C04悩み解決
毛のもつれが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
いまできているもつれを1つ選んで、親指と人差し指でつまんでみてください。そのまま、もつれと皮膚のあいだに、反対の手の指を入れます。入らなければ根元型、すっと入れば毛先型です。もつれの犬種差として犬種の名前が挙がることは多いのですが、名前の中身を開けてみると、そこにあるのは「もつれが始まる高さ」でした。この記事では犬種名を使わずに、根元から始まる体と毛先から始まる体を比較して、やることがどこで逆になるかまで書きます。
もつれの犬種差の中身は、絡みが始まる高さでした
もつれの犬種差の話は、たいてい「毛が長いから」「毛が二重だから」で止まります。ところが同じくらい毛の長い子どうしでも、もつれる高さが違います。片方は皮膚のすぐ上から、もう片方は毛先のほうから絡みはじめる。分けているのは毛の長さではなく、絡みが始まる高さのほうです。
高さで分けると、2つになります。根元型は、下毛が抜けきらずに残る体です。被毛が2層ある子は、抜けた下毛がそのまま外へ出ず、根元にたまります。その抜け毛が芯になって、皮膚のすぐ上で絡みはじめます。絡みは下から上へ、外側の毛を巻き込みながら広がっていきます。
毛先型は、毛が長く、外のものとよく触れる体です。床、服、ハーネス、カーペット、散歩中の草。触れた場所で毛どうしが絡み、その塊がだんだん根元のほうへ下りてきます。始まりが毛先なので、初期のうちは皮膚に触れていません。同じ「もつれ」でも、進む向きが逆です。
- 根元型:絡みは下から上へ広がる。芯は、外に出ていない抜け毛
- 毛先型:絡みは上から下へ降りてくる。芯は、絡み合った毛そのもの
- どちらも、高さの話なので混血の子にもそのまま当てはめられます
被毛が2層あって抜け毛が残る猫は根元型、毛が長くて床や布によく触れる猫は毛先型です。犬種差として語られている話は、そのまま猫にも移せます。種類ではなく高さで見る、というのはそういう意味です。
根元から始まる体と、毛先から始まる体を比較する
2つの型を並べると、違いは芯の中身にあることが分かります。ここが分かれば、あとで説明する使い分けの理由も一度で通ります。
| 見るところ | 根元型 | 毛先型 |
|---|---|---|
| 絡みの芯になっているもの | 外へ出ていない抜け毛(下毛) | 絡み合った毛そのもの |
| 絡みが始まる高さ | 皮膚のすぐ上 | 毛の途中から先のほう |
| 広がる向き | 下から上へ、外側の毛を巻き込む | 上から下へ、根元に近づいてくる |
| つまんだときの感触 | 板のように平たく、面で広がる | こぶのように丸く、点で残る |
| 毛の量が多い体の部分 | 腰、背中、太ももの外側 | 耳のうしろ、脇の下、内股、しっぽ |
| そのままにしたときの進み方 | 面が広がり、皮膚に張りつく | こぶが大きくなり、根元へ降りる |
表の1行目だけ覚えておけば足ります。根元型の芯は「毛以外のもの」、毛先型の芯は「毛そのもの」です。根元型は、外へ出したい抜け毛が中に閉じ込められている状態なので、外に出す道が要ります。毛先型は、絡む相手に触れ続けているうちは、ほどいたそばからまた絡みます。
同じブラシを同じように入れても、当たっている場所が違います。根元型の子に毛先だけをとかしても、芯はそのまま残ります。毛先型の子の根元に道具を入れれば、絡んでいない場所をかき回すことになり、静電気で毛が広がって、かえって絡みやすい状態になります。比較しておく意味は、ここにあります。
つまんで、皮膚側に指が入るか|もつれの見分け方
型を決める見分け方は1つだけです。道具は要りません。手が2本あればできます。
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もつれを1つ選ぶ
首の下、脇の下、内股、耳のうしろ、腰のあたり。いちばん大きいものではなく、いちばん新しそうなものを選んでください。古い塊は、もう両方の性格が混ざっています。
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親指と人差し指で、もつれをつまむ
引っぱらないでください。持ち上げるのではなく、軽くはさむだけです。この時点で皮膚が一緒に動くようなら、次に進まず手を止めます。
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もつれと皮膚のあいだに、反対の手の指を入れる
指の腹を寝かせて、下から差し込むように入れます。力を入れる必要はありません。入るか入らないかは、1秒で分かります。
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入らなければ根元型、入れば毛先型
指が入らないのは、もつれの下端が皮膚に接しているからです。絡みが皮膚のすぐ上から始まっている証拠になります。すっと入るなら、もつれの下に毛の空間が残っている、つまり毛先の側で絡んでいます。
3か所で試して、多かったほうがその子の型です。全身が同じ型とはかぎりません。腰は根元型で、耳のうしろは毛先型、という子もいます。その場合は場所ごとに手を変えます。体ひとつで型を1つに決めなければいけない、という決まりはありません。
指が入らないということは、皮膚がすぐ下にあるということです。そこを引けば、毛ではなく皮膚が持ち上がります。犬も猫も、痛みが出た場所は次から触らせてくれなくなります。見分けるのは「入るかどうか」までで十分です。入らなかったら、その日はそこで手を止めてください。
型が逆なら、手も逆になる|根元型と毛先型の使い分け
ここからが、もつれの犬種差を知る意味のあるところです。2つの型では、やることが逆になります。順番を間違えると、手をかけているのにもつれが増える、という状態になります。
- 根元型=抜け毛を、先に外へ出す。ブラッシングの目的は、毛を整えることではなく、根元にたまった抜け毛を外へ運び出すことです。皮膚まで届く道具で、少しずつ。1回で全部出そうとしないでください。換毛期の前後は出てくる量が増えるので、回数を分けます
- 毛先型=触れる相手を、減らす。ほどく前に、その毛が何と触れているかを見ます。床の素材、服の内側、ハーネスの当たる面、寝床の生地。触れている相手が変わらなければ、ほどいた翌日にまた同じ場所に戻ります
逆をやったときに何が起きるかも書いておきます。根元型の子に「触れる相手を減らす」だけをやっても、下毛は外に出ません。床を替えても、寝床を替えても、抜け毛は根元に残ったままです。逆に、毛先型の子に「毛を外へ出す」道具を入れると、絡んでいない根元をかき回すことになります。芯は毛先にあるので、そこは崩れず、根元だけが乱れます。
| 根元型 | 毛先型 | |
|---|---|---|
| 先にやること | 抜け毛を外へ出す | 触れている相手を1つ替える |
| ブラシを入れる高さ | 皮膚に近いところから、少しずつ | 毛先から。根元には入れない |
| 1回の分量 | 1か所を短く、回数を分ける | 1か所を最後まで。翌日に持ち越さない |
| やっても変わらないときに疑うこと | 道具が下毛まで届いていない | 替えた相手が、絡んでいた相手ではなかった |
どちらの型でも、手を入れる前にやることは同じです。乾いた毛を乾いたまま梳かすと、静電気で毛が立ち、ブラシの先が表面をなでるだけで終わります。だから梳かす前に、mofuwa グルーミングスプレーをこれから入れるところへひと吹きしておきます。根元型なら毛を分けて地肌の近くまで、毛先型なら表面だけ。同じ道具でも、かける高さを型に合わせて変えてください。ペットは体から脂を出すので、昨日梳かしても、今日また絡みやすい条件が戻ってきます。だから毎日やれる形にしておく意味があります。
根元型は「中のものを外へ出す」、毛先型は「外のものを近づけない」。向きが正反対です。どちらの型かが分かっていれば、道具の選び方も、かける時間の配分も、この一行から決められます。
両方が混ざる子の選び方と、家で手を止める線
被毛が2層あって、しかも毛が長い子は、両方の性格を持ちます。この場合の選び方は順番です。根元型の手を先に、毛先型の手をあとに置いてください。根元の抜け毛を外へ出さないまま毛先をほどくと、出しきれなかった下毛が、ほどいた毛をまた巻き込みます。
- 迷ったら、3か所で指を入れて、多かったほうから始める
- 季節や毛の見た目ではなく、指が入るかどうかという手触りで決める
- 替えるものは一度に1つ。床と服と寝床を同時に替えると、どれが効いたか分からなくなります
- 毛先型の手を始めるのは、根元型の手を2週間続けてからで構いません
両方が混ざる子は、毎日の順番まで決めておくと続きます。帰宅後に腰から先へ mofuwa グルーミングスプレーをかけて、根元にたまった抜け毛を外へ運ぶ。そのあと耳のうしろとしっぽだけを、毛先から梳かす。ここまでで5分かかりません。舐めても差し支えない基準でつくられているので、猫の背中にかけて、そのまま毛づくろいされても量を数えなくて済みます。もつれの犬種差を型として持っておく利点は、この5分の中身を型に合わせて振り分けられるところにあります。
もうひとつ、家でやらないほうがよいことがあります。もつれにハサミを入れないでください。とくに指が入らないもつれは、皮膚がすぐ下にあります。犬でも猫でも、皮膚は思っているより薄く、毛と一緒に持ち上がります。切るなら、動物病院かトリミングサロンで、皮膚を確認できる人に任せてください。
指が入らないもつれが面で広がっている、もつれの下の皮膚がまったく見えない、その周りの皮膚が赤い、においがする、触ると声を出す、同じ場所をかき続けている、もつれの下が湿っている。ここに1つでも当てはまったら、家でほぐす段階ではありません。動物病院で、もつれの下の皮膚まで見てもらってください。皮膚に張りついたもつれは、下で何が起きているか外から見えないという点が、いちばん困るところです。
型が分かっていれば、毎日やることは1つか2つに絞れます。指を入れて型を確かめ、その高さにだけ手を入れる。もつれの犬種差は、犬種名を覚えて終わる話ではなく、どこに手を入れるかを決めるための物差しです。物差しを1つ持っておけば、明日のブラッシングから短くなります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 短毛の子でも、もつれることはありますか?
- あります。毛が短くても被毛が2層あれば、抜けた下毛が根元に残って絡みます。この場合は根元型です。もつれの犬種差が毛の長さの話ではない、というのはここにも表れます。指が入らない小さな塊が腰や太ももの外側にできていないか、手のひらでなでて確かめてみてください。
- もつれた毛は、家で切ってしまってもいいですか?
- おすすめしません。とくに皮膚側に指が入らないもつれは、皮膚がすぐ下にあり、毛と一緒に持ち上がります。切るなら動物病院かトリミングサロンで、皮膚を見ながら対応してもらってください。
- シャンプーの回数を増やせば、もつれにくくなりますか?
- 回数だけを増やしても、型に合っていなければ変わりません。根元型は洗ったあとに下毛が乾ききらないと、かえって根元で絡みます。洗う回数より、その子の型に合った手を毎日少しずつ続けるほうが確実です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
