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賃貸でにおいが気になる人のための賃貸で暮らす|5分で終わらせるケア

公開日 2025年7月5日|文=mofuwa編集部

小さく片づいた部屋で、明るい窓のそばの淡い色のラグに落ち着いて伏せている淡い色の犬
毎日拭いている床の続きに、4年間そのままの10センチがあります。写真:belen capello/Pexels

入居して4年目の6月、冷蔵庫を10センチだけ手前に引いたら、床に幅5センチの帯が残っていました。周りの床とは色が違って、指でなぞると細かい粉がついてきます。毛と、ほこりと、そこに混ざったものです。毎日拭いているのは、その帯の20センチ手前までだったことになります。賃貸で暮らしていると、間取りは変えられません。コンセントの位置とドアの開く向きで、家具の置き場所はほとんど1通りに決まります。だから引越してきた最初の1週間で置いた場所から、冷蔵庫も洗濯機もベッドも本棚も、何年も動きません。ペットと暮らす部屋のにおいを気にして毎日拭いているのに、いちばん長く手が入っていない面が、その下と裏にあります。この記事は、年に1〜2回だけ、動かさない場所の地図を作るようになるまでの話です。

冷蔵庫を引いたのは、入居して4年目でした|賃貸でペットのにおいの出どころを探した経験

その日にやったことを順番に書きます。梅雨に入って、夕方に部屋へ戻るとにおいが強い日が続いていました。床は毎日拭いています。寝床の布も週に1回洗っています。食器は毎日洗って、水も入れ替えています。換気も、対角に窓を開けて朝と夜に10分ずつやっていました。それでも夕方だけ強い。やることが思いつかなくなって、台所の隅に手をついたときに、冷蔵庫の脚が見えました。

引いたのは10センチだけです。それ以上は電源のコードが張って動きませんでした。出てきたのは、幅5センチの帯です。床の色が変わっていて、指でなぞると細かい粉がつきました。毛と、ほこりと、そこに混ざったものです。掃除機のノズルは入らない幅で、雑巾も届いていませんでした。入居してから4年、この5センチには一度も手が入っていなかったことになります。

その日のうちに、動かせるものを全部見ました。洗濯機の下の防水パン。ベッドの脚の下。本棚の裏と壁のあいだ。テレビ台の下。どれも、入居した日に置いたきりの場所でした。賃貸でペットのにおいを気にしてきた4年間、拭いていたのは全部「見えている床」です。見えていない床の面積を数えてみたら、部屋全体の1割近くありました。1割を4年間そのままにして、残りの9割を毎日拭いていたことになります。

Note毎日の拭き取りが足りなかった、という話ではありません

床を毎日拭くことも、寝床の布を洗うことも、賃貸でペットと暮らすなら続ける価値があります。ただ、毎日やることと、年に1〜2回でいいことは、別の枠に入れておかないと混ざります。毎日の枠に入れると、動かない家具の下は「今日は無理」の連続で永久に来ません。年の枠に入れておけば、6月と11月に1回ずつ、確実に来ます。

間取りが変えられないと、家具の位置も変わりません|賃貸でペットのにおいが同じ場所に積もる背景

なぜ4年も動かなかったのかを、あとから考えました。理由ははっきりしています。賃貸では、間取りが変えられません。壁の位置も、ドアの開く向きも、コンセントの数と場所も、給水と排水の口も、最初から決まっています。冷蔵庫を置ける場所は台所の1か所だけです。洗濯機は防水パンの上にしか置けません。テレビ台はコンセントとアンテナ端子の前です。選べる置き場所が1通りしかないので、模様替えという発想そのものが出てきません。

持ち家でも家具は動かしませんが、条件が少し違います。持ち家なら、コンセントを増やすことも、収納を作り替えることもできます。賃貸で暮らすというのは、部屋の側の条件を固定したまま、こちらの生活のほうを合わせ続けるということです。そして家具が動かないぶん、その下と裏は時間だけが積み上がります。1年でも4年でも、同じ場所です。ペットと暮らしていれば、毛も、皮脂を含んだ粉も、そこへ落ち続けます。

賃貸で動かない家具と、その下に何年ぶんが置かれているか
場所動かせるか溜まるもの点検の頻度
冷蔵庫の下手前に10センチだけ毛・ほこり・皮脂を含んだ粉年に1回
洗濯機の防水パンほぼ動かせない毛と水気。乾きにくい四隅年に2回
ベッドの下持ち上げれば動く布から落ちた毛。寝床が近ければ多い年に2回
本棚と壁のあいだ空にしないと動かないほこりと毛。手が入りません年に1回
テレビ台の下前に引ける毛。高さがないぶん風が通りません年に2回
ソファの下・奥前に引ける毛と食べこぼし季節ごと

この表を作るときに、いちばん考えたのは頻度の列です。年に1回でいい場所と、年に2回やりたい場所の差は、水気があるかどうかで分かれました。洗濯機の防水パンとベッドの下は、湿った空気が溜まりやすい場所です。冷蔵庫の下と本棚の裏は乾いています。乾いている場所は、粉として溜まるだけなので、年に1回で追いつきます。賃貸のペットのにおいで手を入れる順番も、この差でつけられます。

におい自体の出どころも整理しておきます。体から落ちるのは、毛と、皮脂と、そこに集まる雑菌です。床に落ちた時点では、そこまで強くありません。強くなるのは、乾かないまま同じ場所に置かれ続けたときです。だから、動かない家具の下というのは、条件が2つそろっている場所になります。手が入らないことと、風が通らないことです。ここが賃貸の部屋で、ペットのにおいがいちばん長く残る場所でした。

動かない家具の下に、換気の風が届かない理由|賃貸で拭き取りを続けてもにおいが戻るところ

換気について、思い込んでいたことがありました。窓を対角に開ければ、部屋の空気は入れ替わる。これは正しいのですが、入れ替わるのは、風の通り道にある空気だけです。床から10センチより下、しかも家具の下に入り込んだ空気は、ほとんど動きません。冷蔵庫の下の5センチは、窓を1時間開けても、そこだけ別の部屋のようなものです。

拭き取りにも、同じことが起きています。雑巾やシートが届くのは、手が入る範囲までです。家具の下は、手前の10センチが拭ける限界で、そこから奥は4年ぶんが残ります。賃貸のペットのにおいで「毎日拭いているのに戻ってくる」と感じるとき、戻ってきているのではなくて、そこは最初から一度も動かしていない、ということが起きます。

同じ部屋の中で、手と風がどこまで届いているか
場所毎日の拭き取り換気の風実際の間隔
見えている床届く通る毎日
家具の手前10センチ届く弱く通る毎日〜週1
家具の下の奥届かない通らない動かしたときだけ
本棚と壁の2センチ届かない通らない空にしたときだけ
防水パンの四隅届かない通らない年に数回
カーテンの裾の裏届きにくい通る洗うときだけ

この表の3行目から下が、賃貸で暮らす部屋のいちばん古い面です。面積でいえば1割ですが、時間でいえば入居してからの全期間ぶんです。毎日の5分をここへ向けても終わりません。逆に、年に1〜2回きちんとやれば追いつきます。頻度の設計が、そもそも毎日の枠と合っていなかった、というのがこの4年で分かったことでした。

もう1つ、賃貸ならではの制約を書いておきます。重い家具を、ひとりで大きく動かすことはできません。冷蔵庫はコードとホースが張ります。洗濯機はホースがつながっています。本棚は中身を出さないと持ち上がりません。だから「動かして掃除する」ではなく、「動く範囲だけ動かして、届く道具を変える」という形にしないと、計画そのものが実行されません。10センチ引いて、細いノズルと薄い布で届かせる。それで足ります。

年に2回の地図と、毎日の5分|賃貸のペットのにおいに出た変化

やり方は簡単でした。紙を1枚出して、部屋の四角を描き、動かない家具を書き込むだけです。定規も要りません。そこに3つの印をつけます。年に1回でいい場所に「1」。年に2回やりたい場所に「2」。毎日の5分で拭ける場所に「毎」。これで、賃貸の部屋の中で手が入っていない面が、目に見える形になります。

  1. 紙に部屋の四角を描いて、動かない家具を入れる

    冷蔵庫、洗濯機、ベッド、本棚、テレビ台、ソファ。入居してから一度も動かしていないものだけを書きます。椅子やゴミ箱のように毎日動くものは書きません。賃貸の部屋なら、たいてい5つか6つで終わります。

  2. 水気のある場所に「2」、乾いている場所に「1」を書く

    洗濯機の防水パンとベッドの下は「2」。冷蔵庫の下と本棚の裏は「1」です。迷ったら「2」にしておいてかまいません。年に2回でも、4年に0回よりはるかに多いからです。

  3. 「2」の月を、梅雨の前と暖房を入れる前に決める

    6月と11月にしました。湿度が上がる前と、窓を開ける時間が短くなる前です。カレンダーに書いておくと、その月が来たときに思い出します。何日にやるかまでは決めません。決めると、その日にできなかった時点で流れます。

  4. 動かす道具ではなく、届く道具を用意する

    細いノズル、薄い布を挟める柄の長いもの、それだけです。家具を大きく動かす必要はありません。10センチ引いて、届く道具で手前から奥へ一方向に動かす。往復させると、奥へ押し込みます。

  5. 終わったら、地図に日付を書き込む

    紙の隅に「6/14 冷蔵庫・洗濯機」と書きます。次の年に開いたとき、どこが何年ぶんかがすぐ分かります。賃貸で長く暮らすほど、この記録が効いてきます。

  6. 毎日の5分は、「毎」の場所だけに使う

    地図ができると、毎日の5分の行き先が決まります。探さなくてよくなるのが、いちばん大きい変化でした。においが気になる日に、部屋じゅうを見回して手を出す場所を探す、ということがなくなります。

6月に「2」の場所をやったあと、夕方のにおいが変わりました。強い日がなくなったわけではありませんが、強い日に手を出す場所を迷わなくなりました。賃貸でペットと暮らしていると、部屋の側の条件を変えられないぶん、こちらの手の配り方でしか調整できません。地図を作るというのは、その配り方を年に1回だけ見直す作業でした。

毎日の5分の中身も書いておきます。床と、ペットが通る動線の上と、寝床の周りです。そのうえで、地図に書き足したのが浴室でした。賃貸の浴室は、洗い場の広さもシャワーの位置も入居した日から1通りしかなく、すすぎをどこで切り上げるかは、その日の気合いよりも浴室の形のほうが決めています。流しきれずに残ったものは、乾いたあとその子の毛に乗ったまま、部屋のほうへ持ち出されます。mofuwa モイストシャンプーに香りが入っていないのは、ペットが自分のにおいを好むからです。洗ったあとに別のにおいが乗ること自体を、その子にとっての余分の側に数えた作りになっています。部屋の側では香りを足さないと決めているのに、体の側だけ香りが乗るのは、つじつまが合いませんでした。洗った日は、地図の隅に日付で書き込んでいます。夕方のにおいが強い日と並べると、部屋の側の話なのか、洗ってから何日目かの話なのかが分かれます。

地図を作る前と後で、賃貸でのにおいへの手の入れ方がどう変わったか
毎日やっていたこと年に何回やったかにおうと感じた日
以前(4年間)見えている床を毎日。場所は毎回さがす動かない場所は0回梅雨と冬に多い
1か月目地図の「毎」だけ。5分で終わる6月に「2」を1回夕方の山が短くなった
3か月目同じ5分。探す時間がなくなった11月の予定を書き込み済み手を出す場所を迷わなくなった

最後に、切り分けておきたいことを書きます。部屋ではなく、その子の体の側から変わっているときは、掃除の話ではありません。同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、耳を振る回数が増えた、拭いても半日でにおいが戻る、食べる量や水を飲む量が変わった。こうした変化があるときは、拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。いつから、体のどこが、部屋のどこでという3つをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

賃貸で暮らすというのは、変えられない条件を抱えたまま、その中で手を配ることでした。間取りは変えられません。家具の位置も、たいてい1通りしかありません。だからこそ、動かない場所がどこかを一度だけ書き出しておく価値があります。年に1〜2回でいいのです。それだけで、毎日の5分が探す時間ではなくなります。ペットのにおいに向き合う方法として、これがいちばん長く続いています。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。