がまとまり直していきます。清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、口の届く胸の飾り毛にも量を気にせず使えます。ばらけた束へ直接吹きかけて、そのまま置かないでください。
束が戻らないゴードンセッターの毛|やり方を変える前に確かめること
3つの習慣を続けても、束がそろわないことがあります。そのときにまずやりたくなるのが、道具を替えることです。ただ、道具ややり方を替える前に確かめてほしいことが、いくつかあります。束のばらけは結果なので、原因が毛の外側にあると、道具をいくつ替えても同じところへ戻ります。
- 季節と合っているか:換毛期に束がゆるむのは、内側に抜け毛が留まっているだけのことがあります
- 特定の場所だけか:ハーネスや首輪の当たる場所、寝床に接している面だけなら、当たっているもののほうを見てください
- 左右で違わないか:横になる向きが偏っていると、下にしている側の束だけが先にばらけます
- その場所を気にしていないか:なめる、かく、床にこすりつける。束より先に、皮膚のほうを見てください
- 束を開いた地肌が赤い、においがある:湿った状態が続いた結果として起こることがあります
- 全身の毛が同時に変わっていないか:飾り毛だけでなく体の上側の毛も同時に変わったときは、部屋の条件では説明がつきません
とくに最後の1つは大事です。束のばらけが飾り毛だけで起きているなら、道具と部屋の話で説明がつきます。けれど、体の上側の短い毛まで同時にパサついてきた、地肌の見え方が変わった、というときは、毎日のケアの範囲ではありません。ゴードンセッターは色が濃く体も大きいので、全身の変化ほど気づくのが遅れます。
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、飲む水の量や元気・食欲が変わっている。ひとつでも当てはまるなら、4か所の束を確かめ続ける前に、動物病院にご相談ください。毛の見え方の変化が全身で同時に進んでいるときも、毛の話として片づけずに相談してみてください。気づいた日と、その日に触った区画を書いておくと、相談が短く済みます。
相談やトリミングの前には、束がばらけている場所、いつからか、その場所が体の何に触れているかの3つをメモしてください。この3つがあると、飾り毛の束の話なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。そろえきれなかった場所は、無理に触らずそのまま連れて行ってください。前の晩に念入りにそろえてしまうと、束がどこから割れていたのかが伝わりません。
ゴードンセッターの飾り毛が長く垂れること自体は、変えられません。長い毛が体の下側と後ろ側を覆うのは、この犬種がずっと持ってきた作りだからです。変えられるのは、束がばらけたまま置かれている時間のほうです。毛は1本ずつでは垂れていない、という一点だけ覚えておいてください。今日は毛先ではなく束を見る。ゴードンセッターの毛のパサつきで動かせるのは、そこです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- ゴードンセッターの毛先を切れば、パサつきは目立たなくなりますか?
- 毛先の状態ではなく束のばらけとして出ているときは、切っても見え方はあまり変わりません。まず、飾り毛を下から持ち上げて、束の境目がはっきりしているかを見てください。境目が消えているなら、切る前にうるおいと静電気の条件を見直すほうが先です。切るかどうかは、そのあとで判断できます。
- ブラッシングの回数を増やせば、束はそろいますか?
- 回数より、動かす向きと1回の長さのほうが効きます。束を横切る向きに長く引くと、通すたびに束が割れます。束の垂れている向きに沿って、10センチずつ区切って短く動かしてください。同じ回数でも、束の残り方が変わります。
- 冬だけ毛が広がって見えるのはなぜですか?
- 空気が乾いて静電気が起きると、毛どうしが反発して束の形を保てなくなるためです。この時期は、その子に触る前にできることのほうが多くあります。部屋の湿度を上げる、寝床の敷物を替える、道具の素材を見直す。3つとも束のばらけ方に関わります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
