C05犬種・猫種別ケア

ラゴットロマニョーロのケア|耳の汚れを減らす3つの習慣

公開日 2025年9月9日|文=mofuwa編集部

明るい自然光の中、明るい色の床の上で落ち着いている巻毛の犬
巻いた毛は、水をはじくのではなく抱えこみます。耳の中の時間は、そこから長くなります。

雨あがりの散歩から帰ったラゴットロマニョーロの耳を手の甲でなでると、表面はもう乾いているのに、毛のあいだへ指を一本沈めた奥だけがまだ冷たく湿っていました。背中の毛は、同じ雨に濡れて、同じ時間だけ室内にいて、すっかり乾いています。同じ一頭の、同じ日の毛です。差をつくっていたのは、耳の毛が細かく巻いているという一点でした。耳の汚れは、この抱えこまれた水分が抜けきらない時間の長さから始まります。垂れた耳がふたをしているから、という説明だけでは、この時間の長さのほうは説明がつきません。この記事では、ラゴットロマニョーロの耳をふたではなくスポンジとして扱う見方を先に置いて、そのあとに水分を移して抜く手順と、毎日のケアに落とす3つの習慣を書きます。

ふたではなく、スポンジ|ラゴットロマニョーロの耳に汚れが残るまでの順番

ラゴットロマニョーロの被毛は、細かく巻いた毛が体じゅうを覆っています。1本の毛がらせんを描き、そのらせんが隣の毛のらせんと絡み合って、小さな輪をいくつも作ります。この輪のひとつひとつが、水を受け止める器になります。水をはじいて流すのではなく、輪の中に水を抱えたまま、体温を逃さない。イタリアのロマーニャ地方で、湿地の水鳥を回収する仕事から始まり、のちに湿った土の下のトリュフを探す仕事へ移った犬の、その環境に合った作りです。

耳にも、同じ毛が生えています。ラゴットロマニョーロの耳は三角に近い形で、付け根が目の高さより少し上にあり、そこから頭のわきへ垂れます。耳の外側にも、耳をめくった付け根の内側にも、巻いた毛が密に並んでいます。つまり耳の毛は、体のほかの場所と同じ量の水を、頭のわきという狭い場所で抱えこむことになります。ここが、ラゴットロマニョーロの耳の汚れを考えるときの出発点です。

垂れ耳の説明として、よく「耳がふたをしている」と言われます。この見方は半分は合っています。ただ、ふたが問題のすべてなら、耳をめくって開けば済むはずです。実際にはめくって開いても、耳の毛は数時間のあいだ湿ったままです。ふたは開ければなくなりますが、含まれた水は、開けただけでは出ていきません。ラゴットロマニョーロの耳で長引くのは、ふさがれている時間ではなく、水を抱えている時間のほうです。

そこから汚れになるまでには、順番があります。まず毛が水を抱えます。次に、垂れた耳の裏の面と、その下にある頭の側の面が、湿ったまま向かい合って閉じます。閉じた面は体温で温まります。そこへ皮脂と、散歩で拾った細かい土や草の粉が混ざる。耳の汚れは、湿りが先にあって、そのあとに外のものが留まるという順番で出来上がります。汚れそのものを先に拭き取っても、順番の1番目が残っていれば、同じ場所へ戻ってきます。

Note毛が長いから汚れる、という話ではありません

ラゴットロマニョーロの耳の毛は、短く刈っても巻きの性質までは変わりません。汚れの量を決めているのは毛の長さではなく、抱えた水が抜けるまでの時間のほうです。長さの話にすると、答えは「もっと短く刈る」になります。時間の話にすると、答えは「濡れた日に、どれだけ早く水を移せるか」に変わります。刈ったばかりの耳でも、水を抱えたまま置けば、同じ順番で汚れが戻ります。

乾いた面へ移して抜く|ラゴットロマニョーロの耳の水分を減らすやり方

スポンジから水を抜くとき、風を当てて待つ人はいません。乾いた面に押しつけて、そちらへ移します。ラゴットロマニョーロの耳も同じで、やり方の中心は「風を通す」ではなく「移す」です。巻いた毛の輪の内側には、送った風はほとんど入りません。輪の外側の面だけが乾いて、内側は湿ったまま残ります。表面が乾いたから終わり、と判断してしまう原因の多くが、ここにあります。

次の5つを、濡れた日の帰宅後にそのまま通してください。全部で30秒ほどです。道具は、乾いた面が何面か取れるものであれば構いません。大事なのは、当てている時間と、面を使い回さないことの2つです。力の強さは要りません。

  1. 耳を持ち上げず、頭から2〜3センチだけ離して開く

    真上へめくると、耳の付け根が引っぱられます。指を耳と頭のあいだへ差し入れて、そのぶんだけ浮かせます。これで、向かい合っていた2つの面が別々に触れる状態になります。ラゴットロマニョーロは耳の付け根に厚みがあるので、浮かせる高さは指1本ぶんで足ります。

  2. 乾いた面を外側の巻毛に当てて、5秒そのまま押さえる

    こすらないでください。巻きをこすると、輪どうしが噛み合って、そのまま毛玉の始まりになります。押さえて5秒待つあいだに、輪の中の水が乾いた面へ移っていきます。1か所ずつ、耳の付け根からふちへ向かって位置をずらしてください。

  3. 当てる面を、そのつど乾いたところへ変える

    同じ面で3か所目まで進むと、そこはもう水を含んでいます。含んだ面をまた当てても、水の行き先がありません。面を変えるたびに、移せる量が戻ります。耳ひとつで、乾いた面を3〜4面ぶん使うつもりでいてください。

  4. 耳が当たっていた頭の側にも、同じように当てる

    湿っているのは耳だけではありません。向かい合っていた頬の上、耳の付け根の後ろ側も同じだけ濡れています。片方だけ乾かしても、閉じればまた濡れた面と接します。2つの面を1組として扱ってください。ここを飛ばすと、翌日に耳の汚れが戻ります。

  5. 耳の付け根の内側だけ、指の腹で巻きを分けて確かめる

    耳をめくって、付け根の内側へ指の腹を当て、巻いた毛を左右に分けます。地肌が見えて、その面が乾いていれば、その日の手当てはそこで終わりです。指が湿るようなら、乾いた面をもう一度、そこへ5秒当ててください。奥へ差し込む必要はありません。見える範囲だけです。

同じ布でも、押さえるのとこするのでは結果が変わります
5秒押さえるこする
毛にかかる力面に垂直。巻きの形は変わらない横向き。巻きどうしがずれて噛み合う
水分の行き先布の側へ移る毛の表面で散る。輪の中には残る
終わったあとの手ざわり指が沈む。ふわりと戻る毛先が寄って、束になる
翌日に起きること同じ場所が乾いたまま束の内側だけが湿ったまま残る
巻毛への向き不向き巻毛に向く直毛の犬には成り立つが、巻毛には向かない

順番についても、決めておくと迷いません。外側の面が先、頭の側があと、付け根の内側は最後です。先に付け根の内側へ手を入れると、外側に残っていた水が、動かした拍子に内側へ落ちます。ラゴットロマニョーロの耳は面が広いので、上から下へ、外から内へという一方通行にしておくと、同じ場所を二度濡らさずに済みます。

Point風を送っても、巻きの内側までは届きません

送風で乾かすやり方が向く被毛もあります。まっすぐな毛は1本ずつが離れているので、あいだを風が通ります。ラゴットロマニョーロのように輪を作る毛では、風は輪の外側を通り過ぎます。時間をかけて全身へ風を当てるより、耳と頭の2つの面へ乾いた面を数回当てるほうが、実際に減る水分は多くなります。風を使うなら、移したあとの仕上げに短く使ってください。

帰宅後30秒・毎日の一か所・月に一度の毛の丈|ラゴットロマニョーロの耳を軽くする3つの習慣

ここからが、毎日のケアに落とす話です。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしていません。ひとつは濡れたできごとごと、ひとつは1日ごと、ひとつは1か月ごと。決める単位をずらしてあるので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。ラゴットロマニョーロの耳の汚れは、手をかけた総時間ではなく、湿ったまま置かれた時間のほうで決まります。

  1. 習慣1:濡れた日は、帰宅後30秒だけを耳に使う

    雨の日、川べりを歩いた日、水たまりに入った日。玄関で足を拭くのと同じ流れで、耳の外側・頭の側・付け根の内側へ乾いた面を当てます。全身を乾かす前に、耳を先に済ませてください。体を乾かしているあいだ、耳はずっと水を抱えたまま垂れています。順番を入れ替えるだけで、湿っている時間が10分単位で短くなります。時間がない日は、耳だけで構いません。

  2. 習慣2:毎日、耳の付け根の内側を一か所だけ指で確かめる

    抱き寄せたついでに、片方の耳をめくって、付け根の内側へ指の腹を当てます。乾いているか、湿っているか。それだけです。左右を日替わりにすれば、1日15秒で済みます。毎日同じ場所を触っていると、いつもと違う日にすぐ気づけます。ラゴットロマニョーロの耳は毛に覆われていて外から中が見えないので、目より指のほうが早く変化を拾います。

  3. 習慣3:月に一度、耳のふちの毛の丈を見る

    この犬種の毛は抜けにくく、伸び続けます。耳のふちの毛が伸びると、耳そのものが重くなり、頭へ張りつく力が強くなります。抱える水の量が増え、閉じている面が広がる。この2つが同時に進みます。月に一度、指ではさんで丈を見て、前の月より明らかに長ければ、トリミングの予定を早めてください。切る長さより、伸びた月を見つけるほうが大事です。

3つの習慣は、決める単位を揃えていません
何を決めるか決める単位
習慣1耳を先に済ませる、という順番濡れたできごとごと
習慣2付け根の内側が乾いているかどうか1日ごと。左右は日替わり
習慣3耳のふちの毛の丈と、次に切る時期1か月ごと

洗う回数を増やす方向へは寄せないでください。ラゴットロマニョーロは巻毛のぶん、洗ってから乾ききるまでの時間がもともと長い犬です。洗う回数を増やすと、耳が水を抱えている時間の合計は、かえって伸びます。皮脂が気になるときにまず動かすのは、洗う回数ではなく、濡れた日に耳へ手が入っているかどうかのほうです。

乾いた面を押し当てて水を移す手順は、巻きの輪の中から水を出す作業です。逆に、輪の内側へ何かを行き渡らせたいときも、通り道は同じ一つしかありません。押し当てた面から入る、という道です。だから、使う量ではなく、入り方のほうで考えます。mofuwa スキンケアミストの中身は当社の特許電解水で、精製水とくらべて水分の浸透力が35倍あるという特長が挙げられています。布が湿る程度でも、巻きの内側まで行き渡るということです。耳へ直接吹きかけるのではなく、乾いた布に含ませてから、耳の外側と、耳が当たる頭の側をなでるように拭いてください。たっぷり含ませると、乾いた面へ水を移すという30秒の手順と、向きが逆になります。

Caution耳の穴の奥へ、綿棒や指を入れないでください

ここまでの手順は、すべて目で見える範囲の話です。耳の穴の奥は、家庭で触る場所ではありません。奥のものを取ろうとすると、押し込む向きに力が加わります。見える範囲を乾いた状態に保つことと、奥を触ることは別の仕事です。奥に何かあると感じたとき、においが立つとき、頭を振る回数が増えたときは、手を入れずに動物病院にご相談ください。

手順を通しても戻る耳の汚れは、巻毛の話ではありません|ラゴットロマニョーロで手を止める線

ここまでは、巻いた毛が水を抱えるという構造で説明のつく話でした。濡れた日に手が入っていて、それでも同じ場所へ短い間隔で汚れが戻るときは、別の見方をしてください。ラゴットロマニョーロの耳は毛に覆われていて中が見えないぶん、変化が進んでから気づくことがあります。次のような変わり方は、毎日のケアの話として片づけないほうが安全です。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

耳のにおいが強い、地肌が赤い、じくじくしている、触ると痛がる、頭を振り続けている、耳の穴のふちから茶色や黒っぽいものが出てくる、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やして様子を見る前に、動物病院にご相談ください。ラゴットロマニョーロは耳の毛が密で、外から中の様子が分かりません。迷ったら、早いほうを選んでください。

相談に行く前には、3つだけ書き留めてください。最後に耳が濡れた日、汚れに気づいた日、そのあいだに何回手を入れたか。この3つがあると、水分を抱える時間の長さで説明のつく汚れなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いてから連れて行くと、もとの状態が分からなくなります。気づいたままの耳で構いません。

ラゴットロマニョーロと暮らすうえで、巻いた毛が水を抱えること自体は、なくすことができません。湿地と土の中で仕事をするために備わった作りだからです。動かせるのは、抱えた水がどれだけ早く外へ移るかという、時間のほうです。耳をふたではなくスポンジとして扱う。風で待つのではなく、乾いた面へ移す。耳の裏と頭の側を1組で見る。この3つを決めておけば、耳の汚れに使う時間そのものは、むしろ短くなっていきます。

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よくある質問

ラゴットロマニョーロの耳は、毎日拭いたほうがいいですか?
毎日拭く必要はありません。毎日やるのは、耳の付け根の内側へ指の腹を当てて、乾いているかどうかを確かめることまでです。乾いていれば、その日は拭かなくて構いません。手を入れるのは、雨や川べり、水たまりで濡れた日と、指が湿った日です。回数より、濡れた日に抜けがないことのほうが効きます。
耳を短く刈れば、汚れは減りますか?
刈ると耳は軽くなり、頭へ張りつく力が弱まるので、閉じている面はいくらか狭くなります。ただ、毛が巻いているという性質は残るので、水を抱える働きそのものは変わりません。刈ったあとも、濡れた日に乾いた面を当てる手順は同じように必要です。長さを変えることと、湿っている時間を短くすることは、別々の手当てだと考えてください。
ドライヤーの風では足りないのでしょうか?
巻いた毛は輪を作っていて、風はその輪の外側を通り過ぎます。表面は乾いても、輪の内側には水が残ります。乾いた面を5秒押さえて水分を移してから、仕上げに短く風を使う、という順番にすると、実際に減る量が変わります。風だけで乾かそうとすると時間が長くなり、その間ずっと耳は湿ったままになります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。