C04悩み解決
涙やけを繰り返さないために、毎日やっておきたいこと
目の下の毛を指でつまんで、毛先まで指を滑らせてみてください。途中まで指が湿って、そこから先は乾いているはずです。湿りが終わるその位置が、涙が運ばれた終点です。涙やけで色がつく範囲は、涙の量ではなく、涙が毛を伝ってどこまで旅したかで決まります。涙の量そのものは家庭では変えられませんが、この距離のほうは変えられます。そこが、涙やけの予防で家庭が手を出せる場所です。この記事では、毎日やる3つの手順と、続けるコツ、拭き取りの頻度を上げる前に相談したい目安までを整理します。
涙やけの予防で家でできるのは、涙が旅する距離を縮めること
涙は、目の内側から少しずつあふれて、目の下の毛に移ります。そこから先は、毛を伝って下へ、外へと運ばれていきます。毛が長いほど、涙は遠くまで運ばれます。変色して見える範囲が広い子は、涙が多いのではなく、涙の旅する距離が長いだけということがあります。予防の考え方は、ここから始まります。
- 涙の量は、目の作りで決まります:鼻の長さ、目の大きさ、涙の通り道の形。どれも家庭で変えられるものではありません
- 距離は、毛の長さと向きで決まります:長ければ遠くへ、内側を向いていれば留まる方向へ。ここは変えられます
- 色は、濡れている場所にしかつきません:終点より先の乾いた毛は、変色しません。色の範囲は、そのまま距離の記録です
- 毛の色が薄い子ほど、距離が見えやすい:白い毛は終点がはっきり見えます。濃い色の子は見えにくいので、指で湿りをたどってください
涙やけの予防のためにできることは、量を減らす側ではなく、距離を縮める側にあります。この置き換えをすると、毎日やることが3つに絞れます。目のまわりを広く拭くのではなく、終点の1点だけを扱えばよくなるからです。
猫は犬より目の下の毛が短いことが多く、そのぶん涙の旅する距離も短くなります。ただし鼻の短い猫は涙があふれやすく、短い距離でも同じ場所が濡れ続けます。距離が短いから予防が要らないのではなく、終点が目に近いぶん、毎日見る場所が決まっていると考えてください。
犬の涙やけを毎日見るなら、3つの手順で足ります
毎日やることは3つです。かかる時間は、両目あわせて1分ほどです。手順を増やさないことが、そのまま続けるための条件になります。
-
目の下の毛が、どこまで涙を運んでいるかを見る
目の下の毛を指の腹でつまみ、目に近いほうから毛先へ向かって滑らせます。指が湿らなくなったところが、その日の終点です。見るのは色ではなく、濡れている範囲です。色は昨日までの記録ですが、濡れている範囲は今日の状態を表しています。左右で終点の位置が違うこともあるので、両目とも確かめてください。
-
毛先が濡れていたら、そこだけを乾かす
乾いた柔らかい布を、濡れている毛先に当てて、水分を移します。こすらず、押さえるだけです。目のまわり全体ではなく、終点の1点だけで足ります。広く拭こうとすると、乾いていた場所まで湿らせて、距離をかえって伸ばすことになります。拭き取りではなく、水分を移す作業だと考えてください。
-
伸びてきたら、目の下の毛の長さを保つ
毛が伸びれば、涙の旅する距離もそのまま伸びます。月に一度、目の下の毛が前より長くなっていないかを見てください。切るのはご自身でやらず、トリミングサロンか動物病院に頼んでください。目の近くにハサミを入れるのは危険で、動いた拍子の事故が起きます。長さを保つことが、予防のためにできることの中でいちばん効きます。
変色した毛を、こすって元の毛の色に戻すという手は選ばないでください。目のすぐ下は皮膚が薄く、犬も猫も顔をこすります。人用の化粧品や、色を抜くようなものを目のまわりに使うのも避けてください。色そのものは、これから伸びてくる毛が入れ替えていきます。いま扱うのは、今日濡れている場所だけです。
週に1回、同じ角度・同じ明るさで顔を1枚撮っておくと、終点の位置が前より目に近づいたか、遠のいたかを比べられます。涙やけの予防が効いているかどうかは、色の濃さではなく、終点の位置で判断してください。色は入れ替わるまでに時間がかかるので、日々の変化には向きません。
拭き取りの頻度を上げる前に、動物病院で見てもらうとき
終点の位置が急に遠くなった、片目だけ濡れる範囲が広がった、というときに、拭き取りの頻度を上げて追いかけないでください。距離が急に伸びるのは、涙の量そのものが変わったサインです。そこは予防の範囲ではなく、動物病院で見てもらう場面です。
片目だけ涙が増えた、目を開けにくそうにしている、白目が赤い、まぶしがる、目やにの色や質が変わった、目のまわりが腫れている、前足で目をこすり続けている、目のまわりの皮膚がただれている、数日で急に濡れる範囲が広がった、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、終点の位置を毎日たどるのをいったん止めて、動物病院で見てもらってください。距離を縮めるという考え方は、涙の量そのものが変わっていない、という前提の上に立っています。前提のほうが動いたときは、家の手順を足しても届きません。
受診の前に、目のまわりをきれいにしてから行かないでください。診察室で見てもらいたいのは、いま濡れている範囲と、目やにの状態そのものです。持って行くのは、いつから終点が動いたか、左右で違いがあるか、毛の長さを整えたのはいつか、家で使っているものはあるか、の4つです。週に1回撮っていた写真があれば、それが経過の記録になります。
続けるコツは、乾かす場所を1点から広げないこと
毎日やろうとすると、たいてい範囲が広がっていきます。目のまわり全体を拭き、鼻の脇まで拭き、口のまわりまで拭く。手数が増えるほど時間がかかり、嫌がられ、続かなくなります。広げないことがコツです。よくある広げ方は3つに分かれます。
| 広がるきっかけ | 起きていること | 外し方 |
|---|---|---|
| 色が気になって、色のある場所を全部拭く | 今日の濡れではなく、昨日までの記録を追いかけている | 触るのは、指が湿った場所だけと決める。色の範囲は見るだけにする |
| 濡れた布で目のまわりを一周させる | 乾いていた毛まで湿り、涙の旅する距離が伸びる | 布は乾いたものを使う。水分は足すのではなく移す |
| 朝と夜で、やることを変えてしまう | 毎日の手順が2種類になり、どちらもあいまいになる | 朝は終点を見るだけ、夜は乾かすところまで、と役割を分ける |
3つ目は見落とされがちです。毎日やる内容を、朝と夜で分けてしまってかまいません。朝は指を滑らせて終点を確かめるだけ、夜は濡れていた1点を乾いた布で押さえる。1回あたりが短くなるほど、目のまわりを触られることへの抵抗も減ります。
いきなり目の下に指を伸ばすと、たいていの子は顔を引きます。あごの下か、耳の付け根に手を置いてから、目の下へ移してください。手が視界の中を横切らない方向から入ると、途中で逃げられにくくなります。それでも嫌がる日は、終点を見るだけで終わりにして構いません。
続かないときは、やる気ではなく置き場所の問題であることがほとんどです。乾いた布を、その子がいつもいる場所のすぐ横に置いてください。取りに行かないと始まらない手順は、毎日にはなりません。予防は毎日の条件づくりなので、道具までの距離も条件のひとつです。
道具を1つ足すなら、終点の1点に置ける形のものを選んでください。終点より手前の、濡れている区間で進むことが2つあります。油分が毛に沈着することと、湿った区間で菌が増えることです。mofuwa 目にやさしい涙やけクリーナーは、この区間に置く道具として、01(CLEAN)と02(CARE)に中身を分けています。キャップの先がとがっているのは、飼い主からの要望で決まった形です。目元へ直接落とすことも、コットンへ数滴だけ落とすこともできます。ここでの涙やけの予防のやり方に合わせるなら、コットンの端に数滴だけ取って、指でたどった終点にだけ当ててください。量を数滴で決められることが、そのまま「広げない」につながります。当てたあとに乾いた面で押さえて終えるところまでが一続きです。これを毎日続けても、いま色がついている毛が白くなることはありません。色のほうは、伸びて入れ替わるのを待ちます。動くのは終点の位置です。
Product
mofuwa 目にやさしい涙やけクリーナー
1,870円(税込)
眼刺激性試験をクリアした2剤構成。01(CLEAN)で目やにと涙の跡を浮かせ、02(CARE)で拭いたあとの環境を整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 毛の色が濃い子は、涙やけの予防をしなくても大丈夫ですか?
- 変色が見えにくいだけで、涙が運ばれている距離は同じです。色で判断せず、目の下の毛を指でつまんで、どこまで湿っているかを確かめてください。濃い色の子ほど、指でたどる習慣が役に立ちます。
- 拭き取り用のシートを使ってもいいですか?
- 濡れているもので目のまわりを一周させると、乾いていた毛まで湿って、涙の旅する距離が伸びます。シートのように面の大きいものは、口のまわりやあごの下など、目から離れた場所に向いています。目の下に何かを置くなら、終点の1点に少量だけ当てて、そのあと乾いた面で押さえるところまでを一続きにしてください。
- 食べ物を変えると、涙やけは出にくくなりますか?
- 食事の内容と涙やけの関係については、家庭で断定できるものではありません。変えるかどうかは動物病院にご相談ください。家庭でできるのは、毛の長さを保って、涙が運ばれる距離を短くしておくことです。何かを変えたときは日付をメモしておくと、あとで比べられます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
