C04悩み解決
耳のにおいのケアで、実は逆効果になっている3つのこと
耳のにおいが気になった夜、ドライヤーを弱風にして20秒ほど耳に当てました。翌朝、においは少し強くなっていました。やってはいけないと言われる手には、たいてい理由があります。この記事で挙げる3つも同じで、どれも「耳を乾かそう」として選ばれる手です。乾かしたいのに逆へ向かうのは、3つとも耳を固定してしまうからです。順に見ていきます。
やってはいけない3つに共通する、ひとつのやり方
耳のにおいが出ると、まず「湿っているから」と考えます。この見立て自体は間違っていません。耳の中は袋のような形をしていて、湿ったままだと皮脂が残り、雑菌が増えやすい条件がそろいます。問題は、そのあとに選ぶ手のほうです。
耳のにおいのケアでやってはいけないとされる3つを並べると、まったく別の手に見えて、根は同じです。
- ドライヤーを耳に当てる:風で中まで乾かそうとする
- 綿やティッシュを詰めて、水を吸わせる:吸わせて乾かそうとする
- 耳を折り返してクリップやスヌードで留める:開いて風を通そうとする
3つとも、耳を乾かそうとするやり方です。そして3つとも、そのあいだ耳を止めてしまいます。ドライヤーは音と風で頭を振れなくし、詰めものは空気の出入りをふさぎ、留め具は耳の角度を固定します。
耳の中が乾くのは、風を送り込んだときではありません。耳が自然な角度に戻って、その子が頭を動かすたびに、耳の中の空気が少しずつ入れ替わるときです。犬も猫も、1日に何度も頭を振り、傾け、耳を立てたり伏せたりします。その動きひとつひとつで空気が押し出され、また入ります。やってはいけない3つは、この動きを止めているぶんだけ、乾く時間を短くしています。
毎日やっていたことが、耳の中で何を起こすか
3つを順に見ていきます。毎日の習慣になっているものほど、影響が積み上がります。
1つめ。ドライヤーを耳に当てる。起きるのは、温度が上がることです。耳の中は行き止まりの袋なので、入った熱の逃げ場がありません。温まると皮脂はやわらかくなり、入り口に留まっていたものが奥へ流れます。においの元が、手の届かない側へ移動するということです。さらに、風の音と圧で、その子は頭を振らなくなります。乾かすための道具が、乾く条件のほうを止めてしまいます。冷風でも同じで、耳の中に風を直接入れる時点で、耳を固定していることに変わりはありません。
2つめ。綿やティッシュを詰めて、水を吸わせる。起きるのは、異物が残ることです。綿は湿ると繊維がちぎれやすくなり、取り出すときに一部が残ります。残った繊維は自然には出てきません。詰めているあいだは空気の出入りが完全に止まるので、吸わせた時間のぶんだけ、耳の中は乾かない時間になります。拭き取りは、指に布を巻いて見える範囲だけにしてください。押し込む道具は、家庭では使いません。
3つめ。耳を折り返して留める。起きるのは、耳の形が崩れることです。垂れ耳の子の耳を頭の上で留めると、付け根に折り目の圧がかかり続けます。血のめぐりが落ち、長く続けると軟骨に負担が残ります。そして留めているあいだ、その子は頭を振れません。開けたつもりで、いちばん効く動きを止めています。換気のために耳を開けておきたいなら、留めずに、耳が自然に持ち上がる時間を作るほうが確実です。
| やり方 | 起きること | 止まる動き |
|---|---|---|
| ドライヤーを耳に当てる | 温度が上がり、皮脂が奥へ流れる | 音と風で、頭を振らなくなる |
| 綿やティッシュを詰める | 繊維が残り、空気の出入りが止まる | 詰めているあいだ、空気が入れ替わらない |
| 耳を折り返して留める | 付け根に圧がかかり、耳の形が崩れる | 留めているあいだ、頭を振れない |
洗浄液を耳に流し込んで、そのあと拭き取るやり方も、家庭では避けてください。流せばにおいが消えますとはいきません。流し込んだぶんが奥に残ると、乾かない時間が長くなります。耳の中を洗うかどうかは、状態を見たうえで動物病院が決めることです。
代わりに置く手順 ― 耳を動かせる状態にしておく
やめたぶんに、何を置くか。「開ける」ではなく「動かせる状態にしておく」と考えると、手が決まります。やることは4つ、あわせて2分ほどです。
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耳のまわりの毛を軽くしておく
耳の外側と付け根の毛が厚いと、耳そのものが重くなって動きにくくなります。トリミングのときに、耳の外側と付け根まわりを薄くしてもらってください。耳の中の毛を抜くかどうかは、その子の耳の状態で変わります。家庭で判断せず、動物病院かトリマーに相談してください。
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濡れたあと、頭を振れる場所に置く
シャンプーのあと、雨の散歩のあと、水を飲んで耳が濡れたあと。この直後に狭いキャリーやサークルに入れると、頭を振れません。壁から離れた床で30秒、自由にしてください。頭を振る動き1回で、耳の中の空気はかなり動きます。
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入り口だけを拭き取り、奥は触らない
人差し指に柔らかい布を巻き、指の第一関節までを目安に、見える範囲だけを拭き取ります。奥に入れないでください。拭き取りは、においを取る作業ではなく、入り口に留まった皮脂を減らす作業です。片耳15秒で終わります。
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耳を持ち上げたら、そのまま手を離す
耳の中を見たあと、留めずに手を離します。自然に戻る角度が、その子にとっていちばん空気が動く角度です。持ち上げるのは見るときだけ、固定はしません。
部屋の側でできることもあります。耳のまわりの空気が動かない部屋では、耳の中の空気も入れ替わりにくくなります。寝床を壁ぎわの床に直接置いていると、頭のまわりだけ換気から外れます。寝床を壁から10cm離す、扇風機やサーキュレーターを天井に向けて回す。耳に風を当てるのではなく、部屋の空気を回すのがねらいです。
においが引くまでの順番
毎日の順番を、ひとつに決めておきます。においが強い日ほど、順番が入れ替わって手数だけが増えます。
- 1. 耳が濡れる場面のあとに、まず頭を振らせる(30秒、自由にする)
- 2. 入り口だけを拭き取る(片耳15秒。見える範囲まで)
- 3. そのあと、耳に触らない時間を作る(最低でも半日は、のぞきこまない)
- 4. 週に1回、寝床のカバーを洗う(耳が長く触れている面です)
3つめの「触らない時間」が抜けやすいところです。においが気になると、1日に何度も耳を持ち上げてのぞきこみます。そのたびに耳の角度が変わり、においの元も指先で動きます。やってはいけない3つをやめても、触る回数が多ければ同じことになります。
耳のにおいだと思っていたものが、寝床や食器に残ったにおいと混ざっていることがあります。寝床のカバーを洗い、食器を洗って乾かし、それから耳だけをもう一度嗅いでください。顔まわりのにおいは移りやすく、耳のケアだけを増やしても変わらないことがあります。切り分けてから、次の手を決めてください。
やってはいけない3つをやめて、代わりの手順に切り替えたら、2日を目安に見ます。耳は皮膚より短く区切る場所です。2日たってもにおいが同じか、強くなっているときは、家での手数を増やさずに動物病院にご相談ください。次のときは、2日を待たずに連れて行ってください。
耳を触ると痛がる、頭を片側に傾けたままにしている、まっすぐ歩けない、耳の入り口が腫れて閉じている、黒や黄色の湿ったものが出ている、生ぐさいにおいがする、耳を床にこすりつけ続けている、食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。相談の前に、耳を掃除しないでください。出ているものの状態そのものが、診察のときの情報になります。
頭を振る動きは、その子が自分でできるただ一つの換気です。ただし、振って出ていくのは空気のほうで、入り口の縁に乗った皮脂は、何度振っても同じ場所に残ります。振っても動かないものだけが、人の側の15秒に回ってきます。ここで使うものは、においを足さないほうが都合がよくなります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、香料を入れていません。拭いたあとに残るにおいがないので、翌日にもう一度嗅いだとき、前の日と同じ条件で比べられます。わずかに塩素のようなにおいを感じることはあります。布に含ませて、耳の外側、付け根まわり、顔まわりの順に一度ずつ。耳の中には入れないでください。2日を目安に見ると決めたなら、その2日は同じ順番で拭いてください。前の日と比べられるのは、こちら側の手が動いていないときだけです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
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商品ページを見るよくある質問
- シャンプーのあと、耳のまわりだけタオルで押さえるのは大丈夫ですか?
- 耳の外側と付け根を、乾いたタオルで押さえるのは構いません。こすらず、当てて水分を移すだけにしてください。避けたいのは、タオルの角を耳の中に差し込むことと、押さえたまま耳を折り返して固定することです。押さえ終わったら手を離して、頭を振れる状態に戻してください。
- 立ち耳の子でも、やってはいけない3つは同じですか?
- 同じです。立ち耳の子は空気が入れ替わりやすいぶん、においが出たときの理由が耳の中にあることが多くなります。ドライヤーや詰めものが逆に向かうのは形にかかわらず同じで、立ち耳の子はもともと開いているので、開けようとする手はそもそも要りません。
- 耳をよく振るのですが、振らせておいていいのでしょうか?
- 濡れたあとに数回振るのは自然な動きです。ただ、乾いているときに何度も振り続ける、片側だけを振る、振ったあとに床にこすりつける、といった様子があるときは、乾かす話ではありません。動物病院にご相談ください。振る回数と、片側だけかどうかをメモしておくと役に立ちます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
