C04悩み解決

季節の変わり目に毛玉が増えるのは、なぜか

公開日 2025年9月22日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの中で、お腹まわりの長い毛を見せている小型犬
同じ子でも、毛玉ができる場所は季節で移動します。数より、位置のほうが季節を語ります。写真:Annabel_P/Pixabay

お腹としっぽの下にばかりできていた毛玉が、11月を過ぎたころには脇と首に移っている。同じ子、同じブラシ、同じ頻度なのに、見つかる場所だけが入れ替わります。毛玉が増えると感じたとき、実際に増えているのは数だけではありません。季節で動いているのは、できる場所のほうです。この記事では、夏型と冬型で位置がどう入れ替わるのかを比べて、いま手のなかにある毛玉がどちらの話なのかを見分けられるようにします。

毛玉が増える季節に、体のどこを見ているか

毛玉が増えると感じたとき、たいていは「何個できたか」を数えています。数は分かりやすい代わりに、その日の気分や、どこまで丁寧に触ったかで簡単にぶれます。季節の話をしたいなら、数える対象を数から位置に変えてください。同じ子でも、毛玉ができる場所は1年のなかで動きます。

毛玉ができるには、毛どうしが動かないまま近づき続ける時間が要ります。その時間を作るものが、季節によって入れ替わります。夏は水、冬は布です。どちらも毛を寝かせて、隣の毛と貼りつけたまま固定します。水と布では触れる場所が違うので、結果として毛玉のできる位置が変わります。

Note抜け毛の量とは、別の話です

換毛期に毛が増えるのは抜け毛の量であって、毛玉の場所ではありません。抜けた毛が芯になるタイプの絡まりは春と秋に寄りますが、ここで扱っているのは「体のどこにできるか」だけです。量の話と位置の話を混ぜないでください。

夏型と冬型|毛玉ができる場所の違いを比べる

夏と冬で、毛玉の何が違うのか。位置だけでなく、触ったときの感触、放っておいたときの進み方まで変わります。並べて見ると、同じ「毛玉」という言葉で呼ぶのが乱暴に思えてくるはずです。

夏型と冬型の毛玉、季節による違い
見るところ夏型(濡れる)冬型(当たる)
できる場所お腹、内もも、足まわり、しっぽの下脇、首まわり、胸、ハーネスや服の下
きっかけ水遊び、雨、シャンプー、湿った地面服、毛布、寝床、抱かれる姿勢
触った感触根元近くで平らに固まる。板のよう毛先寄りで丸くなる。玉のよう
進む速さ乾ききるまでの数時間で一気に締まる何日もかけて、少しずつ大きくなる
増えるタイミング水に触れたその日の、乾くまでの数時間で同じ服・同じ寝床を使い続けた1週間で
見つけやすさ抱き上げないと見えない下側服を脱がせないと見えない内側
夏に増えるときと、冬に増えるとき 夏は水で毛が寝たまま固まり、冬は布に押さえられて毛が動けなくなります。同じ毛玉でも、できる場所と手を入れる先が入れ替わります。 季節で動くのは、数ではなく位置です 夏に向かうとき 水が当たる下側にできる お腹・内もも・しっぽの下 乾くまでの数時間で締まる 手を入れる先:乾かす順番 冬に向かうとき 布が当たる内側にできる 脇・首まわり・胸 同じ服を使い続けて育つ 手を入れる先:当てるものの見直し 位置が動いていれば季節の話、動かなければ体の作りか動きの話です
同じ「毛玉が増える」でも、探す場所が入れ替わります。

この表で押さえておきたいのは、5行目の「増えるタイミング」です。夏型は数時間で決まり、冬型は1週間かけて育ちます。夏型を見つけたいなら濡れた日を起点に、冬型を見つけたいなら同じ寝具や同じ服を使っている期間を起点に探すことになります。探すタイミングまで季節で違う、ということです。

毛玉を見つけた位置に、月ごとの印をつける見分け方

いま目の前にある毛玉が、季節の話なのかそうでないのか。これは1回では分かりません。記録の取り方を変えるだけで、3か月後にはっきりします。やることは1つで、見つけた位置を月ごとに残していくだけです。

  1. 体の輪郭を、紙に1つ描いておく

    上手である必要はありません。横向きの体に、首・胸・脇・お腹・内もも・足・しっぽが分かる程度で十分です。これを12枚コピーして、月の名前を書いておきます。うまく描けなければ、体を6つの区画に分けた四角い表でもかまいません。

  2. 毛玉を見つけたら、その場でその月の紙に印を打つ

    大きさも硬さも書かなくて構いません。位置だけを、点で残します。あとで書こうとすると、必ず「お腹のあたり」という曖昧さになります。見つけたその場が、いちばん正確です。

  3. 月末に、その月の点のかたまりを見る

    3個以上の点が集まっている場所を丸で囲みます。1か月に1回、10秒で終わる作業です。

  4. 3か月ぶんの紙を、横に並べる

    丸の位置が下側から内側へ、あるいは内側から下側へ移っていれば、季節の話です。3か月同じ場所から動かないなら、季節では説明がつきません。

この見分け方のいいところは、飼い主の記憶に頼らないことです。毛玉が増えると感じたとき、印象はいつも「最近ひどい」に寄ります。紙の上の点は、そこを訂正してくれます。実際に多いのは、数はほとんど変わっていないのに、いつもと違う場所に出たせいで増えたように見えているケースです。

Point印が2か所に散るときの読み方

11月と3月のような入れ替わりの時期は、下側と内側の両方に点がつきます。これは記録の失敗ではなく、水と布が同時に効いている期間だという意味です。この時期だけは、両方の手を並行して使ってください。どちらか一方に絞るのは、点が片側に寄ってからで間に合います。

夏型と冬型で変わる、ブラシと手の使い分け

位置が分かれば、手の使い分けも決まります。夏型と冬型では、そもそも直すべきものが違うからです。夏型は濡れている時間、冬型は当たり続けているもの。ブラッシングはどちらにも要りますが、それだけでは片方しか追いつきません。

夏型・冬型それぞれの、手の使い分け
やること夏型(濡れる場所)冬型(当たる場所)
いちばん先にやること濡れた日のうちに、下側を乾かしきる同じ服・同じ毛布を続けて使わない
ブラシを入れる向きお腹側を上に向けて、下から上へ脇を開いて、体の外側へ向かって
使う道具目の粗いコームで、根元の平らな固まりから毛先の丸い玉を、指でほどいてから細かいブラシ
触る頻度水に触れた日を基準に決める曜日を決めて、週2回に固定する
見落としやすい場所しっぽの付け根の下側ハーネスの縫い目が当たる胸の中央

夏型でいちばん効くのは、道具ではなく乾かし方です。タオルで上から押さえただけだと、お腹や内ももの毛は寝たまま乾きます。寝たまま乾いた毛は、隣の毛と貼りついた状態で固定されます。抱き上げて下側に風を通し、指で毛を起こしながら乾かしてください。ここを変えるだけで、夏型の毛玉はかなり減ります。

冬型で効くのは、当てるものを変えることです。服を着せているなら、縫い目やタグの位置が毎日同じ場所に当たっていないか。寝床が同じ向きに固定されていないか。毛玉が同じ場所に育つのは、当たる場所が動いていないからです。服の向きを変える、寝床の向きを90度変える。それだけで、当たる面が分散します。

夏型と冬型で手を入れる先は違いますが、どちらにも重ねられるものがあります。毛玉予防ジェルは、被毛1本1本をコーティングして、毛が絡まりにくい状態を保つためのものです。夏型なら、下側に風を通して乾かしきったあとに。冬型なら、服を着せる前に脇と胸へ。5プッシュを手のひらに広げて置いてから、ブラッシングでなじませます。2〜3日に1回で、毛が動けない時間があっても隣の毛と貼りつきにくい状態が続きます。

Cautionどちらの季節も、濡らしてからほぐさないこと

毛玉をゆるめようとして水をかけると、乾くときにさらに締まります。夏型はもともと水でできているので、なおさら逆向きです。ほぐすのは乾いた状態で、根元を指で支えて、毛先の側から。ハサミを入れるのは、皮膚を一緒に切る事故が起きるので家ではやらないでください。

位置が動かない毛玉の、次の一手の選び方

3か月ぶんの紙を並べて、丸の位置が動いていなかった。このときは、季節を追いかけても答えが出ません。同じ場所に出続ける毛玉は、その子の体の作りか、毎日の動きが理由です。ここからの選び方は、季節の話とは分けて考えてください。

とくに4つめ、左右のどちらかにだけ毛玉が寄るときは、毛の話として扱わないでください。いつも同じ側を下にして寝ている、片側をかばって歩いている、という体のほうの変化が先にあることがあります。位置の記録は、こういう左右差を見つけるのにもそのまま使えます。

位置が決まっているなら、置く場所も決まります。毛玉予防ジェルは、紙の上で丸を付けた一か所にだけ置くという使い方ができます。脇の内側、ひざの裏、首輪やハーネスが当たる胸の中央。少量を根元に置いて、毛先へ向けてなじませる。全身に広げる必要はありません。毎月同じ場所に出続けるところにだけ続けていけば、その子が押さえられている時間は短いままです。

毛玉のまわりの皮膚が赤い、触ると痛がる、においがする、指2本でつまんでも持ち上がらないほど根元で締まっている。これらに当てはまるときは、家でほぐそうとせず動物病院かトリミングサロンにご相談ください。皮膚と一体になった毛玉を家で外そうとするのが、いちばん事故が多い場面です。

紙と点に戻ります。丸の位置が動いていたなら、動いた先を先に触る。動いていなかったなら、その一か所に毛玉予防ジェルを続ける。毛玉が増えたかどうかは、来月の紙が答えます。数えるものを数から位置に変えたぶん、手を入れる場所は毎月書き換わっていきます。

Product

mofuwa 毛玉予防ジェル

mofuwa 毛玉予防ジェル

50g / 2,970円(税込)

被毛をコーティングして、もつれと静電気を起きにくくするジェル。香料無添加です。

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よくある質問

夏と冬で、ブラッシングの回数は変えたほうがいいですか?
回数より、基準の取り方を変えてください。夏型は水に触れた日を起点に決めるので、雨の日や水遊びをした日は必ず触ることになります。冬型は同じ服や寝床を使い続けた期間で育つので、曜日を決めて週2回に固定するほうが漏れません。同じ「週2回」でも、夏は日を選び、冬は日を決める、という違いです。
毛玉が増える季節に、短くカットしてしまうのは有効ですか?
位置の記録が取れなくなるので、まずは3か月ぶんの点を集めてから決めることをおすすめします。短くすれば当面は減りますが、脇や首など「当たる場所」に出ていた冬型は、毛が伸びてくれば同じ場所に戻ります。カットは時間を稼ぐ手であって、当たっているものを見直す作業の代わりにはなりません。
短毛の子でも、季節で毛玉の場所は動きますか?
動きます。短毛でも、脇や首の下のように毛の向きが集まる場所には絡まりができます。ただし夏型の平らな固まりは見つけにくく、抱き上げてお腹側を指でなぞらないと気づけません。短毛の子ほど、目で探さず手で探してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。