C12Q&A・豆知識
ラバーブラシとは?短毛向きの道具
同じラバーブラシで、同じ犬を、同じ回数だけなでたのに、先週は毛が山になって、今週はほとんど付かない。ラバーブラシとは、ゴムでできた、突起が並んだブラシのことです。この道具が集めているのは、いま抜けた毛というより、すでに抜けて被毛のあいだに残っていた毛のほうです。ゴムは静電気を帯びやすい素材で、帯びたゴムが、貼りついたままの毛を引き寄せます。だから空気が乾いた日ほどよく取れて、湿った日はあまり取れません。取れる量が日によって動くのは、道具の当たり外れというより、その日の空気のほうに理由があります。この記事では、ラバーブラシとは何かという定義から始めて、天気で効きが変わる、という一点だけを開いていきます。使い方の手順は書きません。手順を変えても、湿った日の取れ高は戻らないからです。
ラバーブラシとは何を指す道具ですか|ゴムの突起が面に並んだブラシ
定義から置きます。ラバーブラシとは、ゴムでできた、突起が並んだブラシのことです。金属のピンでも、樹脂の歯でもなく、面全体がゴムでできています。突起の形は製品によって違い、丸いもの、角のあるもの、細かい粒が敷き詰められたものがあります。手のひらに入る大きさのものが多く、握るというより、手に付けて面で当てる形になっています。
この道具の性格は、ほとんど素材で決まっています。ゴムには、しなること、摩擦が大きいこと、そして静電気を帯びやすいことという3つの性質があります。ラバーブラシとは何かを一言で言うなら、この3つを毛に当てるための形をした道具、ということになります。3つのうち、この記事で扱うのは3つめだけです。
| 性質 | 毛に当てたときに起きること | この記事で扱うか |
|---|---|---|
| しなる | 地肌の凹凸に沿って面が曲がる | 扱いません |
| 摩擦が大きい | 毛の上をすべらず、引っかかる | 扱いません |
| 静電気を帯びやすい | こすれたゴムが、軽いものを引き寄せる | この記事の中心です |
3つめだけを扱う理由は単純です。ラバーブラシで多くの人が引っかかるのは、取れる量が日によって大きく変わることで、それを説明できるのが3つめだけだからです。しなり方も摩擦も、昨日と今日で変わりません。変わるのは帯電のしやすさのほうです。ここが分かると、道具の評価そのものが変わります。
ラバーブラシの記事は、どうしても「どの向きに、どのくらいの力で、何往復」という手順の話になりがちです。けれど手順を整えても、湿った日に取れる量は増えません。この記事で書くのは、取れる量を決めているのが道具の側ではなく、その日の空気の側だという一点だけです。手順の話が要らないと言いたいのではなく、手順の前に知っておくと空振りが減る話がある、という順番の問題です。
先週は山になって、今週は付かない|ラバーブラシで多くの人がする経験
この道具を使い始めた人が、最初に不思議に思うのがここです。買った日は面白いほど毛が取れて、しばらくすると同じようには取れなくなる。力を強くしても、往復を増やしても、あの日ほどにはなりません。そのうち「もう抜け毛が減ったのだろう」と考えるか、「この道具は思ったほどではなかった」と考えるか、どちらかに落ち着きます。
どちらの解釈も、たいてい外れています。抜け毛の量は、そんなに日単位では動きません。道具も、1週間で性能が落ちるようなものではありません。変わっているのは、その日の空気です。空気が乾いていた日と、湿っていた日とで、ゴムに起きることが違います。
- 買った日によく取れた:暖房を入れた冬の室内で、空気が乾いていた可能性があります
- 翌週に取れなくなった:雨が続いて室内の湿度が上がっていた可能性があります
- 洗った直後は取れない:被毛と部屋の両方に水分が残っています
- 加湿器を入れてから減った:部屋の側の条件を、自分で変えています
- 夏より冬のほうが取れる:換毛の時期とは別に、空気の乾き方が効いています
この5つに心当たりがあるなら、道具ではなく条件のほうを見ていることになります。ラバーブラシの経験談が人によってまるで違うのも、使った季節と部屋が違うからです。「よく取れる」と言う人と「そうでもない」と言う人が、同じ製品について正反対のことを言う。どちらも本当のことを言っていて、測った日の空気が違っただけ、ということが起こります。
毎日のケアで使う道具としては、これはやりにくい性質です。今日の取れ高が、その子の被毛の状態を表しているのか、その日の空気を表しているのかが、分けられないからです。だから、ここから先の話が要ります。何を取っているのかが分かれば、取れなかった日をどう読めばいいかも決まります。
集めているのは、被毛のあいだに残っていた毛です|ゴムが毛を引き寄せる背景
抜けた毛は、抜けた瞬間に体から落ちるわけではありません。根元から離れたあとも、周りの毛のあいだに引っかかったまま、しばらく被毛の中にとどまります。短い毛ほど軽く、まっすぐで、周りの毛に絡んで止まります。歩いたときに落ちる毛は、そのうちのごく一部です。だから、体の上には常に「もう抜けているが、まだ落ちていない毛」が溜まっています。
ラバーブラシが集めているのは、主にこちらです。いま根元から引き抜いている毛ではなく、すでに離れて被毛のあいだに残っていた毛のほうです。ゴムの面をこすると、ゴムは電気を帯びます。帯びたゴムは、軽くて小さいものを引き寄せます。下敷きをこすって髪が立つのと同じことが、ブラシの面と被毛のあいだで起きています。
ここが分かると、道具の見え方が変わります。ラバーブラシとは、毛を抜く道具というより、すでに落ちる準備ができている毛を、先に回収する道具です。回収した毛は床に落ちなくなるので、部屋の毛が減ります。けれど、その子の体から出ていく毛の総量が変わるわけではありません。今日たくさん取れたなら、その分だけ来週は取れなくなります。
そして、引き寄せの力は帯電の強さで決まります。ゴムがよく帯電した日は、被毛の中の毛が面に向かって動きます。帯電しなかった日は、そこにある毛がそのまま残ります。この差は、力の入れ方では埋まりません。強くこすれば帯電はしますが、同時に地肌への力も増えます。皮膚の側を守りながら帯電だけを強めるという都合のいい調整は、家ではできません。
乾いた日と湿った日で、犬のラバーブラシに出る変化
静電気は、空気が乾いているときに起きやすく、湿っているときには起きにくくなるとされています。空気中の水分が多いと、こすれて生まれた電気がその場にとどまらず、逃げていくためです。冬にドアノブでパチッとくるのに、梅雨どきには起きない。あれと同じ条件が、ゴムの面でも起きています。
| 条件 | ゴムの側で起きること | 取れ高に出る変化 |
|---|---|---|
| 暖房を入れた冬の室内 | こすれた電気がとどまりやすい | 面に毛が集まり、山になる |
| 雨の日、湿度の高い日 | 電気が空気中へ逃げていく | 同じ回数でもほとんど付かない |
| 洗って乾かした直後 | 被毛にまだ水分が残っている | 毛が面に移らず、下に落ちる |
| 加湿器を使っている部屋 | 部屋の側の条件が変えられている | 冬でも取れ高が下がる |
| 外から帰ってすぐ | 外の湿り気を毛が持ち込んでいる | 室内で少し置いてからのほうが動く |
| 空気が乾いて数日続いた日 | 被毛の側も乾いている | 取れ高がいちばん大きく出る |
この表で押さえておきたいのは、どれも被毛の状態そのものの話ではないという点です。抜け毛が増えたわけでも、皮膚に何かが起きたわけでもありません。空気の水分量が変わっただけです。ラバーブラシで取れる量を、その子の毎日の状態の目安に使ってしまうと、この変化が全部そちらに読み替えられてしまいます。「今週は抜け毛が減った」ではなく「今週は湿っていた」であることが、かなりあります。
猫でも同じことが起きます。猫は自分で毛づくろいをして、抜けた毛を口に運びます。被毛のあいだに残る毛は、その届く範囲では少なくなります。けれど背中の中央や首の後ろは、その子の口が回りにくい面です。そこには残った毛が溜まり、乾いた日にはラバーブラシの面へ移ります。湿った日に取れないのは、犬と同じ理由です。
この変化を、家で確かめる方法が1つだけあります。取れた量をメモするときに、その日の天気を一緒に書いておくことです。晴れ、雨、暖房の有無。3週間ぶんも並べば、取れ高が天気に沿って動いていることが自分の家の記録で見えてきます。数字を借りてこなくても、その子とその部屋の関係が読めるようになります。
取れた量を、その日の道具の点数にしない|毎日のケアと、動物病院に相談する線
ここで、毎日のケアでの構え方を書いておきます。取れた量を、その日の成果として数えないことです。山になった日は空気が乾いていて、付かなかった日は湿っていた。それだけのことなので、付かなかった日に往復を増やしたり、力を強くしたりする必要はありません。増やしても取れませんし、地肌に届く力だけが増えます。
| 起きたこと | 道具のせいにする読み方 | 空気の側から見る読み方 |
|---|---|---|
| 急に取れなくなった | この道具は合わなかった | 湿度が上がった日が続いている |
| やたらよく取れた | 抜け毛が急に増えた | 空気が乾いて、残っていた毛が動いた |
| 洗ったのに取れない | 洗い方がよくなかった | 被毛に水分が残っている |
| 先月より減った | 換毛期が終わった | 季節と湿度の両方が動いている |
| 家族が使うと取れる | 自分のやり方が悪い | 使った時刻と部屋の状態が違う |
右の列で読むようにすると、道具を買い替える回数が減ります。そして、被毛や皮膚の側に本当の変化があったときに、それが取れ高の変動に紛れなくなります。空気で説明がつかない動き方をしたときだけを、体の側の話として拾えばいい。読み分けの基準が1つあるだけで、毎日の観察はずいぶん軽くなります。
ゴムの面は、地肌に近いところまで届きます。面で当たるぶん、力が一点に集まりにくい一方で、皮膚の広い範囲に同じ力がかかります。だから、赤みやかさぶたがある場所には当てないでください。取れないからと往復を増やすと、その場所を何度もこすることになります。取れ高が落ちている日は、そもそも当てる回数を減らすほうが理にかなっています。
ゴムの面が届くのは、毛の表面までです。その下の地肌は、面で当たっているかぎり手に返ってきません。取れなかった日に往復を増やしたくなるのは、地肌の様子が分からないまま、分かる指標が取れ高しかないからです。背中の中央や首の後ろは、その子の口も回りにくい面でした。ここは、ブラシではなく人の目で見に行くしかない場所です。
mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。舐めても問題のない基準でつくられているので、ラバーブラシを当てていた範囲にそのまま向けられます。湿度が高くて取れない日は、当てる回数を減らして、そのぶんを毛を分けて地肌を見る時間に回してください。取れ高が出ない日ほど、毛が寝ているぶん地肌の色は読みやすくなっています。取れない日は、見る日です。
同じ場所だけ毛が薄くなってきた、地肌が赤い、かさぶたがある、ブラシを当てると痛がる、フケが急に増えた、においが出てきた、左右で毛の残り方が違う。こうした変化があるときは、道具を替えたり、当てる回数を増やしたりする前に動物病院にご相談ください。取れ高が減ったことと、毛が薄くなってきたことは、まったく別の話です。前者は空気の話ですが、後者は体の話になります。いつから、どこが、どう変わったかをメモして持っていくと、その場で見てもらえます。
短毛向きの道具と言われる理由も、同じ静電気の話です
ラバーブラシは短毛向き、と紹介されることが多い道具です。その理由も、突き詰めると同じところに行き着きます。短い毛のほうが、被毛のあいだに残ったときに引き寄せられやすいからです。短くて軽い毛は、静電気の力で動きます。長くて重い毛は、同じ力では動きません。
もう1つ、長い毛には別の事情があります。長い毛は、抜けたあとに周りの毛と絡み、被毛の奥のほうで固まります。静電気で引き寄せられる前に、物理的に止まってしまう。だからゴムの面を当てても、表面の毛だけが動いて、奥の毛は残ります。短毛向きと言われるのは、長毛の子には使えないという意味ではなく、静電気で動く毛がそこにあるかどうかの差です。
- 短い毛:軽く、まっすぐで、被毛の表面近くに残ります
- 長い毛:抜けたあとに絡み、奥で止まります
- 下毛のある子:換毛期は上毛のあいだに下毛が溜まり、量が一気に増えます
- 細い毛の猫:軽いので動きやすく、乾いた日の差が大きく出ます
- 洗いたての被毛:長さに関係なく、水分が残っているうちは動きません
つまり、短毛向きという言い方は、毛の長さで道具を割り振っている話ではありません。その道具が使っている力が静電気なので、静電気で動く毛が多い子に向いている、というだけのことです。短毛の子でも、湿った日には取れません。長毛の子でも、表面に残っている軽い毛は乾いた日に動きます。長さは条件の1つで、決め手はやはり空気のほうです。
ここまで来ると、最初の場面に戻れます。先週は山になって、今週は付かない。あれは道具の変化でも、その子の被毛の変化でもなく、部屋の空気の変化を見ていたということになります。ラバーブラシとは、その日の空気の乾き具合を、毛の量として見せてくる道具でもあります。
だから毎日続けるのは、取れた量の記録ではなく、天気を一緒に書いた記録のほうです。3週間ぶん並べば、その子の毛が本当に薄くなってきたのか、先週の雨で取れなかっただけなのかを、自分の家の記録で見分けられるようになります。ラバーブラシとは、その見分けを毎日ひとりで作れる道具でもあります。道具を買い替えるかどうかを決めるのは、そのあとで足ります。まず3週間、晴れと雨だけ書き足してみてください。
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mofuwa スキンケアミスト
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
