C04悩み解決

体のにおいが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える

公開日 2025年8月4日|文=mofuwa編集部

明るい光の中で、首から胸にかけての被毛が見えている犬
体臭の犬種差の中身は、その子の体に指が入るくぼみがいくつあるかです。写真:William Prado/Pexels

同じ日に同じシャンプーで洗った2頭が、3日後には片方だけにおう。体重も年齢もほとんど変わらず、食べているものも寝ている場所も同じなのに、です。体臭の犬種差として語られていることの中身は、毛の長さでも体の大きさでもありません。その子の体に、皮膚と皮膚が向かい合っている場所がいくつあるかです。しわ、たるみ、垂れた耳の内側、しっぽの付け根の巻き込み、首の下の余った皮膚。指が入るくぼみを数えると、においの出どころの数がそのまま分かります。

体臭の犬種差の中身は、指が入るくぼみの数

体のにおいは、皮脂そのもののにおいと、そこに住む雑菌が皮脂を分解したときに出るにおいが混ざったものです。雑菌が働くには、材料と湿りと体温の3つが同時に要ります。この3つがそろい続ける場所が、体の中に決まってあります。皮膚と皮膚が向かい合っている場所です。

向かい合った皮膚のあいだは、空気が入れ替わりません。汗や皮脂が出ても乾かず、体温がそのまま保たれます。乾く機会がないまま、材料だけが足されていく場所です。反対に、背中のように空気にさらされている面は、同じだけ皮脂が出ても乾いていきます。体臭の犬種差として語られるものの正体は、この「向かい合っている場所」がいくつあるかの差です。

犬種名で語らないのは、混血の子にも当てはめられるようにするためです。同じ犬種の中でも、たるみの量や耳の垂れ方には幅があります。名前で決めると、当てはまらない子のケアが空振りします。体臭の犬種差を「名前の話」から「数の話」に置き換えると、どの子でも同じ手順で確かめられます。

Note数え方は、指が第一関節まで入るかどうか

しわやたるみがあっても、指が入らないほど浅ければ数えません。人差し指の先が第一関節まで入り、抜いたときに指の腹がわずかに湿っていれば、そこは1つと数えます。嫌がる場所は無理に触らず、その日は飛ばしてください。数えるのは、その子が立っていられる範囲でかまいません。

くぼみを8か所たしかめる|体臭の出どころの見分け方

見分け方は、順番を決めておくと1分で終わります。上から下へ、左右そろえて8か所です。においを嗅ぎ分ける必要はありません。指を入れて、入るかどうかと、抜いたあとの湿りだけを見ます。

  1. 顔から始める(鼻の上・口のまわり・目の下)

    しわのある子は鼻の上に指を当て、たるみのある子は口の横をめくります。ここは食べたあとに水分と食べかすが残る場所なので、湿りがあるかどうかがはっきり出ます。食器を洗う頻度が落ちている家では、ここが最初に強くなります。

  2. 耳の内側と、その下の皮膚をたしかめる

    耳が垂れている子は、耳を持ち上げて内側と、そこが触れていた側の皮膚の両方を見ます。向かい合っている面は2枚あるので、片側だけ見ても分かりません。立ち耳の子は、ここを数えない場合がほとんどです。

  3. あごの下から胸まで、皮膚の余りをつまむ

    あごを軽く上げて、首の前側をつまみます。指が入る厚みの余りがあれば1つです。首輪をつけている位置も一緒に見てください。首輪の下は、皮膚と物が向かい合っている場所として同じように働きます。

  4. 脇の下と内股のつけ根に、指を差し入れる

    立った姿勢のまま、前足のつけ根と後ろ足のつけ根に指を入れます。ここは体重がかかると閉じるので、伏せている時間が長い子ほど乾きません。座らせずに、立っている状態で確かめてください。

  5. しっぽの付け根の巻き込みと、指のあいだを見る

    しっぽが体に沿って巻いている子は、その下に閉じた面ができます。指のあいだは、散歩から帰ったあとに開いて見てください。4本の足で合わせて数えず、ここは全体で1つと数えます。

  6. 数えた合計を、その日の日付と一緒に書き留める

    1回数えれば、しばらく変わらない数字です。体重が2キロ以上増えたときと、シニア期に入って皮膚がたるんできたときだけ、数え直してください。数が増えていれば、ケアの入れどころも変わります。

数えたくぼみの数と、においの出方の見分け方
くぼみの数においの出方最初に気づく場所
0〜2か所全身から薄く、平らに出る抱き上げたとき、体全体から
3〜5か所全身の薄いにおいに、数か所の濃いにおいが乗る顔まわりか、足のあいだ
6か所以上数か所から濃く出て、それが全身に移る耳を持ち上げたとき、首の下を触ったとき
数えられなかった痛がる・嫌がる場所がある触れない場所そのものを、動物病院で見てもらう

この見分け方の利点は、洗う前でも、洗ったあとでも、同じ数字が出ることです。においの強さは洗った日からの日数で動きますが、くぼみの数は動きません。体臭の犬種差を、その日の体調やシャンプーの都合に左右されずに測れます。

くぼみが少ない体と多い体の比較|薄く全身か、濃く数か所か

数が出たら、2つに分けます。0〜2か所を「面の体」、6か所以上を「くぼみの体」と呼びます。3〜5か所はその中間で、両方の性質が混ざります。体臭の犬種差の比較は、この2つの型で並べると分かりやすくなります。

面の体とくぼみの体の比較|同じ体臭でも、出方と対応が変わる
面の体(0〜2か所)くぼみの体(6か所以上)
においの濃さ薄い。どこも同じくらい場所によって差が大きい
においの広がり体全体に平らに広がる数か所が濃く、そこから移る
どこで気づくか抱き上げたとき、全体から特定の場所に鼻を近づけたとき
洗ったあとの戻り方全体がゆっくり戻る濃い場所だけが先に戻る
拭き取りの効き方面を拭けば、そのぶん下がる開いて当てないと、拭いたことにならない
雨の日のあと乾けば戻るくぼみの中だけ、乾かない時間が続く
服やハーネスの影響触れている面が増えるぶん、少し上がる留め具が当たる場所に、くぼみが1つ増える
換気と寝床の効き方よく効く。空気が体に届く効きにくい。空気がくぼみの中まで入らない

この比較でいちばん見てほしいのは、下から2行目と最後の行です。面の体は、部屋の空気を動かすだけでにおいが下がります。寝床のカバーを替え、窓を開け、被毛に空気が通れば、それが体の表面全体に届くからです。くぼみの体では、同じことをしても中まで届きません。空気が入らないから、においがそこにあります。

逆のこともあります。くぼみの体で1か所を開いて拭き取ると、その場でにおいが落ちます。面の体で同じことをしても、体の1%を拭いただけなので、ほとんど変わりません。同じ手が、片方では効き、もう片方では空振りする。体臭の犬種差を数で捉えると、この食い違いに説明がつきます。

Note中間の3〜5か所がいちばん多い

実際に数えてみると、多くの子は3〜5か所に入ります。この場合は、面の体の手を土台にして、濃い場所2つだけを足すのが現実的です。全部を毎日やろうとすると続きません。数えた8か所のうち、抜いた指がいちばん湿っていた2か所を選んでください。

数え終わったあとの、拭き取りの選び方

やることの中身は、どちらの型でも同じです。変わるのは、どこに何回入れるかの配分だけです。面の体は頻度、くぼみの体は場所。この選び方が、ちょうど逆になります。

  1. 面の体|1回で全身をひと通り、回数で追う

    背中、脇腹、胸、足の外側を、大きな布で一方向に拭きます。1か所にかける時間を短くして、体を1周させることを優先してください。途中で丁寧になりすぎると、最後まで届かずに終わります。散歩から帰ったあとと、寝る前の2回が入れどころです。

  2. くぼみの体|1か所ずつ開いて、面を2枚とも当てる

    指で開いて、向かい合っていた皮膚の両方に布を当てます。閉じたまま外から拭いても、においが出ている面には触れていません。開く、当てる、乾かす。この3つが1か所ぶんです。1日に2か所までと決めて、日替わりで回してください。

  3. どちらも、拭いたあとに乾かす時間を作る

    濡れたまま閉じると、拭く前より条件が悪くなります。くぼみの体は、開いた状態を30秒保つだけで違います。面の体は、風の通る場所に移すか、乾いた布でもう一度なでてください。

  4. 首輪・ハーネス・服を、体と同じ回数で洗う

    体に触れているものは、においを受け取る側でもあり、渡す側でもあります。体だけ拭いて、同じ首輪を戻すと、数時間で元に戻ります。週に1回洗って乾かし、その日は外して過ごす時間を作ってください。

布の選び方も少しだけ変わります。面の体は、大きくて厚みのない布のほうが1周させやすくなります。くぼみの体は、指に巻けるくらい小さく切ったものを、1か所ごとに面を替えて使ってください。同じ面で次のくぼみを拭くと、においを移すだけになります。

Point口のまわりのくぼみは、食器とセットで見る

口の横のたるみがくぼみに入る子は、食器と水皿を洗う頻度がそのままにおいに乗ってきます。食べたあとに口のまわりを拭いていても、器のふちに残ったものが毎回そこへ戻るからです。器は1日1回洗い、洗ったあとは伏せて乾かしてください。乾くまでの時間が長い台所では、そのあいだに雑菌の働く時間が伸びます。

頻度で追う体と、場所で追う体の使い分け

1枚にまとめます。使い分けの軸は、面の体は「頻度」、くぼみの体は「場所」です。両方に同じだけ手をかけると、片方が空振りします。体臭の犬種差を数で捉えておくと、増やす手と減らす手が最初から決まります。

型ごとの使い分け|毎日やること・週にやること・やらないこと
面の体でやることくぼみの体でやること
毎日全身をひと通り、短く2回拭き取るくぼみを2か所選んで、開いて当てる
毎日(空気)寝床の周りを換気し、被毛に風を通す拭いたあと、開いた状態で30秒乾かす
週に1回寝床のカバーを洗って、面を裏返す首輪・ハーネス・服を洗い、外す日を作る
月に1回8か所を数え直す必要はない体重の変化があれば、数え直す
やらないこと1か所を念入りに拭き続ける外から全体をなでて終わりにする
効きにくい手くぼみだけを探して回る換気と寝床の入れ替えだけで済ませる

洗う回数は、どちらの型でも増やさないでください。間隔を詰めると皮脂が落ちすぎ、乾いた地肌が雑菌の働きやすい条件を作ります。くぼみの数は洗っても変わらないので、洗う回数を増やしても出どころの数は減りません。増やすなら、拭いたあとに開いて乾かす時間のほうです。

くぼみの体で見落とされやすいのは、泡が入ったかどうかではなく、入った泡が出ていったかどうかです。向かい合った皮膚のあいだは、空気が入れ替わらない場所であると同時に、水も入れ替わらない場所です。閉じたまま流すと、外側だけが流れて、中に入った洗浄成分は残ります。数えた8か所は、においの出どころの数であると同時に、すすぎ残しが起きる場所の数でもあります。

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洗う手順も、数えた順番をそのまま使えます。顔、耳、首、脇、内股、尾の付け根の順に、指で開いてから泡を入れる。流すときも同じ順番で、もう一度開いてから湯を当ててください。閉じたまま最後にまとめて流すと、開いて洗った意味がその場でなくなります。こすらず、面をなでる程度で足ります。面の体なら1周で終わり、くぼみの体では、開く手が数えた数だけ増えるだけです。

Caution体の作りでは説明がつかないとき

数えたくぼみの数は変わっていないのに、においが急に強くなった。左右のどちらか片方だけが強い。においの質が甘い・すっぱいなど今までと違う。くぼみの中の皮膚が赤い、湿っている、かさぶたがある。触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている。耳を振る回数が増えた。水を飲む量や食欲が変わった。いずれかに当てはまるときは、体の作りの話として様子を見ず、動物病院にご相談ください。においは診察室で再現できないので、数えた8か所のどこが強いかをメモして持っていくと伝わりやすくなります。

数えた8か所は、1年に何度も数え直すものではありません。だからこそ、毎日の配分をその数字に合わせて決めてしまうと、しばらく迷わずに済みます。面の体なら1周の回数、くぼみの体なら今日の2か所。続けているうちに、においが上がった日を「数が増えたのか、配分が崩れたのか」の順で考えられるようになります。体臭の犬種差が、犬種名ではなくその子の数字で答えられるようになるのは、そこからです。

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よくある質問

毛が長い子のほうが、体臭は強くなりますか?
毛の長さそのものより、毛が乾くまでの時間のほうが効いてきます。長い毛は根元が乾きにくく、皮膚と毛が向かい合っている状態が続くためです。ただし、くぼみの数が少なければ、乾かす時間を確保するだけで下がります。数えた数と合わせて見てください。
猫にも、同じ数え方が使えますか?
使えます。猫は皮膚のたるみが少ないので、多くの子は0〜2か所の面の体に入ります。あごの下、脇の下、しっぽの付け根の3か所だけ確かめてください。猫は毛づくろいで唾液が被毛に残るため、寝床に移ったにおいのほうが手がかりになります。
くぼみの数は、減らせますか?
体の作りそのものは変えられません。ただし、体重が増えると皮膚の余りが増えて、数が増えることはあります。逆に、適正体重に戻ることで指が入らなくなる場所も出てきます。体重が2キロ以上動いたときは、数え直してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。