C04悩み解決

毛のもつれが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える

公開日 2025年9月29日|文=mofuwa編集部

白い布の上で、長い被毛にブラシを入れられている犬
もつれの犬種差は、犬種名ではなく、絡みが始まる高さで分かれます。写真:Yaroslav Shuraev/Pexels

いまできているもつれを1つ選んで、親指と人差し指でつまんでみてください。そのまま、もつれと皮膚のあいだに、反対の手の指を入れます。入らなければ根元型、すっと入れば毛先型です。もつれの犬種差として犬種の名前が挙がることは多いのですが、名前の中身を開けてみると、そこにあるのは「もつれが始まる高さ」でした。この記事では犬種名を使わずに、根元から始まる体と毛先から始まる体を比較して、やることがどこで逆になるかまで書きます。

もつれの犬種差の中身は、絡みが始まる高さでした

もつれの犬種差の話は、たいてい「毛が長いから」「毛が二重だから」で止まります。ところが同じくらい毛の長い子どうしでも、もつれる高さが違います。片方は皮膚のすぐ上から、もう片方は毛先のほうから絡みはじめる。分けているのは毛の長さではなく、絡みが始まる高さのほうです。

高さで分けると、2つになります。根元型は、下毛が抜けきらずに残る体です。被毛が2層ある子は、抜けた下毛がそのまま外へ出ず、根元にたまります。その抜け毛が芯になって、皮膚のすぐ上で絡みはじめます。絡みは下から上へ、外側の毛を巻き込みながら広がっていきます。

毛先型は、毛が長く、外のものとよく触れる体です。床、服、ハーネス、カーペット、散歩中の草。触れた場所で毛どうしが絡み、その塊がだんだん根元のほうへ下りてきます。始まりが毛先なので、初期のうちは皮膚に触れていません。同じ「もつれ」でも、進む向きが逆です。

Note猫でも同じ2つに分かれます

被毛が2層あって抜け毛が残る猫は根元型、毛が長くて床や布によく触れる猫は毛先型です。犬種差として語られている話は、そのまま猫にも移せます。種類ではなく高さで見る、というのはそういう意味です。

根元から始まる体と、毛先から始まる体を比較する

2つの型を並べると、違いは芯の中身にあることが分かります。ここが分かれば、あとで説明する使い分けの理由も一度で通ります。

根元型と毛先型|もつれの犬種差を、高さで比較する
見るところ根元型毛先型
絡みの芯になっているもの外へ出ていない抜け毛(下毛)絡み合った毛そのもの
絡みが始まる高さ皮膚のすぐ上毛の途中から先のほう
広がる向き下から上へ、外側の毛を巻き込む上から下へ、根元に近づいてくる
つまんだときの感触板のように平たく、面で広がるこぶのように丸く、点で残る
毛の量が多い体の部分腰、背中、太ももの外側耳のうしろ、脇の下、内股、しっぽ
そのままにしたときの進み方面が広がり、皮膚に張りつくこぶが大きくなり、根元へ降りる

表の1行目だけ覚えておけば足ります。根元型の芯は「毛以外のもの」、毛先型の芯は「毛そのもの」です。根元型は、外へ出したい抜け毛が中に閉じ込められている状態なので、外に出す道が要ります。毛先型は、絡む相手に触れ続けているうちは、ほどいたそばからまた絡みます。

同じブラシを同じように入れても、当たっている場所が違います。根元型の子に毛先だけをとかしても、芯はそのまま残ります。毛先型の子の根元に道具を入れれば、絡んでいない場所をかき回すことになり、静電気で毛が広がって、かえって絡みやすい状態になります。比較しておく意味は、ここにあります。

つまんで、皮膚側に指が入るか|もつれの見分け方

型を決める見分け方は1つだけです。道具は要りません。手が2本あればできます。

  1. もつれを1つ選ぶ

    首の下、脇の下、内股、耳のうしろ、腰のあたり。いちばん大きいものではなく、いちばん新しそうなものを選んでください。古い塊は、もう両方の性格が混ざっています。

  2. 親指と人差し指で、もつれをつまむ

    引っぱらないでください。持ち上げるのではなく、軽くはさむだけです。この時点で皮膚が一緒に動くようなら、次に進まず手を止めます。

  3. もつれと皮膚のあいだに、反対の手の指を入れる

    指の腹を寝かせて、下から差し込むように入れます。力を入れる必要はありません。入るか入らないかは、1秒で分かります。

  4. 入らなければ根元型、入れば毛先型

    指が入らないのは、もつれの下端が皮膚に接しているからです。絡みが皮膚のすぐ上から始まっている証拠になります。すっと入るなら、もつれの下に毛の空間が残っている、つまり毛先の側で絡んでいます。

3か所で試して、多かったほうがその子の型です。全身が同じ型とはかぎりません。腰は根元型で、耳のうしろは毛先型、という子もいます。その場合は場所ごとに手を変えます。体ひとつで型を1つに決めなければいけない、という決まりはありません。

Caution指が入らないもつれを、引っぱらないでください

指が入らないということは、皮膚がすぐ下にあるということです。そこを引けば、毛ではなく皮膚が持ち上がります。犬も猫も、痛みが出た場所は次から触らせてくれなくなります。見分けるのは「入るかどうか」までで十分です。入らなかったら、その日はそこで手を止めてください。

型が逆なら、手も逆になる|根元型と毛先型の使い分け

ここからが、もつれの犬種差を知る意味のあるところです。2つの型では、やることが逆になります。順番を間違えると、手をかけているのにもつれが増える、という状態になります。

逆をやったときに何が起きるかも書いておきます。根元型の子に「触れる相手を減らす」だけをやっても、下毛は外に出ません。床を替えても、寝床を替えても、抜け毛は根元に残ったままです。逆に、毛先型の子に「毛を外へ出す」道具を入れると、絡んでいない根元をかき回すことになります。芯は毛先にあるので、そこは崩れず、根元だけが乱れます。

型ごとの、手の使い分け
根元型毛先型
先にやること抜け毛を外へ出す触れている相手を1つ替える
ブラシを入れる高さ皮膚に近いところから、少しずつ毛先から。根元には入れない
1回の分量1か所を短く、回数を分ける1か所を最後まで。翌日に持ち越さない
やっても変わらないときに疑うこと道具が下毛まで届いていない替えた相手が、絡んでいた相手ではなかった

どちらの型でも、手を入れる前にやることは同じです。乾いた毛を乾いたまま梳かすと、静電気で毛が立ち、ブラシの先が表面をなでるだけで終わります。だから梳かす前に、mofuwa グルーミングスプレーをこれから入れるところへひと吹きしておきます。根元型なら毛を分けて地肌の近くまで、毛先型なら表面だけ。同じ道具でも、かける高さを型に合わせて変えてください。ペットは体から脂を出すので、昨日梳かしても、今日また絡みやすい条件が戻ってきます。だから毎日やれる形にしておく意味があります。

Point使い分けを一行で

根元型は「中のものを外へ出す」、毛先型は「外のものを近づけない」。向きが正反対です。どちらの型かが分かっていれば、道具の選び方も、かける時間の配分も、この一行から決められます。

両方が混ざる子の選び方と、家で手を止める線

被毛が2層あって、しかも毛が長い子は、両方の性格を持ちます。この場合の選び方は順番です。根元型の手を先に、毛先型の手をあとに置いてください。根元の抜け毛を外へ出さないまま毛先をほどくと、出しきれなかった下毛が、ほどいた毛をまた巻き込みます。

両方が混ざる子は、毎日の順番まで決めておくと続きます。帰宅後に腰から先へ mofuwa グルーミングスプレーをかけて、根元にたまった抜け毛を外へ運ぶ。そのあと耳のうしろとしっぽだけを、毛先から梳かす。ここまでで5分かかりません。舐めても差し支えない基準でつくられているので、猫の背中にかけて、そのまま毛づくろいされても量を数えなくて済みます。もつれの犬種差を型として持っておく利点は、この5分の中身を型に合わせて振り分けられるところにあります。

もうひとつ、家でやらないほうがよいことがあります。もつれにハサミを入れないでください。とくに指が入らないもつれは、皮膚がすぐ下にあります。犬でも猫でも、皮膚は思っているより薄く、毛と一緒に持ち上がります。切るなら、動物病院かトリミングサロンで、皮膚を確認できる人に任せてください。

Caution指が入らないもつれが、面になっているとき

指が入らないもつれが面で広がっている、もつれの下の皮膚がまったく見えない、その周りの皮膚が赤い、においがする、触ると声を出す、同じ場所をかき続けている、もつれの下が湿っている。ここに1つでも当てはまったら、家でほぐす段階ではありません。動物病院で、もつれの下の皮膚まで見てもらってください。皮膚に張りついたもつれは、下で何が起きているか外から見えないという点が、いちばん困るところです。

型が分かっていれば、毎日やることは1つか2つに絞れます。指を入れて型を確かめ、その高さにだけ手を入れる。もつれの犬種差は、犬種名を覚えて終わる話ではなく、どこに手を入れるかを決めるための物差しです。物差しを1つ持っておけば、明日のブラッシングから短くなります。

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よくある質問

短毛の子でも、もつれることはありますか?
あります。毛が短くても被毛が2層あれば、抜けた下毛が根元に残って絡みます。この場合は根元型です。もつれの犬種差が毛の長さの話ではない、というのはここにも表れます。指が入らない小さな塊が腰や太ももの外側にできていないか、手のひらでなでて確かめてみてください。
もつれた毛は、家で切ってしまってもいいですか?
おすすめしません。とくに皮膚側に指が入らないもつれは、皮膚がすぐ下にあり、毛と一緒に持ち上がります。切るなら動物病院かトリミングサロンで、皮膚を見ながら対応してもらってください。
シャンプーの回数を増やせば、もつれにくくなりますか?
回数だけを増やしても、型に合っていなければ変わりません。根元型は洗ったあとに下毛が乾ききらないと、かえって根元で絡みます。洗う回数より、その子の型に合った手を毎日少しずつ続けるほうが確実です。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。