C09シーン別・暮らし
在宅ワークの日、大型犬と暮らす人はどうしている?
仕事机の下は、奥行きが55センチしかありません。その日、その子は肩まで入ってきて、私の右足のふくらはぎに背中をつけたまま、昼過ぎまで動きませんでした。在宅ワークの日は、この姿勢が朝9時から夕方まで続きます。大型犬と暮らしていると、机の下は空いている場所ではなく、その子の体でふさがる場所になります。腰から後ろは椅子の脇にはみ出していて、席を立つたびにこちらがまたぐ。ペットの居場所と仕事の場所が、一日じゅう同じ1畳ぶんに重なっています。この記事では、その重なりを家具で分けるまでを、5つの手順に分けて書きます。
机の下に入りきらない体が、一日じゅう足に触れている|在宅ワークと大型犬でペットの居場所が重なる前提
机の下は、犬にとって形の整った場所です。上に天板があり、左右と奥が囲まれていて、人の気配だけが正面から来ます。在宅ワークの日に大型犬が机の下へ入ってくるのは、部屋の中でその形をしているのが机の下しかないからです。追い出しても、しばらくすると戻ってきます。しつけの問題として扱うと解けません。条件のそろった場所が1か所しかない、という部屋の側の話だからです。
ただ、大型犬の体はそこに収まりません。体の長さが1メートル前後、肩の高さが60センチを超えると、机の下に入るのは頭と肩と前足までです。腰から後ろは椅子の脇にはみ出したままになります。ペットの側から見ると、囲まれた安心と、はみ出した不安定さが同時にある姿勢です。半分だけ入っている状態なので、体の向きも一日じゅう変えられません。
人の側にも同じことが起きています。足を伸ばせば背中に当たり、椅子を引けばキャスターがはみ出した腰の横を通る。在宅ワークで一日8時間座っていると、人の足とその子の体が触れている時間は、合計で5時間を超えます。しかも触れている場所は毎日同じです。ふくらはぎと背中、足首と肩。散歩や帰宅後のケアでは、これほど長く同じ面が接することはありません。
- 床に接する面が片側で固定される:左右どちらかに倒れて伏せるので、腹・脇・肘・尾のつけ根の片側だけが一日じゅう床に当たります
- 人の足と接する面ができる:肩と背中の一部が、人のふくらはぎと同じ位置で温まり続けます
- 空気が動かない:天板と床と脇の家具で三方が囲まれ、室内でいちばん風の通らない場所になります
- またぐ回数が増える:席を立つたびに、はみ出した腰の上を人がまたぐことになります
- 毛が奥に寄る:抜けた毛は掃除機の入りにくい机の奥へ集まり、毎日の掃除から外れます
- においの変化が上がってこない:人の鼻より50センチ以上低い場所なので、同じ部屋にいても気づけません
| 場所 | 一日のうちに起きていること | 家具で分けると何が変わるか |
|---|---|---|
| 下側になる腹と脇 | 8時間、同じ面が床に押しつけられます | 向きを変えられる広さになり、面が固定されません |
| 肩と背中 | 人のふくらはぎと接し、そこだけ温度が上がります | 接触が短時間になり、毎日同じ場所に集中しません |
| 腰から尾のつけ根 | 椅子の脇にはみ出し、またがれ続けます | 通り道の外に出るので、またぐ必要がなくなります |
| 肘と手根 | 硬い床の一点で体重を受けます | 布の上になり、当たる面が広がります |
| 机の下の空気 | 一日じゅう入れ替わりません | 壁ぎわの開けた場所になり、室内の風が通ります |
| 机の下の床 | 毛が奥に寄り、掃除の対象から外れます | 布1枚が対象になり、週1回で片づきます |
小さい体なら、抱えて別の場所へ移せます。大型犬は体重で動かせないので、移す側の手順そのものが成立しません。声で出てもらっても、こちらが座り直せばまた入ってきます。在宅ワークは一日に何十回も席を立つので、そのたびに同じやりとりを繰り返すことになります。ペットの側の意思の話にせず、机の下という空間を先に閉じてしまうほうが、毎日の手数が減ります。
机の下をやめて、1.5メートル先に作り直す|在宅ワークで大型犬のペットの場所を家具で分ける手順
ここからが手順です。5つありますが、順番を入れ替えないでください。2番目から先にやると、その子は新しい場所を見にきたあと、机の下へ戻ります。空いている机の下があるかぎり、そちらのほうが条件が良いからです。在宅ワークの日に一日で全部やる必要はありません。1と2を土曜に、3から5を翌週に回しても構いません。
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机の下に、入れない形を作る
追い出すのではなく、入る場所そのものをなくします。デスクの下へ、引き出しつきのサイドワゴンか、書類を入れた収納ボックスを1つ入れる。奥行き55センチのうち35センチが埋まれば、大型犬の肩は入りません。軽い箱だと押して奥へずらされるので、中身を入れて動かない重さにするか、壁側に寄せてはさんでください。人の足を置く空間は、20センチあれば足ります。
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代わりの場所を、机から1.5メートル以内に作る
距離がこの手順の中心です。1.5メートルを超えると、その子は机のほうへ戻ろうとします。人の声が届き、こちらの動きが見えて、立ち上がらなくても目が合う距離だからです。壁を2面使える部屋の角を選び、残る1面に本棚やチェストを寄せて、三方が囲まれた形にします。上に天板は要りません。囲みが二方向あれば、机の下と同じ条件になります。大型犬なら、内側の寸法は縦1メートル・横70センチを目安にしてください。
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人が立つときに通る道を、先に空ける
大型犬の体の長さは、そのまま通路の幅と競合します。椅子の後ろに幅60センチの通り道を引いて、新しい場所はその外側に置いてください。通り道と居場所が重なると、席を立つたびにまたぐことになり、机の下にいたときと同じ状態に戻ります。床にテープを貼る必要はありません。椅子を引ききった位置から壁までを一度歩いてみて、足が当たらない線を家具で作れば足ります。
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1時間に1回、人のほうがそこへ行く
作った場所は、置いただけでは使われません。人が行った場所にしか、その子は移りません。1時間に1回、席を立ったついでにその場所まで歩いて、10秒だけ手を置いて戻ります。呼ばないでください。呼ぶと机のほうへ来てしまい、覚えるのは「呼ばれたら机へ行く」になります。在宅ワークの日は一日8回。最初の2週間だけで、そのあとは回数を落として構いません。
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その場所の布を、週に1回替える
新しい場所には、毛と皮脂と室内のほこりが集まります。敷く布を1枚に決めておくと、掃除の対象がそこ1点に決まります。洗い替えを2枚用意して、週に1回入れ替える。机の下だと奥まで手が入らず、毎日の掃除から外れていた場所です。布を替える日には、床に接していた側の腹・脇・肘・尾のつけ根を、同じ日のうちに一往復させておくと、次の1週間の始まりがそろいます。
| 手順 | 動かすもの | 大型犬でここが効く理由 |
|---|---|---|
| 1 | サイドワゴンか収納ボックス1つ | 体重で押し戻せないので、空間を閉じるほうが早く終わります |
| 2 | 本棚かチェスト1つ | 囲みが二方向ないと、体の大きい子は落ち着いて伏せません |
| 3 | 椅子の後ろの60センチ | 体の長さが1メートルあると、通路と居場所が必ず取り合いになります |
| 4 | 人の足(1時間に1回) | その場所が使われる場所かどうかを決めるのは、人の移動です |
| 5 | 布2枚(週に1回交換) | 面積が広いぶん、集まる毛の量も1か所に寄ります |
5つのうち1つだけ選ぶなら、1番目です。机の下が空いているかぎり、残りの4つは効きません。逆に、いちばん後回しにしていいのが5番目の布です。布は途中から足せます。在宅ワークの合間にできる作業量で言うと、1と2で30分、3で10分。ペットの側に頼む部分は、この手順にはひとつも入っていません。動くのは家具と人だけで、ペットには何も覚えてもらわなくて済みます。
「もっと静かな部屋へ」と考えたくなりますが、在宅ワークの日は人が動かないので、離すほど戻ってきます。目安は、椅子に座ったまま名前を言って、その子が顔を上げる距離です。3メートル離れた別の部屋に立派な寝床を作っても、大型犬は机の脇の床へ伏せます。距離を測るのは、メジャーより先に声でかまいません。
崩れるのは家具ではなく、人が通る道のほう|在宅ワークとペットの毎日でつまずく3か所
この手順で崩れるのは、たいてい2週目から3週目です。家具は動かないので、崩れるのは人の側の使い方のほうです。そして崩れ方は3種類しかありません。どれも、気づけばその日のうちに戻せます。毎日のやり方を全部組み直す必要はありません。
| いつごろ | 起きること | 動かすのは家具か人か |
|---|---|---|
| 1週目 | 新しい場所に行かず、机の脇の床に伏せる | 人:1時間に1回そこへ行く回数が足りていません |
| 2週目 | 収納ボックスを押して、机の下へ入り直す | 家具:重さが足りません。中身を入れるか壁ではさみます |
| 2〜3週目 | 席を立つときの椅子が通り道をふさぐ | 人:立つときに椅子を机へ戻す、これだけを毎日にします |
| 3週目 | その場所の布が毛でいっぱいになる | 家具:布をもう1枚用意して、交換の日を固定します |
| 3週目以降 | 来客や宅配のたびに、その場所を通り道にしてしまう | 人:玄関からの動線を、居場所の外側へ引き直します |
いちばん多いのは3番目です。在宅ワークの日は席を立つ回数が多く、そのたびに椅子は引かれたままになります。引きっぱなしの椅子は、60センチの通り道をそのまま半分に削ります。削られた通路をこちらが歩くと、足は自然に居場所のほうへ寄ります。1日に何度もそれが起きると、その子は元の位置、つまり机の下へ戻ろうとします。毎日の作業として残すのは、この1つだけで足ります。
- 椅子を戻す:立つときに、机の下へ椅子を押し込みます。1秒で終わり、通り道が元の幅に戻ります
- 床のものを置きっぱなしにしない:宅配の箱を1つ置くだけで、通路は使えなくなります
- その場所を通り抜けない:近道になっていると、居場所ではなく廊下になります
- 布の交換日を決めておく:曜日で決めると、在宅の日が動いても崩れません
- 1時間に1回を、2週間だけ守る:3週目からは回数を落として構いません
もう一つ、意外につまずくのが夏場のエアコンです。新しい場所を壁ぎわに作ると、部屋によっては風がまったく当たらない位置になります。大型犬は体の面積が広いぶん、床の温度をそのまま受け取ります。手順どおりに移したあと、その子が布から降りてフローリングへ直接伏せているなら、暑さの側の理由です。場所を作り直すのではなく、布を薄いものに替えるか、風の通る位置へ50センチずらしてください。1.5メートルの範囲内であれば、どこでも構いません。
室内での置き場所が決まると、帰宅後の手順も変わります。散歩から戻ったあと、その子が最初に向かう先が机の下ではなくなるので、玄関から居場所までの1本の線で足を拭き終えられます。在宅ワークの日と外へ出る日で、動線を分けなくてよくなるのは、この手順の副産物です。
上げるのはケアの頻度ではなく、その場所が使われる頻度|在宅ワークで大型犬に家でできること
手順の4番目に「1時間に1回」と書きました。これはケアの回数ではありません。その場所が使われる場所かどうかを決めているのは、人がそこへ行くかどうかだけです。大型犬は、人の動きを見て自分の位置を決めます。人が一度も行かない場所は、どれだけ布を敷いても物置になります。逆に、人が1時間おきに歩いていく場所は、2週間で居場所に変わります。
| 内容 | 理由 | |
|---|---|---|
| 上げる | その場所へ人が歩いていく回数 | 使われる場所かどうかが、これで決まります |
| 上げる | 布を交換する回数(週1回) | 面積が広いぶん、集まる量も多くなります |
| 上げる | 床に接していた側を見る回数 | 片側だけが一日じゅう当たっている面です |
| 上げない | 体を洗う回数 | 大型犬では1回の負担が大きく、乾かす時間も長くなります |
| 上げない | ブラシをかける回数 | 接触の総時間はすでに長く、そこへ足すことになります |
| 上げない | 掃除機をかける回数 | 毛の集まる場所が1か所に決まったので、増やす必要がありません |
家でできることは、ここまでです。机の下という空間を閉じて、代わりの場所を1.5メートル以内に作り、通り道を空けて、布を週に1回替える。大型犬の体そのものに手を入れる部分は、この手順に1つも入っていません。触る回数を増やさずに、一日じゅう同じ面が押しつけられている状態のほうを外す、というのがこの記事の組み立てです。
- 家でできること:布を替える日に、床側になっていた腹・脇・肘・尾のつけ根を毛の流れに沿って一往復させる
- 家でできること:左右どちら側を下にして伏せているかを、週に1回だけ見ておく
- 家でできること:肘と手根が当たる位置に、布の厚みを足す
- 家でできること:新しい場所へ移った日を、カレンダーに1行書いておく
- 家ではできないこと:地肌の赤みや脱毛が、床に当たっていたせいなのかを決めること
- 家ではできないこと:立ち上がりに時間がかかるようになった理由を、姿勢の話として片づけること
床に接していた側の地肌が赤い、毛が薄くなってきた、同じ場所をなめ続けている、肘の皮膚が硬くなっている、立ち上がるまでの時間が長くなった、拭いても半日でにおいが戻る。こうした変化が片側にだけ出ているときは、拭き取りや掃除を増やす前に動物病院にご相談ください。大型犬は体重のぶん、床と接している一点にかかる力が大きくなります。いつからその場所で寝ているか、左右どちら側を下にしているかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。迷ったときは早いほうを選んで構いません。
床側になっていた面は、その子が自分では届かない場所でもあります。腹・脇・肘・尾のつけ根は、伏せているあいだ体の下に隠れていて、その子の口も前足も入りません。洗う日にいちばん手がかかるのも、同じ面です。mofuwa 入浴シャンプーは、お湯に溶かして浸からせるつくりで、泡を被毛にかき分けて届かせる工程がありません。下になっていた面も、湯に浸かっているあいだは上の面と同じ条件になります。在宅ワークの日は洗う日を仕事の終わりに置きにくいので、布を替える週の休みに合わせています。1.5メートル先の場所へ移してからは、洗った日と布を替えた日を、同じ行に書くようにしました。大型犬は洗う作業そのものに時間がかかるので、日付を1つにまとめておくと、間隔の空いた週でも同じ形を保てます。
最後にもう一度だけ書きます。在宅ワークの日にペットの居場所が仕事机と重なるのは、その子の側の問題ではありません。条件のそろった場所が、部屋の中に1か所しかないからです。だから、行動を変えようとするより、場所をもう1か所つくるほうが早く終わります。机の下を閉じて、1.5メートル先に囲みを作り、通り道を60センチ空ける。大型犬と暮らす家では、この3つだけで、一日の接触時間の中身が変わります。
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浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見るよくある質問
- 机の下に物を入れると、その子が入ろうとして怒りませんか。
- 入れる日を、その子が別の部屋にいる時間帯にしておくと、押し戻そうとする場面そのものが起きにくくなります。戻ってきたときには、すでに入る空間がない状態です。それでも机の脇に伏せるようなら、代わりの場所がまだ遠いか、人がそこへ行った回数が足りていません。手順の2番目と4番目に戻ってください。
- ワンルームで、1.5メートル離れた壁の角が取れません。
- 距離は上限で、下限ではありません。1メートルでも80センチでも構わないので、机の下ではない場所であることのほうを優先してください。囲みも、壁1面と家具1面で足ります。在宅ワークの机がベッドの脇にあるなら、ベッドの足元側の角がいちばん条件に合います。
- 新しい場所に移ったあと、机の下をふさいだままにしておく必要はありますか。
- 2〜3か月は、そのままにしておくほうが安定します。空いた時点で戻ることが多く、戻ってしまうと通り道の話からやり直しになります。収納ボックスを入れておけば、在宅ワークの書類置き場としてそのまま使えるので、外す理由も特にありません。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
