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犬の耳垢の多さ|まず疑いたい3つの原因

公開日 2025年8月25日|文=mofuwa編集部

手で耳を持ち上げられ、耳の入り口が明るく見えている犬
耳垢がどこに付いているかは、それがどこから来たかを表しています。写真:Helena Lopes/Pexels

耳を持ち上げたとき、耳垢が付いているのは入り口の手前でしょうか、入り口の縁でしょうか、それとも奥から出てきて入り口に溜まっているでしょうか。この3つのどれかを見分けるだけで、耳垢の原因は3つに分かれます。付いている位置は、それがどこから来たかを表しているからです。量が多いか少ないかを先に決めようとすると、比べる相手がいないまま迷うことになります。この記事では、触らずに位置を見る手順、位置で分かれる3つの原因、それぞれで家でやること、そして動物病院に相談するサインまでを順に整理します。

耳垢の見分け方は、触らずに見るところから

耳垢の原因を探すとき、最初にやることは拭き取ることではありません。耳を持ち上げて、明るいところで、入り口の「どこに」付いているかを見ることです。拭き取ってしまうと、いちばん確かな手がかりが消えます。位置は、量よりも先に見る情報だと考えてください。

  1. 窓ぎわか、明るい照明の下へ移動する

    暗いところでは、入り口の手前に付いているのか、奥から出てきているのかが見分けられません。耳垢の見分け方でいちばん効くのは、光の量です。スマートフォンのライトを近づけると影が強く出て、かえって奥が見えなくなります。部屋全体が明るい場所を選んでください。

  2. 耳の根元を持って、外側へ開く

    垂れ耳の子は、耳をめくって内側が上を向くようにします。立ち耳の子はそのままでも入り口が見えますが、少し外へ開くと縁まで見えます。引っぱらず、根元から持ち上げてください。嫌がるようなら、その日は無理をせず、耳のまわりを撫でるだけにして翌日にまわします。

  3. 入り口の「どこに」付いているかを見る

    手前か、縁か、奥から出てきているか。耳垢はこの3つのどれかに当てはまります。量ではなく位置を見ます。ここが、耳垢の原因を3つに分ける分岐点です。

  4. 反対の耳も、同じ手順で見る

    左右で位置が違うことがあります。片方だけ奥から出てきているといった差は、あとで動物病院に伝えるときの材料になります。左右をそろえて見るところまでが1回分です。

Caution見るだけにして、耳の中には触らないでください

綿棒やコットンを入れて拭き取ると、位置という手がかりが消えます。耳の中は細く曲がっているので、拭いたつもりのものが奥へ押し込まれることもあります。この段階でやることは、見ることと記録することだけです。指を入れる、耳の中に洗浄液を流す、市販の道具を差し込む。いずれも、原因を絞り込む前にやることではありません。

見たら、スマートフォンで1枚撮っておいてください。同じ角度・同じ明るさで週に1回撮ると、位置が変わったかどうかを比べられます。耳垢は少しずつ変わるので、記憶では比べられません。写真は、家で判断するためではなく、変化があったかどうかを見るための記録です。

犬の耳垢の見分け方|位置で分かれる3つの原因

犬の耳垢の見分け方として役に立つのは、量でも回数でもなく位置です。付いている位置は、その耳垢がどこから来たかを表しています。外から入ったものなのか、耳のふちの皮膚から出たものなのか、耳の中で作られたものなのか。3つの原因は、次のように分かれます。

耳垢が付いている位置と、3つの原因
付いている位置どこから来たものかそこで起きていること
耳の入り口の手前(耳のふちの内側)外から入ったもの散歩で付いた砂や草の粉、抜けた毛、皮膚から出た皮脂が、外側から入り口の手前に溜まっています
入り口の縁に、輪のように沿って耳のふちの皮膚から出たもの耳のふちの皮膚がこすれて、そこから出たものが縁の線に沿って残っています
奥から出てきて、入り口に溜まっている耳の中で作られたもの耳の中で作られたものが外へ運ばれてきて、入り口のところで止まっています

位置は、量よりも安定した手がかりです。量はその日の散歩や、前に拭いたのがいつかでいくらでも変わりますが、どこに付くかは、出どころが変わらないかぎり変わりません。だから、原因を1つに絞るときは位置から入ります。

Note猫は入り口が広いぶん、位置が見やすい

猫の耳は入り口が広く開いているので、3つの位置の見分け方は犬より簡単です。ただし猫は嫌がると次から見せてくれなくなるので、押さえつけずに、眠そうにしているときを選んでください。長毛の猫は耳のまわりの毛が入り口にかかるので、毛を指で分けてから見ます。

3つの原因のうち、どれか1つとは限りません。手前と縁の両方に付いていることもあります。そのときはいま多いほうを主な原因として扱い、もう一方は次に見ると決めてください。同時に2つを追いかけると、何が効いたのか分からなくなります。

3つの原因ごとに、家でやることと1週間の目安

原因が3つに分かれると、家でやることも3つに分かれます。共通しているのは耳の中には触れないという一点だけで、それ以外はまったく違う手になります。

  1. 手前に付いているとき|入ってくるものを減らす

    外から入ったものが原因なので、家でできるのは入り口までの環境を変えることです。草丈の高いところを歩いた日は、帰宅後に耳のまわりの毛を布で撫でて、粉状のものを落とします。耳の中ではなく、耳のふちの外側までです。寝床の敷物に細かい繊維が出ていないかも見てください。

  2. 縁に沿っているとき|こすれている場所を探す

    耳のふちの皮膚から出たものが原因なので、そのふちが何とこすれているかを探します。後ろ足が届いているのか、床や家具にこすりつけているのか、首輪やハーネスの縁が当たっているのか。こすれが続くかぎり、拭いても同じ場所にまた出ます。当たっているものが見つかれば、そこを外すのが家でできることです。

  3. 奥から出てきているとき|家では何もしない

    耳の中で作られたものが原因のときは、家でできることはほとんどありません。むしろ触らずに、そのまま動物病院で見てもらうのがいちばん早い場面です。奥のものを引き出そうとすると、途中で押し戻すことになります。耳のまわりの通気をよくするために、耳の下の毛が伸びていれば整える程度にとどめてください。

手前と縁の2つについては、家でやることを変えてから1週間を目安に見ます。耳垢は毎日見ても差が分かりませんが、1週間あれば「同じ位置に、同じくらい出ているか」は比べられます。奥から出てきているときは、この1週間の目安は当てはめないでください。

1週間後に見る目安
原因1週間後に見ること変わっていないとき
外から入ったもの(手前)手前に乗っているものが減ったか入ってくる経路をもう一度探す。散歩コースと寝床を見直す
ふちの皮膚から出たもの(縁)縁の線が細くなったか、赤みが引いたかこすれの相手を特定できていない可能性が高い。動物病院に相談する
耳の中で作られたもの(奥)1週間待たない位置が奥のときは、家で様子を見る対象ではありません
Point湿気の多い時期は、1週間の見方だけ変わります

梅雨や夏場は、耳の中の湿気が抜けにくくなります。とくに垂れ耳の子は、耳が入り口をふさいで通気が落ちます。この時期は「減ったか」ではなく「増えていないか」で見てください。同じ量で止まっていれば、家でやっていることは効いています。

動物病院に相談するサインは、位置ではなく耳そのものの様子

ここまでは耳垢が付いている位置で原因を分けてきましたが、相談するかどうかを決めるサインは、位置とは別のところにあります。次のどれかに当てはまるときは、位置の見立てを続けずに動物病院にご相談ください。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

耳を触られるのを急に嫌がるようになった、頭を傾けている、耳の入り口が腫れている、耳のふちが熱い、耳垢と一緒ににおいが出てきた、耳を気にする様子が日に日に増えている、食欲や元気が落ちている、片方の耳だけ様子が違う。いずれかに当てはまるときは、家で原因を絞り込む段階ではありません。自己判断せず、動物病院にご相談ください。

受診の前に、耳垢を拭き取らないでください。診察室で見てもらいたいのは、いま付いている位置そのものです。きれいにしてから連れて行くと、家で見ていた情報が伝わりません。持って行くのは、いつから気づいたか、どの位置に付いているか、左右で違いがあるか、家でやり方を変えたのはいつか、の4つです。週に1回撮っていた写真があれば、それだけで足ります。

同じ位置に耳垢が出続けるときに見ること

家でやることを変えても、同じ位置に耳垢が出続けることがあります。そのときに疑うのは「やり方が足りない」ことではなく、原因の見立てそのものがずれていることです。次の5つを順に見てください。

この5つのうち、上の2つは位置の情報がそのまま使えます。週に1回撮っていた写真があれば、いつ位置が動いたかを日付で言えます。動物病院では「いつから」を必ず聞かれるので、この日付がそのまま答えになります。

逆に、家でやることを変えて1週間で位置が変わらず、量も増えていないなら、それはその子にとっての普通の量である可能性があります。耳垢はゼロにするものではありません。耳の中で作られて外へ運ばれる仕組みは、どの子にもあります。減らしきることを目標にしないでください。

週に1回、位置を見るために耳をめくります。そのとき目に入るのは入り口ですが、耳をおろせば同じ面に触れているのは、耳の下の毛のほうです。見るのは週に1回でも、その毛は毎日そこにあります。ここで使うものは、油分を残さないほうが都合がよくなります。拭いたあとに油の膜が残ると、そこが次に落ちてくるものの受け皿になるからです。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、鉱物油もオイルも入れていません。布に含ませて、耳の外側と、耳の下の毛を一度なでるだけで足ります。触れるのは、めくったときに目に入る範囲までです。そこから奥へは入れません。順番は、位置を見てから拭く。逆にすると、その日の手がかりを消してから見ることになります。

3つの位置のうち、家で続けられるのは手前と縁の2つです。週に1回めくって位置を見て、見たあとに耳の外側と耳の下を一度なでる。この順番を1か月続けると、その子の耳垢がどの位置に、どのくらいの間隔で戻ってくるかが分かります。量を減らしきることではなく、戻る間隔が読めるようになることが、続けた先で変わるところです。そこまで分かると、写真を見返さなくても、いつもと違う日にだけ気づけるようになります。

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よくある質問

耳垢の原因を、色で見分けることはできますか?
色だけで原因を分けようとしないでください。同じ出どころでも、乾き方や付いてからの時間で見え方が変わります。家で使える手がかりは、色よりも「入り口のどこに付いているか」という位置のほうです。色や質が前と変わったと感じたときは、家で判断せず動物病院にご相談ください。
耳垢はどのくらいの頻度で取ってあげればいいですか?
位置を見るのは週に1回で足ります。取ることを目的にしないでください。耳の中で作られたものが外へ運ばれてくるのは、どの子にもある働きです。取りきろうとして頻度を上げると、耳のふちがこすれて、今度はそこから出るものが増えます。
垂れ耳の子は、耳垢が多くなりやすいのですか?
耳が入り口をふさぐぶん、通気が落ちて湿気が残りやすくなります。ただし、それは3つの原因のうち「耳の中で作られたもの」が見えにくくなるという話で、垂れ耳そのものが原因になるわけではありません。垂れ耳の子ほど、週に1回めくって位置を見る習慣が役に立ちます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。