C04悩み解決
季節の変わり目に背中のベタつきが増えるのは、なぜか
10月の朝、背中の毛の根元だけが数本ずつ束になっていて、その日の昼には束がほどけ、背中全体がしっとりしていました。同じ日の、同じ子です。ベタつきが季節の変わり目に増えるように見えるのは、温度で皮脂の硬さが動くからです。量そのものは、そこまで変わっていません。夏はやわらかくなって広く薄く、冬は固まって狭く濃く出ます。この記事では、夏型と冬型の見分け方と、季節ごとの手順の使い分けを並べます。
同じ量の皮脂でも、夏と冬では出方が違う
皮脂は、温度で状態が変わるものです。夏はその子の体温と気温であたためられ、やわらかくなって毛に沿って広がります。冬は固まり、毛の根元に留まります。出てくる量が同じでも、やわらかければ広く薄く、固ければ狭く濃く見えます。季節でベタつきが増えるように感じるのは、この違いが正体です。
手ざわりにすると、はっきり分かれます。夏型は背中から腰まで全体がしっとりして、指がすべります。冬型は背中の一部だけがざらついて、指が引っかかります。面で感じるのが夏型、点で感じるのが冬型です。
見た目にも違いが出ます。夏型は被毛が寝て、光がべたっと返ります。冬型は毛が数本ずつまとまり、根元が白く見えるので、フケと間違われることがあります。冬に「フケが増えた」と感じたとき、実際には固まった皮脂が毛の根元を束ねているだけ、ということがあります。
皮脂の量は、その子の年齢や体質、洗う頻度のほうに強く引かれます。季節で先に動くのは、量ではなく硬さのほうです。だから「夏だから皮脂が増える」と考えてケアを足すと、量は変わっていないのに手数だけが増えます。まず、いまのベタつきが夏型なのか冬型なのかを確かめてください。
手のひらに1分おいて確かめる、夏型と冬型の見分け方
見分け方は、触ったあとの手のひらで決めます。皮膚に何かをするわけではないので、その子が嫌がる場面もありません。所要は1分半ほどです。
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背中の被毛をかき分け、指の腹を地肌に5秒当てる
肩甲骨のうしろから腰までのあいだで、いちばんベタつきを感じる場所を選びます。こすらず、当てて待つだけです。力を入れると皮膚が動いて、皮脂が広がってしまいます。
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指についたものを、手のひらに移す
反対の手のひらの真ん中に、指を1回だけ押しつけます。伸ばさないでください。伸ばしてしまうと、このあとの1分で何も分からなくなります。
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そのまま1分おく
手のひらは体温で温かいので、皮脂の状態がいちばん出ます。時計を見て1分待ちます。この1分が、夏型と冬型を分ける唯一の手順です。
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1分後、指で軽く押して確かめる
薄く伸びて広がるなら夏型。固まって残り、押すと粒になるなら冬型です。どちらとも言えないときは、翌朝と翌昼にもう一度やってください。季節の変わり目は、日によって答えが変わります。
紙やティッシュの上でやると、温度が室温まで下がってしまい、夏型でも固まったように見えます。手のひらは、その子の体の上と近い温度です。体の上でどうなっているかを知りたいので、温度の近いところで見ます。
季節の変わり目に、ベタつきが増えるように感じる理由
夏型と冬型を並べると、ベタつきが季節で増えるように感じる理由が見えてきます。
| 見るところ | 夏型(やわらかい皮脂) | 冬型(固い皮脂) |
|---|---|---|
| 出る範囲 | 背中から腰まで、広く薄く | 背中の一部に、狭く濃く |
| 触った感じ | しっとりして、指がすべる | ざらついて、指が引っかかる |
| 被毛の見え方 | 毛が寝て、光がべたっと返る | 毛が数本ずつ束になる |
| 根元の見え方 | 地肌までしっとりしている | 白っぽく見え、フケと間違われる |
| においの出方 | 広い範囲から、弱く | 狭い範囲から、強く |
| 手のひらで1分後 | 薄く伸びて広がる | 固まって残り、押すと粒になる |
| やること | 広い範囲を、軽く、回数を分ける | 狭い範囲を、温めてから動かす |
季節の変わり目に「増えた」と感じるのは、1日のうちに夏型と冬型が入れ替わるからです。10月や4月は、朝の室温と昼の室温が10度近く離れます。朝は冬型で毛の根元が束になり、昼には夏型になって背中全体がしっとりする。同じ子の、同じ皮脂です。それでも、朝と昼で違うベタつきを触ることになるので、量が増えたように感じます。
つまり、季節の変わり目にベタつきが増えるように見えるのは、触るたびに出方が違うからです。真夏や真冬は、1日を通してどちらかに寄るので「いつもの状態」として受け止められます。「春と秋にベタつきが増える」という言い方をよく聞きますが、増えるのは実際の量ではなく、手が受け取る感触の種類のほうです。
夏型と冬型で、ケアの手順を使い分ける
やることは、夏型と冬型で逆になります。夏型は広い範囲を軽く、冬型は狭い範囲を温めてから動かす。使い分けを間違えると、手数をかけたのにベタつきが残ります。
夏型の日にやること。皮脂がやわらかく広がっているので、1か所に力をかける必要はありません。乾いた布を手に巻き、背中から腰へ一方向に、毛先を握るようにして通します。往復させないでください。そのあとブラッシングで被毛の流れをそろえると、地肌に風が通って、次に出た皮脂が広がりやすくなります。夏型は、1日2回に分けて短くやるほうが楽です。1回で全部取ろうとすると、力が入って地肌が赤くなります。
冬型の日にやること。固まった皮脂は、そのまま拭いても布に移りません。先に温めます。蒸しタオルを背中に30秒当てて、外したらすぐ指の腹で毛の根元を左右に動かします。束をほどく動きです。ほどけたところを乾いた布で受け、最後にブラッシングをします。ブラシを先に入れると、固まったまま毛ごと引っぱることになります。順番は、温める、動かす、受ける、ブラッシング。この4つです。
| 時期 | 多い型 | 毎日のケアの組み立て |
|---|---|---|
| 7〜8月 | 夏型 | 広い範囲を軽く。朝と夜に1回ずつ、短く分ける |
| 9〜10月 | 朝は冬型、昼は夏型 | 朝は温めてから、夜は広く軽く。触った時間で決める |
| 12〜2月 | 冬型 | 蒸しタオルで温めてから、狭い範囲を動かす |
| 3〜5月 | 朝は冬型、昼は夏型 | 同上。加えて換毛で抜けた毛を先に取り除く |
ベタつきが増えると感じたとき、家庭でいちばん多い動きがシャンプーの回数を増やすことです。ただ、洗うほど地肌は乾き、その乾きを補うために出る皮脂が増えることがあります。洗えばベタつきがなくなりますとはいきません。季節で変わったのは硬さなので、動かす手順のほうを変えてください。洗う回数は、季節にかかわらず同じで構いません。
洗う回数が季節で変わらないなら、季節で変わるのは洗う日の中身のほうです。冬型の日は、固まった皮脂を落とそうとして泡を長く置きがちになります。背中は一枚の広い面なので、流す順番を決めずに上から湯をかけると、腰のあたりに泡が残ります。残った洗浄成分は、乾いたあとの地肌に触れたままになる。ベタつきが引かないので二度洗いした、という日ほど、この残り方をします。
トリートメントで戻す工程が要らないのは、mofuwa モイストシャンプーがアミノ酸系の洗浄成分を減らして組んであるからです。落としすぎなければ、洗い上がりのごわつきも出ません。工程が1つ減るということは、流す回数も1回ぶん減るということです。季節の変わり目に手順を組み替えている家では、この1回ぶんがそのまま手数の差になります。
湯は37〜38℃です。冬型の日ほど熱くしたくなりますが、熱い湯で流すと、その日のうちに乾きのほうが進みます。温めるのは湯ではなく、洗う前の蒸しタオルの30秒に割り当ててください。泡は毛の根元まで入れて、流すときは拭くときと同じ背中から腰への向きにそろえます。夏型の日と冬型の日で変えるのは、この流す前の30秒があるかどうかだけです。
季節では説明がつかないときの、次の一手の選び方
夏型と冬型で手順を使い分けても、ベタつきが引かないことがあります。そのときは、季節の話から離れてください。季節で動くのは硬さだけなので、次のような変化は、別の理由を探す合図になります。
- 体の左右で違う:季節は体の片側だけに当たるものではありません。片側だけベタつくなら、寝る向きか、皮膚の側の理由です
- 背中以外にも広がった:内股、脇の下、しっぽの付け根まで同じ手ざわりになったとき
- 地肌が赤い、フケのように見えるものが厚い:束ねられた毛ではなく、地肌からはがれているとき
- においの質が変わった:皮脂のにおいから、すっぱい・生ぐさいに変わったとき
- 同じ場所の毛が減ってきた:ベタつきと一緒に被毛が薄くなっているとき
- 2週間、使い分けても同じ:夏型の日も冬型の日もやり方を合わせて、それでも変わらないとき
これらに当てはまるときは、自己判断でケアを足さずに動物病院にご相談ください。相談の前に、この記事の見分け方でやった1分の結果を書いておくと役に立ちます。「手のひらで1分おいたら、固まって残った」「薄く伸びた」という一言は、家でしか取れない情報です。あわせて、いつから、どの範囲か、洗った回数、部屋の温度を書き添えてください。
夏型と冬型の見分けは、季節が一巡すると、その家の型として残ります。手のひらに1分おく作業を、来年の同じ月にもう一度やってみてください。去年の10月に固まって残ったものが、今年は薄く伸びる。その差が出たときにはじめて、動いたのが部屋の温度なのか、その子の年齢なのかを考えはじめられます。1分を続けていると、季節の変わり目にベタつきが増えるかどうかを、その日の感触ではなく記録のほうで言えるようになります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 夏型と冬型が、朝と昼で入れ替わります。どちらに合わせればいいですか?
- 触った時間の型に合わせてください。朝に束になっているなら温めてから動かし、昼に全体がしっとりしているなら広く軽く通します。1日1回に決めたいなら、その子がいちばん落ち着いている時間に固定して、そのときの型で組み立ててください。季節の変わり目は、日によって答えが変わるものだと考えておくと迷いません。
- 猫でも、同じ見分け方が使えますか?
- 使えます。皮脂が温度で硬さを変えるのは犬も猫も同じです。ただ猫は背中の後ろ半分に自分の口が届きにくいので、冬型の束が腰のあたりに集まりやすくなります。蒸しタオルを嫌がる子が多いので、手のひらであたためた乾いた布を30秒当てるところから始めてください。
- 換毛の時期にベタつきが増えるように感じます。同じ考え方でいいですか?
- 手順は同じで構いませんが、順番だけ変えてください。抜けた毛が被毛の中に残っていると、そこに皮脂が留まって束が大きく見え、量が増えると感じます。先に抜けた毛を取り除いてから、温める・動かす・受けるの順に進めてください。取り除く前に温めると、抜けた毛どうしが固まってほどきにくくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
